JPS5852539Y2 - 潜動防止付電子式電力量計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子式電力量計に係り、特にその潜動防止回路
に関する。

電子式電力量計は、電力検出器により負荷電圧Ｖと負荷
電流ｉとの積ｖ−１に応じた直流電流を得て可制御パル
ス発生器に与え、このパルス数をカウンタにより計数す
るものである。

この電力量計において、負荷電流ｉが零であれば、理論
上は計量動作をしない筈であるが、実際上は誘導形電力
量計におけると同様に誤った計量動作をすることがある
。

これがいわゆる潜動である。そして、この対策として誘
導形電力量計では回転板に穴を明けることが行われてい
る。

しかしながら、電子式電力量計ではこのような対策が未
だ不充分である。

本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、潜動を生じ
ない電子式電力量計の提供を目的とする。

この目的を達成するため、本考案は、負荷電流またはそ
れに対応する入力を零にする要素を設け、この要素の動
作時に制御信号を電力検出器またはパルス発生器からカ
ウンタまでの何れかに与えることにより、負荷電流が零
のときに計量を行わない電子式電力量計として構成され
たものである。

以下添付図面を参照して本考案の実施例を説明する。

図は本考案の一実施例を示したもので、ここでは単相ラ
インに適用した場合を示す。

図において、ＰＴは電圧変換作用を行う計器用変圧器、
ＣＴは電流変換作用を行う変流器であり、これらの各出
力信号は電力検出器Ｗに与えられる。

電力検出器Ｗは計器用変圧器ＰＴの出力Ｖおよび変流器
ＣＴの出力ｉとにより、 Ｗ””ｖ−ｉ ｏｃ Ｉ なる動作を行い、電力に比例した直流信号■を形成して
パルス発生器Ｐに与える。

パルス発生器Ｐは直流信号■に比例したパルスを、必要
に応じて設けられるゲートＧおよび分周器りを介してカ
ウンタＦに与える。

これによりカウンタＦには電力に比例したパルスが刻々
与えられ、その計数値は電力量を表わす。

この場合に電力検出器Ｗあるいはパルス発生器Ｐは、一
般に増幅器などと同様に零点オフセットがあり入力が零
でも出力が生じることがある。

これがすなわち潜動の直接的原因である。

そこで製作当初において電力検出器Ｗなどは厳密に零点
調整を行ない入力零のとき出力も零にして潜動の無いよ
うにする。

然しこの調整はとくに電力検出器Ｗに関しては手間を要
し且つ変化しやすい。

そこで本考案では上記零点オフセットの有無を周期的に
検出して自動的かつ迅速にオフセットまたはこれによる
潜動を零にさせる。

これには変流器ＣＴの出力信号をスイッチＳ等により周
期的に一定時間だけ零にして電力検出器Ｗの入力を零と
する。

このとき電力検出ｂＷに零点オフセットがあれば電力検
出器Ｗの出力つまり図における■か存在するからこれに
基づき制御回路Ａからオフセットあるいは潜動を強制的
に零にするための制御信号が送出される。

すなわち、制御信号は例えば変流器出力信号ｉをスイッ
チＳにより零にしたときに送出され得るもので、後述の
ようにそのまま保持して電力検出器Ｗのオフセットを自
動消去するか、あるいはパルス発生器Ｐを逆バイアス印
加等により制（２）する。

伺れにしても電力量計全体としてみて変流器出力信号で
の実効値が零のときパルス発生部Ｐおよびそれ以降の要
素の動作を停止させる結果が得られる構成であれハヨい
。

パルス発生を停止するには、パルス発生器Ｐの入力側あ
るいは電力検出器Ｗに出力を打消すように逆の信号を与
えるようにすればよい。

この動作、停止とかパルス発生精度とかを試験するため
、パルス発生器Ｐの出力側には試験端子が設けられてお
り、試験パルスを送り出す。

制御回路Ａの出力■“は、図において破線で示すように
、分局器りに与えたり、パルス発生器ＰからカウンタＦ
に至る途中の伺れかに設けたゲートＧに与え現り、また
電力検出器Ｗ自体の入力側、出力側その他適当な個所に
与えて直流信号■を零としてカウンタＦを停止できる。

この制御回路Ａの入力は、変流器ＣＴの２次から得すに
、図示しない専用の電流検出器Ｔまたは電力検出器Ｗ内
の対応個所から得てもよい。

そして、専用の電流検出器としては、簡単なトランス方
式によるものの外、半導体検出方式によるもの等とか、
変流器ＣＴに３次巻線を設けること等によってもよい。

とくに電力検出器Ｗ自体を利用しそのｉ個入力が一時的
に零になったときの残留直流信号■を用いてよい。

また、パルス発生器Ｐが正、負何れの入力でも動作可能
なものを用いているとすれば、負の成分を除去する必要
があり、この目的で一点鎖線で示す位相検出器が設けら
れており、この出力により同期スイッチＳを動作させる
。

図示実施例では実際の負荷電流いかんに拘らず、変流器
ＣＴの２次側すなわち電力検出器Ｗの電流入力側を開閉
するように、制御回路Ａ内に同期スイッチＳを設ける。

これにより電力検出器Ｗへの入力電流信号を一時的に零
にしたときになおも生じている電力検出器Ｗの出力であ
る直流信号Ｉまたはこれに相当する出力信号■′１を得
、制（財）回路Ａを介して制御信号■“とし電力検出器
Ｗ自体に与え、直流信号■または■′□を零にさせるか
、またはパルス発生器Ｐ等に与えてパルスを停止させて
もよい。

出力信号Ｉ′ｌに代えてパルス発生器Ｐからの信号Ｉ′
２を用いてもよい。

そして制御信号Ｉ“を例えばコンデンサ等にアナログ的
に、またはデジタルメモリに一時的に記憶しておき、同
期スイッチＳを定期的に動作させるようにすれば、負荷
電流が実際に零になることを待つことなく常時潜動防止
動作を行うことができる。

同期スイッチとしては、例えば適当なタイミングで信号
を発する発振器や、電源または分局器り等に同期して動
作させ得るものを用いることができる。

本考案は上述のように、負荷電流信号を零もしくはそれ
に近い所定レベル以下にする要素を設け、この要素動作
時に制御信号を電力検出器、パルス発生器からカウンタ
に至るまでの何れかの要素に与えて潜動分を除去するよ
うにしたため、負荷電流が零のときに誤計量することの
ない電子式電力量計を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すブロック線図である。 Ｗ・・・・・・電力検出器、Ｐ・・・・・・パルス発生
器、Ｇ・・・・・・ゲート、Ｄ・・・・・・分周器、Ｆ
・・・・・・カウンタ、Ａ・・・・・・制御回路、Ｓ・
・・・・・同期スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 測定電圧および測定電流を電子回路に適した小信号に変
   換した後それらの積に対応した出力信号を形成する電力
   検出器と、この電力検出器の出力に対応した周波数のパ
   ルスを発生するパルス発生器と、このパルス発生器の出
   力パルスを計数表示するカウンタとをそなえた電子式電
   力量計において、前記測定電流に対応した前記小信号を
   周期的に零または零に近い所定レベル以下にする信号制
   御回路をそなえ、この制御回路の動作により前記小信号
   が零または零に近い所定レベル以下になったときの前記
   電力検出器の零点オフセット出力を検出してこれを自動
   消去するかまたはこの零点オフセット出力に基づきパル
   ス発生器を制御し前記測定電流が零のとき前記パルス発
   生器の出力パルス周波数が零になるようにしたことを特
   徴とする潜動防止付電子式電力量計。