JPS5851922Y2 - 汚水処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来の汚水処理装置は上方の円筒形の汚水槽と下方の漏
斗状の沈澱槽から成る汚水タンクに汚物、汚泥等を含ん
だ汚水を前記タンク内に送水管により送水すると共に薬
液をタンク内に混入させて、汚物、汚泥等を沈澱槽に沈
澱させ、殺菌した後その上澄の浄化水を排水管より排水
していたが、汚水の流速が大きいために汚物、汚泥等が
水と一緒に攪拌させてしまい沈澱槽に汚物、汚泥等がな
かなか沈澱せず、又汚水の送水は一本の送水管即ち一個
所から行なわれるので汚水はタンク内で渦巻流となり、
水と汚物、汚泥等が分離せずに汚物、汚泥等が汚水槽ま
で上昇してしまうことが有り、上澄みの浄化水が得られ
にくくなり、その処理能力が低下するという不具合があ
った。

そこで本考案は、汚水タンク内で渦巻流を生じさせずに
浄化水と汚物、汚泥等を完全に分離させて排水し、迅速
に処理し得るようにした汚水処理装置を提供せんとする
ものである。

本考案実施の一例を図面により説明すると、汚水タンク
本体Ａは正八角形又は正中二角形等の多角逆錐筒体状に
成型し、その上方の筒体部を汚水槽１となし、下方の逆
錐体部を沈澱槽２となし、汚水槽１の上面に蓋板１０を
被蓋すると共にその上面に流速緩和槽３を載置する。

汚水槽１の上周縁にはオーバーフローした浄化水を溜水
排出、せＬめる溜水路１３を形成し、且下周縁には汚水
を汚水タンク本体Ａに分散送水せしめる通水孔７を開穿
せしめた側水路５を設け、前記流速緩和槽３と側水路５
とを連絡管６で連通し、汚水槽１内には上澄された浄化
水を上方より取り出す取水管９を貫挿起設し、汚水槽１
の底面は開口して、同側を同一体に逆錐体状に形成した
沈澱槽２を垂設取り付ける。

沈澱槽２は逆多角錐体状に形成し、その底端頂部に沈澱
した汚物等を排出せしめる排出管８をバルブ１２を介し
て取り付ける。

流速緩和槽３は汚水タンク本体Ａの蓋板１０の上面に取
り付は固定され、流速緩和槽３の上部に汚水を汚水タン
ク本体Ａに送り込む送水管４を配管せしめると共にその
汚水を滅菌、殺菌せしめるように薬液管１１を配管し、
流速緩和槽３の下部には汚水槽１の底周縁に設けた側水
路５に連通ずるように連絡管６を連通せしめる。

従って送水管４を通じて強力なる流速をもって汚水は一
旦流速緩和槽３の内壁に突き当り減速し、緩和され、滅
菌、殺菌され、且緩和せる汚水は連絡管６を通り、側水
路５を回流し、通水孔７より静かに汚水槽１内に送水さ
れる。

側水路５は汚水槽１外壁の下方に位置し、汚水槽１の全
周に渉って形成されており、その形状は断面コ型状を呈
し、汚水槽１と同じく多角形の環状の閉水路である。

汚水槽１の前記側水路５に対応する壁面には所定の間隔
毎に通孔７を穿設し、用水路５と汚水タンクＡ内を連通
せしめると共に用水路５と上記流速緩和槽３とに渉って
連絡管６を接続する。

連絡管６は一方端を流速緩和槽３の送水管４を取り付け
た側面の下部に取り付けられ、他方端は用水路５に連通
し、流速緩和槽３内の汚水を用水路５へ送水する。

而して送水管４より汚物、汚泥等を含んだ汚水を送水す
ると、汚水は先ず流速緩和槽３に流れ込むが、その際送
水管４よりも流速緩和槽３は遥かに大きいので、汚水は
その流路面積の急拡大に伴って流速が落ちると共に汚水
は流速緩和槽３内の壁面に衝突して更にその流速が落さ
れる。

その際に薬液管１１より薬液を流速緩和槽３内に注入す
ると薬液は汚水と共に用水路５の通水孔７より汚水タン
ク本体Ａ内に散布され、汚水は滅菌又は殺菌されて上澄
は浄化水となる。

この浄化水は汚水槽１内を上昇し、取水管９の開口部に
流れ込んで取水管９を通って汚水タンク本体Ａ外部へと
排水される。

そしてオーバーフローした浄化水は溜水路１３に溜水し
適宜手段（図示せず）で排水する。

溜水路１３は、汚水槽１から溢れた上澄水を一旦溜める
ための水路で、上澄水を溜めることによって、溢流時に
おける上澄水の流速を落し、かつ振動を少なくして、上
澄水の溢流時に汚泥、汚物等が、上澄水に混じって溢流
しないようにすると共に、取水管９から、汚泥、汚物の
混じった上澄水が排出されないようにする。

流速の落ちた汚水は連絡管６を通って用水路５へと導か
れ、用水路５を形成する汚水槽１の外壁面に衝突して用
水路５の左右へ分かれるが、用水路５は多角形の環状の
閉水路であるので、流速がおとろえ、汚水は用水路５内
で減速されて汚水槽１の壁面に穿設した複数の通水孔７
より汚水タンクＡ内へと静かに流出する。

汚水タンクＡ丙に流出した汚水はその量が増えてくるに
従って汚物、汚泥等は沈澱槽２に沈澱し、汚水は浄化さ
れ、浄化水と汚物、汚泥等に分離する。

次に沈澱槽２に沈澱した汚物、汚泥等が一定量に達した
時排出管８のバルブ１２を開ければ、汚物、汚泥等は水
圧又は吸引機等により排出管８を通って汚水タンク本体
Ａ外部へと排送され、別の処理設備へと送られる。

本考案は叙上の如く構成したので送水された汚水は流速
緩和槽及び用水路によって減速され、且渦巻流はなくな
り、汚水処理が円滑にできる。

従って汚水の汚物、汚泥等が速やかに沈澱槽に沈澱し、
浄化水と汚物、汚泥等の分離を迅速に行うことが出来る
と共に汚水処理装置の処理能力を一段と向上させること
が出来る。

更に汚水を流速緩和槽に送り込むだけで、全く動力を必
要とせずに一連の汚水処理作業が行えると共に汚物、汚
泥等は沈澱槽に沈澱し、水圧により加圧されるので排出
管から一括して自由に排出することが出来る効果がある
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の正面図で一部切欠して示し、第２
図は同平面図で一部切欠して示す。 尚図中 Ａ・・・・・・汚水タンク本体、１・・・・・
・汚水槽、２・・・・・・沈澱槽、３・・・・・・流速
緩和槽、５・・・・・・用水路、６・・・・・・連絡管
、７・・・・・・通水孔、８・・・・・・排出管、９・
・・・・・取水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多角筒状に形成した汚水槽と逆多角錐状に形成した沈澱
   槽とより成る汚水タンク本体の汚水槽の上面に流速緩和
   槽を設け、汚水槽の側壁底周縁に通水孔を開穿した側水
   路を形成すると共に汚水槽内に取水管を貫挿せしめ、前
   記流速緩和槽と側水路とに渉って連絡管を連通し、沈澱
   槽の下端に排出管を取り付けた汚水処理装置。