JPS5851369Y2 - 自動車排気ガス浄化用触媒コンバ−タ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車エンジンの排気系に装備されて排気ガ
ス中の有害成分を浄化処理する触媒コンバータ装置の改
良に関するものである。

水平対向型エンジンの排気系に装備される触媒コンバー
タ装置として、本出願人は先に、第１図に示す形態のも
のを提案した。

すなわち水平対向型エンジンの排気系は、エンジン本体
１の左右のシリンダの排気口に連設される２本の排気管
２゜３が、途中で集合されてマフラ（図示省略）に通ず
る１本の排気管４に接続される形式であるところから、
その上流側の２本の排気管２，３と、下流側の排気管４
との集合部の個所に、水平方向に長軸をもった断面橢円
形の触媒コンバータ５を配置し、そして特に上流側の２
本の排気管２，３をその各軸方向中心線が触媒シェル６
の内部に収容された触媒担体１のガス入口側端面近傍で
互に交叉するように、シェル６の軸方向中心線に対して
斜めに逆八字形をなすごとく対向して連設することによ
り、上流側の２本の排気管２，３を通って触媒シェル６
内に入る排気ガスが、触媒担体７の入口側端面１′に向
けて拡散された状態で、かつこの端面１′に対し斜めに
衝突させて触媒担体７の内部を排気ガスが低い流速で通
し抜けるようにして、ハニカム型（モノリス）の触媒コ
ンバータにおいてもその浄化性能が充分に確保されるよ
うにした触媒コンバータ装置を提案した。

ところで、この種の触媒コンバータにおける触媒担体は
、蜂の果形の車−構造体からなる触媒担体を、その外周
にワイヤメツシュを巻付けると共に両端外周部にダンパ
メツシュを圧接介装することで、触媒シェルの内部にお
いて径方向及び軸方向に弾性的に収納支持してなるが、
上記ワイヤメツシュは、ワイヤを網目状に編んで波形に
凹凸を付けた構造のものであり、それと触媒シェル内面
との間の接触面積、摩擦力は少ない、そのため、前記し
たように水平対向型エンジンの排気系に装着される触媒
コンバータ装置では、そのエンジンからの左右方向の振
動力が触媒シェル、及び七の内部に収納されている触媒
担体に作用すると、上述のようにワイヤメツシュと触媒
シェルの間の摩擦力が小さいので、ワイヤメツシュと共
に触媒担体が欄内断面の長軸方向に滑って可動すること
がある。

また、触媒コンバータは排気ガス温度で高温（３００〜
６００℃）に加熱され、触媒シェルとワイヤメツシュの
間には熱膨張差を生じてメツシュ保持力が低下する関係
から、特に上述の触媒担体の可動が生じ易い。

本考案はこのような事情に鑑み、触媒シェルの側におい
てワイヤメツシュの滑りを機械的に止めて、触媒コンバ
ータの左右方向に加振力が作用した場合にも触媒担体が
可動しないように改良した自動車排気ガス浄化用触媒コ
ンバータ装置を提供しようとするものである。

この目的のため本考案による触媒コンバータ装置は、触
媒シェルを構成する２つ割りされた上下一対の半割シェ
ルの内面に、内側に突出する突起を設け、この突起をワ
イヤメツシュに強く押付けて可動しないように保持させ
たことを特徴とするものである。

なお、触媒担体の支持構造の改良に関する先行技術例と
しては、特開昭４９−４９０２０号公報あるいは特開昭
５０−１１６８１３号公報に記載のものが知られている
が、これらに対し本考案は、触媒シェル内に触媒担体を
収容支持するに際し、該担体の外周にワイヤメツシュを
、また両端部にダンパメツシュを介在させることにより
触媒担体をその径方向および軸方向に弾性的に支持する
と共に、上記触媒シェルの内面にワイヤメツシュに食い
込んでその移動を阻止する突起を設けた点に特徴を有し
、上記先行技術とは構造を全く異にするものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を具体的に説明す
る。

第１図に示されるように、本考案による触媒コンバータ
装置が適用される自動車エンジンの排気系は、例えば水
平対向型エンジンにみられるように、エンジン本体１の
左右のシリンダの排気口に連設される２本の排気管２：
３が、途中で１本に集合されて、マフラ（図示省略）Ｖ
Ｃ通ずる排気管４に接続される形式のものを前提にして
おり、このような排気系において、その上流側の２本の
排気管２，３と、下流側の排気管４との集合部の個所に
、触媒コンバータ５が配置されて、この触媒コンバータ
５を介して２本の上流側排気管２，３が集合され、下流
側の排気管４へ連通するようにしている。

触媒コンバータ５は、第４図に示されるように断面楕円
形状の筒形をなす触媒シェル６を有し、この内部にハニ
カム型触媒担体１を収容し、かつシェル６の外周を保護
カバー８で包囲した構造のもので、触媒は耐火セラミッ
ク単一構造体の三元触媒である。

上記触媒シェル６は、第３図に分解して示されているよ
うに、２つ割りされた上下一対の半割シェル６１，６２
からなり、これらは耐熱性、耐食性の優れたステンレス
・スチール等の金属板をプレス加工により成形されたも
のである。

この上下の半割シェル６１，６２は、互いに対称的に成
形されたもので、断面半楕円形状の胴部６１ａ。

６２ａを中央にしてその両側に、断面半濁斗状のテーパ
部６１ｋ）ｔ６１ｃおよび６２ｂｔ６２ｃが一体成形さ
れてあり、かつ一方のテーパ部６１ｂ。

６２ｂには端部の接合面に断面半円弧状の２個の筒口６
１ ｄ ｔ ６１ ｅおよび６２ ｄ ｔ ６２ ｅが
、また他方のテーパ部６１ｃ、６２ｃにはその反対側の
端部の接合面に１個の筒口６１ｆ、６２ｆが一体成形さ
れている。

そして、これら一対の′半割シェル６１，６２を、その
対向縁に形成したフランジ６１ｇｔ６２ｇで互いに衝き
合せ接合することで、胴部６１ａ、６２ａにより触媒収
容室９が形成され、また一方のテーパ部６１ｂ、６２ｂ
によりガス入口室１０が形成され、他方のテーパ部６１
ｃ、６２ｃによりガス出口＊１１が形成されると共に、
筒口６１ ｄ ｓ ５１ ｅと６２ｄ ｓ ６２ｅとに
より２個のガス入口ポー）１２．１３が形成され、さら
に筒口６１ｆ 、６２ｆにより出口ポート１４が形成さ
れる。

この場合、とくに２個のガス入口ポート１２゜１３は、
その各軸方向中心線が触媒収容室９の入口側で互いに交
互するように、胴部６１ａ、６２ａの軸方向中心線に対
して逆ハ字状をんすごとく斜め外向きに開口して、入口
ポーＮ２，１３に対し触媒担体１の端面が楕円形をなす
ように構成されてあり、また、出口ポート１４は半割シ
ェルの胴部軸心線に対して一方へ偏位して開口されてい
る。

また上記半割シェル６１，６２゛を接合するにあたって
は、その前段の半割り状態のとき、例えば一方の半割シ
ェル６１の胴部６１ａの内部にワイヤメツシュ１５を介
して触媒担体７を収納し、その触媒担体７のガス入口側
および出口側の両端外周部に接してダンパメツシュ１６
．１７を収納スる。

このダンパメツシュ１６，１７のうちの一方のダンパメ
ツシュ１６は、半割シェル６１，６２の月冊邪６１ａ、
６２ａとテーパ部６１ｂ、＄２ｂの境の段部１８に挾み
込まれ、他方のダンパメツシュ１Ｔは胴部６１ａｔ６２
ａと他方のテーパ部６１ｃ、６２ｃの境の段部１９に挾
み込まれて、触媒担体７が軸方向前後に移動するのを弾
性的に阻止するようにしている。

このようにして一方の半割シェル６１内に触媒担体γ等
を組付けた後、これに他の半割シェル６２を被ぶせて周
囲を溶接することにより、一対の半割シェル６１，６２
が一体化されて筒状に構成される。

かくして半割シェル６Ｌ６２の内部に触媒担体１が、ワ
イヤメツシュ１５とダンパメツシュ１６．１７とで弾性
的に支持して収納され、かつワイヤメツシュ１５とダン
パメツシュ１６及び１７０間も緊密に圧接されてガスの
シール性が確保されるようになり、このように構成され
た触媒シェル１６０入口ポー）１２．１３に、前記上流
側排気管２，３の管端をそれぞれ挿入して接合し、出口
ポート１４に下流側排気管４を接合することで、触媒コ
ンバータ５が排気系の集合部に組付けられる。

また、第４図と第５図に示されるように、本考案では触
媒シェル６を構成する半割シェル６１゜６２の胴部６１
ａ、６２ａに、長方形の突起２０゜２１が設けられてい
る。

これらの突起２０．２１は、プレス加工等により半割シ
ェル内側に突出し、かつ直角な角部を有するように形成
されたもので、さらに突起２０，２１は第５図に示され
るように、胴部軸方向に平行な突起２１ａと、それに直
交する突起２１ｂとを交互に配置して円周方向２列に並
設されており、触媒担体Ｔの収納時にこれらの突起２０
，２１がワイヤメツシュ１５の外周部に深く食い込むよ
うになる。

更に、触媒コンバータ５にはシェル６の外周を囲むよう
にして上下に一対の保護カバー８，８′が取付けられる
が、これらの保護カバー８，８′は第１図、第２図から
明らかなように、触媒シェル６の合体形状の半割りに略
相似した形状をなし、外周３個所の部分２２，２３，２
４に排気管２゜３．４を嵌合する絞りが設けられて、こ
の個所でボルト２５，２６，２７により触媒シェル６に
固定されている。

なお上下の保護カバー８，８′は、上記の３個所の固定
部を除く略全周にわたってその上下の合せ部が所定の対
向間隔をもって離間されて空気を通す開口が形成され、
またカバー８゜８′とシェル６の外周面との間には通風
間隙が形成されていて、カバー８，８′が触媒シェル６
の保護の外に空気冷却の機能も兼ねさせるようにしてい
る。

本考案による触媒コンバータ装置は上述のように構成さ
れているので、エンジン本体１の左右シリンダから排出
される排気ガスは、所定のタイミングで交互に２本の排
気管２，３を通って触媒コンバータ５の入口ポート１２
．１３から触媒シェル６内に入り、触媒担体Ｔの入口側
端面７′に向けて拡散された状態で、その端面７′に対
して斜めに衝突するようになる。

この結果、排気ガスは触媒担体Ｔの入口側端面Ｔ′の全
域にわたって均一に拡散され、かつ担体Ｔのガス通路に
対し斜め方向から入り、その通路内をジクザグ状に通り
抜ける。

また、触媒シェル６の出口側においてガス出口ポート１
４が一方に偏位して設けられ、これによっても排気ガス
の流れが抑制されるので、全体的に排気ガスは低い流速
で触媒担体Ｔの内部をほぼ均一に流通し、この間にＣｏ
、ＨＣの酸化作用とＮＯｘの還元分離作用による浄化が
行われる。

また、触媒シェル６の内部においては、触媒担体７の外
周に巻付けられたワイヤメツシュ１５に半割シェル側の
突起２０．２１が食い込んで、そのワイヤメツシュ１５
を局部的に強く押付けるため、ワイヤメツシュ１５の押
付けられた部分は大きく撓んにで突起２０．２１と強い
力で密着する。

一方このように突起２０．２１がワイヤメツシュ１５に
食い込むことで、逆にワイヤメツシュ１５は突起２０，
２１に引掛ってその動きが阻止されこうしてワイヤメツ
シュ１５と触媒担体Ｔの可動が防止される。

特に、突起２１ ａ 、２１ ｂの２種類の成分により
ワイヤメツシュ１５等は円周方向と軸方向の２方向の可
動が防止される。

従って触媒シェル６とワイヤメツシュ１５０間に加熱に
よる熱膨張差を生じ、かつエンジン本体１の振動や排気
ガスの排出等により触媒シェル６及びその内部の触媒担
体７が左右、前後方向に加振されても、ワイヤメツシュ
１５と共に触媒担体Ｔは触媒シェル６の内部で滑って動
くことはなく一体的に保持される。

かくして本考案によれば、ハニカム型の触媒コンバータ
においても、その浄化性能を最大限に発揮することがで
き、また、メツシュ保持力が増大すして触媒シェル６の
内部でのワイヤメツシュ１５の滑りによる触媒担体７の
可動が確実に防止されるので、触媒担体７の破損や、振
動による異音の発生がなくなると共に、常時排気ガスが
一定の状態で円滑に触媒担体７の内部に流入するように
なる。

さらにワイヤメツシュ１５の滑り止めは、突起２０．２
１をワイヤメツシュ１５に押付げるだげの構成であるか
ら、構造が簡単で、組立て、分解が容易である。

なお、本考案は水平対向型エンジン以外のエンジンにも
適用されることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による触媒コンバータ装置の一実施例を
示す平面図、第２図はその触媒コンバータの水平断面図
、第３図は同分解斜視図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ
断面図、第５図は触媒コンバータの平面図である。 １・・・・・・エンジン本体、２，３・・・・・・上流
側排気管、４・・・・−・下流側排気管、５・・・・・
・触媒コンバータ、６・・・・・・触媒シェル、７・・
・・・・触媒担体、８，８く・・・・蘇護カバー、９・
・・・・・触媒収容室、１０・・・・・・ガス入口室、
１１・・・・・・出口室、１２，１３・・・・・・ガス
入口ポート、１４・・・・・・ガス出口ポート、２０，
２１・・・・・・突起、６１．６２・・・・・・半割シ
ェル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンの排気口に連設される複数本の排気管を途中で
   一本に集合してマフラに連通させる排気系において、上
   記排気管の集合部の個所に、水平方向に長軸をもった断
   面橢円形の触媒コンバータを配置させ、該触媒コンバー
   タは、２つ割りされた上下一対の半割シェルを一体化し
   てなる触媒シェルの、ガス入口側に設けられた少くとも
   ２個の入口ポートを上流側の複数本の排気管に各別に接
   続し、ガス出口ポートを下流側の排気管に接続すると共
   に、かつ上記触媒シェルの内部に触媒担体を、その外周
   にワイヤメツシュを巻き付けると共に両端外周部にダン
   パメツシュを圧接して収納することにより構成し、更に
   上記半割シェルの上下周面に、内側に突出する突起を設
   け、該半割シェルの一体化の際に上記突起を上記ワイヤ
   メツシュに強く押付けて可動しないように保持させるこ
   とを特徴とする自動車排気ガス浄化触媒コンバータ装置
   。