JPS584980B2 - 回流水槽の水面増速装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、閉水路内で水を回流させることにより各種の
実験を行なうための回流水槽の改良に関し、特に回流水
槽の測定部上流側水面に沿う水流を増速させるための装
置に関する。

一般に、回流水槽としては第１図に示すようなものがあ
り、回廊状に形成された流路１は閉ループ状に構成され
ており、この流路１においてインペラ２がモーター３で
回転駆動されると、流路１内を循環する水流が発生する
ようになっている。

すなわち、インペラ２により発生した水流は、案内翼４
，４′の案内作用を受けて流路１の各コーナ一部を円滑
に流動し、整流格子５およびノズル部６を経由して測定
部Ｔへ導ひかれてから、他のコーナ一部における案内翼
８，８′を経て再びインペラ２の配置場所へ戻って（る
。

その際、測定部Ｔでは、例えば模型船が浮かべられて、
この模型船の周りにおける渡場や圧力の計測実験が行な
われる。

このようにして回流水槽は様々なモデル実験に利用され
ているが、測定部７における水面に＆５水流が水面下の
水流よりも低い流速になるという現象があり、測定流路
の横断面において水流の速度を均一にすることができな
いという不具合があった。

そこで従来、第２図に示すように、測定部７の上流側に
、吸込み装置９を設けて、水面１０に沿う水流の速度を
増加させるようにしたものや、そのほか噴流装置や回転
子を用いて水面付近の流速を増加させるようにしたもの
が提案されているが、いずれも測定部７における水面１
０に乱れを生じて、良好な実験環境を得ることができな
いという問題点がある。

本発明は、このような問題点を解決しようとするもので
、回流水槽の測定部における水面に乱れを生じさせるこ
となく、その水面に沿う水流の速度を増加させることに
より、水深方向に均一な速度分布を得られるようにした
回流水槽の水面増速装置を提供することを目的とする。

このため本発明の水面増速装置は、回流水槽の測定部上
流側において、複数の回転輪に支持されて一部を水面に
＆５水流に接触せしめられた無端ベルトをそなえ、同無
端ベルトが上記水流を増速させるべく上記回転輪を介し
て駆動可能に配設されたことを特徴としている。

上述の本発明の回流水槽の水面増速装置によれば、回流
水槽の測定部上流側において、一部を水面に沿う水流に
接触せしめられた無端ベルトが、回転輪を介し駆動され
て、測定部の水面に沿５流れに乱れを発生させることな
く、その流速を増すことができ、これにより同測定部に
おける水深方向の流速分布の均一化がはかられるので、
きわめて理想的な実験環境を得られる利点がある。

以下、図面により本発明の一実施例としての回流水槽の
水面増速装置について説明すると、第３図は第２図に対
応させて本発明の水面増速装置をそなえた回流水槽を示
す縦断面図、第４図は上記本発明の装置における無端ベ
ルトの装着状態をその駆動手段と共に示す側面図、第５
図は第４図の７部を拡大して示す部分側面図であって、
回流水槽Ｔの測定部１１の上流側（第３図では左側）に
は、整流格子１２とノズル部１３とがそなえられている
。

そして、ノズル部１３の出口には、無端ベルト１４がそ
の一部を水面１５に沿う水流１５ａに接触すべく３個の
回転輪１６〜１８により支持されていて、各回転輪１６
〜１８は三角形の各頂点の位置に配置されている。

第４図に示すように、定位置に設けられた駆動輪として
の回転輪１６は、モーター１９で回転駆動されるように
なっており、これにより無端ベルト１４は矢印の方向に
駆動されて、その水流１５ａに接触する下面が、測定部
１１へ向かって移動し、この水流１５ａを増速させるよ
うになっている。

また支持輪としての回転輪１７，１８は、それぞれスラ
イドレール２０，２１に沿って位置調整可能に、すなわ
ち移動および固定可能に配設され、一方の回転輪１７は
水平方向に、他方の回転輪１８は垂直方向にそれぞれ移
動できるようになっている。

このようにして各回転輪１６〜１８の相対位置を変える
ことにより、水面１５に沿う水流１５ａに接触する無端
ベルト１４の下面の面積を自由に変えることができ、こ
れにより測定部１１における水面１５に＆５水流１５ａ
の速度を制御することができる。

なお回転輪１７，１８の位置固定はボルト・ナツト（図
示せず）により行なわれる。

さらに無端ベルト１４と水面１５との接触状態について
詳しく示すと、第５図のような状態になっている。

すなわち無端ベルト１４はその下面１４ａが水面１５に
沿う水流１５ａと接触し、その上面１４ｂは水流１５ａ
に接触していないので、回転輪１６゜１１等により水面
１５に乱れを与えることが十分に防止されるのである。

本発明の回流水槽の水面増速装置は、上述のごと（構成
されているので、水流が整流格子１２およびノズル部１
３を経て測定部１１へ流入すると、測定部１１の水面１
５にａ５水流１５ａは、第４図中矢印方向に作動する無
端ベルト１４の摩擦力を受けてその流速を増加せしめら
れる。

その際、無端ベルト１４と水面１５に沿う水流１５ａと
の接触面積は、各回転輪１６〜１８の相対位置を変える
ことにより調整され、また無端ベルト１４の作動速度も
、モーター１９を制御することにより調整される。

このように無端ベルト１４０回転速度と、上記接触面積
とを適切に調整して、測定部１１の横断面における流速
分布が均一になるように、水面１５に沿う水流１５ａの
増速作用が制御されるのである。

なお無端ベルト１４を測定部１１よりもかなり上流に配
設できる場合は、回転輪１６．１７等による水流の乱れ
が測定部１１へ到達するまでにおさまるので、無端ベル
ト１４の下面１４ａのみならず上面１４ｂも水没させて
、水流１５ａに与える無端ベルト１４の摩擦力を倍増さ
せることができる。

以上詳述したように本発明の回流水槽の水面増速装置に
よれば、無端ベルトの一部が水面に沿う水流に接触して
これを円滑に増速させることかでき、測定部における水
面に乱れを起こすことな（水流の速度の均一化をはかる
ことが可能となるのであって、これにより精度の高い水
槽実験を行なえる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は従来の水面増速装置をそなえた回流水槽を
示すもので、第１図はその平面図、第２図は第１図の■
−■線に沿う縦断面図であり、第３〜５図は本発明の一
実施例としての回流水槽の水面増速装置を示すもので、
第３図は第２図に対応させて本発明の水面増速装置をそ
なえた回流水槽を示す縦断面図、第４図は上記本発明の
装置における無端ベルトの装着状態をその駆動手段と共
に示す側面図、第５図は第４図の７部を拡大して示す部
分側面図である。 １１・・・・・・回流水槽Ｔにおける測定部、１２・・
・・・・整流格子、１３・・・・・ノズル部、１４・・
・・・・無端ベルト、１４ａ・・・・・・無端ベルトの
下面、１４ｂ・・・・・・無端ベルトの上面、１５・・
・・・・水面、１５ａ・・・・・・水面に沿５水流、１
６〜１８・・・・・・回転輪、１９・・・・・・モ−タ
ー、２０，２１・・・・−・スライドレール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回流水槽の測定部上流側において、複数の回転輪に
   支持されて一部を水面に沿う水流に接触せしめられた無
   端ベルトをそなえ、同無端ベルトが上記水流を増速させ
   るべ（上記回転輪を介して駆動可能に配設されたことを
   特徴とする、回流水槽の水面増速装置。