JPS5848097B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はネマテイツク液晶の電界効果モードを用い、偏
光板を使用して電気的変調を受けた部分を文字、数字等
として検出する液晶表示装置に関するものである。

更に詳しくは透過型液晶表示装置に於いて、液晶分子の
配向変化を液晶セル前後の光路中に設けた偏光板によっ
てパターンを現出させ、この光路中に鏡を設け、光路を
鏡で反射させ鏡像を読みとる方式に関するもので、これ
等の配置に於で背景もしくは明視野部分をセル９＋測に
設けた透過性拡散板によって得る為の拡散板及び偏光板
の配置に関するものである。

液晶表示器は従来列光が強ければすなわち周囲が明るけ
れば明るいほど表示が見易いと云われていたが、実際は
周囲が明るすぎると、液晶表示面での列光の反射や迷光
によって識別したいパターンに煩しい光が混入し、表示
面の見掛上のコントラストの低下が生じて見に＜＜ナる
欠点があり、又充分なコントラストを得ようとすると、
表示が暗くなり補助的な照明手段が必要になったり、更
に高い商品性を持つ為カラー表示にしようとするとやは
り表示の輝度が得られない等実用的表示を行うのに種々
の欠点を有していた。

この発明はこれ等従来方法を詳細に検討し、これ等の欠
点を取り除く極めて高いコントラストのしめミも明るく
見易い表示を液晶の有する長所を失わずに実現し得る方
法を見出したことに基く。

即ち従来方法に於いての有する欠点を第１表に示す。

第１表のＡ−Ｈまでは従来用いられたり試られた方法で
、これ等について簡単に説明する。

Ａは従来最も良く知られた構造もので、電圧の印加によ
って光学的変化を受けた液晶はいわゆる動的散乱（Ｄｙ
ｎａｍｉｃ Ｓｃａｔｔｅｒｉｎｇ＝ＤＳ）現象を生
じ、光を散乱する効果を有する。

この散乱部と非散乱部の光学的差異によって所定のパタ
ーンを識別しようとするものである。

現在までの技術に於いてはこの散乱の強度は充分犬きく
ナく、従って透明な電極間に形成されたこの散乱像を暗
い背景の前で観測しようとすると極めて見難く、従って
対向する一方の電極又は面を反射鏡とし、弱い光拡散性
を光路を往復させることによって実質的に散乱強度を上
昇させている。

然しこの構或に於いては光学的変化を生じていない部分
は透明であるので鏡面部はそのまま観測者の顔や背景を
映し、表示しようとするパターンとの認別を煩しくする
と同時に明るい背景を映し、表示しようとするパターン
との認別に於いては実質上のコントラスト低下を招く。

この欠点を改良する目的で、Ｂの例で示したものは観測
者の正反射位置に対し黒い物体等の背景を設けるべくフ
ードを配置することができるが、これは観測者が表示面
に対して正面の配置で見ることを妨げ視野角の制限を与
えるものである。

透過型でそのま＼使用するＣ例は前記の通り散乱強変が
不足するため実用性が低く、Ｄ例で示す如く適当な配置
に設けた光源によって、この欠点を補うものがある。

これは液晶の一つの大きな特徴である低電力消費という
特徴を失うものである。

更に動的散乱モードを利用した液晶表示セルに対し、よ
り低電圧、低電力消費でしかも高いコントラストを得ら
れる特徴を持つものとして電界効果モードを利用したも
のが近年活発に応用されつ’−ｈる。

ここで云う電界効果モードとは電界によって液晶分子の
配向が変化し、この変化を二枚の偏光板によって検出し
得るものを云い、均一垂直配向分子、均一乎行配向分子
、または均一乎行配向分子を電極面に垂直な方向でらせ
ん状に配列したもの等である。

電界効果モードを用いた表示器の動的散乱モードを用い
た表示器との外形、構造的差異は第１図に示す様に二枚
の透明電極５，５′を有する透明支持体２，２′に液晶
を挟持した液晶セル１がその外側両面に直接偏光板６，
６′を配置し効果的に電気的変化を受けた部分を識別し
得る点にある。

これ等のコントラストは電圧に対し分子配向が飽和状態
で変位した時と、無印加時の分子配向との差で、ほゾニ
枚の直線偏光枚６，６′をその偏光方向が平行に配置さ
れた時と直交に配置された時の比に相当する値が容易に
得られる。

従ってこれ等は明視野と暗視野の対比によって所定のパ
ターンとして得られ、当初の偏光板の偏光方向を平行と
するか、直交とするか、又当初のセル内の分子配向を分
子長軸が電極面に対し垂直配向（誘電異方性が負の液晶
使用）とするか、水平螺旋配向（誘電異方性が正の液晶
使用）とするかによって、電界印加時に明視野から暗視
野へ、又は暗視野から明視野へといずれの変化も生じ得
る。

これは識別しようとするパターンをネガ表示もしくはポ
ジ表示のいずれも作り得ることを意味している。

又電圧に対して非飽和時点での分子配向は分子長軸が電
極面に傾斜した状態で保持することも可能で、この時は
二軸性結晶を二枚の偏光板内で傾けリターデーショノに
よる特定波長の透過をするのに類似し、カラー表示を作
り得ることも含まれる。

このような電界効果モードを利用した液晶表示装置で従
来実用化が進められている例を示す。

Ｅの例は最もこれ等を用いた典型的例で、偏光板、電界
効果セル、偏光板、拡散反射板を有する構造のものでパ
ターン部分を暗視野に周囲を明視野とするポジ表示のも
のである。

この表示装置における欠点は直線偏光板を使用する点に
関するものが一つの大きな問題である。

直線偏光板は通常実用化し得るものとしては二色性分子
等を配合した延伸したプラスチックフイルムを基板のフ
イルムと貼り合せたものが最も通常用いられるが、これ
等一般に実用性の高いプラスチック偏光板は一つは原理
的に、一つは実用的価格面に於いて光透過率が充分大き
くできない。

その限度は非偏光に対して約５０％の直線偏光を通過す
るものまでしか得られない。

そして透過率を限゛界値に近ずけるに従って偏光能力は
低下し、このことが本質的問題として表示の明るさに限
度を与えている。

今表示をできる限り明るくしようとする時、このＥの例
で示される構造では充分背景が明る＜、シかもパターン
が酪）状態を得るには観測者が直接電界によって変化し
た部分を二枚の偏光板を通して児ると同時に、列光によ
ってこの変化を受けた部分の陰影部を見ることの重ね合
せによって見掛上変化を受けた部分の濃度が二倍になっ
た状態で見ることができる。

これは実用的な見地からセルに用いる基板ガラスに厚さ
の限界があり、直接観測する部分と陰影部とのズレを生
じることとなり、二重像の形成となる。

特に大きい面積の組合せとなる表示パターンでは良いが
、細い線や点状のパターンの組合せでは非常に煩しく、
特に斜めから見る時支障が大きくなる。

又この陰影部をできるだけ薄い影として観測者に識別で
きないようすることもでき、これは用いる基板ガラスの
背面側を厚くしたり、反射板の拡散性を上昇させれば良
（／１が、前記偏光能力が少なくなる時、光学的濃度が
低下する問題に帰する。

又反射板の″拡散性をあまり大きくすると観測者に達す
る明視野の光量が減じられ、背景が実質的に暗くなる。

反射型構造を持ったポジティブ表示はこのような欠点を
持っているが、正面から観測した場合には充分なコント
ラストも持ち、実用的に使用することもできるが、多く
の光学的素子に要求されるように、液晶表示器に於いて
もより汎用性があり、例えば暗い室内での使用、即ち通
常の印刷物が読める限度に等しい暗さの中でも同等に見
えるような要求に対しては満足のゆくものではな（７）
。

一方Ｆの例に示されるようネガ表示は原理的には前述の
通り可能であるが、これは表示パターンが細い線や小さ
い点によって成り立っている。

比較白サト面積の集合としてパターノを形成するような
場合には、Ｅの例で述べた丁度逆の効果として二枚の距
離を置いて配置された偏光板が、この小さい光学的変調
を受けた部分の上下のみ開口しているスリット状の効果
を持ち、これ等光学的変調部への周囲から光を反射板に
到達し難い。

このように比較的垂直人射に近い光以例は明視野部に到
達し難い欠点はパターンの明視野が充分な光量を得られ
ない結果となる。

従って前者の反射型のポジ表示より実質的な価値は低く
なる。

電界効果モードを用いた透過型セルは反射型と同様のセ
ルを用い、拡散反射板の替りに拡散透過板をセル背後に
用い、この背後の拡散透過板の方向から舛光を貰って明
視野の背景とするものである。

この方式はＧ及びＨに示される例であるが、前述したＤ
Ｓ表示に於けると類似の欠点を持ち、Ｇに於いて特に背
後が明るい窓や天上光とする時には極めて良０１コント
ラストと明るさを持つが卓上や通常の台に置いて表示を
見下す角度でこれを見ようとする配置に於いては拡散透
過光をそのように明るい外光の元で透過表示させ得ない
、又光源の使用は前記同様電力消費が大きくなるので限
定された応用になる。

本発明の目的は、充分に明るく高コントラストで見るこ
とができる液晶表示装置を提供することにある。

本発明の他の目的は、二重像を生じることなく、しかも
縮小表示できる液晶表示装置を提供することにある。

本発明のかかる目的は、拡散透過板、第一の偏光板、電
界効果型液晶セル、第二の偏光板、及び第二の偏光板の
後に縮小表示手段を、光の入射側よりこの順で設け、前
記第二の偏光板を通過した光を反射する反射手段を設け
て、前記拡散透過板の配置の水平成分が垂直成分に等し
いか又は多い様にした液晶表示装置によって達成される
。

本発明は、窓や天上光を背景の外光として最大限に利用
し、然も卓上や台の上に置いて表示を観測し得る配置を
考案したことに基き、背景の反射像が見える事もなく視
野角も任意に選択でき、充分明るく高いコントラストで
見る事ができる効果を有している。

更に二重像の出ることがなく、ネガ表示に於いても極め
て良好な結果を得ることができ、更に液晶本来の特徴で
ある低電力消費を維持し、付け加え得るに正面配置で表
示を観測でき、しかも表示の縮小による効果を有してい
る。

別の効果として電界効果型表示のカラー化の実現にも最
も適している構造を与えるものである。

父文字通り周囲が明るければ明るい程見易い表示を与え
、一方暗い室内等で通常白い紙に印刷された文字等が読
みとれると同等の範囲で表示を判読できる等種々の特徴
を有している。

この発明はこれ等数々の特徴を実現し得る基本的な構造
に更に実用的に支障をもたらさない明るい表示器を与え
る光学的配置を見出したことに基く。

第２図に本発明の基本的な構造を示す。

９は所定の偏光板透過拡散板を備えた液晶セル、１０は
凸面反射鏡であり縮小表示するものである。

８は外光で、γは観測者である。

１１は観測者が直接見る表示の像である。

これ等液晶セルは所定の駆動回路と接続されているが図
では省略している。

更に反射鏡が凸である円筒状のものも使用出来る。

これ等基本的構造に付け加えて、本発明は拡散透過板の
配置を水平部分を垂直部分より多くすることを特徴とす
るものである。

本明細書に記載の「垂直」は重力の方向と等しい方向を
意味し、「水平」は上記垂直の方向に直角な方向を意味
する。

従って、通常機器等が用いられる状態に於いて、第３図
に示す如く拡散透過板１２の配置が水平成分ｈと垂直或
分Ｖを有している時、水平成分ｈが垂直成分Ｖに等しい
か又は多い様｛こしたことを意味する。

本発明はこのように水平成分ｈを多くとることによって
最も多くの場合効果的に列光を採光し得ることを見出し
たことに基く。

即ちこれ等が使用される種々の状況について試験した結
果、７０φ以上上方向から来る外光を利用して読み取り
を行う事が判明した。

即ち天上灯による場合でも日中の窓を通じた外光による
場合でも屋例使用に於いてもこれ等を使用する器機を見
下す配置で読みとる限り上方からの採光が多く、これは
通常の印刷物の読み取り等で習慣的に明るい周囲光の影
響下で判読する行為にとっても全く同一な方法でその効
果が達成される。

即ち暗い場所での読み取り時に対象物を明るい方向に面
して置き、観測者が明るい方向を背とする場合に充分な
読み取り易さを示す配置である。

このような配置を効果的に補足する手段としては用ｉ，
１らねる鏡面の反射角を、これ等上方よりの垂直入射成
分に対し正反射方向で光路を観測者へ送るよう配置する
ことが好ましい。

これ等の機械は第３図に示されるよう水平成分ｈが垂直
成分Ｖより犬なる配置の拡散透過板１２は多くの上方よ
り来る外光８′を拡散し、直線偏光板６によって直線偏
光となり電界効果型液晶セル１３を通過し、これ等は図
中省略されているが所望パターンの電気的変調部を一部
は通り、他はこのセルの有する特性に従い通過し、他方
の偏光板６′によって、所望パターンの現出となる、こ
れ等は極めて例光採光上良い条件なので下からみると鮮
明なパターンとして識別可能であるが、通常用いられ得
る機器ではこのような条件が作れないので凸面反射鏡１
０によって観測者γは鏡像１１として表示を観測し得る
。

第４図はこのよ゛うな配置を更に実用化し得る構造の一
例を示すものである。

１２は拡散透過板で本発明に基く配置を示す。

１４はセル両面に偏光板を用いた透過型電界効果型セル
で凸面反射鏡１０によって観測者γはパターン識別でき
る。

これ等本発明による方法を用いた表示器は前記各種特徴
を有し、特に明るく見易い表示を種々の使用状況下にお
いて満足させるに適している。

【図面の簡単な説明】

第１図は液晶表示装置の一構成説明図、第２図乃至第４
図は本発明の構成例の説明図である。 １・・・・・・液晶セル、２，２′・・・・・・基板、
３，３′・・・・・・スペーサー、４・・・・・・液晶
、５，５′・・・・・・電極、６，６′・・・・・・偏
光板、γ・・・・・観測者、８・・・・・・入射光、８
′・・・・・・列光、９・・・・・Ｊ偏光板及び拡散透
過板を内蔵する液晶セル、１０・・・・・凸面反射鏡、
１１・・・・・・表示像、１２・・・・・・拡散透過板
、１３・・・・・・電界効果型液晶セル、１４・・・・
・偏光板を内蔵する電界効果型液晶セル、１５・・・・
・・表示窓、１６・・・・・・．キー １γ・・・・・
・卓上計算機。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 拡散透過板、第一の偏光板、電界効果型液晶セル、
   第二の偏光板、及び第二の偏光板の後に凸面反射手段を
   、光の入射側よりこの順で設けて、前記拡散透過板の配
   置の水平或分が垂直成分に等しいか又は多０）様にした
   事を特徴とする液晶表示装置。