JPS5846288B2 - 釣用導糸環 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、釣用導糸環に関するものであって、特に外洋
におけるカジキマグロ、サメ、ヒラマサ等を釣り対象と
するいわゆるヘビーデユーティ−用として開発されたも
のである。

従来ヘビーデユーティ−用の釣用導糸環としてはローラ
ガイドが存在する。

このものは糸の案内部材がローラであって、回転するこ
とによりナイロン糸の摩耗による糸切れを防止しようと
するものであるが、次のような問題点を有していた。

即ち第一の欠点は部品点数が多くなり製品自体が重くな
るとともに製品コストも高く、ユーザーに安価に提供し
得ないことである。

また製品の性質上塩水の蒸発による塩分の付着あるいは
発錆などによって円滑なローラの回転が損われ易いとい
う欠点をも有していた。

更に釣糸の出る方向が限定され、それ以外の方向に釣糸
が引き出されたとき、ローラから釣糸が外れ易く、フレ
ームに直接接触して糸が擦り切れてしまうなどの欠点も
有していた。

ところでリングガイドをヘビーデユーティ−の釣りに使
用する釣人も少なくないが大物が釣れた場合には案内環
と釣糸との摺擦による糸切れがしばしば生じていた。

従来これらの糸切れの原因は案内環の表面の荒れに起因
する糸の損傷にあるとされていたが、本出願人は更に根
本的な糸切れの原因究明に及んだ結果、導糸環との間に
おける釣糸との摩擦による発熱が原因となって、釣糸が
半ば溶断するような状態となって切断することが判明し
たのであって、このようなことから放熱効果の優れた釣
用導糸環の開発が必須の課題となってきたものである。

本発明は係る技術課題の解決を図らんとしたものであっ
て、その手段として炭化珪素を主体とした材料で案内環
を構成し、これによって放熱効果に優れ、且つ硬度の高
い案内環を装着した釣用導糸環を造り、更に環状フレー
ムと案内環との嵌め合い構造を研究して両者の直嵌め構
造を新規なものとし、これによって放熱効果を一層高め
るようにしたものである。

即ちその構成の要旨は案内環とこの案内環に直接外嵌め
される環状のフレームとを具えた釣用導糸環において、
前記案内環は炭化珪素を主体として構成するとともに、
フレームの側面に直接接触するフランジ部を形成したこ
とを特徴とするものである。

以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する
。

第１図は本発明を適用した導糸環１を示すものであって
、一例として釣竿の穂先に装着するトップガイドを示す
ものである。

勿論本発明はそれ以外のガイド（導糸環）に適用できる
ことはいうまでもない。

このものは円環状のフレーム２を金属材で構成し、これ
と一体に竿取付部を設けるものである。

この竿取付部は竿との取付手法に応じて種々の形状がと
り得るが、本実施例ではトップガイドであることより次
のような構成をとるものである。

即ちフレーム２０両側から左右斜めに引き出された側部
支脚３と下方から二本伸びて集束する下部支脚４とから
なる複数の支脚と、それらの端部が固定される筒状の固
定管５とよりなり、これらを総じて竿取付部材と定義す
るものである。

※※ このフレーム２には
案内環６を嵌め込むものであって、その嵌め込み構造は
直嵌め構造をとるものである。

そしてこの案内環６はその材質として炭化珪素（ＳｉＣ
）を生体とするものに限定する。

このものの物理的性質は以下に示す「炭化珪素と他の物
質との物理化学的性質の比較表」のとおりであって、硬
度、熱伝導率等、釣用導糸環として求められている物理
的性質が優れているのである。

しかしてこのものは十分な靭性を有するためフレーム２
との直嵌めが可能であり、その断面形状は第２図に示す
ように案内環６の前方におけるフレーム２の側面と直接
接触するフランジ部６ａが外側に張り出し、その後方に
おけるフレーム嵌込部６ｂを有するものである。

尚、フレーム嵌込部６ｂはフレーム２の側面が常時フラ
ンジ部６ａに当接するような状態で組付けるためフラン
ジ部６ａ側を細径としたテーパ状に構成するのを可とす
る。

一方ここに外嵌めされるフレームは内周を完全な円形と
するほか第３図イ２０に示すようにフレーム２の内周面
に何か所か突起２ａを形成し、この部分で案内環６の外
周をくわえるようにしてももとより差し支えない。

そしてフレーム２と案内環６との両者が組み付けられた
状態では第４図に示すようにフレーム２は案内環６にお
けるフレーム嵌込部６ｂに外嵌めされてこれと接触する
と共に、その側面とフランジ部６ａとが直接接触するも
のである。

尚、フレーム嵌込部６ｂをテーパ状に構成したときは、
フレーム嵌込部６ｂにおいてその最も細径の部分、即ち
フランジ部６ａ側に、テーパ面の作用により寄せられる
ように組み付けられるから、フレーム２の側面とフラン
ジ部の側面とが接触状態を保って組み付けられるもので
ある。

本発明は以上述べたように炭化珪素を主体とした案内環
６と金属性フレーム２との組み付は構造において、案内
環６にフランジ部６ａを形成し、フレーム嵌込部６ｂに
外嵌めされるフレーム２の側面とフランジ部６ａとが直
接接触するような状態で組み付けたものであるから、フ
レーム２と案内環６との接触面積が極めて大きく確保で
きるものである。

これによって釣糸と案内環６との摺擦による発熱があっ
た場合でもその熱は第４図矢印穴で示すように案内環６
からこれに接触しているフレーム２に十分に伝達され、
案内環それ自体の熱伝導性とともに優れた放熱効果を発
揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明は適用した釣用導糸環を示す一部破断斜
視図、第２図は同上中央縦断面図、第３図はフレーム形
状を示す正面図、第４図は本発明のフレームと案内環と
の組み付は構造を拡大して示す断面図である。 １；導糸環、２：フレーム、３：案内環、６ａ：フラン
ジ部、６ｂ：フレーム嵌込部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 案内環と、この案内環に直接外嵌めされる環状のフ
   レームとを具えた釣用導糸環において、前記案内環は炭
   化珪素を主体として構成するとともにフレームの側面に
   直接接触するフランジ部を形成したことを特徴とする釣
   用導糸環。