JPS5845191Y2 - 船舶の燃料油タンク溢出防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶の例えば二重底タンクに燃料油等を注入す
るとき二重底タンクから溢出した燃料油等が船外海水中
に流出して海洋汚染を生ずることのないようにした船舶
の燃料油タンク浴出防止装置に関する。

従来〜この種の二重底タンクタンクの燃料油の船外浴出
防止手段としては大別すると下記の通り２手段が知られ
ている。

すなわち、１、各タンクの空気抜管頭部金物の下方に固
定容器又は甲板−ヒに囲い（スピルコーミング）を設け
て浴出燃料油をこれに溜める。

−２、全タンクの空気抜管にオーバフロー管を設け、こ
れを一本のメインオーバフロー管に集合してオーバフロ
ータンクへ導き溢出油を戻す。

しかしながら目まスピルコーミングを設けることにより
甲板上の作業及び歩行のためのスペースの使用が制約さ
れることになり、スピルコーミングの安全な配置が困難
になること工溢出油の回収作業はコーミング内の油を手
桶等にて汲出す原始的な作業であるから時間がか工り、
また注油の際満タン近くになったら頻々と二重底タンク
油の測深作業を行なって注油量をチェックしないと、コ
ーミング容量は大きくはとれないので、瞬時にしテ油が
コーミングから溢出して了う等の問題かあり、 ２ ｋｓ空気抜管よりオーバフロータンクへのオーバフ
ローラインの配管導設が非常に困難であり、複数の二重
底タンクを同時に注油した場合、何れのタンクからのオ
ーバフローか判別しにくいので、一旦注油作業をストッ
プして再度個々のタンクずつ注油しなげればならないか
ら作業に長時間がか＼る等の問題がある。

本考案はこのような事情に鑑みて提案されたもので、溢
出油で海洋汚染をすることなく迅速かつ安全に注油する
ことのできる船舶の燃料油タンク浴出防止装置を提供す
ることを目的とし、各燃料油タンク内にそれぞれ設置さ
れタンク容量の上限に達した浴出燃料油が溢入する複数
のホッパーと、それぞれ一端が上記各ホッパーに接続さ
れた複数のオーバフロー管と、それぞれ上記各オーバフ
ロー管の他端より流出する浴出燃料油を収容する複数の
オイルパンと、上記各オイルパンに付設され上記オイル
パン中に浴出燃料油が溜ったことを検出する複数の溢出
油警報ランプと、上記複数のオイルパンより流出する浴
出燃料油を収納するオーバフロータンクと、上記オーバ
フロータンクに溜った浴出燃料油の油量を検出する警報
ランプと、上記オーバフロータンクに溜った浴出燃料油
を必要に応じて上記燃料タンクに戻すためのシフトポン
プとを具えたことを特徴とする。

本考案の一実施例を図面について説明すると、第１図は
その部分縦断側面図、第２図は第１図の部分配管平面図
、第３図は第１図のコントロールパネルを示す正面図で
ある。

上図において、１は各二重底タンクタンクの容量の９５
％の容量の高さにそれぞれ開口し注油量がこの容量を越
えたときに燃料油が溢入するが一度に流入しないように
一部分切欠きを欠設した複数の鋼製ホッパーで、船体動
揺の影響のないように各タンクの平面位置の中央に設け
られている。

２は先端が各ホッパー１に接続されるとＳもに後端が後
記するオイルパン４に開口するようベースラインに平行
に布設され、配管長が長くなる場合は適宜間隔で空気抜
管を付設樹立し、注油管断面以上の断面の口径を有する
複数のオーバフロー管、３は各オーバフロー管２の後端
附近に介装され、それぞれ空気駆動シリンダ９により遠
隔開閉されるとΣもに開閉指示ランプを付設されたバタ
フライ弁、４は薄鋼板でボックス状に形成され底面に排
油孔を開口する複数のオイルパンで、それぞれ各オーバ
ーフロー管２の開口端の下方であって可及的に後記する
オーバフロータンク１１の上方に設けられる。

５はコントロールパネル制（財）室の注油分配弁附近に
設置され、作業員が各タンクの注油状況の監視制御する
ためのコントロールパネルで、第３図に示すようにグラ
フィック及び取扱説明文を銘記するとＳもに各空気駆動
シリンダ９を司掌する複数の操作レバー８及び各バタフ
ライ弁３の開閉を点滅で表示する複数の開ランプ、閉ラ
ンプ１ｏ、１ｏ’が並設されている。

６は各オイルパン４に設けられ、オイルパン４に溜出油
が溜まると作動して警報ランプ７を点灯する複数のレベ
ルスイッチ、８は空気駆動シリンダ９を介して各バタフ
ライバルブ３の開閉を司掌する複数の操作レバーで〜操
作レバー８を位置０ＰＥＮ及び５ＨＵＴにそれぞれ左動
及び右動すれば各バタフライバルブ３が開閉する。

１１は複数のオイルパン４の下方に設置され、各オイル
パン４の底面の排油孔より流出した溜出油を溜めるオー
バフロータンク、１２．１３はそれぞれオーバフロータ
ンク１１に並設樹立され、オーバフロータンク１１内に
溜まった溜出油が上限容量に達したときに点灯表示する
バイレベルランプ及び曲面が下限以下にあるときに点灯
するロウレベルランプである。

このような二重底タンクにおいて、各燃料タンクに注入
した油はタンク容量９５％を越すと、ホッパー１からオ
ーバフロー管２に流入し、オーバフロー管２、全開のバ
タフライ弁３を通った後オイルパン４中に流入する。

二重底タンクを湿田してオイルパン４中に流入する油は
比較的大流量であるから、一部はオイルパン４の底面の
排油孔から流出するが、残部はオイルパン４中に溜まっ
てその油面が上昇するので、レベルスイッチ６が作動し
て警報ランプ７が点灯する。

作業員は警報ランプ７０点灯を確認し満タンになった二
重底タンクへの注油分配弁を閉じてそのタンクへの注油
作業を終了する。

このようにして注油作業が終了したら、注油作業の終了
した二重底タンクの操作レバー８を位置５ＨＵＴに右動
すると、空気駆動シリンダ９が作動して関係バタフライ
弁３が閉じ同時にランプ５ＨＵＴＩＯ’が点灯する。

オイルパン４に溜まった溜出油は間もな（底部の排油孔
かもオーバフロータンク１１中に落下しオイルパン４は
空になるので、警報ランプ７は滅灯する。

この要領ですべての二重底タンクを満タンにすることが
できる。

なお、オーバフロータンク１１に溜まった油量が上限に
達すればバイレベルスイッチが作動し、バイレベルラン
プ１２が点灯するから、図示せざるシフトポンプを駆動
することにより、オーバフロータンク１１中の油を燃料
タンクヘシフトする。

オーバフロータンク１１の油量が減少すればバイレベル
ランプ１１は滅灯し、ロウレベルランフ１２が点灯する
から作業員はこれを姑でシフトポンプの運転を停止する
。

燃料油の積込み途中で一部の燃料タンクが満タンになっ
て、さらにオーバフロータンクのバイレベルスイッチが
作動するような状態になれば、シフトポンプにより他の
空の燃料タンクヘシフトし、またすべての燃料タンクが
満タンとなり、さらにオーバーフロータンクのノ・イレ
ベルスイッチが作動した状態となれば、燃料タンク内の
燃料油が消費され、同タンクが空かあるいはそれに近い
状態になった時点でオーバーフロータンク内の燃料油を
シフトする。

このように、本考案に係る二重底燃料タンクは各タンク
の満タンの９５％でホッパー１を作用させることにより
、各タンクはその容量の約９５％まで、外部海水に湿田
油を流出することなく、安全迅速に注油することができ
る。

その際、注油作業者は注油分配弁設置場所附近に居れば
他の作業に従事しながら注油作業を行なうことができ、
複数のタンクを同時に注油しても倒れのタンクがオーバ
フローしたかが容易に判り、かつこの注油監視作業は作
業員１名おればこれを行なうことができるのである。

本実症例は二重底燃料油タンクについて述ヘタが、二重
底タンクに限らず他の燃料油タンクについても本考案を
適用することができる。

要するに、本考案によれば、各燃料油タンク内にそれぞ
れ設置されタンク容量の上限に達した浴出燃料油が溢入
する複数のホッパよ−と、それぞれ一端が上記各ホッパ
ーに接続された複数のオーツζフロー管と、それぞれ上
記各オーバフロー管の他端より流出する浴出燃料油を収
容する複数のオイルパンと、上記各オイルパンに付設さ
れ上記オイルパン中に浴出燃料油が溜ったことを検出す
る複数の湿田油警報ランプと、上記複数のオイルパンよ
り流出する浴出燃料油を収納するオーバフロータンクと
、上記オーバフロータンクに溜った浴出燃料油の油量を
検出する警報ランプと、上記オーバフロータンクに溜っ
た浴出燃料油を必要に応じて上記燃料タンクに戻すため
のシフトポンプとを具えたことにより、湿田油で海洋汚
染をすることなく、省力、安全かつ迅速な注油作業を行
なうことのできる船舶の燃料油タンク浴出防止装置を得
るから、本考案は産業上極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を二重底燃料油タンクに適用した一実捲
例を示す部分縦断面図、第２図は第１図の部分配管平面
図、第３図＆−ｉ第１図のコントロールパネルを示す正
面図である。 １・・・・・・ホッパー、２・・・・・・オーバフロー
管、３・・・・・・バタフライ弁、４・・・・・・オイ
ルパン、５・・・・・・コントロールパネル、６・・・
・・・レベルスイッチ、７・・・・・・警報ランプ、８
・・・・・・操作レバー ９・・・・・・空気駆動シリ
ンダ、１０・・・・・・開ランプ、１０′・・・・・・
閉ランプ、１１’・・・・・・オーバフロータンク、１
２・・・・・・ノ・イレベルランプ、１３・・・・・・
ロウレベルランフ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各燃料油タンク内にそれぞれ設置されタンク容の上限に
   達した浴出燃料油が溢入する複数のホッパーと、それぞ
   れ一端が上記各ホッパーに接続された複数のオーバフロ
   ー管と、それぞれ上記各オーバフロー管の他端より流出
   する浴出燃料油を収容スる複数のオイルパンと、上記各
   オイルパンニ付設され上記オイルパン中に浴出燃料油が
   溜ったことを検出する複数の溢出油警報ランプと、上記
   複数のオイルパンより流出する浴出燃料油を収納するオ
   ーバフロータンクと、上記オーバフロータンクに溜った
   浴出燃料油の油量を検出する警報ランプと、上記オーバ
   フロータンクに溜った浴出燃料油を必要に応じて上記燃
   料タンクに戻すためのシフトポンプとを具えたことを特
   徴とする船舶の燃料油タンク浴出防止装置。