JPS5844486B2 - 液圧駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車輌用液圧、駆動装置に関する。

農用トラクター、リフトトラック及び履帯式車輌等各種
の車輌を、駆動するために液圧伝動装置が用いられる。

履帯式車輌は、普通、車輌の両側に設けられた１対の履
帯を個個に駆動する１対の液圧伝動装置を有している。

このような装置を備えた車輌にあっては、両ポンプ間の
出力、又は液圧モータ間の漏洩に僅かな差があっても直
線コースから外れ勝ちである。

このことは、普通には重負荷で作動している間は問題に
ならない。

即ち、履帯の負荷の不均等によるものかまたは履帯のス
リップによるものか区別することは困難なためである。

しかしながら、車輌が作業現場へ往復する場合又は車輌
がその作業サイクルの或部分で軽負荷で駆動される場合
、オペレータが頻繁に操向修正することなく、真直ぐに
進行することが望ましい。

このことは、モータ速度の正確な同調を必要とする。

モータ速度を同調させようとする従来の試みは、等出力
を得るために、両ポンプの揺動斜板を機械的に連結する
ものであった。

しかしながら、このような機械的な連結は、両斜板の角
度を全範囲を■ 通じて約両度以内で同調しなければならないので、完全
に満足を得られるものではなかった。

ポンプ及びモータは、摩耗率が僅かに相違するために同
調用リンク機構をしはしは調整しなければならない。

本発明の目的は、出力、駆動軸の同調回転を可能とする
車輌用液圧駆動装置を提供することである。

本発明の他の目的は、選択的作動状態において出力駆動
軸の独立作動を自動的に行なう車輌用液圧駆動装置を提
供することである。

本発明によると、ポンプと、液圧モータと、該ポンプお
よび液圧モータを相互に連通ずる閉回路液圧装置とを有
する左右一対の可変速液圧伝動装置と、該可変速液圧伝
動装置の各閉回路液圧装置間を連通および遮断可能な液
圧同調装置とを備え、該液圧同調装置が、内孔と該内孔
を前記閉回路液圧装置のそれぞれに連通ずる一対の開口
とを有する部材と、該内孔内に設けられ前記一対の開口
を連通ずる位置と遮断する位置とに移動可能なバルブ部
材と、該バルブ部材を前記一対の開口の連通位置に常時
付勢するスプリング部材と、前記バルブ部材に前記閉回
路液圧装置の一方の流体圧を伝達して該バルブ部材をス
プリング部材の付勢力に抗して前記一対の開口の遮断位
置に付勢可能なシャトルチェックバルブとを備えること
を特徴とする、各閉回路液圧装置の流体圧が所定値より
低いときに左右の可変速液圧伝動装置の出力速度を同調
可能な車両用液圧、駆動装置、が提供される。

これにより、本発明に係る液圧１駆動装置は、同調装置
を介して自動的に各閉回路液圧装置間を連通または遮断
することができ、軽負荷時の車両直進性に優れ、かつ高
負荷時は各伝動装置の最大出力を得ることができる。

本発明の他の目的及び利点は、添付図面及び以下の説明
により明らかになる。

図面を参照すると、本発明の原理を具体化した液圧１駆
動装置は全体を１０で示され、履帯式車輌（図示してな
い）を１駆動する。

液圧、駆動装置は１対の可変速液圧伝動装置１１と１２
を具えており伝動装置１１は１対のモータ導管１７と１
８を含む閉回路式の液圧装置１６を経て液圧モータ１４
に液圧的に連結された可変容積型のオーバーセンターポ
ンプ１３を有している。

ポンプはエンジン（同順してない）に通常の方法で連結
した人力軸１９を有しており、一方モークは１対の履帯
の一方（図示してない）を１駆動する出力軸２１を有し
ている。

ポンプの揺動斜板２２は、通常の方法で複動シリンダー
２３により制御される。

伝動装置１２は、伝動装置１１と事実上同じであって、
人力軸２６と揺動斜板２７を有するポンプ２４と、作動
シリンダー２８と、前記１対の履帯の他方を１駆動する
出力軸３１を有する液圧モータ２９と、１対のモータ導
管３３と３４を有する閉回路式液圧装置３２とを具えて
いる。

各液圧装置は両モータ導管の間に伸びている導管３７内
に補給兼安全バルブ３６を有しており、該バルブにより
漏洩によって液圧装置から失われた流体を補給し、かつ
通常の方法で液圧装置中の最大圧力を制限する。

同調装置３８は伝動装置ｌＬ１２の液圧装置１６．３２
間に相互に連結されており、モータ導管１７．１８間に
延びかつモータ１４に並列な導管４１内にシャツトルバ
ルブ３９を備えている。

同様に、モータ導管３３．３４に並列な導管４３内にシ
ャツトルバルブ４２を備えている。

両シャトルバルブは１対の導管４４．４６及びこれらの
間に配置された同調バルブ４７を通じて相互に連結して
いる。

同調バルブ４７は、１対のバルブ本体４９と５０により
形成された複合バルブ本体４８を具えている。

１対の同心孔５１と５２は、本体４９内に形成してあっ
て、孔５１は段部５３で終っている。

１対の環状室５４と５６は、孔５２内において軸方向に
間隔を置いて形成されていて本体４９中に形成された１
対の開口５７と５８を通じてそれぞれ管４４と４６に連
通している。

排出通路５９は本体４９内に形成されていて、排出管６
２を通じて孔５１をタンク６１と連結する。

バルブスプール６４は、孔５２内に摺動自在に配置され
ていて、その両端部６Ｔと６８の中間に形成された環状
溝６６を有している。

縮径部分６９は、端部６７上に形成されていて、孔５１
内に配置されたスプリング座板７１に嵌合している。

スプリング１２は、孔５１内に配置されていて、座板を
段部５３に弾力的に圧接させる。

このことによって、バルブスプールが開放位置に置かれ
て、環状溝６６が環状室５４と５６との間に制限流通を
つくることになる。

補助流路７４は、管４４と４６をバルブスプール６４の
端部６８において孔５２に連結させるとともに、本体５
０内に収容されたシャツトルチェックバルブ７５を具え
ている。

孔γ６は、本体４９内に孔５２と同心に開口している孔
７７と事実上直角に、本体５０内に形成されている。

１対の挿入子７８と７９は、孔７６内に嵌合していて、
本体５０に適当に固定されたカバー８１によって該孔内
に保持される。

空隙８２は両押入子の内端部間に設けられている。

各挿入子は内端部に縮径部分８３を有しており、縮径部
分はバルブスプール６４の端部６８に隣接して形成され
た作動室８６と空隙とを連通させる環状室８４を構成し
ている。

孔８１は、各挿入子の内端部から外側に伸びていて、同
心軸のそれよりも小径の通路８８と連結しており、その
連結箇所にバルブシート８９を形成している。

管４４と４６は、１対の分岐管９０を通じて挿入子７８
と７９の通路８８にそれぞれ連通している。

ボールバルブ９１は両押入子の孔８７内に緩く収容され
ている。

本発明の装置は作動は前記説明により明瞭であると信じ
るが、さらに補足的に以下その概要を説明する。

車輌の前進運動は、シリンダ２３と２８のヘッド端に流
体を選択的に同時に導きポンプ１３と２４の揺動斜板２
２と２７を個別的に同時に揺動させることによって得ら
れる。

この運動がポンプをして導管１８と３３を通じて等量の
流体を送り、モータ１４と２９を前進方向に駆動させる
ことになる。

シャツトルバルブ３９は、導管１８と４１内の流体圧に
よって変換移動され、導管１７への流体の流れが遮断さ
れ、導管１８と管４４が連通する。

同様に、シャツトルバルブ４２は導管３３と管４６との
間の流体の流通を確立し、一方、導管３３と３４との間
の流体の流通を遮断する。

管４４と４６内の加圧流体はまた、補助流路７４を通じ
て管４４と４６内の最高圧力に即応するようになってい
るシャツトルチェックバルブ７５と連通している。

さらに評言すればボールバルブ９１は、流体圧が低い方
の管４４又は４６への流通を遮断して、流体圧が高い方
の管をバルブスプール６４の上方の室８６に連通させる
ように、適当なバルブシート８９に向って転換移動させ
られる。

車輌が比較的低負荷状態で作動し、かつ両導管１８と３
３内の流体圧力が予定圧力値以下である場合には、バル
ブスプール６４の端部に作用する力は該スプールをスプ
リング７２の押圧に抗して動かすのに不十分である。

したがって同調バルブ４７は開放したままになり、開口
５７．５８と、環状室５４．５６と、環状溝６６と孔５
２との間の制限された空隙とによって流路が形成される
。

このことによって、モータ導管１８と３３との間に制限
された流体の流通が形成され、流体圧モータ１４と２９
への流体流の僅かな変化を自動的に補正し、その結果、
両モータ導管内の流体圧は均等化し、両流体圧モータは
同一速度で回転することになる。

例えば、ポンプ１３の流体出力がポンプ２４の流体出力
より僅かに太きいと、モータ１４はモータ２９よりも多
く作動することになる。

そして、導管１８内の圧力はより大きくなり、同調装置
３８を通じて導管１８と３３との間に圧力差をつくり、
その結果、同調装置３８を通じ導管１８から導管３３に
流体が流れることにより内部の圧力が均等化される。

同様に、もし、液圧伝動装置１１内の流体の漏洩が液圧
伝動装置１２内の流体の漏洩よりも僅かに大きいと、伝
動装置１２から若干の流体が同調装置を通じて導管１８
に移行して、両伝動装置内の圧力が均等になり、その結
果、液圧モータは同じ速度で回転して、負荷を同じに負
担する。

液圧伝動装置１１又は１２の低圧導管内の流体の不足は
、補給兼安全バルブ３６により補給される。

一方、低圧導管内の過剰流体は通常の方法で補給兼安全
バルブを通じてタンクに放出される。

車輌が、液圧モータ１４と２９の抵抗力が重負荷に適す
るような作動状態にある場合には、導管１８．３３と管
４４，４６内の流体圧は予定圧力値よりも高くなる。

このような圧力は、前述したように、補助流路γ４を通
じて室８６に導かれ、該室内においてバルブスプール６
４の端部に作用して、スプリング１２の力に打勝って該
バルブスプールを下方に動かす。

このようにすると、バルブスプールは環状室５４と５６
との間の流通を遮断し、その結果、導管１８と３３との
間の相互流通が遮断され、両液圧モータは相互に独立に
作動することになる。

しかしながらモータ速度の僅かな不均衡はこれらの条件
の下では問題にならないものである。

なぜならば、運転者は、普通、履帯のスリップと負荷状
態の補正のため絶えず履帯の速度を変えるからである。

車輌の操向は、ポンプ１３又は１４の適当な一方の出力
流を増減させ、一方他のポンプの出力流を一定に維持す
ることによって行なわれる。

車輌が作動状態にある時には、同調バルブ４７のバルブ
スプール６４は、普通流体遮断位置を占めていて、操向
操作により影響を受けない。

なぜならば、シャツトルバルブ７５は室８６内の流体圧
力を維持するために管４４と４６内の最高圧力に即応す
るからである。

同調バルブ４７を開放状態にしておいて、操向操作を開
始する場合には、バルブスプール６４の環状溝６６と環
状室５６との間の制限開口を通る流体の流れの最初の増
加によって、管４４又は４６内の背圧を個個に維持する
。

この背圧は、補助流路７４を通じて室８６に送られて、
スプリングγ２の押圧に抗してバルブスプール６４を動
かし、管４４と４６を通る流体の流通を遮断する。

この方法で、最大動力が操向操作を行なう、駆動モータ
に加えられる。

車輌０後退作動中には、ポンプ１３と２４の排出流体は
道管１７と３４を通じてそれぞれモータ１４と２９に伝
達される。

一方、該モータから排出された流体はそれぞれ導管１８
と３３を通じてポンプに戻る。

シャツトルバルブ３９と４２は、導管１１と３４内の流
体圧により自動的に転換移動されて導管１８と１３への
流通を個個に遮断し一方、導管１７，３４と管４４．４
６との間に流通を個個に確立する。

同調バルブ４７の作動は、前進操作とともに前述したよ
うに、車輌の軽負荷作動において両モータ速度を同調し
、車輌の重負荷作動において個個のモータを適度に作動
し、操向操作中は、駆動モーフへ最大動力を加える。

以上の説明から、本発明の構成は、流体圧力が予定値以
下である場合には、同調装置を通じて１対の伝動装置を
、相互間の流体を合流させるために、相互に液圧的に連
結した進歩した液圧駆動装置を提供するものであること
が明らかである。

両伝動装置中のこのような圧力は均等化されて両伝動装
置の出力駆動軸の回転を同調させる。

同調装置は、いずれか一方の伝動装置中の圧力値が予定
値よりも増加すると、両伝動装置中の流体圧力に即応し
てそこを通る流体の流れを自動的に遮断する。

このことは、高負荷状態継続中において、両伝動装置の
出力を最大限に利用するよう両出力、駆動軸を独立に作
動させる。

以上、本発明を、とくに望ましい実権例について説明し
たが、本発明の範囲内において種種変更できることは明
らかである。

以下、本発明の実捲態様の数例を列挙する。

（１）バルブ部材が、孔の中に摺動自在に配置されたバ
ルブスプールであって、それに形成した環状溝を有して
おり、前記バルブスプールが前記孔の中において、補助
流路と連通して作動室を形成する特許請求の範囲記載の
車輌用液圧駆動装置。

（２）補助流路が、両液床装置の双方に連通していて、
かつ、一方の液圧装置を作動室と連通させて前記補助流
路を通じて他方の液圧装置への流体の流れを遮断するた
めに前記一方の液圧装置中の流体圧に即応するシャツト
ルチェックバルブを具えている前（１）項記載の車輌用
液圧、駆動装置。

（３）閉回路式圧液装置の各各が、個個にポンプとモー
タを相互に連結する１対の導管と、前記導管の一方を液
圧同調部材と連通させるために前記モータと並行に前記
両溝管間に配置されていて前記一方の導管内の流体圧に
即応するシャツトルチェックバルブとを具えており、前
記ポンプが前記両導管の一方を通じて流体を選択的に移
送させるための可変容積、オーバーセンター可逆流ポン
プである前（２）項記載の車輌用液圧１駆動装置。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の原理を具体化し、バルブ部分を断面図で
示した液圧７駆動装置の概要図である。 １０・・・・・・液圧、駆動装置、１１．１２・・・・
・・可変速液圧伝動装置、１３．２４・・・・・・ポン
プ、１４．２９・・・・・・液圧モータ、１６．３２・
・・・・・閉回路式液圧装置、４７・・・・・・同調バ
ルブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポンプと、液圧モータと、該ポンプおよび液圧モー
   タを相互に連通ずる閉回路液圧装置とを有する左右一対
   の可変速液圧伝動装置と、 該可変速液圧伝動装置の各閉回路液圧装置間を連通およ
   び遮断可能な液圧同調装置とを備え、該液圧同調装置が
   、内孔と該内孔を前記閉回路液圧装置のそれぞれに連通
   ずる一対の開口とを有する部材と、該内孔内に設けられ
   前記一対の開口を連通ずる位置と遮断する位置とに移動
   可能なバルブ部材と、該バルブ部材を前記一対の開口の
   連通位置に常時付勢するスプリング部材と、前記バルブ
   部材に前記閉回路液圧装置の一方の流体圧を伝達して該
   バルブ部材をスプリング部材の付勢力に坑して前記一対
   の開口の遮断位置に付勢可能なシャトルチェックバルブ
   とを備えることを特徴とする、各閉回路液圧装置の流体
   圧が所定値より低いときに左右の可変速液圧伝動装置の
   出力速度を同調可能な車両用液圧１駆動装置。