JPS5844325Y2 - ト−トワイヤ式変位計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トートワイヤ式変位計の改良に係るものであ
る。

一般に、トートワイヤ装置では、第１図に示すように、
水面１に浮かぶ船体のごとき浮体２から、計測用ワイヤ
３が海底４のシンカー５へ緊張状態で張設されている。

そして、浮体２が破線図示の位置２′へ移動した際に、
これに伴ってワイヤ３が破線図示の状態３′へ傾斜する
角度θを計測することにより、浮体２の位置変化を検出
しうるようになっており、このため従来のトートワイヤ
装置には、第２図に示すごとく、ワイヤ３の上端部を滑
車６を介して巻き込むオートテンションウィンチ７の近
＜に、上記滑車６と同軸的に軸支された角度検出機構８
が設けられている。

しかし第２図に示されたような従来の装置では、ワイヤ
３の測定傾斜角は機構的に拡大されず１対１０割合で測
定されるので、機構的に複雑な割には、ワイヤ３の傾斜
角の測定精度が低く、さらに、この精度の向上をはかる
ことは、技術的に困難であるという欠点があった。

また上述の従来の装置では、潮流でワイヤ３の中途が撓
むことに起因する傾斜角の誤差に応じて、使用目的にふ
されしい機構精度への調整ができないという欠点もあっ
た。

本考案は、これらの欠点を排除するものであって、水面
上に浮かぶ浮体に回動軸を介して回動自在に枢着される
枠体と、同枠体に水平方向に間隔をへたてて取付けられ
る一対の定滑車と、同定滑車間の上記枠体に鉛直方向に
設けられたガイド溝に沿って滑動自在に装着される動滑
車と、両端が水底に締結されかつ上記一対の定滑車およ
び動滑車を介してＭ字状に懸架されるワイヤと、上記動
滑車および回動軸の回動角を検出する第１および第２の
ポテンショメータとからなることを特徴とし、ワイヤの
傾斜角を検出する際に、潮流によるワイヤ傾斜角の誤差
を消去すると共に、傾斜角の検出量を適度に拡大するこ
とによって検出精度を向上させ、信頼性を向上させるよ
うにしたトートワイヤ式変位計を提供することを目的と
する。

以下本考案を図面を用いて説明するが、まず第３図によ
り、本考案による変位計の原理を説明する。

第３図において、２は水面１に浮かぶ浮体であって、間
隔をへたてて浮体２に取り付けられた一対の定滑車１６
ａ、１６ｂと水底４のシンカー５とを結ぶようワイヤ３
が懸架される。

定滑車１６ａ、１６ｂの間にはポテンショメータ１８を
軸に取り付けた動滑車１７が位置し、重錘２０によりワ
イヤ３が張られた状態にある。

さて、第３図の実線の状態から浮体２が左へ移動し、破
線の状態になると、シンカー５と定滑車１６ａ、１６ｂ
の距離が夫々変化するので動滑車１７は時計回りに回転
しながら上昇することになり、あらかじめ動滑車５の回
動角と浮体２の移動量を校正しておげば動滑車５の回動
角から浮体２の位置が分ることになる。

一方、潮流によりワイヤ３が撓んだ場合には、シンカー
５と定滑車１６ａ、１６ｂとの間のワイヤ３の長さが両
方とも長くなる訳であるがその伸びの長さは原則として
等しくなるはずであり、従って動滑車１７は回転するこ
となしに上昇するのみであり、回動角に変化はない。

次に本考案を第４図および第５図に示す一実施例につい
て説明する。

２板の板材からなる枠体２１にはさまれて２個の定滑車
１６ａ、１６ｂが回動自在に枢支されている。

上記２個の定滑車１６ａ、１６ｂの中間には、動滑車１
７を鉛直方向にガイドするガイド溝２１ｃが枠体２１に
鉛直方向に設けられている。

上記動滑車１７の軸には第１のポテンショメータ１８が
連結されている。

なお、動滑車１７にはその軸を介して、鉛直方向に配設
された棒状の重錘枠１９の上端が固着され、重錘枠１９
の中途は、ガイド溝２１ｃより真下側の枠体２１に固着
された重錘枠ガイド枠２６に挿通され、重錘枠１９の下
側には重錘２０が垂下されている。

また枠体２１の上部天板の１側の端部には、回動軸２２
が回動自在に取り付けてあり、第５図に示すように円筒
状架台２７に装着され、同架台２７は浮体２に固定され
る。

回動軸２２は、円筒状架台２７の上部十字枠の交叉部中
心に回動軸２２まわりで浮体２の方位変化に応じて自動
的にキャスター効果が出るように、方位可変なように装
着されている。

回動軸２２の上端は、円筒状架台２７の上部の十字型枠
に支承された第２のポテンショメータ２８と連結されて
、回動角をポテンショメータ２８の出力としてとり出す
ことができる。

第３図において、説明したように浮体２が、水底４に対
して変位すると、浮体２上に配設された円筒状架台２７
が浮体２の移動量と同量だけ同一方向に変位する。

それに付随してる定滑車１６ａ。１６ｂ動滑車１７、第
１のポテン重錘枠−２１８重錘桿１９、重錘２０も、浮
体２の移動量と同量だけ同一方向に変位する。

一方、シンカー５に端部を係止したワイヤ３は動滑車１
７に垂下された重錘２０により適切な張力で緊張状態に
張設されており、浮体２の移動した変位に順応してワイ
ヤ３は変位して定滑車１６ａ。

１６ｂ１動滑車１７を回動させる。

そこで、第１のポテンショメータ１８は、浮体２の変位
量に対応した動滑車１７０回動角を計測することができ
る。

また浮体２の方位変化に応じて、自動的にキャスター効
果を生じて潮流の下流側に枠体２１が回動し、回動軸２
２に連結された第２ポテンシヨメータ２８が、浮体２の
方位変化角を表示する。

上述したように、本考案の一実施例装置によると浮体に
ワイヤの傾斜角と方位角とを検出しうる非常に単純な機
構の測定装置をそなえ、これを一対の定滑車と、１個の
動滑車による差動力式とすることにより、潮流によるワ
イヤ傾斜角の誤差を消去でき、任意の潮流下において常
に、本来必要とする真のワイヤ傾斜角と方位角とを精度
よ（検出できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の変位計の概略説明図、第３図
は本考案の変位計の原理を示す図、第４図及び第５図は
本考案の変位計の一実施例を示す図であって、第４図は
要部拡大図、第５図は全体の斜視図である。 １・・・・・・水面、２・・・・・・浮体、３・・・・
・・ワイヤ、４・・・・・・底面、１６・・・・・・定
滑車、１７・・・・・・動滑車、１８・・・・・・第１
のポテンショメータ、２１・・・・・・枠体、２２・・
・・・・回動軸、２８・・・・・・第２のポテンショメ
ータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水面上に浮かぶ浮体に回動軸を介して回動自在に枢着さ
   れる枠体と、同枠体に水平方向に間隔をへたてて取付け
   られる一対の定滑車と、同定滑車間の上記枠体に鉛直方
   向に設けられたガイド溝に沿って滑動自在に装着される
   動滑車と、両端が水底に締結されかつ上記一対の定滑車
   および動滑車を介してＭ字状に懸架されるワイヤと、上
   記動滑車および回動軸の回動角を検出する第１および第
   ２のポテンショメータとからなることを特徴とするトー
   トワイヤ式変位計。