JPS5844239Y2 - 竪軸回転窓のガラス支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、竪軸を中心にして回転する窓の、下側回転
中心軸におけるガラス支持装置に係るものである。

この考案の目的とするところは、大きなガラスが嵌込ま
れたり、あるいは複層ガラスが嵌込まれたりして、竪軸
回転窓の障子の下框に大きな荷重がかかる場合でも、従
来のように、框の断面寸法を大きくしたり、形材の肉厚
を増すなどして框を強くして、障子の垂れ下りを防止す
る方法を採らなくても、竪軸回転窓の障子垂れ下りを防
止することが出来るガラス支持装置を得るにある。

従来は窓面積が小さい場合あるいは薄いガラスが嵌込ま
れている場合など、障子にががる重量が少ない場合には
、障子の垂れ下りに対する心配はあまりないが、最近の
ように、窓を大きくしたり、あるいは室内の冷暖房効果
を高めるために複層ガラスにしたりして、障子にかかる
荷重が大きくなると、障子の左右が垂れ下ってくる心配
がある。

即ち、第５図に示す如く、従来の竪軸回転窓のガラス支
持装置では、下框７の中央の下側に回転中心軸８が配設
され、この下框７の上側左右にセツティングブロック２
１．２１を配設し、これに窓ガラス１１を乗せる。

従って窓ガラス１１の重量が大きくなると、回転中心軸
８を支点とし、下框７の左右に大きな曲げモーメントが
働き、障子の左右が垂れ下ってくる。

この垂れ下りが原因で、枠と障子間に周設している気密
材が過度に押し潰されて、障子の回転（開閉）が重くな
ったり、あるいは気密・水密性能を疎外したりする場合
が有った。

これを防止するために、従来は、障子の框の断面寸法を
大きくしたり、形材の肉厚を増すなどして、框を強くし
て框左右の垂れ下りを防止していた。

このような従来方法による問題点としては、イ、障子の
框にかけることのできる許容最大ガラス荷重の範囲を決
めて、その範囲内で同一の太く重い框を使用していたた
め、荷重が小さい程、過剰品質となっていた。

また、荷重の範囲ごとに、断面積の異なる大小いくつも
の種類の框を準備しておかなければならなかった。

口、許容荷重の大きな框は断面形状が大きく、また形材
の肉厚が増すなど、デザイン上問題があった。

また、このような形材は重量が大きいので、加工、工作
、あるいは運搬等の取扱いに問題があった。

ハ、形材が大きいため、あるいはいくつもの種類の形材
を準備しておかなければならないなどのため、製品の材
料費あるいは在庫費が多くががって、製品がコスト高に
なった。

この考案はこの様な従来の問題点を解決し、前記の目的
を達成しようとするもので、これを図面について詳細に
説明する。

第１図に示す如く竪軸回転窓は、建物に固定する窓枠１
の上枠２と下枠３との中央室内側に軸受４を固定し、こ
れ等の軸受４．４に、窓障子５の上框６と下框７との中
央室内側に固定した回転軸８，８を回転可能に嵌装する
。

この下框７に中空状の枠部分９を形威し、これに窓ガラ
ス１１の重量を受けさせるためのガラスライナー１２を
挿入する。

そして、その底壁１３と、前記中空状枠部分９の底壁１
４と、前記回転軸８に設けた取付板１５とをビス１６で
一体に固定する。

縦軸回転窓障子５の幅は普通１２００ ｍｍ以下であっ
て、前記のガラスライナー１２は例えば２００ｍｍとし
、その中心は前記の回転軸８の位置にする。

このガラスライナー１２の両端近くの位置における前記
中空枠部分９の上側壁１７に切欠孔１８をあけ、これを
通してガラスライナー１２の両端近くにセツティングブ
ロック１９を乗せる。

そして、このセツティングブロック１９上にガラス１１
を載置し、ガラス押え、シーラー（図示せず）及び間隔
材２０等で窓障子５の善根に固定する。

この考案による竪軸回転窓のガラス支持装置によると、
窓障子５の窓ガラス１１の重量をセツティングブロック
１９、剛体のガラスライナー１２、下框７の中空枠部分
９の底壁１４、及び回転軸８に設けた取付板１５を介し
て回転軸８に伝える。

従って、セツティングブロック１９．１９で受けたガラ
ス１１の重量により剛体のガラスライナー１２に前記回
転軸８の位置において集中曲げ荷重が作用しても、この
ガラスライナー１２はほとんど変形しない。

それ故、下框７の底壁１４の前記回転軸８の位置におい
ては圧縮荷重が掛るだけである。

一般に金属材料の圧縮強度は極めて大きく、また底壁１
４の厚さには関係がないから下框７の強度は従来程必要
としない。

即ち、窓ガラス１１と善根との間のコーテイング材を通
して、框にか・る窓ガラス１１の重量及び風圧等を考慮
するだけでよい。

従って、ガラス重量の大きな障子もガラス重量が小さい
障子と同一の框を使用してつくることができ、材料費の
削減、あるいは、いろいろな形状の形材を持つ必要がな
くなる、等の効果が生じる。

形材の断面が小さくなってデザインがシンプルになり、
また形材の加工、工作、運搬等の取扱いが楽になる。

セツティングブロック１２．１２取付用の切欠孔１８が
、外気即ち風圧に対する等圧孔として利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は竪軸回転窓の略図的正面図、第２図はその要部
の拡大縦断正面図、第３図は第２図の線ＩＩＩＩＩＩに
沿って縦断して見た拡大斜視図、第４図は第２図の線Ｉ
ＩＩ−ＩＩＩに沿って見、且つ一部分を切断除去して見
た縦断側面図であり、第５図は従来の竪軸回転窓のガラ
ス支持装置である。 図面中、符号３は下框、１２はガラスライナー、８は回
転軸、１１は窓ガラスである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 竪軸回転窓の下框の中空内部に剛体のガラスライナーが
   前記回転軸を中心にして嵌込まれ、そのガラスライナー
   の両端近くの前記下框の上側板部分に切欠孔があけられ
   、この二つの切欠孔を通して前記ガラスライナー上にセ
   ツティングブロックが夫々配設され、このセツティング
   ブロック上にガラスが載置されて、ガラスの荷重をガラ
   スライナーから下框の底壁を介して回転軸へ伝達させる
   ことを特徴とする竪軸回転窓。