JPS5844125B2 - 高周波焼入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は高周波焼入装置に関するものであり、特に被
焼入材に正常な焼入れが行われない場合にはこれを検出
して、焼入れを中止するようにした高周波焼入装置に関
するものである。

被焼入材に多数部分の処理を施す自動ラインの中に高周
波焼入装置を設けたものでは、被焼入材を前工程で処理
して後、前工程から高周波焼入工程に被焼入材を送り込
んで高周波焼入れを行い、焼入完了後、焼入完了物を後
工程に送り出して行く。

このように被焼入材の単体毎に導入、焼入れ、導出を連
続的に繰返して行う。

また被焼入材の単体が長尺である場合、被焼入材の焼入
れは被焼入材を移動させながら行うが、この被焼入材を
移動させる送り速度、並びに高周波焼入装置に印加する
印加重力は、被焼入材の厚さ等の形状に応じてあらかじ
め設定されたプログラムに従って調整される。

この場合、高周波焼入装置に印加される印加電力は、例
えば５５０■、５００ｖ等のように段階的に変段調整さ
れるものである。

このような自動ラインの中に設置された高周波焼入装置
において、被焼入材の焼入れ中に前記送り速度もしくは
前記印加電力に異常があった場合には、被焼入材の焼入
れは不良の焼入完了材となり、この不良の焼入完了材が
後工程に送り出されることになり、良品質の製品を造る
上で極めて不都合となる。

一般に異常焼入れの起る原因としては、高周波焼入装置
の電気回路の接触不良によって、被焼入材が部分的に加
熱されない場合、もしくは被焼入材の送りが途中で一時
的に停止する場合、あるいは被焼入材を高周波焼入装置
内で移動させる送り機構の負荷、例えば被焼入材の重量
等の負荷が極端に変動して送り速度が途中で極端に変化
する場合等がある。

この発明はこのような異常現象によって異常焼入れが発
生した場合には、被焼入材の焼入れを中止して、不良の
焼入完了材が後工程に送り出されるのを防止したもので
ある。

以下図面によりこの発明を説明する。

第１図はこの発明に係る高周波焼入装置の一実施例を示
す概略図である。

第２図は第１図の動作説明図である。

第１図において、電源装置１は高周波焼入装置に印加さ
れる単相高周波電源である。

整合装置２はコイル２０１と電力用コンデンサ２０２と
の並列共振回路であり、電源装置１の単相高周波電力が
印加され、電源装置１の単相高周波に共振するものであ
る。

インダクタ３は整合装置２のコイル２０１に相互誘導結
合され、被焼入材４に高周波焼入れを行うものである。

計器用変圧器５は電源装置１の出力電圧を所定比で降圧
するものである。

電圧調節器６は計器用変圧器５の出力電圧が印加され、
被焼入材４の焼入れ中に変成調整される電源装置１の出
力電圧の中で一番低い設定値の出力電圧よりやや低い所
定の出力電圧値以上で出力を生じるものである。

すなわち、変成調整される電源装置１の出力電圧の中で
一番低い設定値の出力電圧が５００Ｖであるとすると、
電源装置１の出力電圧が４５０Ｖ以上であれば出力を生
じ、電源装置１の出力電圧が４５０Ｖ未満′であれば出
力を生じないように構成されている。

下限設定用タイマ７は、被焼入材４の焼入開始から焼入
終了までの基準焼入時間を第２図ａに示すようにｔｏと
したとき、第２図すに示すように基準焼入時間ｔｏより
も時間△ｔゝだげ短い下限設定時間ｔｄの時間を被焼入
材４の焼入開始から経過したときに出力を生じるもので
ある。

上限設定用タイマ８は第２図Ｃに示すように基準焼入時
間ｔｏよりも時間△ｔだげ長い上限設定時間ｔｕの時間
を被焼入材４の焼入開始から経過したとき出力を生じる
ものである。

比較装置９は第２図ｄに示す電圧調節器６の出力と、第
２図すに示す下限設定用タイマ７の出力と第２図Ｃに示
す上限設定用タイマ８の出力とを比較し、第２図ｅに示
すように下限設定用タイマ７の出力が零になってから上
限設定用タイマ８の出力が零になるまでの間に、電圧調
節器６の出力が零にならないときに、出力端子１０に第
２図ｆに示す警報出力を生じ、その出力により自動的に
もしくは入手により被焼入材４の焼入れを中止させるも
のである。

すなわち、電源装置１は被焼入材４の焼入開始から焼入
終了までの間、単相高周波電力を発生し、この単相高周
波電力はコイル２０１と電力用コンデンサ２０２との並
列共振回路である整合装置２を介してインダクタ３に印
加され、被焼入材４を高周波焼入れする。

一方、電源装置１の出力電圧は計器用変圧器５を介して
電圧調節器６に印加され、電源装置１の出力電圧が所定
値以上であるときに、第２図ｄに示すように電源装置１
の出力電圧が印加されている聞出力を生じる。

下限設定タイマ７は第２図すに示すように、第２図ａに
示す被焼入材４の基準焼入時間ｔｏよりも時間△を短い
下限設定時間ｔｄＯ間だけ被焼入材４の焼入開始より出
力を生じる。

また上限設定タイマ８は第２図Ｃに示すように、第２図
ａに示す被焼入材４の基準焼入時間ｔｏよりも時間△を
長い上限時間ｔｕＯ間だけ、被焼入材４の焼入れ開始よ
り出力を生じる。

これら第２図ｄに示す電圧調節器６の出力と、第２図す
に示す下限設定タイマ７の出力と、第２図Ｃに示す上限
設定タイマ８の出力とは比較装置９において比較される
。

第２図ｄに示す場合電源装置１の出力発生時間は電圧調
節器６の出力発生時間ｔｘと同じであり、電圧調節器６
の出力発生時間ｔｘは、第２図ａに示す被焼入材４０基
準焼入時間ｔｏに対する第２図ｅに示す許容時間範囲ｔ
ｏ±△ｔから外れ、許容時間ｔｏ＋△ｔよりも更に時間
△ｔだげ長くなっている。

従って、比較装置９では出力端子１０に第２図ｆに示す
警報出力を生じ、電源装置１の電源回路を遮断すると共
に、被焼入材４の送り機構（図示せず）を止めて被焼入
材４の焼入れを中止する。

なお、上記説明では被焼入材４の焼入れ時間が許容時間
より長い場合を示したが、焼入れ時間が許容時間よりも
短い場合においても同様の動作が行われることは明白で
ある。

また、許容時間範囲ｔｏ±△ｔのｔ。と△ｔとの関係は
△ｔ＝０．０５ｔｏであることが望しい。

以上のようにこの発明によれば、被焼入材の異常焼入れ
を検出して被焼入材の焼入れを中止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る高周波焼入装置の一実施例を示
す概略図である。 第２図は第１図の動作説明図である。 図において、１は電源装置、３はインダクタ、４は被焼
入材、６は電圧調節器、７は下限設定タイマ、８は上限
設定タイマ、９は比較装置である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被焼入材を焼入れるインダクタに高周波電力を印加
   する電源装置、前記電源装置の出力電圧が所定電圧以上
   である場合に前記電源装置が出力を生じている聞出力を
   生じる電圧調節器、前記被焼入材の基準焼入時間に対し
   て所定時間だけ短い許容される時間前記被焼入材の焼入
   開始より出力を生じる下限設定タイマ、前記被焼入材の
   基準焼入時間に対して所定時間だけ長い許容される時間
   前記被焼入材の焼入開始より出力を生じる上記設定タイ
   マ、及び前記電圧調節器の出力と前記下限設定タイマの
   出力と前記上限設定タイマの出力とを比較する比較装置
   を備え、前記比較装置は前記電圧調節器の出力発生時間
   が前記下限設定タイマの出力発生時間と前記上限タイマ
   の出力発生時間との間の差の時間範囲外であることを検
   出して警報出力を出すものであることを特徴とする高周
   波焼入装置。