JPS5843118B2 - スキ−バインデイングの掛止め機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自在に揺動可能に支持されかつばね力によっ
て中心位置に保持されている押圧ピンをもったスキーパ
インディングの掛止め機構に関する。

かかる掛止め機構はスキーパインディングの一部分を形
成し、掛外し板付きのスキーパインディングの場合と同
様に、爪先釈放装置並びに踵釈放装置において用いられ
る。

これらすべての釈放装置は、それがスキー靴を、あるい
はスキー靴に接続された掛外し板をスキーに掛外し可能
に接続するということにおいて共通している。

スキーからのスキー靴の釈放ないし掛外しは、スキーヤ
−の負傷を防止するためにある大きさの力が越された場
合にのみ行なわれなければならない。

周知の掛止め機構の場合、押圧ピンはハルマゲームの駒
の形をしており、その平らな端部が、圧縮ばねを有する
円筒状スリーブの中にピストンのように導かれている。

その圧縮ばねはそのように形成された押圧ピンの縁をス
リーブのカラーに押圧している。

かかる掛止め機構は、抑圧ピンが軸方向に変位した際に
横への揺動を止められないので、場合によってはスキー
締具が早めに外れてしまうという欠点を有している。

ばねを堅く調整した場合には、転倒した際にもスキーパ
インディングが外れないという危険を生じてしまう。

本発明の目的は、冒頭に述べた形式の掛止め機構を、上
述の欠点を除去し、軸方向の変位の際にも押圧ピンが中
心位置を保持するように形成することにある。

本発明によればこの目的は、押圧ピンが球状の大径端部
を有し、この端部がケーシングの中に球軸受けを介して
揺動可能に支持され、ケーシングのこの軸受箇所にこの
軸受箇所の外側を取り囲む接触面が設けられ、この接触
面平面が球軸受は部分の中心の少くとも近くを通り、前
記接触面にばね力の加圧下でブツシュが当接し、このブ
ツシュが抑圧ピンの前記軸受から突き出た部分に摺動可
能に支持されていることを特徴とする掛止め機構によっ
て達成できる。

掛止め機構の本発明に基づ〈実施形態によって生ずる別
の利点を図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図はそれぞれ掛止め機構の異なる状態
を示している。

すなわち第１図は休止状態を、第２図は締付は状態を、
第３図は釈放状態をそれぞれ示している。

ケーシング１はスリーブ２と接触面３で取り囲まれ、前
記スリーブ２の前方端は球軸受け２′状に絞られている
。

接触面３の平面は球軸受け２′の中心Ｚを通っている。

ケーシング１の後側にはストッパボルト４がねじ込まれ
ている。

球軸受けγめ中には自在に揺動可能な抑圧ピン５の球状
大径端部５′がある。

押圧ピン５の円柱状部分５“にはブツシュ６が摺動可能
に支持されている。

押圧ピン５の前方端は球軸受は付きの頭部５／／／を有
している。

頭部５′′とブツシュ６との度には圧縮ばね７が予圧状
態で存在している。

第１図に示された休止状態において、球状大径端部５′
とストッパボルト４との間に隙間Ｘが存在している。

第２図には掛止め機構が締付は状態において示されてお
り、その場合隙間Ｘは非常に小さくなっているか、ある
いは零になっている。

なおこれはスキーパインディングにおける掛止め機構の
使用状態に左右される。

隙間がなお存在している場合には軸方向の締付は力ＫＬ
はばね力Ｆと同じである。

破線で示されたスキー靴底の他端に設けられた（図示さ
れていない）締付は要素（踵あるいは爪先自動止め具）
が前記ばね力Ｆより大きな締付は力のばね要素を有して
いる場合、隙間Ｘは零となる。

これに対してスキー靴底の他端に係合する締付は要素が
不動のものである場合、ある隙間Ｘが存在するように調
整されねばならない。

この場合締付は力ＫＬ−ばね力Ｆである。

第３図にはスキー靴底が横方向に揺動したために押圧ピ
ン５が釈放過程にある状態を示している３この場合も隙
間Ｘは釈放力に影響を及ぼす。

その場合横方向の揺動は従って２段階で行なわれる。

角度α１までの押圧ピン５の揺動は、はじめに押圧ピン
５の球状大径端部５勿中心と球軸受け２′の中心との間
隙Ｘ、（第２図参照）が零まで減少して球状大径端部５
′が球軸受け２′に接触するまでは、僅かな力を必要と
するだけである。

従ってこのことはばね７の長さがこの第１の揺動運動中
において全く圧縮されないので、そのばね力はほとんど
初期締付は力と同じである。

更に揺動した際第３図に示されているように、ブツシュ
６と押圧ピン５の頭部５″との間隔ははじめ減少し、そ
の場合ばね７は更に圧縮される。

横方向の偏位力Ｋｓは押圧ピンのすべての横方向偏位の
際にレバー比率５ｈだけ低下する。

このことは掛止め機構の構造形態によって釈放力に影響
を及ぼすことができる。

たとえば横方向の釈放のために必要な力が上向きの力の
ために釈放する力よりも小さいように、掛止め機構を形
成することができる。

釈放力について以下要約して説明する。

■、隙間Ｘが存在する場合、軸方向釈放力はばね７のば
ね力と同じである。

２、隙間Ｘが存在する場合、横方向釈放力ないし復帰力
Ｋｓははじめ偏位角α□まではほぼ一定であり、その後
第３ａ図の線図に示されているように増加する。

この図中には偏位角αの関数で横方向釈放力が示されて
いる。

３、隙間Ｘが存在していない場合、横方向釈放力は第３
ａ図の線図に破線で示されているように偏位角αと共に
増加する。

ここでは釈放力を対象として説明したが、同時に復帰力
も対象となる。

すなわちかかる掛止め機構を備えたスキーパインディン
グは、スキー靴のスキーの長手軸心に対して横方向への
非常に大きな偏位を可能にし、またスキー靴を再び戻す
ことを可能にしている。

スキー靴底と押圧ピン５との間にかみ合い接続がもはや
存在しなくなった場合にはじめて、スキー靴はスキーパ
インディングから外れる。

第２図および第３図において、スキー靴底には頭部５′
′の球軸受けに係合する球状保持具８が設けられている
。

横方向偏位が符号αで示された角度よりも大きくなった
場合に、スキー靴はスキーパインディングから外れる。

第４図ないし第６図は掛止め機構を一層詳しく示してい
る。

球状部分５′はここでは球受けとストッパピン４との間
に隙間無しに保持されているので、その釈放特性は第３
ａ図の線図における破線に相応している。

ケーシング１は横側フランジ１′（第５図）によってス
キー板Ｓに取り付けられている。

接触面３０とブツシュ６０はその幅よりも高さが大きい
台形の形をしている。

ブツシュ６０がスリーブ６１を備えていることによって
、このブツシュ６０は押圧ピン５の円柱状部分５“の上
を良好に摺動できる。

押圧ピン５の前方には踵保持具９がねじ込まれている。

ここではコイルばねの代りにブツシュの形をしたゴム弾
性体７０が踵保持具９とブツシュ６０との間に予圧状態
で挿入されている。

第４図にはスキー靴の一部が細い破線で示されている。

第６図から、横方向の釈放のために必要な力が上向きの
釈放のために必要な力より小さいことがわかる。

横方向の釈放の際ブツシュ６０は横側境界線を中心に傾
くので、釈放力および復帰力ＫＳはＫｓ＝λ・Ｆである
。

これに対して上方に向けて釈放するためには、ブツシュ
６０は上側境界線を中心に傾かねばならないので、釈放
力ＫＯ＝λ・Ａは大きくなる。

ブツシュ６０の台形形状は、横方向の偏位の際に台形が
横側境界線を中心に傾動し、スキー靴が自動的にスキー
板Ｓから持ち上げられ、スキー靴底とスキーとの間の摩
擦が減少されるという利点を有している。

第７図には円形のブツシュ６２をもった変形例が示され
ている。

ブツシュ６２をこのような形にした場合、すべての方向
において釈放するための力は同じ大きさとなる。

第８図は後方の鎖錠機構に適用した実施例を示し、この
鎖錠機構は主に一枚の基板２０を有し、この基板２０の
上には、力を与えた場合にのみ自在に揺動できる抑圧ピ
ン組立体２１が取り付けられ、更に２個のローラ２２が
回転自在に支持されている。

押圧ピン組立体２１の保持具付きの基板２０は全体とし
てスキー板の長手方向に移動調整可能に取付けられてい
る。

この押圧ピン組立体２１の保持具はケーシングとなる管
部片２４を有し、この管部片２４の一端は、自在揺動可
能な押圧ピン２１ａの球状端に対するピボット軸受を形
成するように収縮されている。

押圧ピン２１ａの上には、ブツシュ２５が摺動自在には
め込まれ、更に前方には外側円錐状端をもった第２のブ
ツシュ２６がねじ込まれている。

両ブツシュ２５．２６のフランジ間にはスプリングと同
等なゴム弾性の合成樹脂から成る幅広いゴム弾性体２７
が予圧状態で締めつけられている。

管部片２４の前方部分は鋼鉄リング２８で取り囲まれ、
このリング２８に加圧状態のブツシュ２５が当接してい
る。

第８図に示されている抑圧ピン組立体２１の位置におい
て、抑圧ピン組立体２１はその通常位置から上方へはね
上げられている。

その場合ブツシュ２５の縁がリング２８に当接している
。

抑圧ピン組立体２１を揺動する際に上方に向いた力を減
少するために、ブツシュ２５は上方の場所２５ａが僅か
に削除され傾斜されている。

管部片２４の背面側はプラグ２９で閉鎖され、このプラ
グ２９に耳片２９ａが掛けられている。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図は掛止め機構のそれぞれ異
なる状態における水平断面図、第３ａ図は押圧ピンの偏
位角と釈放力との関係を示す線図、第４図、第５図およ
び第６図はそれぞれスキー靴の前方部分を釈放可能にス
キーに掛止めするための掛止め機構の垂直断面図、平面
図および第４図のＶｌ−Ｖｌ線に沿う断面図、第７図は
異なった実施例の第６図に相応した断面図、第８図は本
発明の更に他の実施例を示す断面図である。 １・・・ケーシング、３・・・接触面、５・・・押圧ピ
ン、５′・・・球状大径端部、６・・・ブツシュ、７・
・・圧縮ばね、２１ａ・・・押圧ピン、２５・・・ブツ
シュ、２７，７０・・・ゴム弾性体、３０・・・接触面
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自在に揺動可能に支持されかつばね力によって中心
   位置に保持されている押圧ピンをもったスキーパインデ
   ィングの掛止め機構において、前記押圧ピンが球状の大
   径端部を有し、この端部がケーシングの中に球軸受けを
   介して揺動可能に支持され、ケーシングのこの軸受箇所
   にこの軸受箇所の外側を取り囲む接触面が設けられ、こ
   の接触面平面が球軸受は部分の中心の少くとも近くを通
   り、前記接触面にばね力の加圧下でブツシュが当接し、
   このブツシュが押圧ピンの前記軸受から突き出た部分に
   摺動可能に支持されていることを特徴とするスキーパイ
   ンディングの掛止め機構。