JPS5842659Y2 - ダイヤフラムスプリング式多板クラツチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はオートバイ等に使用される多板クラッチであ
って、特にプレッシャープレートをダイヤフラムスプリ
ングにより押すようにした多板クラッチの改良に関する
ものである。

従来この種のクラッチはコイルスプリングを使用してい
るが、高速回転時の性能に問題があるところからダイヤ
−フラムスプリングを用いた多板クラッチが試みられて
いる。

しかしながらこれ等のクラッチはダイヤフラムスプリン
グが強いばね力を有するため、その取付個所が破損し易
く、これを防ぐためいきおい部品点数が多くなり、上記
スプリングの取付が非常に面倒である等の欠点を有して
いた。

本考案は上記欠点を除去することを目的とするもので、
ダイヤフラムスプリングの取付けのための部品点数を削
減し、その取付けを極めて容易にした新規なダイヤフラ
ムスプリング式多板クラッチを提供せんとするものであ
る。

以下、本考案を図示し、た実施例に基づいて具体的に説
明する。

第１，２図において、１は駆動ギヤ、２は被駆動軸、３
は駆動ギヤ１に固着したクラッチドラム、４は被駆動軸
２にスプライン係合したクラッチハブである。

クラッチハブ４のスリーブ４ａの外周とクラッチドラム
３内周間には、外周の突起をクラッチドラム３の軸方向
スロットに摺動可能に嵌めた多数のディスクプレート６
と、このディスクプレート６の間に介在して内周をスリ
ーブ部５の外周に摺動可能にスプライン係合した多数の
クラッチプレート７を配設し、かつ最上部のディスクプ
レート６のさらに上部に内周をスリーブ５の外周に摺動
可能にスプライン係合したプレッシャープレート８が設
置されている。

そしてクラッチハブ４のセンター１２の端面上に等間隔
に形成した複数個の曲片１３にはそれぞれレリーズカム
１４が回動自在に軸支されている。

このレリーズカム１４は一端にレバー１４ａを、他端に
スプライン１４ｂが形成されている。

ダイヤフラムスプリング９は第３，４図に示すような皿
ばねで、その板面に中心方向に開放された切欠き１０が
放射状に穿設されている。

このダイヤフラムスプリング９は第１，２図に示すよう
に、その切欠き１０の内端部１０ａをスリーブ５の端面
に適宜の間隔を維持して形成した凸部５ａに遊挿し、か
つスリーブ５の端面との間に適度のクリアランスを保持
し、その外周側内面をプレッシャープレート８に当接し
、その内周側外面をそこに取付けた断面り字型のリング
プレート１１を介してレリーズカム１４のレバー１４ａ
に当接して支持されている。

なお、このダイヤプラムスプリング９は第４図に示すよ
うにＰ方向に荷重が附加された状態で支持される。

このとき上記レリーズカム１４はその他端側に形成した
スプライン１４ｂが被駆動ｓ２に一端側を遊挿したレリ
ーズピン１５の他端側に形成した溝１５ａに係合してい
る。

レリーズピン１５はその中央寄り外周に形成した鍔部１
５ｂが被駆動軸２の端面に当接して、ダイヤフラムスプ
リング９の附勢方向と反対方向（矢視方向）の移動を阻
止されている。

ダイヤフラムスプリング９を上記のように装着するには
、上記スプリング９に荷重を附加した状態でセットする
ので、常にレリーズカム１４に矢視方向の力が附勢され
ている。

しかしレリーズカム１４はその他端に形成したスプライ
ン１４ｂがレリーズピン１５の溝１５ａに係合しており
、そのレリーズピン１５はその鍔部１５ｂによって矢視
方向の移動を阻止されているので、矢視方向に回動する
ことなくダイヤフラムスプリング９を確実に保持する。

そしてこのときディスクプレート６とクラッチプレート
７とはプレッシャープレート８を介してダイヤフラムス
プリング９に押されて圧接状態となっており、トルク伝
達作用をする。

レリーズピン１５の被駆動軸２遊挿端部は、ブツシュロ
ッド１６の端部に当接し、ブツシュロッド１６は図示し
７ないクラッチ解放レバーの操作に連動して矢視方向へ
動く。

これによりレリーズピン１５及びレリーズカム１４はそ
れぞれ矢視方向と反対方向へ移動あるいは回動し、その
結果ダイヤフラムスプリング９の内周側をＡ矢視方向に
押し下げるので、スプリング９はスリーブ部５の端面を
支点としてその外周側がＢ矢視方向に浮き上がり、ディ
スクプレート６とクラッチプレート７との圧接状態が解
除されてトルク伝達作用をしなくなる。

なお、本考案においてはダイヤプラムスプリング９とク
ラッチハブ４のスリーブ部５端面との間に適度のクリア
ランスを保持することが必要であるが、本実施例に示す
ようにスリーブ部５端面に形成した溝にファルクラムリ
ング１７を装着して上記クリアランスを保持すると良い
。

この場合、クラッチプレート７がある程度摩耗しても支
障なくクラッチ操作を行うことができると共に、クラッ
チ操作の遅れをなくすことができる。

以上本考案によれば、レリーズカム及びレリーズピンを
用いることによりダイヤフラムスプリングを極めて少な
い部品点数で確実に装着することができ、その上その装
着にあたってボルトあるいは溶接等の装着手段を全く不
要とするもので装着が極めて容易となり、これによって
クラッチとしてのコスト及び重量を大巾に低減すること
ができる等の実用上の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の多板クラッチの中央縦断面図、第２図
は同上側面図、第３図は本考案のダイヤフラムスプリン
グの平面図、第４図は同上Ｉ−Ｉ線断面図である。 １・・・・・・駆動ギヤ、２・・・・・・被駆動軸、３
・・・・・・クラッチドラム、４・・・・・・クラッチ
ハブ、５・・・・・・スリーブ部、６・・・・・・ディ
スクプレート、７・・・・・・クラッチプレート、８・
・・・・・プレッシャープレート、９・・・・・・ダイ
ヤフラムスプリング、１３・・・・・・曲片、１４・・
・１．・レリーズカム、１５・・・・・・レリーズピン
、１６・・・・・・ブツシュロッド、１７・・・・・・
ファルクラムリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端開放のクラッチドラム内にクラッチハブを設置し、
   このクラッチハブのスリーブ部外周とクラッチドラム内
   周にはクラッチドラムに取付ける多数のディスクプレー
   トと、クラッチハブ内に取付ける多数のクラッチプレー
   トと、このクラッチプレートとディスクプレートを圧接
   させるためのプレッシャープレートとを設置した多板ク
   ラッチにおいて、荷重附加の状態のダイヤフラムスプリ
   ングを、上記クラッチハブのスリーブ部端面との間に適
   度のクリアランスを保持して、その外周側内面を上記プ
   レッシャープレートに当接し、その内周側外面を上記ク
   ラッチハブのセンタ一端面に複数個形成した曲片にそれ
   ぞれ枢支したレリーズカムの一端に当接し、かつこのカ
   ムの他端を上記スプリングの附勢方向と反対方向の移動
   を阻止されて被駆動軸に遊挿したレリーズピンの溝部に
   係合させて装着し、上記レリーズピンの遊挿端部を上記
   被駆動軸内を摺動するブツシュロッドの端部に当接させ
   たことを特徴とするダイヤフラムスプリング式多板クラ
   ッチ。