JPS5841410Y2 - ダンパ−プ−リ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダンパープーリーに係り、殊に自動車用エンジ
ンに採用される同プーリーに関するものである。

自動車用エンジンに於ては、極めて巾広い回転範囲内で
稼動しており、その回転変動を円滑にするためのダンパ
ーと冷却ファンや発電機等を駆動するためのプーリーと
を一体型とした、いわゆるダンパープーリーは既に知ら
れている。

所で、このダンパープーリ・−は、一般に、回転軸が挿
入される軸穴を有する基部に、円筒状ゴム部材を焼き付
けた金属リングを嵌入して基部とゴム部材とを接着し、
更にその外周にベルト溝を備えた外輪を圧入嵌合して或
っている。

従って、該外輪と前記金属リングとの間は上記圧入嵌合
により強固に、また裟属リングとゴム部材との間も焼付
けにより強固に結合されているも、ゴム部材と基部の間
は主に接着により結合されているためにこの結合が必ら
ずしも強固とは言い難い。

これがため、この種のダンパープーリ・−を長時間使用
していると、ゴム部材と基部との間で剥離が生じる場合
があり、ゴム部材、リング、外輪等がエンジンの前方（
ラジェータ一方向）に飛び出す危険があった。

本考案はこの点に鑑みてなされたものであって、前記金
属リングを用いて上記飛び出しの際のストッパーを設け
たことを要旨とするものである。

以下図示せる本考案の一実施例について詳説するに、第
１図及び第２図に於て、ダンパープーリー１は、駆動軸
が挿入される軸穴２を持った基部３、金属リング４に焼
き付けられた円筒状ゴム部材５、ベルト溝６を備えた外
輪７等から成り、上記基部３とゴム部材５との間は接着
嵌入結合されており、またリング４と外輪Ｉとの間は圧
入嵌合で強固に結合されている。

８は上記リング４のエンジン側Ｅに面する端部の一部を
伸延に突き出した複数個の足部（第１図の点線示指部分
）９を矢印方向二即ちゴム部材５をまたいで基部３に達
する如く折り曲げて成るストッパーである。

以上の如き構成を備うる本考案ダンパープーリーにあっ
ては、上記基部３とゴム部材５間の結合が劣化しである
いはゴム部材５そのものが剪断されてリング４や外輪７
が白抜矢印Ｆ方向に飛び出さんとしても、ゴム部材５を
またぎ基部３に達するストッパー８が、確実にこれを防
止する故、この飛び出しによるラジェーターや補機類の
破損等を未然に防ぐことができる。

尚、エンジン側Ｅに飛び出す可能性もないではないが、
該ダンパープーリー１とエンジンボディーとの間の間隔
はこれらが抜は出すほどはないので、例えこの方向に飛
び出さんとしても、実害はなく、前記ストッパーはエン
ジン側Ｅのみにあれば足る訳である。

なお、従来ダンパープーリーの緩衝材が破断した場合の
関連機器の破損を防止するための装置としてはいろいろ
考えられているが、いずれも付加的部材を必要としてい
るのに対し、本案は、従来からこの種ダンパープーリー
に付いているゴム材を焼付けた金属リングの一部を利用
しているのみで新たな部材を必要とせず、極めて構造簡
単で、かつ信頼性のある安価なダンパープーリーを得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるダンパープーリーの半硬断面図、
第２図は第１図のＡ矢視図である。 １・・・・・・ダンパープーリー、２・・・・・・軸穴
、３・・・・・・基部、４・・・・・・リング、５・・
・・・・ゴム部材、６・・・・・・ベルト溝、７・・・
・・・外輪、８・・・・・・ストッパー ９・・・・・
・足部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動軸が挿入される軸穴２を持った基部３、金属リング
   ４に焼付けられたゴム部材５、ベルト溝６を有する外輪
   Ｔを備えていて各々の間を接着嵌入結合又は圧入嵌合結
   合して外輪７と基部３との間にリング４とゴム部材５を
   介在させて成るダンパープーリー１に於て、上記リング
   ４のエンジン側Ｅに面する端部の一部を伸延して複数の
   足部９を突き出させ、これをゴム部材５をまたいで基部
   ３に達する如く折り曲げ゛Ｃストッパー８としたことを
   特徴とするダンパープーリー。