JPS5839852Y2 - 蝶番取付凹み削成用型枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扉の枠縁の蝶番取付面に蝶番の翼の長さと巾
と厚さとをもった嵌込用の凹みを削成するための有効適
切な型枠に関する。

蝶番の翼り取り付けるための凹みの長さ、巾及び深さは
蝶番の大きさに比例して大小の変化があるが、それらに
共通した形状の特徴は、第５図下半部に示すように、第
１に、長方形の凹み６の一方の長辺Ａが扉の枠７の端縁
部に開かれた状態で削成されることを要し、第２に、凹
み６に蝶番（図示せず）の翼を嵌め込んだ時にその大き
さが正確に一致し４辺Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄに余隙の生じない
過不足なき大きさの凹み６であることを要する。

蝶番取付凹みの削或は、従来は、専らノミを使う職人の
技能に依存していたが、最近になって、長辺Ａを除外し
たＢ、Ｃ，Ｄ３辺のみを削成する開放式の案内型枠が考
案され、その型に沿ってエンドミルを取り付けた電動ド
リルを動かすと、前記３辺Ｂ、Ｃ，Ｄの削成が正確に仕
上るようになった。

しかしながら、上記の技術では、長辺Ａの工作を行なう
案内手段を欠いているので、その点に関しては、まだ職
人の技能に負わさ゛るを得ない状態であった。

特に枠縁７に開放された長辺Ａと蝶番の翼（図示せず）
との取付具合はそれが常時外部に露出していて人目につ
き易いので、この長辺Ａが不整合であると大変見苦しく
、長辺Ａの確実容易迅速な削成技術の出現が強く望まれ
ていた。

上記を解決する一つの手段として、Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄの４
辺を削成する閉鎖矩形型枠が考えられるが、この案は次
の２点、すなわち、長辺Ａの工作を担当する型枠の内側
面に沿ってエンドミル保護誘導用の筒を当てて切削する
とき、枠７に鉄筒の厚みの分に相当する切削不能帯が生
じ、その分の削除を他の手段にて致さねば蝶番の翼の取
付が不能であること、及び、閉鎖矩形型枠内へまたはそ
こからエンドミルを出入させるとき回転するエンドミル
を金属製の型の案内から浮かすことを要しその不安定な
遊動時に型と刃物とが接触して双方に損傷が生じ易く作
業具にも危険であること、などの憂いがある。

本考案の目的は、上記の課題を解決して、凹みの３辺Ｂ
、Ｃ，Ｄは勿論のこと、長辺Ａをも確実容易かつ迅速に
削成することができるばかりでなく、型枠内への電動式
刃物の取り入れ及びそこからの取り出しに至る全作業工
程にわたって決して刃物を不安定な遊動状態にせず終始
確実に案内し得る安全な蝶番取付凹み削成用型枠を創作
して提供するにある。

本考案の構成を具体的一実施態様により図によって以下
に詳述する。

本考案による型枠は金属製のクランプ機構に関しそれと
一体不可分に設けられる。

先ず、クランプ機構は、作業板８ど、該作業板の一側か
ら直角方向に突出した一体の基板９と、前記作業板の他
側から直角方向に突出した可動板１０と、から戊り、前
記作業板８の巾は扉の枠７の厚さより巾広であることを
要し、前記可動板１０の外側面には雄ねじ棒１１の先端
部が回転可能に取り付けられ、該雄ねじ棒１１はブラケ
ット１２に刻設した雌ねじ孔と係合し、該ブラケット１
２は前記作業板８の他側に固定されている。

１３は可動板１０の内側面に固定したパッドである。

作業板８には２つの長辺ａ及びｂと２つの短辺Ｃ及びｄ
とから戊る矩形案内型が刻設され、そのうちの長辺ａは
基板９の内側面の延長線に一致して設けられる。

基板９の内側面には非金属製例えば木製のスペーサ１４
が固定されており、該スペーサ１４の巾は少くとも切削
刃物すなわちエンドミル１５を保護誘動する筒１６の厚
さより大きいものであることを要する。

長辺ａの一端部における基板９及びスペーサ１４には溝
１７を刻設し、その溝１７の深さ及び巾はエンドミル１
５とその保護筒１６とが通過し得るに足りる広さをもた
せる。

１８は電動ドリルの本体である。

本考案の作用は次の通りである。

先ず、扉の枠７の蝶番取付部分にクランプ機構を公知の
手段にて図に示すように取り付ける。

次に、第４図に示すように電動ドリルの本体１８の下部
に取り付けたエンドミル保護誘導用の円筒１６を溝１７
の側壁に当てて、それに沿って型枠ａ、ｌ）。

ｃ、ｄ内に円筒１７を侵入させる。

すると、円筒に保護されて回転しているエンドミル１５
もまた円筒１７と共に型枠ａ、ｌ）、ｃ、ｄ内に侵入し
、その侵入により、型枠の下面に密着している枠７の縁
端面が削られる。

保護円筒１６を型枠ａ、ｌ）、ｃ、ｄに沿って矩形状に
移動させると、エンドミル１５により凹み６が削成され
ていく。

凹み６の大きさは４辺Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄの範囲に定められ
るが、この大きさは型枠ａ、ｌ）、ｃ、ｄのそれよりも
エンドミルの保護誘導筒１６の厚さの分だけ内側に狭く
削成される。

長辺ａに沿ってエンドミル１５を動かすと、スペーサ１
４が円筒１６の厚さより巾があるため、エンドミル１５
の刃先は枠７の端縁部とスペーサ１４の双方に跨がった
状態で切削が進行し、凹み６の長辺Ａは第５図下半部に
示すように切削不能帯皆無の開かれたものが削成される
。

凹み６の削成作業が終了したときにはエンドミル１５及
びその保護筒１６を作業板８の面から浮かさず、溝１７
に沿って外部へ取り出す。

本考案は、上記の構成と作用とを有せしめたので、スペ
ーサ１４の作用により凹み６の開かれた長辺Ａに何ら切
り残し帯を留めず、凹みを確実容易かつ迅速に削成する
ことができると同時に、基板９に設けた切削具出入溝１
７の作用により電動式刃物を全作業工程にわたって遊動
状態に置かず終始確実に案内誘導し得るので損傷その他
の危険から解放され安全迅速に作業を遂行し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施態様を例示する。 第１図は本考案品の使用状態を示す平面図、第２図は第
１図の左側面図、第３図は第１図３−３線に沿った縦断
面図、第４図は第１図４−４線に沿った縦断面図、第５
図は作業完了後本考案品から蝶番取付枠を取り外した状
態を示す斜視図である。 ６・・・・・・凹み、Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄ・・・・・・凹み
を形成する４辺、７・・・・・・扉の枠、８・・・・・
・作業板、９・・・・・・基板、１０・・・・・・可動
板、ａ、ｌ）、ｃ、ｄ・・・・・・２つの長辺と短辺と
から成る矩形案内型、１４・・・・・・スペーサ、１５
・＝・・・・エンドミル、１６・・・・・・エンドミル
保護誘導筒、１７・・・・・・溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 扉の厚さより巾広の作業板と、該作業板の両側からそれ
   ぞれ直角方向に互に対向して設けた、一方は該作業板と
   一体の基板と、他方は前記作業板に対してブラケットと
   ねじとによる進み対偶を介在させた可動板と、を有せし
   めた金属製のクランプ機構において、 前記基板の内側面の延長線を一方の長辺として前記作業
   板に刻設した矩形案内型と、 前記基板の内側面に固定した少くともエンドミルの保護
   筒の厚さより巾の厚い非金属製のスペーサと、 前記一方の長辺の一端部における基板及びスペーサにエ
   ンドミルとその保護筒が通過し得る深さと巾とを有せし
   めた切削具出入溝と、 から成る蝶番取付凹み削成用型枠。