JPS5837924Y2 - 洋裁用採寸器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は股上、股下、剣法（尻の出具合）等の測定を行
う洋裁用採寸器に関するものである。

洋服の仕立てにおける採寸は、現在水平定規や垂直定規
を顧客の採寸個所に当てかい目盛を読むことによって行
われているが、採寸者の経験や勘にたよることが多く、
素人では容易に正確な採寸を行うことができない。

特に近年コンビニート・オーダー・システムが採用され
るに至り正確な採寸値が要求される。

しかもコンピュータをフルに活用するためには、コンピ
ュータと同速度でデータを収集、入力する必要がある。

コンピュータ・オーダー・システムによれば、注文服を
安く且つ早くで゛きるが、体型に合った良い服を作るた
めの基礎が採寸にあることは当然である。

しかし採寸対象者（顧客）の身体は不安定な動体であり
、しかも人体は千差万別であり、人によってはねこ背、
はと胸、肩下がり等、かなり変則的な体型をしている人
もいる。

そこで洋服着用者（顧客）の体型を完全に把握し、且つ
体型のアンバランスを経験や勘にたよらずに全くの素人
でも容易に正確な寸法ができる採寸器を開発することが
必要である。

最近かかる必要性に応えるもので股上、股下、剣法測定
用として第１図に示す如き採寸器か゛考えられている。

即ち、第１図に示す採寸器は、本体ａに、股上測定用目
盛棒すを上下にスライド可能に備えると共に股下測定用
メジャーＣを巻込み、巻戻し可能に組込み、且つ上記目
盛棒すに剣法測定用目盛棒ｄを水平にスライド可能に備
えた構成となっている。

しかし、この採寸器では、 （イ）股上を測定する場合、目盛棒すを上下にスライド
させて股上の位置まで正しく移動させて行うため、正し
く測定する上において時間がかかる。

（ロ）股下測定用メジャーＣが本体ａに組込んであるた
め、破損、故障し易いと共に、股下測定用としての専用
メジャーを特に装備しておく必要があり、不経済である
。

（ハ）剣法を測定する場合、本体ａを股上、股下測定時
とは逆の向きに持ち換えなければ測定することができず
、非常に不便であり、又測定時臀部に当てる補助板を必
要とする。

（ニ）外股具合を測定するときには別に用意する外股測
定器（図示せず）を使用するようになっているが、外股
測定器は外股具合の測定専用のものであり、しかも非常
に小さいものであるため、紛失することがよくある。

等の問題点がある。

本考案は、かかる問題点を解消し且つ測定点を容易に求
めることができて正確な採寸値が迅速に得られる洋裁用
採寸器を得ようとするもので、水平器付把持部上に回転
可能に取付けた取付具に、先端にメジャーを係止できる
ようにした股下接触棒を、上面が股下及び股上の測定起
点となるように水平に取付けると共に、該取付具に係止
用突起を設け、且つ上端に剣法測定用の目盛付スライド
棒をスライド可能に水平に取付けた目盛棒を、上記取付
具に上下動可能に鉛直に嵌合せしめて、該目盛棒の下端
が取付具の回転位置により把持部上面に当って下降でき
なくなる構成とし、更に上記係止用突起に着脱可能に保
合できるようにした剣法測定補助板を備えてなることを
特徴とするものである。

以下、図面にもとづき本考案の実施例を説明する。

第２図乃至第５図に示すように、把持部１の上面に水平
器２を取付けると共に取付具３を回転可能に取付け、該
取付具３には、その一側に、先端近くにベルベット式フ
ァスナー５を取付けた股下接触棒４を水平状態にしてそ
の末端を取付け、且つ該取付具３の他側、即ち、股下接
触棒４の取付側とは直角をなす側に、第６図及び第７図
に示す剣法測定補助板６の係合溝７と係合させるための
係合用突起８を設け、更に取付具３には、垂直方向に貫
通する孔９を設けてこの孔９に目盛１１付の目盛棒１０
を回転自在に嵌入して直立させる。

上記把持部１と目盛棒１０とは、取付具３を回転させて
第２図、第３図に示す状態に位置させたとき、即ち、股
下接触棒４を股下挿入可能状態に位置させたとき、把持
部１の上面が目盛棒１０の下降を止めるストッパーの作
用をして目盛棒１０が半固定状態に保持され、又取付具
３を９０’変向させたとき目盛棒１０が把持部１の」二
面から外れて自由に上下動できるようになっている。

上記目盛棒１０には、該目盛棒１０が把持部１の上面で
下降をストップされて半固定に保持されている状態にあ
るときに股下接触棒４の上面を起点として定められた目
盛１１が長平方向に付しであるほか、該目盛棒１０の上
端には、目盛１３付スライド棒１２が水平方向にスライ
ド可能に備えてあり、上記股下接触棒４の先端のベルベ
ット式ファスナー５に第２図の状態でメジャーを接着さ
せることにより股下測定時に同時に股−Ｌを目盛棒１０
の目盛１１で測定できると共に、取付具３を第２図の状
態から９０°回動させて突起８に第６図、第７図に示す
剣法測定補助板６を係合させ該補助板６を臀部に当接さ
せてスライド棒１２を利用することにより剣法の測定が
できるようになっている。

又、上記剣法測定補助板６は、第６図及び第７図に示す
如く、両端を三角形状に突出させ、一端の角度を６０’
として爪先角度を決めるようにすると共に爪先を６０°
開いたときの左右棒間の開きを他端で計り得るようにし
、且つ裏面に前記した係合溝７が設けてあり、剣法測定
時の補助板として用いられるほかに、剣法を測定しない
ときは外股測定器として機能するようにしである。

上記構成としであるため、股上、股下の採寸を行うとき
は、股下接触棒４を顧客の股下に挿入する方向に取付具
３を回す。

これにより取付具３に設けられている垂直方向の孔９が
把持部１の上面により塞がれるため、該孔９に嵌入しで
ある目盛棒１０は下降することなく第２図の如く半固定
状態に保持される。

次に、股下接触棒４の先端のベルベット式ファスナー５
の他の採寸個所に用いられたテープメジャーを接着係止
させ、テープメジャーの起点を股下接触棒４の上面に合
わせた後、把持部１を掴んで股下接触棒４を顧客の股下
に挿入させるようにする。

股下接触棒４は上面が股上、股下の測定起点となるよう
にしであるので、テープメジャーを利用して股下の寸法
を測定することにより正確な採寸値が得られると同時に
、目盛棒１０の目盛１１を読むことにより、器具を動か
すことなく股下の寸法も測定することができる。

目盛棒１０の目盛１１は、股下接触棒４の上面を起点と
して定められているので、正確に股上を測定することが
できる。

次に、剣法の測定に移るときは、取付具３を９０゜回転
させる。

これにより取付具３の孔９が把持部１の上面より外れる
ため、目盛棒１０は第４図の如く自由に孔９内を上下方
向に移動できる状態になる。

この状態で取付具３の突起８に補助板６の係合溝７を係
合させ、補助板６を取付具３にセラ１へする。

次いで補助板６を第５図の如く顧客の臀部に当てるよう
にすると共に目盛付スライド棒１２をスライドさせ且つ
目盛棒１０を上下動させて腰部の最凹部にスライド棒１
２の一端が当るようにすることにより、剣法の度数を読
むことによって剣法を測定することができる。

上記股上、股下測定から剣法測定に移る場合は、取付具
３を回転させるだけであるから、把持部１を採寸者が把
持したままでよく、迅速な採寸ができる。

上記の股上、股下、剣法の測定が終ると、剣法測定補助
板６は、取付具３より取外して外股測定用とする。

この場合は、６０°の角度としである一端により顧客の
爪先の開きを決めた後、この姿勢時の両膝間の開きを補
助板６の他端で計るようにして両膝間の開き具合の寸法
値も得られるようにする。

尚、本考案は上記実施例のみに限定されるものではなく
、例えば股下接触棒４の先端にベルベット式ファスナー
５を取付ける代りに、孔にあけてこの孔にテープメジャ
ーを差込むようにすること、その伐木考案の要旨を逸脱
しない範囲内で変更を加え得ることは当然である。

以上述べた如く本考案の採寸器によれば、（ｉ）股上測
定用の目盛が付しである目盛棒を半固定式に保持できる
ので、機械的に求められる股下接触棒の上面を測定点と
して股下の測定と同時に股上の測定も行うことができ、
この間目盛棒をスライドさせたりする必要がなく、又器
具は初めにセットすると直ちに股下、股上が測定できる
ので、迅速に且つ正確に測定できる。

（ｉｉ）股下測定時に用いるメジャーは股下測定専用の
ものではなく、他の個所の採寸にも使用でき、股下測定
時にはベルベット式ファスナー等でメジャーを取付けれ
ばよいため、構造的に簡単で又メジャーも１個で済み経
済的である。

（ｉｉｉ）取付具を回転させるだけで剣法の測定ができ
、股上、股下測定時も剣法測定時も把持部を持ち換える
必要がなく、操作が容易であると共に迅速な測定ができ
る。

（ｉｖ）剣法測定補助板が外股測定に共用できるように
なっているので、測定器具の省略ができる。

（ｖ）上記により採寸者の経験や勘に無関係に容易に且
つ正確に測定でき、誰れが採寸しても同一の採寸値が得
られ、又顧客に違和感を与えることがない。

等の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の採寸器の斜視図、第２図は本考案の採寸
器の側面図、第３図は第２図の平面図、第４図は剣法を
測定できるようにした状態を示す側面図、第５図は剣法
測定時の状態を示す説明図、第６図は剣法測定補助板の
平面図、第７図は第６図のＡ矢視断面図である。 １・・・・・・把持部、３・・・・・・取付具、４・・
・・・・股下接触棒、６・・・・・・剣法測定補助板、
８・・・・・・係止用突起、９・・・・・・孔、１０・
・・・・・目盛棒、１２・・・・・・目盛付スライド棒
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平器付把持部上に回転可能に取付けた取付具に、先端
   にメジャーを係止できるようにした股下接触棒を、上面
   が股下及び股上の測定起点となるように水平に取付ける
   と共に、該取付具に係止用突起を設け、且つ上端に剣法
   測定用の目盛付スライド捧をスライド可能に水平に取付
   けた目盛棒を、上記取付具に」１下動可能に鉛直に嵌合
   せしめて、該目盛棒の下端が取付具の回転位置により把
   持部上面に当って下降できなくなる構成とし、更に上記
   係止用突起に着脱可能に保合できるようにした剣法測定
   補助板を備えてなることを特徴とする洋裁用採寸器。