JPS583729B2 - 排ガス冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、製鋼、セメント、化学プラント等に用いられ
る排ガス冷却装置に関する。

製鋼転炉高温含塵ガスを乾式電気集塵する場合などに電
気集塵装置の上流に独立の注水噴霧冷却塔を設けて減温
加湿する。

これは例えば転炉ガスの場合など１０００℃にも達する
高温であるため後置諸設備の安全上減温が必要であると
同時に、転炉ダストは高電気抵抗率であるため加湿によ
って抵抗率を減ずる必要があること、および低温にする
ことによって高電界強度を得る必要があることなど集塵
上の要請にも叶うことなのである。

しかしながらこの冷却塔は相当に大きなもので、コスト
および敷地、さらには独立したダスト処理設備を要する
ことなど、設置に伴なう負担が大きいことが問題であっ
た。

これを第１図に示した従来の製鋼転炉ガス処理設備の配
置例を参照してさらに述べると転炉１から出る高温ガス
は、集煙フード２、高温煙道３を経て噴霧冷却塔４に入
り、ここで噴霧ノズル５、注水制御弁６、給水管７、ガ
ス温度検出器８の関連動作によって所定温度まで冷却す
るよう適量噴霧が行なわれる。

この後、後置電気集塵装置９で所定値に除塵し、プラン
ト上要すれば他機器、装置（図示せず）およびブロワ１
１を経てガスホルダまたは煙突１２に至る。

なお参照番号１１は冷却塔および集塵装置のダスト１排
出経路を示す。

このように、高温ガスの冷却は冷却塔４で行なっており
、前述のようにこの設置に伴なう負担は大きい。

反面、この冷却塔４の上流の高温煙道３はこれが通常は
比較的大径でしかも比較的長大路を形成しているもので
ありながら、高温ガスの冷却に関して何の寄与をなして
いない。

本発明はこの点に着目してなされたもので、高温ガスの
冷却に高温煙道を積極的に利用し冷却塔を不要とするこ
とを目的とする。

すなわち本発明は、排ガスの煙道中に配置された液体噴
霧ノズルおよびこの液体噴霧ノズルの下流部に配置され
た露点温度検出器を包含する前段減温部と、この前段減
温部の下流に配置されたデイフユーザおよびこのデイフ
ユーザの入口開口部に配置された気流ジェット注水ノズ
ルを包含するエゼクタ減温部とを包含することを特徴と
する排ガス冷却装置にある。

以下本発明を添付図面第２図および第３図に例示したそ
の好適な実施例について詳述する。

第２図は本発明を転炉排ガスの冷却に適用した実施例を
示すもので、転炉１の頂部の集煙フード２に連通する高
温煙道３にはまず前段減温部１４が配設してある。

この前段減温部１４内には噴霧ノズル５，５′が配置し
てあり、給水管７、注水制御弁６′および給水管７′を
介して水が供給されコノ噴霧ノズル５から噴霧する。

この噴霧ノズル５の下流側の減温部１４内には温度検出
器８が配置され、これは温度調節器２３に接続され、こ
の温度調節器２３の出力は注水制御弁６′に接続してあ
る。

なお給水管７′は注水弁６を介して還流水管１７に接続
してある。

この注水弁６も温度調節器２３に支配される。

前段減温部１４の出口は中温煙道３′に連通し、この中
温煙道３′は後段減温部すなわちエゼクタ減温部１５に
通ずる。

後段減温部１５はデイフユーザの形状としてあり、その
人口開口部に気流ジェット注水ノズル５“が配設してあ
る。

このノズル５“は、エゼクタ用流体（蒸気または加圧空
気）管路１６と給水管７“に連結せしめた気水温合器２
２に接続してある。

給水管７″には温度調節器２３で制御される注水制御弁
６“が設けてある。

エゼクタ減温部１５の下流側には温度検出器８′が設け
てあり、これは前述の温度調節器２３に接続してある。

エゼクタ減温部１５の出口は低温煙道１３に連通し、乾
式電気集塵装置９に至る。

この集塵装置９の出口は低温煙道１３′、ブロワ１１を
介しガスホルダまたは煙突１２に至る。

なお、この図面では前段減温部１４とエゼクタ減温部１
５とを管の形で示し、煙道は実線で示したが、実際には
前段減温部１４の外筒体部は高温煙道３と、またエゼク
タ減温部１５の外筒体部は中温煙道３ｌとそれぞれほと
んど同体である。

これを第３図の詳細図についてなお説明すると、前段減
温部１４の外筒体部の内側にはこれと或る程度の間隙を
隔てて内筒１９が上流部では案内羽根１８、下流部では
内筒支持材２１に支持されて配設してある。

温度検出器８の先端プローブは数個にわかれ、排ガスの
温度分布を計測できるようにしてある。

エゼクタ減温部１５の外筒体部の内側にはこれと間隙を
隔ててラッパ状のデイフユーザ２０が案内羽根１８′お
よびデイフユーザ支持体２１′により支持されている。

温度検出器８′も同様にいくつかに分割され、温度分布
を計測するようにしてある。

第２図に示すように、高温の転炉ガスはブロワ１１に引
かれてまず前段減温部１４で中温程度に冷却された後、
エゼクタ減温部１５で後置乾式電気集塵装置９の所望す
る所定温度（例えば２００℃以下）に調節減温せしめら
れる。

前段減温部１４では還流式噴霧ノズル５または圧力噴霧
ノズル５′を用いる。

また前段減温部１，４の終段付近に配設した温度検出器
８は、その断面内温度および／またはミストを検知する
。

噴霧量制御（すなわち温度制御）はこの温度検出器８、
温度調節器２３ならびに注水制御弁６または６′が連携
してなされる。

第３図に示すように前段減温部１４は、その外筒体部（
要すれば内面に耐熱の断熱材を装着）の内側にガス案内
羽根１８および内筒支持材２１を介して内筒１９を設け
、その間隙内に高温ガスの一部を流通させるようにして
ある。

これによりガスおよび噴霧の均一混合を果すと共に、ガ
ス流の内筒に近い部分を高温ガスにより暖めることによ
りシフトの再蒸発を計るのである。

第２図に示すようにエゼクタ減温部１５のノズル５″に
は管路１６からの蒸気または加圧空気と給水管７″から
の水とを気水混合器２２で混合して供給し、高速ジェッ
ト流として噴霧せしめる。

その噴霧量の制御は温度検出器８′、温度制御器２３（
前段減温部の温度制御器と別に設けてもよい）、注水制
御弁６″が連携してなされる。

高速ジェット流を生成せしめるため、蒸気または空気量
は水量に対し質量比で４０−５０％（最大注水量に対し
）を下廻ることがないようにしておく。

後者は特にデイフユーザのガス速度が１５米／秒を下廻
らないようにする。

第３図に示すようにエゼクタ減温部１５も前段減温部と
同様デイフユーザ２０と外筒体部との間に間隙を形成せ
しめ、この間のガスの一部を流通させるようにしてある
。

さて、本発明の冷却装置においては、（イ）噴霧水滴を
完全蒸発させることにより内部にミスト、ドレンまたは
結露を生じさせない、（口）加湿されたダストが内部壁
面に付着しない、（ハ）減温部での圧力損失を極力小に
する、ことを目標とした。

このため本発明によれば、ます減温部を多段（実施例で
は２段）とし、単段で局部的に多量の噴霧を行なう場合
（従来の冷却塔の場合など）に屡々遭遇するミスト、ト
レンなどの発生を回避することを可能とした。

またこの目的のため多段の各減温部で各個に、かつ互い
に連関して各段最適の噴霧冷却操作が行なえる構成とし
た。

ことに下流側の減温部の噴霧ノズルは高速ジェット流噴
霧が可能であるエゼクタノズルとしたのである。

さらに高速ジェット噴霧流と高速ガス流による加湿ダス
トの気流搬送効果によりダスト付着をなくすると共に、
高速ジェット噴霧流のエゼクタ効果て減温部内圧力損失
を回復できるようにしたのである。

以上本発明を添付図面に例示したその好適な実施例につ
いて詳述したが、本発明はこの特定の実施例に限定され
るものではなく本発明の精神を逸脱しないで幾多の変化
変形が可能である。

例えば減温部は前後２段に限らず、一般に複数段とする
ことができよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷却塔を用いた転炉排ガスの処理系統を
示す線図、第２図は本発明の好適な実施例の同様な図、
第３図はその減温部の詳細を示す略図的断面図である。 １・・・・・・転炉、２・・・・・・集煙フード、３・
・・・・・高温煙道、３ｌ・・・・・・中温煙道、４・
・・・・・冷却塔、５，５′・・・・・・噴霧ノズル、
５“・・・・・・気流ジェット注水ノズル、６，６’，
６〃・・・・・・注水制御弁、７，７′，７”・・・・
・・給水管、８，８′・・・・・・温度検出器、９・・
・・・・乾式電気集塵装置、１０・・・・・・ダスト排
出経路、１１・・・・・・ブロワ、１２・・・・・・ガ
スホルダまたは煙突、１３，１３’・・・・・・低温煙
道、１４・・・・・・前段減温部、１５・・・・・・エ
ゼクタ減温部、１６・・・・・・エゼクタ用流体管路、
１７・・・・・・還流水管、１８．１８’・・・・・・
案内羽根、１９・・・・・・内筒、２０・・・・・・デ
イフユーザ、２１・・・・・・内筒支持材、２１′・・
・・・・デイフユーザ支持材、２２・・・・・・気水混
合器、２３・・・・・・温度調節器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 排ガスの煙道中に配置された液体噴霧ノズルおよび
   この液体噴霧ノズルの下流部に配置された露点温度検出
   器を包含する前段減温部と、この前段減温部の下流に配
   置されたデイフユーザおよびこのデイフユーザの入口開
   口部に配置された気流ジェット注水ノズルを包含するエ
   ゼクタ減温部とを包含することを特徴とする排ガス冷却
   装置。