JPS5836860Y2 - 水力機械の主軸封水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水力発電所に釦ける水力機械の主軸封水装置に
関する。

水力発電所用水車は第１図に示す如く、上池上流より水
圧鉄管を通ってきた水を、ランナ１の全周へほぼ均等に
導き入れるためのケーシング５、流入する水量を調節す
るためのガイドベーン４、水の位置エネルギーを回転運
動エネルギーに換えるためのランナ１、ランナ１の運動
エネルギーを主軸３を介して電気エネルギーに変換する
発電機２、ランナ１より出た水を下池へ導き入れるため
のドラフトパイプ８、ドラフトチューブ９、そして水が
外削へ流れ出さないように、ケーシング５とドラフトパ
イプ８の間を下カバー７により、また、ケーシング５と
主軸３の間を上カバー６により封水されており、そして
それらによりランチ室が形成されている。

ｌた上カバー６と主軸３の間には封水装置１０が設けら
れている。

そこで現在水車技術の一つの問題になっているものに、
可動部における封水機構がある。

主なものとして次の３箇所がある。

（１）入口シール、（の ガイドベーン回りのシール、
（３）主軸回りのシールである。

本考案はこの（３）番目の主軸回りの封水装置１０に関
するものである。

この封水装置１０は水車上カバー６上に固定されてトリ
、上カバー６の中心を上下方向に通っている下端をラン
チ１に結合された主軸３の回りで、ランチ室からの水が
噴き出るのを防ぐことを目的とした装置である。

その構造図を第２図に示す。

バッキングボックス１４は主軸３の外周に配置され、上
カバー６に固定されている。

バンキングボックス１４の最低部には土砂よけのために
樹脂バッキング１８が円周方向に複数に分割されて装入
され、その上面にはバッキングボックス１４の内周に密
に嵌入されたバッキングケース１６が設けられ、樹脂バ
ッキング１８はバッキングボックス１４とバッキングケ
ース１６で挾持されている。

バッキングケース１６の内周に円周方向に複数（６〜１
２個）に分割されたカーボンバッキング１７ａが装入さ
れ、バッキングケース１６及びその上面に設けたバッキ
ングケース１３とでカーボンバッキング１７ａの上下両
面が挾持されている。

バッキングケース１３の内周にも円周方向に複数に分割
されたカーボンバッキング１７ｂが更に装入され、バッ
キングケース１３及びその上面に設けたケースカバー１
２とでカーボンバッキング１７ｂの上下両面が挾持され
ている。

前記バッキングケース１３はバッキングボックス１４に
、またケースカバー１２はバッキングケース１３に夫々
固定されている。

カーボンバッキング１７ａ、１７ｂ及び樹脂バッキング
１８は夫々の背面に設けられたばね１９で主軸３に対し
て常に押付けられている。

バッキングボックス１４とバッキングケース１６には一
体に貫通する給水穴１５が設けられており、給水穴１５
から給水することによりカーボンバッキング１７ａ。

１７ｂの冷却、潤滑が行われる。

またバッキングボックス１４の内周面とバッキングケー
ス１６の外周面との給水穴１５が位置する部分に給水穴
１５より大径の給水溝２０が形成されている。

１１は主軸３のスリーブである。

さて、第３図に示すごとく、長時間運転後バッキングケ
ース１６を分解して取外そうとする時、給水溝２０に異
物２１がた１つている場合には、その異物２１は、給水
溝２０と共にもち上がり、バッキングボックス１４の給
水溝２０の上部トハッキングケース１６の給水溝２０の
下部の間にはさまれる状態となり、バッキングケース１
６は取出しがたくなる。

また、第４図に示す如くバッキングケース１６を組み入
れようとする時、（二点鎖線で示した状態）、バッキン
グケース１６の底部ハ、相手側バッキングボックス１４
の給水溝２０の下部にあたりスムーズに入っていかない
。

又逆に第５図に示す如く今度はバッキングケース１６を
分解して取出そうとする時（二点鎖線で示した状態）、
バッキングケース１６の給水溝２０の下部がバッキング
ボックス１４の給水溝２０の上部にあたり、スムーズに
取出すことができない欠点を有している。

そこで本考案の目的は以上の欠点を改善し、バッキング
ケースの分解、組立を容易に行釦うとすることにある。

即ち本考案の特徴は、上カバーに固定され主軸の外周に
配置されたバッキングボックスと、このバッキングボッ
クスの内周に密に嵌入されたバッキングケースと、バッ
キングケース内周に円周方向に複数に分割されて装入さ
れ、バッキングケースとケースカバーとで上下両面を挾
持されたバッキングと、バッキングの背面に設は主軸に
対してバッキングを常に押付けるばねと、バッキングボ
ックスとバッキングケースを貫通しバッキングの冷却、
潤滑、封水を行う冷却水の給水穴と、バッキングボック
ス内周面とバッキングケース外周面との給水穴が位置す
る部分に形成された給水穴より大径の給水溝を有する主
軸封水装置において、給水溝より下方のバッキングケー
ス外周面を給水溝より上方のバッキングケース外周面よ
り小径に形成し、給水溝より下方のバッキングケース外
周面とバッキングボックス内周面との間に隙間が形成さ
れている水力機械の主軸封水装置にある。

以下本考案の一実施例を第６図によって説明する。

図中従来と同一構成部分の説明は省略し、異なる部分の
み説明する。

給水溝２０より下方のバッキングケース１６の外周面は
給水溝２０より上方の外周面より小径に形成され、バッ
キングボックス１４給水溝２０より下方のバッキングケ
ース１６の外周面とバッキングボックス１４の内周面と
の間には隙間２２が形成されている。

給水溝２０より下方のバッキングケース１６の外周面の
径が、給水溝２０より上方の外周面の径より小さければ
第Ｔ図Ａ、Ｈに示すような形状でも勿論よい。

このようにバッキングケース１６の給水溝２０より下方
の外周面が給水溝２０より上方の外周面より小径に形成
されているため、給水溝２０に異物が介在していても、
バッキングケース１６はバッキングボックス１４より容
易に抜き出しができ、ｌたバッキングボックス１４に対
してバッキングケース１６の組み込み時も容易に組み込
みできる。

本考案によれば、バンキングケースの分解組立を容易に
行なうことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は水力発電用水力機械全体図、第２図は第１図に
むける従来の主軸封水装置の断面図、第３図乃至第５図
は従来のバッキングケース分解、組立の説明図、第６図
は本考案の一実施例を示すバッキングケースの給水溝部
分の断面図、第１図Ａ、Ｂは本考案の他の実施例を示す
バッキングケース給水溝部分の断面図である。 ３・・・主軸、１２・・・ケースカバー １３，１６・
・・バッキングケース、１４・・・バッキングボックス
、１５・・・給水穴、１７ａ、１７ｂ・・・カーボンバ
ッキング、１８・・・樹脂バッキング、１９・・・ばね
、２０・・・給水溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上ガバーに固定され主軸の外周に配置されたバッキング
   ボックスと、このバッキングボックスの内周に密に嵌入
   されたバッキングケースと、バッキングケース内周に円
   周方向に複数に分割されて装入され、バッキングケース
   とケースカバーとで上下両面を挾持されたバッキングと
   、バッキングの背面に設は主軸に対してバッキングを常
   に押付けるばねと、バッキングボックスとバッキングケ
   ースを貫通しバッキングの冷却、潤滑、封水を行う冷却
   水の給水穴と、バッキングボックス内周面とバッキング
   ケース外周面との給水穴が位置する部分に形成された給
   水穴より大径の給水溝を有する主軸封水装置にふ・いて
   、給水溝より下方のバッキングケース外周面を給水溝よ
   り上方のバッキングケース外周面より小径に形成し、給
   水溝より下方のバッキングケース外周面とバッキングボ
   ックス内周面との間に隙間が形成されていることを特徴
   とする水力機械の主軸封水装置。