JPS5836453B2 - マグネトロン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電磁波漏洩防止装置を備えたマグネトロンに関
するものである。

電イレンジ、解凍機などに用いられるマグネトロンはマ
イクロ波出力を取り出すアンテナと、フィラメント電流
および高電圧を印加する入力端子が外部に突出している
が、マイクロ波の一部はこの入力端子側にも漏洩し、安
全上および電波障害上問題を生じるため入力部にはフィ
ルタが取付けられている。

しかし、フィルタ部を覆う蓋体にわずかの間隙でも細長
くあいていた場合、大きな電磁波の漏洩が生じるため精
度のよい加工を必要とし、この結果製造工程を複雑にし
マグネトロンの製造原価を高め、製品の歩留を低下させ
るなどの欠点があった。

以上の理由を第１図に示す従来のマグネトロンについて
説明する。

図において、１はベインでフィラメント陰極３と陽極円
筒２との間に放躬状に配置されている。

４は永久磁石で前記陽極円筒２の両端部にかん合してい
る磁極５に接して上下に配置されている。

この磁極に接して磁路を形成するヨーク６が取付けられ
ている。

７はセラミックよりなるステムで、このステム７の上端
部には陰極端イ８，９が配置され、この陰極端−７８，
９から導かれた涛線１０は所定の長さになるようにコイ
ル状に形成され、強誘電体１２を内蔵する貫通コンデン
サ１１に接続されている。

これらのステム７、陰極端ｔ’８，９、導線１０、コン
デンサ１１などはヨーク６にその底面を固定されたフィ
ルターケース１３内に配置され蓋体１４により封じられ
ている。

１５はフィルターケース１３の外部に突出した入力端子
である。

以上のよ′うに構成された従来のマグネトロンにおいて
は貫通コンデンサ１１の取付部１６と、フィルターケー
ス１３と管球壁とのかん合部１７は、部品にそりなどが
あった場合、細長い間隙が生じやすく、ここから電磁波
の漏洩が生じるなどの欠点があった。

本発明の目的は陰極端イ部からの漏洩電磁波をおさえる
ことにより、フィルターケース部およびコンデンサの取
付部の加工に余裕を持たせたマグネトロンを得ることに
ある。

以下、図面に示す実施例とともに本発明の詳細を説明す
る。

第２図、および第３図は本発明の一実施例を示すもので
、図中第１図と同一部分は同一符号をもって示しその説
明は省略する。

図において、１８，１９はチタン酸バリウムなどの強誘
電体よりなる円筒体である。

円筒体１８はその上下端面にメタライズが施されてコン
デンサを形成しており、第３図に示すようにその上下端
１ど軸方向に多数の切欠部２０ａ，２１ａが穿設された
環状の接触端−Ｆ２０．２１がロー付けなどにより接合
されており、ステム７の取付部にある接触円筒２２にそ
の下方の接触端イ２１をその弾性を利用して強制的にか
ん合されている。

円筒体１９はその内外周面がメタライズされてコンデン
サを形成しており、陰極端−７２３．２６間にかん合さ
れ、陰極端−ｆ２６の外周面には前記接触端イ２０が強
制的にかん合されている。

２４は円筒体１８から所定距離はなれて同心状に配置さ
れたシリコンゴム製のチューブで、管球壁部に密着され
ている。

これらの部品の取付は、円筒体１８．１９およびシリコ
ンゴムチューブ２４を絹立後、シリコンゴムチューブ２
４と円筒体１８の間に溶融したーシリコンゴム２５を流
し込み放置して固化させる。

このとき液状のシリコンゴムは前記接触端−７２１の切
矢部２１ａを通って円筒体１８の内側にも回り込み、円
筒体１８の一部と接触端−Ｆ２１はシリコンゴム２５中
にモールドされることになる。

シリコンゴムは耐熱性が良く、円筒体１８との接着性も
よく、かつ弾性に富むため、円筒体１８の電歪による振
動に対しても接着性が劣化することもない。

そしてフィラメント陰極３にフィラメント電流を供給す
るリード線と薄肉円筒は、これら強誘電体よりなる円筒
体１８．１９を貫通して陰極端−Ｆ２３，２６に接続さ
れている。

陰極端イ２３，２６は強誘電体の円筒体１９の内外面に
接着され、また円筒体１８の両端の接触端イは全円周を
接触円筒に高周波的に短絡されているため円筒体１８，
１９は電波シールの良い貫通型のコンデンサを形成する
ことになる。

従って、陰極端−７２６と管球胴体間の耐電圧は著しく
向上するとともに、マイクロ波は陰極端−Ｆ２３，２６
で短絡される状態となるためフィルターケース内に放躬
されない。

なお、チタン酸バリウムなどの強誘電体はその表面で放
電が生じると放電痕ができ、以後の耐電圧が劣化するた
め、高電圧のかからない陰極端子間の強誘電体１９は問
題がない、高電圧のかかる円筒体１８にはその危険性が
ある。

しかし、本発明の場合は円筒体１８の少なくとも下端部
の内側および外側はシリコンゴム２５でモールドされて
いるため耐電圧性が著るしく向上し、円筒体１８の表面
で放電が生じる心配はなくなる。

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、マイ
クロ波は陰極端：ｆ２３，２６で短絡状態となるため、
フィルターケース内に放躬されず従来のようにフィルタ
ーケース１３と他の部品間の間隙を完全になくす必要は
なくなる。

すなわち、電イレンジ用マグネトロンの基本波である２
４ ５ ０ ＭＨＺ以上の電波はステム部で短紹され
，数百ＭＨｚ以下の低周波の雑音電波のみが、陰極端−
’７２３，２６より外部に出るが、これらの電磁波は波
長が長いためフィルターケース１３内のわずかな間隙か
らは外部に漏れない。

またフィルタも主としてＵＨＦ帯ＶＨＦ帯のテレビ障害
を防止するための特性を持たせるのみでよく、従来のよ
うな貫通コンデンサは不用となる。

したがって、フィルタ、フィルタケースはそれぞれ従来
のような高精変のものを必要とせず、製作価格を低くお
さえることができるとともに、電磁波漏洩による不良品
の発生を大幅に防止できるなどの効果がある。

なお、本実施例第２図は貫通コンデンザを形威する強誘
電体からなる円筒体１８．１９をそれぞれ真空外、真空
封止壁にした場合について述べたが、これら円筒体１８
．１９はステム部の金属シール部を除く空間部を覆うよ
う形成してあれば上記効果を翁し、円筒体１８．１９の
設置場所は真空外、真空内でも良く、また真空封止壁を
兼ねてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のマグネトロンの一例の縦断側面図、第２
図は本発明の一実施例の縦断側面図、第３図は本発明に
適用される強誘電体よりなる円筒体の正面図である。 １・・・・・・ベイン、２・・・・・・陽極円筒、３・
・・・・・フィラメント陰極、４・・・・・・永久磁石
、５・・・・・・磁極、６・・・・・・ヨーク、７・・
・・・・ステム、８，９，２３．２６・・・・・・陰極
端子、１０・・・・・・コイル、１１・・・・・・貢通
コンデンサ、１２・・・・・・強誘電体、１３・・・・
・・フィルターケース、１６・・曲貫通コンデンサ取付
部、１７・・・・・・フィルターケースと管球壁との接
触部、１８，１９・・・・・・円筒体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数枚のべインおよび陽極円筒を有する陽極と、こ
   の陽極の中心に同心に配置されたフィラメント陰極は、
   大小２個のカップ状陰極端子に接続され、陰極を支持す
   るステムとステム取付部に設けた接触円筒を有するマグ
   ネトロンにおいて、前記大小２個のカップ状陰極端子間
   に内外周をメタライズした強誘電体の円筒体を嵌合させ
   ると共に、ステム上下間に別の強誘電体の円筒体をステ
   ムから一定距離はなれて配置し、かつ、円筒体の両端面
   にメタライズして、それぞれ端部に切矢部を有する円筒
   状の接触端子をろう付けし、一端側の接触端子を前記の
   大きい方のカップ状の陰極端子に、他端側の接触端イを
   、ステム取付部の管球金属壁に取付けられた前記接触円
   筒に嵌合させ、かつ、ステム側とシリコンゴムチューブ
   の間に一定の距離を置いて挾み、その隙間にシリコンゴ
   ムを埋め込んで貫通型のコンデンサを形成したことを特
   徴とするマグネトロン。