JPS5836017Y2 - カルマン渦を利用した測定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カルマン渦を利用して測定流体の密度または
質量流量を測定する装置に関する。

測定流体内に渦発生体を挿入すると、渦発生体の下流に
カルマン渦が形成される。

カルマン渦の単位時間当りの生成数（渦周波数）は、流
体の流速に比例している。

またカルマン渦が生成されると渦発生体の上流側の面と
下流側の面とでは圧力差が生じ、その差は流体の密度に
比例し、かつ流体の流速の２乗に比例している。

したがって、渦周波数および圧力差を検出して、雨検出
信号を演算すれば測定流体の密度および質量流量を測定
することができる。

本考案は、渦発生体の上流側の面および下流側の面にそ
れぞれダイヤフラムを設け、各ダイヤフラムの面と渦発
生体の内部の面とで２個のコンデンサを形成し、渦周波
数を一方のコンデンサの容量の交流的な変化から検出し
、圧力差を２個のコンデンサの差動容量の直流的な変化
から検出することによって、簡単な構成で流体の密度ま
たは質量流量を測定できる装置を提供するにある。

第１図は本考案の一実施例を示す構成説明図であり。

第２図は本考案の一実施例を示す電気的接続図である。

両図において、１は測定流体が流れる管路、２は管路１
に垂直に挿入された柱状の渦発生体で、その両端は管路
１に固定されている。

渦発生体２はその前面および後面にそれぞれ凹部２、．
２ｂが設けられている。

３８，３ｂは各々ダイヤフラムで、渦発生体２の前面お
よび後面に取付けられ、ダイヤフラム３ と凹部２ａと
で第１の室４ａを、ダイヤフラム３ｂと凹部２ｂとで第
２の室４ｂを形成している。

５ａ、５ｂは各々電極で、５はダイヤフラム３ａと対向
するように凹部２ａの面に、５ｂはダイヤフラム３ｂと
対向するように凹部２ｂ の面にそれぞれ設けられてい
る。

そして第１の室４ａと第２の室４直シリコンオイル等の
非圧縮性の液体６で満し、ダイヤフラム３ａを一方の電
極５ａとで第１のコンデンサーａを、ダイヤフラム３ｂ
を一方の電極とし電極５５とで第２のコンデンサーｂを
形成する。

なお液体６は連通孔２ により第１の室４ａと第２の室
４ｂとに通じている。

８は発振器で、その発振出力がトランス９を介して直列
接続されたコンデンサー８７５に供給される。

１０はローパスフィルタで、コンデンサーａ、７ｂの差
動容量の直流的な変化を取り出すためのものである。

１１はバイパスフィルタで、コンデンサ７ｂの容量の交
流的な変化を取り出すためのものである。

１２はローパスフィルター０の出力を処理し、渦発生体
２の上流側の面と下流側の面の圧力差に比例した電圧Ｅ
１を得る第１の信号処理回路、１３はバイパスフィルタ
ー１の出力を処理し、渦周波数ｆに比例した電圧Ｅ２を
得る第２の信号処理回路である。

１４は演算回路で、処理回路１２．１３の出力に所望の
演算を施し、その出力に流体の密度又は質量流量に関連
した信号を取出すためのものである。

このように構成した本考案において、測定流体が流れて
渦発生体２の下流にカルマン渦が生成され、渦発生体２
の前面と後面に圧力差が生ずると、ダイヤフラム３ａ、
３ｂが微小変位し、２個のコンデンサーａ、７ｂの容量
Ｃ１，Ｃ２に差が生ずる。

この２個のコンデンサーａ、７ｂの差動容量の直流的な
変化分をローパスフィルター０および信号処理回路１２
を介して取り出せば、信号処理回路１２の出力Ｅ１は流
体の流速をν、流体の密度をρとすると次式で与えられ
る。

Ｅ１＝に１（Ｃ１−Ｃ２）二に２ρν２（１）ただし、
ｋｌ、に２は比例定数 一方渦発生体２の下流側のダイヤフラム２ｂには、カル
マン渦によって生ずる交番的な圧力△Ｐが加わり、その
容量Ｃ２が渦周波数ｆで変化する。

この容量Ｃ２の交番的な変化がバイパスフィルター１を
介して取り出された後信号処理回路１３で（２）式に示
すように渦周波数ｆすなわち流速νに比例した電圧Ｅ２
に変換される。

Ｅ２二に３ν （２）ただし、ｋ
２は比例定数 よって、演算回路１４で風なる演算を行えば、２ その出力Ｅ。

は、Ｅｌに２ Ｅｏ＝−＝−ρν＝に１ρν （３）Ｅ２に３ となる。

管路１の断面積をＳとすれば、質量流量Ｑｍは、 Ｑｍ＝ρν５（４） で与えられるので、Ｅｏは、 Ｉ Ｅｏ Ｑ ｒｎ （５
）となり、質量流量Ｑｍに比例した信号となる。

また、演算回路１４で、Ｅ２を２乗した後Ｅ１を割るよ
うにすれば、出力Ｅ。

は、１ｋｌ Ｅｏコニ−＝−ρ＝に２ρ （６） Ｅ２に２′ となり、流体の密度に比例した信号を得ることができる
。

このように本考案においては、渦発生体の上流側および
下流側の面にそれぞれダイヤフラムを設は各ダイヤフラ
ムの面と渦発生体の内部の面とで２個のコンデンサを形
成し、２個のコンデンサの差動容量の直流的な変化から
圧力差を検出し、一方のコンデンサの容量の交流的な変
化から渦周波数を検出するようにしているので、圧力差
を検出するのに別個に差圧発信器等を必要とせず全体構
成の簡単なカルマン渦を利用した測定装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す構成説明図、第２図は
本考案の一実施例を示す電気的接続図である。 １・・・・・・管路、２・・・・・・渦発生体、３ａ、
３ｂ・・・・・・ダイヤフラム、５ａ、５ｂ・・・・・
・電極、７ａ、７ｂ・曲・コンデンサ、８・・・・・・
発振器、１０・・・・・・ローパスフィルタ、１１・・
・・・・バイパスフィルタ、１２，１３・・・・・・信
号処理回路、１４・・・・・・演算回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 測定流体内に挿入され、上流側および下流側にそれぞれ
   凹部を有する柱状の渦発生体と、前記凹部とともに第１
   、第２の室を形成する第１、第２のダイヤフラムと、前
   記第１、第２の室を結ぶ連通孔と、前記第１、第２の室
   を満す非圧縮性の液体と、前記第１のダイヤフラムを一
   方の電極としこれと対向する凹部の面に設けた電極とで
   構成される第１のコンデンサと、前記第２のダイヤフラ
   ムを一方の電極としこれと対向する凹部の面に設けた電
   極とで構成される第２のコンデンサと、第１、第２のコ
   ンデンサの差動容量の直流的な変化分を検出する手段と
   、前記第２のコンデンサの容量の交流的な変化を検出す
   る手段と、前記差動容量の直流的な変化に関連する信号
   Ｅ１ と前記容量の交流的な変化に関連する信号Ｅ２と
   の間で、Ｅ１／Ｅ２またはＥ１／Ｅ５なる演算を行い、
   測定流体の密度または質量流量に関連した出力を生ずる
   演算器とを具備してなるカルマン渦を利用した測定装置
   。