JPS583592Y2 - ヨクソウノアカトリソウチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、給湯式、外釜式兼用形のステンレス鋼板製、
プラスチック製、ホーロー製、或はタイル製等の浴槽の
水位を常に一定以上には上昇させず、聞手に垢取りもイ
ラなえる浴槽のオーバーフロー兼垢取り装置に関するも
のである。

浴槽内でセッケンを付けて体を洗い、使用後は排出する
西洋式バス以外の、いわゆる日本式浴槽には、従来より
２つの欠点があった。

第１の欠点は、浴槽の湯量が毎日異なっているので、例
えば湯量が多い時に入浴すると湯が溢れて、洗い場で体
を洗っている人に掛かり、不快な思いをすることとはも
とより、特に幼児等が入浴すると、時によって浴槽内で
背が立つが、又時によっては背が立たない等の不便を生
じる点である。

第２の欠点は一般家庭で使用している浴槽では、時間を
置いて数人が入浴すること、或は前日の湯を沸かし直し
て入浴すること等が行なわれている為に、湯が汚れ易く
、垢、油、汚物等が湯面に浮いて、不快であると共に不
潔でもある点である。

そこでこれら欠点を解消する為に、従来より種々の装置
等が提供されたが、いずれも欠点の完全解消（よ図れず
、更には装置自体が入浴の邪魔となるとの新たな欠点が
付随したものであった。

そこで本考案は、浴槽を構成する周壁のフランジ部より
底壁に繋げて窪部を形成すると共に、この窪部内底壁に
排水筒を形成し、この排水筒には、適宜防水パツキンを
介して連通管を着脱自在に立設し、この連通管上端開口
部には、内蔵したコイル状のスプリングバネによって伸
縮自在な略蛇腹状の伸縮管を、スプリングバネの弾発力
で立設固定し、この伸縮管上端開口部には、円周状に吸
込孔を設けた吸込管を固定し、更には、吸込孔が前記フ
ランジ部上端下で上下動可能となる様に配設したことで
、水位の一定位置を保持し、垢取り等を容易にし、更に
は入浴の邪魔にもならない様にすることを目的として案
出されたものである。

以下図示例を参照しながら、本考案の一実施例を説明す
る。

浴槽１を構成する周壁２の７ランノ部３より底壁４に繋
げて、半円筒形状或は角溝形状に設けた窪部５を形成し
、且つこの窪部５内底壁４に段部６を設け、この段部６
の内側に、その内周面にメネジを施した円筒状の排水筒
７を突設する。

実施例において、窪部５は周壁２と一体に成形した例を
示しであるが、この窪部５を周壁２と別個に成形し、例
えば溶接等の手段で周壁２に固着形成することもできる
。

一方、前記排水筒７の内径と同一外径の円筒状の連通管
８を形成し、この連通管８の周側面の下部にオネジを施
し、且つこの上部の適宜の高さに押圧片９を突設する。

またこの連通管８の内径と同一外径の円筒状の嵌合部１
０ Ａ、１０ Ｂを上下に設け、且つ第４図に示す如く
、コイル状のスプリングバネ１１を内蔵せしめた略蛇腹
状の伸縮自在な伸縮管１２を形成し、この伸縮管１２の
下端にある嵌合部１０Ｂを前記連通管８上端開口部に嵌
合させる。

更にこの伸縮管１２の上端にある嵌合部１０Ａの内径と
同一外径の円筒状の嵌合片１３を底部に突設させ、且つ
その周側面の上部に適宜の間隔を在して円周状に配置し
て吸込孔１４を設けた吸込管１５を形成し、この吸込管
１５の嵌合片１３を、吸込孔１４が浴槽１のフランジ部
３上端下で上下動可能となる様に位置させつつ前記嵌合
部１０Ａに嵌合させて前記連通管８と伸縮管１２と吸込
管１５とより戊るオーバーフロー兼垢取り器Ａを構成す
る。

図示の実施例ではオーバーフロー兼垢取り器Ａの構成に
あたって、連通管８と伸縮管１２と吸込管１５とを順次
細めて形成し、嵌合しているが、必ずしもこの嵌合手段
に限定することはなく、前述とは全く逆に順次太めて形
成してもよく、また伸縮管１２だけ太くするか或は細く
形成して嵌合しても何ら差し支えない。

更に上部貫通孔１６を穿設した外形が断面台形のゴム等
の上部防水パツキン１７と下部貫通孔１８を穿設した座
金状のゴム等の下部防水パツキン１９とを形成し、第３
図に示す如く、連通管８の下部を上部防水パツキン１７
の上部貫通孔１６と下部防水パツキン１９の下部貫通孔
１８内にそれぞれ貫通させ、下部防水パツキン１９を前
記底壁４の段部６に嵌合させると同時に、上部防水パツ
キン１７を底壁４に載置させ、連通管８の押圧片９によ
り密着するように前記オーバーフロー兼垢取り器Ａのオ
ネジを施した連通管８とメネジを施した前記排水管７と
を着脱自在にネジ止することにより連結する。

実施例において、上部防水パツキン１７と下部防水パツ
キン１９とを別個に成形した例を示しであるが、一体に
成形しても良い。

尚、オーバーフロー兼垢取り器Ａは着脱自在に連結しで
あるため、不必要の場合は取り外して普通家庭で使用し
ているゴム製の排出栓だけでも使用出来ることは言うま
でもない。

又、図示は略したが、浴槽１に排水筒７とは別に適宜排
出栓を設け、オーバーフロー兼垢取り器Ａを排出筒７に
固着したままで使用すると、排水が容易に行なえる。

更にオーバーフロー兼垢取り器Ａの連通器８と、浴槽１
底壁４の排水筒７との間の防水パツキン１７は、図示例
に限定されず、例えば排水筒７を通常の浴槽１の排出孔
の様に形成し、連通管８下部に中空状の排出栓を設けて
（図示せず）形成することができることは言う迄もない
。

本考案は、吸込孔１４が浴槽１のフランジ部３上端下で
上下動可能となる様に形成しであるので、入浴者が浴槽
１に入ることで湯面が上昇しても、湯がフランジ部３を
越えて溢れることがない。

それ故、洗い場で体を洗っている人に湯が掛らず、それ
らの人に不快感を与えることがない。

又同時に、入浴によって湯面が吸込孔１４を越えて上昇
する時には、湯面の上面より順次吸込孔１４に湯が流れ
込んで行くこととなる。

従って、この様な場合には、入浴により湯面が吸込孔１
４迄上昇するだけで、垢、油、汚物等の湯面浮遊物が吸
込孔１４に流れ込むこととなるので、いわゆる、自動垢
取装置として作用する。

又更に、浴槽１の底壁４から吸込孔１４迄の高さを、幼
児等の背が立つ高さに設定すると、幼児等の入浴による
湯面上昇があっても、上昇分の湯は吸込孔１４に流れ込
み、湯面最大高さを常に底壁４から吸込孔１４迄の高さ
に一定化できるので、湯量が多い時に生じ得る浴槽１内
での幼児の事故が防止できる。

又、本考案は、吸込管１５の下端にスプリングバネ１１
を内蔵した伸縮管１２を伸縮自在に設けであるので、例
えば湯面が吸込管１５の吸込孔１４に達していない場合
であっても、吸込管１５の上部を、吸込孔１４が湯面に
達する迄押し下げることにより、湯面に浮いた垢等の浮
遊物を、湯と共に吸込孔１４に流し込むことができる。

又この吸込が終了した時には、押し下げる外力を除去す
ることで、吸込管１５は、スプリングバネ１１の弾発力
により、押し下げ以前の位置である湯面上に迄、上昇復
帰するものである。

従って本考案は、垢等を簡単かつ確実に除去することが
でき、清潔で快適な入浴が行なえると共に、湯が長持ち
し、ひいては燃料の節約にもなる。

又、押し下げ終了後の復帰は、スプリングバネ１１の弾
発力で行なわれるので、便利なものである。

更に、吸込管１５の上下動として摺動等の手段を用いて
いないので、湯水の漏れ等もないものである。

更に本考案は、浴槽１を構成する周壁２のフランジ部３
より底壁４に繋げて窪部５を形威し、且つこの底壁４に
排水筒７を配置したので、オーバーフロー兼垢取り器Ａ
は窪部５内にすべて収納され、従って入浴時にオーバー
フロー兼垢取り器Ａが入浴者の身体に触れることもなく
、全く邪魔にならないのみならず従来の如く排水装置の
ゴム栓、吊り鎖等を一切使用していない為、手足等に引
掛って思わぬトラブルを起すこともなく、入浴時におけ
る浴槽使用面積を増大させることができる。

更にオーバーフロー兼垢取り器Ａは防水パツキン１７．
１９を介して浴槽１の底壁４、且つ段部６に連通管８の
押圧片９により密着するように前記排水筒７に着脱自在
に連結しであるため、湯水が排水筒７の連結部より漏れ
る心配もなく、排水等に際して着脱が頗る容易である。

以上述べた様に本考案は、外力を加えない状態にあって
は、湯のフランジ部よりの溢流防止、或は一定水位維持
、自動掘取り等の作用をなし、その結果、快適かつ清潔
な入浴、或は幼児等の入浴による危険防止等の効果を生
じ、外力によって押し下げることによっては、湯面の低
い時であっても垢取りが行なえ、清潔な入浴が行なえる
だけでなく、更には、装置自体が入浴の邪魔とならない
等、多くの実用的、衛生的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は一部
を切欠いた斜視図、第２図は一部を省略した全体構造の
説明図、第３図は取付部の拡大縦断面図、第４図は伸縮
管の一部拡大縦断面図、第５図は使用状態を示す説明図
である。 Ａ・・・・・・オーバーフロー兼垢取り器、１・・・・
・・浴槽、２・・・・・・周壁、３・・・・・・フラン
ジ部、４・・・・・・底壁、５・・・・・・窪部、６・
・・・・・段部、７・・・・・・排水筒、８・・・・・
・連通管、９・・・・・・押圧片、１０ Ａ、１０ Ｂ
・・・・・・嵌合部、１１・・・・・・スプリングバネ
、１２・・・・・・伸縮管、１３・・・・・・嵌合片、
１４・・・・・・吸込孔、１５・・・・・・吸込管、１
６・・・・・・上部貫通孔、１７・・・・・・防水パツ
キン、１８・・・・・・下部貫通孔、１９・・・・・・
防水パツキン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽を構成する周壁のフランジ部より底壁に繋げて窪部
   を形成すると共に、この窪部内底壁に排水筒を形成し、
   この排水筒には、適宜防水パツキンを介して連通管を着
   脱自在に立設し、この連通管上端開口部には、内蔵した
   コイル状のスプリングバネによって伸縮自在な略蛇腹状
   の伸縮管を、スプリングバネの弾発力で立設固定し、こ
   の伸縮管上端開口部には、円周状に吸込孔を設けた吸込
   管を固定し、更には、吸込孔が前記フランジ部上端下で
   上下動可能となる様に配設したことを特徴とする浴槽の
   オーバーフロー兼垢取り装置。