JPS5835915Y2 - 開閉表示装置を備えた弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、弁の開閉状態を明確に表示する開閉表示装置
を備えた弁に関する。

近年化学工業においては、弁の開閉状態の誤認や誤操作
が原因で爆発、火災などの事故や、人身事故又は毒物、
危険物の流出による公害発生等が大きな社会的問題とな
っており、緊急の解決が要請されている。

すでにいくつかの法規では、その取扱う物質により弁類
の開閉方向の明示や確認が義務づけられている。

しかし、仕切弁や玉形弁、アングル弁、ニードル弁、ゲ
ート弁の如く弁の開閉を弁棒の回転により制御するタイ
プの弁（以下単に弁という。

）にあっては、弁の全開から全開に至る移動量や外見上
の差が僅かであるため、弁の開閉状態を視覚的に確認す
ることは容易ではなく、又弁のノ・ンドルも全開から全
開に至る間に一回転以上回転させることが必要なため、
ボール弁やコックの如クツ・ンドルの回転角度で開閉状
態を示すことは不可能である。

もつとも、パイロットランプの点滅によって弁の開閉状
態を表示するというような方式、すなわち弁開閉の機械
的変位を電気的照明によって表示するという提案はある
が、この方式は実際的には装置が複雑であり、かつ経済
的にかなりの負担を伴い、必ずしも簡易に実施できると
いうものではない。

例えば、登録実用新案第６５５９３号には、弁棒の回転
を弁棒に取付けた組輪に巻きつけた綱の巻き込み及び巻
き戻しによる綱の移動を、その綱の他端に設けた重錘の
上下変位として表示する試みが提案されている。

この方法は簡便に弁の開閉状態を拡大して表示すること
ができると思われるが、綱の組輪上での重なり方の乱れ
によって、最大に綱が巻き込まれたときの重錘の位置が
必らずしも一定せず、そのために完全な閉止を確認でき
なかったり、綱材として柔軟性、寸法安定性、耐久性を
同時に満足するものが得難い等の問題を残していた。

本考案者等は、かよる技術の現状に鑑み、その解決に努
力を傾倒してきた。

弁の開閉状態を確実、明瞭に視覚的に認識でき、かつ構
造簡単で既存装置にたやすく低床に実施できる開閉表示
装置を備えた弁を開発すべく種々試験研究を重ねた結果
、ついに本考案を完成するを得、所期の目的を達成する
に至った。

すなわち本考案は、弁棒を回転させることにより弁座を
開閉する形式の弁において、弁棒２と−体的に又は連動
的に回転する歯車４と、該歯車とかみ合う鎖又は歯付ベ
ルト８と、詳録又は歯付ベルトと一体的に又は連動的に
移動する移動指標６ａ、６ｂ、６ｃと該移動指標に対応
する位置に固定指標７ａ、７ｂを設けてなる開閉表示装
置を備えた弁である。

以下、本考案を図面により詳しく説明する。

第１図において、３は弁を開閉するための・・ンドルで
あり、鎖又は歯付ベルトとして無端の歯付ベルト８を用
い、弁棒に取付けた歯車４の他に、自由回転歯車５を設
け、この間に無端歯付ベルト８を張って用いているが、
鎖又は歯付ベルトとして必らずしも無端ベルトを用いる
必要はなく、第２図の如く、両端に重錘９及び重錘１０
を設けたものであっても良く、この場合重錘のいずれか
又は両方に移動指標の役目を兼ねさせることも可能であ
る。

又、第３図の如く鎖又は歯付ベルト８に設けられた移動
指標６ｂ（この例では重錘をも兼ねている）として移動
させ、固定指標７ｂに開閉位置を指示する矢印を記して
も同様の効果が得られるのは容易に理解されよう。

第１〜３図の例において移動指標６ａｙ６ｂはいずれも
鎖又は歯付ベルトに一体的に取付られているが、第４図
の如く、鎖又は歯付ベルトにより駆動される歯車６ｃを
移動指標としたり例示はされていないが該歯車軸に移動
指標を取付けることにより、鎖又は歯付ベルトと連動的
に移動指標を移動させることも可能である。

これらの例におして、弁棒の回転を伝達するためのチェ
ーンスプロケットや歯車、（以下単に歯車という。

）は、第１図に示すように弁棒に固定して取付け、一体
的に回転させる場合のほかに、さらに一体的に回転する
歯車により連動的に駆動されて回転する他の歯車であっ
ても良く、指標の移動を拡大又は縮少して表示する上で
有用である。

又他の実施態様として、弁の開閉のためのハンドルと歯
車は一体であっても良く、ハンドルの外周が歯車を兼ね
ることも、それにより開閉のため、の・・ンドル操作が
妨げられなし場合、例えば・・ンドルに取手が取付られ
ている場合等、には行なわれてよい。

上記の具体例により明らかな如く本考案の開閉表示装置
を備えた弁は簡単且つ確実に弁の開閉状態を明瞭に表示
することができる。

本考案においては、単に開又は閉のみならず、中間の開
閉度合も明瞭に表示出来る大きな利点があり、その応用
性を広くするところである。

本考案の実施において、弁の開閉状態の表示は上述の各
側に限られるものではなく、筒状の外筒中を移動指標が
移動し、外筒の窓より指標の色を示すことにより開閉状
態を示してもよい。

場合によっては移動指標の変位を電気信号や気体圧力に
変換して指示計器を作動させることも可能であり、又弁
棒に２対の移動指標をとりつけ、二つの移動指標により
開閉を表示することも可能である。

以上詳述したように、本考案はその構造簡単、かつその
取扱いも容易であり、弁の開閉状態を表示する精度・明
瞭度は極めて高く、また既存設備にたやすく取付けられ
、その費用も著しく低床ですむ等、本考案の所期の目的
を十分に達成し得たもので、その工業的効果は著大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図、第４図は、しずれも本考案の
実施態様を示す説明図である。 １・・・・・・弁本体、２・・・・・・弁棒、３・・・
・・・ハンドル、４・・・・・・歯車、５・・・・・・
自由回転歯車、６ ａ ｓ ６ ｂ ＊６ｃ・・・・・
・移動指標、７ａ、７ｂ・・・・・・固定指標、８・・
・・・・歯付ベルト、９，１０・・・・・・重錘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁棒を回転することにより弁座を開閉する形式の弁にお
   いて、弁棒２と一体的に又は連動的に回転する歯車４と
   、該歯車とかみ合う鎖又は歯付ベルト８と、詳録又は歯
   付ベルトと一体的に又は連動的に移動する移動指標６ａ
   、６ｂ、６ｃと該移動指標に対応する位置に固定指標７
   ａ、７ｂを設けてなる開閉表示装置を備えた弁。