JPS58341B2 - 抗血栓性付与材およびその製造方法 - Google Patents

抗血栓性付与材およびその製造方法

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JPS58341B2
JPS58341B2 JP55115866A JP11586680A JPS58341B2 JP S58341 B2 JPS58341 B2 JP S58341B2 JP 55115866 A JP55115866 A JP 55115866A JP 11586680 A JP11586680 A JP 11586680A JP S58341 B2 JPS58341 B2 JP S58341B2
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JP
Japan
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polymer
acrylic acid
acid ester
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ester polymer
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JP55115866A
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JPS5739851A (en
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鈴木龍夫
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Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 ■ 発明の背景 技術分野 この発明は血液と接触する医療材料または器具の表面に
抗血栓性を付与するための組成物およびその製造方法に
関する。
先行技術およびその問題点 従来、血液と接触する医療用器具例えば、カテーテル、
人工腎臓、人工肺、人工心臓弁は金属や合成高分子によ
って作製されている。
しかし、このような医療用器具は血液と接触するとその
接触表面において血液を凝固させ、血栓が生成すること
が多く、臨床工種々の問題を提起していた。
現在、血液を凝固させることのない抗血栓剤として最も
優れたものはヘパリンであると考えられる。
したがって、ヘパリンを医療用器具・材料の表面に適用
する方法が種々提案されてきている。
例えば、(1)高分子材料表面にグラファイトを被着し
、これに4級アンモニウム塩例えば塩化ベンザルコニウ
ムを含浸させ、この含浸させた4級アンモニウム塩にヘ
パリンを結合させる方法、(2)高分子材料表面に陽イ
オン性の活性基を導入し、この活性基にイオン結合でヘ
パリンを結合させる方法、(3)高分子材料表面にトリ
デシルメチルアンモニウムクロリドを被着し、これにヘ
パリンを結合させる方法、(4)陽イオン性界面活性剤
とヘパリンとの複合体を材料表面に塗布する方法、およ
び(5)親水性カチオンポリマーと疎水性カチオンポリ
マーのグラフト共重合体を材料表面に塗布し、これをヘ
パリン化する方法等である。
しかしながら、これら方法は操作が煩雑なこと毒性を示
すこと、ヘパリン化できる表面が限定されていること、
ヘパリン化後の物性が大きく変化すること等の欠点をい
ずれか1つ以上有している。
■ 発明の目的 したがって、この発明の目的はいずれの医療用器具・材
料表面に対しても毒性を示すことなく簡単に抗血栓性を
付与することのできる抗血栓性付与材およびその製造方
法を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明によれば、一般式 (ここで R1は水素またはメチル基 R2はそれぞれ
独立にメチル基またはエチル基、mは1ないし4の整数
、およびnは重合度であって10ないし50)で示され
る4級アミン窒素を有するアクリル系酸エステル重合体
の当該4級アミノ窒素にヘパリンがイオン的に結合した
ヘパリン化重合体と疎水性重合体とを前記アクリル系酸
エステル重合体と疎水性重合体との重量的割合が2:1
ないし1:2でかつ前記アクリル系酸エステル重合体が
1重量係以上の濃度となるように有機溶媒中に溶解して
なる溶血毒性を示さない抗血栓性付与材が提供される。
また、このような抗血栓性付与材を製造するために、こ
の発明によれば、一般式 (ここで、R1は水素またはメチル基、R2はそれぞれ
独立にメチル基またはエチル基、mは1ないし4の整数
、およびnは重合度であって10ないし50)で示され
る3級アミン窒素を有するアクリル系酸エステル重合体
と疎水性重合体とを前記アクリル系酸エステル重合体と
疎水性重合体との重量的割合が2:1ないし1:2でか
つ前記アクリル系酸エステル重合体が1重量係以上の濃
度となるように有機溶媒中に溶解し、この溶液に式 R2X 式(III)(ここで、
R2は前記のとおり、そしてXはハロゲン)で示される
4級化剤を加えて反応させることによって前記アクリル
系酸エステル重合体の3級アミン窒素を4級化し、この
混合物にヘパリンを加えてこれを前記4級化したアミン
窒素にイオン的に結合させることを特徴とする抗血栓性
付与材の製造方法が提供される。
疎水性重合体としてシリコーン樹脂、ポリウレタン、軟
質塩化ビニル樹脂、またはエチレン−酢酸ビニル共重合
体を用いることが好ましい。
■ 発明の詳細な説明 この発明の抗血栓性付与材に用いられる第1の成分であ
るヘパリーン化重合体は前記式(II)で示されるアク
リル系酸エステル重合体から誘導される。
この重合体は式 (ここで、R1、R2およびmは既述のとおり)で示さ
れるアクリル酸もしくはメタクリル酸(これらをアクリ
ル系酸ということとする)のN、N−ジ置換アミノアル
キルエステルを常法例えばトルエン等の溶媒中で紫外線
を2時間照射することにより重合することによって得ら
れる。
式(II)および潤するいは(I)において、R1がメ
チル基、各R2がメチル基であり、mが2であるのが好
ましい。
式(n)で示される重合体の重合度nは、既述のとおり
、10ないし50であるが、この重合度nが10未満の
場合、これを抗血栓性付与材に用いる医療用器具表面に
塗布すると血液との接触によりこれが溶出する恐れがあ
る。
一方、重合度nが50を越えると、得られる抗血栓性付
与材の塗布膜がかたくなってしまう。
こうして得られる式(II)で示される重合体を疎水性
重合体好ましくはシリコーン樹脂、ポリウレタン、軟質
ポリ塩化ビニルまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体こ
とにポリウレタンとともに有機溶媒例えばテトラヒドロ
フラン中に溶解し溶液とする。
そのとき、アクリル系酸エステル重合体と疎水性重合体
とは重量比で2=1ないし1:2の割合で用いる。
この範囲外だと後にヘパリンを結合したとき、ヘパリン
が溶出しやすくなりあるいはヘパリンの付着量が減少す
るので好ましくない。
また、上記溶液中におけるアクリル系酸エステル重合体
の濃度は1重量%以上とする。
その濃度が1重量係未満の場合、得られる抗血栓性が低
下する。
好ましい濃度は1ないし5重量係である。この溶液に式
(III)で示される4級化剤を加え例えば50ないし
60℃に熱して反応を促進させ、式(II)で示される
重合体中の3級アミン窒素を4級化して式(I)で示さ
れる重合体に転化する。
4級化剤としてはエチルクロリドまたはエチルプロミド
を用いることが好ましい。
ついで、ヘパリンを加え式(I)の重合体中の4級アミ
ン窒素にイオン的に結合させる。
このヘパリンは4級アミン窒素にほぼ1:1の割合で結
合させることが好ましい。
こうして、この発明の抗血栓性付与材が得られる。
■ 発明の具体的作用・効果 この発明の抗血栓性付与材はこれを浸漬等により医療用
器具・材料の表面に塗布し、乾燥することにより当該区
療用器具・材料に抗血栓性を付与することができる。
あるいは、4級化処理までの終った溶液を医療用器具・
材料の表面に塗布し、乾燥後ヘパリン水溶液(例えば、
2%のヘパリンを生理食塩水に溶解したもの)に例えは
85℃で5時間浸漬してヘパリン化をおこなってもよい
ヘパリン化後水洗し、非結合のヘパリンを洗い落す。
以下、この発明の実施例を記す。
実施例 メタクリル酸N、N−ジメチルアミンエチル重合体(P
DAEM)とポリウレタンとを表1のような濃度・割合
でテトラヒドロフランに溶解し、エチルプロミドを加え
60℃で2時間熱し4級化をおこなって白色の溶液を得
た。
これにヘパリンを加えて所望の抗血栓性付与材を調製し
た。
これをプラスチック表面に塗布し水洗し乾燥した。
これに兎の非ヘパリン血を30分間流したがプラスチッ
ク表面に血栓はほとんど生じなかった。
また、上記各抗血栓性付与材をステンレス製スプリング
に塗布し、70℃の生理食塩水で2時間抽出したものと
抽出前のものとの溶出物試験、溶血毒性試験および細胞
毒性試験をおこなったが、全ての試験に合格した。
以上述べたように、この発明の抗血栓性付与材は長時間
優れた抗血栓性を示し、溶血毒性、細胞毒性がない。
したがって、血液と接触する医療用器具・材料の表面に
適用して抗血栓性を付与するのに好適である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (ここで、R1は水素またはメチル基、R2はそれぞれ
    独立にメチル基またはエチル基、mは1ないし4の整数
    、およびnは重合度であって10ないし50)で示され
    る4級アミノ窒素を有するアクリル系酸エステル重合体
    の当該4級アミノ窒素にヘパリンがイオン的に結合した
    ヘパリン化重合体と疎水性重合体とを前記アクリル系酸
    エステル重合体と疎水性重合体との重量的割合が2=1
    ないし1:2でかつ前記アクリル系酸エステル重合体が
    1重量係以上の濃度となるように有機溶媒中に溶解して
    なる溶血毒性を示さない抗血栓性付与材。 2 疎水性重合体がシリコーン樹脂、ポリウレタン、軟
    質塩化ビニル樹脂、またはエチレン−酢酸ビニル共重合
    体である特許請求の範囲第1項記載の抗血栓性付与材。 3 一般式 (ここで R1は水素またはメチル基、R2はそれぞれ
    独立にメチル基またはエチル基、mは1ないし4の整数
    、およびnは重合度であって10ないし50)で示され
    る3級アミン窒素を有するアクリル系酸エステル重合体
    と疎水性重合体とを前記アクリル系酸エステル重合体と
    疎水性重合体との重量的割合が2:1ないし1:2でか
    つ前記アクリル系酸エステル重合体が1重量係以上の濃
    度となるように有機溶媒中に溶解し、この溶液に式 (ここで、R2は前記のとおり、そしてXはハロゲン)
    で示される4級化剤を加えて反応させることによって前
    記アクリル系酸エステル重合体の3級アミン窒素を4級
    化し、この混合物にヘパリンを加えてこれを前記4級化
    したアミン窒素にイオン的に結合させることを特徴とす
    る抗血栓性付与材の製造方法。 4 疎水性重合体がシリコーン樹脂、ポリウレタン、軟
    質塩化ビニル樹脂、またはエチレン−酢酸ビニル共重合
    体である特許請求の範囲第3項記載の抗血栓性付与材の
    製造方法。
JP55115866A 1980-08-25 1980-08-25 抗血栓性付与材およびその製造方法 Expired JPS58341B2 (ja)

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JPS5739851A JPS5739851A (en) 1982-03-05
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