JPS5833912Y2 - 洋菓子のチヨコレ−ト等塗布におけるチヨコレ−ト等塗布槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主としてエフレア等の洋菓子の製造におい
て、反転可能な台上に載置された菓子をクランプして上
下反転し、槽内の溶融チョコレート等液状物質に接触さ
せてチョコレート等の塗布を行うチョコレート等塗布装
置のチョコレート等塗布槽に関する。

以下、エフレアのチョコレート塗布装置を例に引いて詳
細に説明する。

エフレアはオーブンで細長い形状に焼いたパフ（シュー
クリームの皮）の内部にクリームを充填し、上面にチョ
コレートを掛せた広く知られた洋菓子であるが、その製
造工程におけるチョコレート塗布装置としては、オーブ
ンで焼かれ、クリームを充填されたパフをベルトコンベ
ア等の搬送装置により反転台上にもたらし、クランプ装
置でクランプした複台を上下反転させて菓子の上面を下
に向け、一定の位置迄下降させて、適温に加熱された浸
漬槽内の溶融チョコレート内に塗布範囲を浸漬し、チョ
コレートを付着させた後、台をもとの高さ迄上昇させ再
び反転させ、元の姿勢に戻し、送り機構により次の工程
に搬送するようにした装置がよく知られている。

さて、チョコレートは温度が低いと凝固して流動性が悪
くなり、丈高すぎると粘性が低下して適量が菓子に付か
ないので、浸漬槽内のチョコレートは常に一定の温度に
自動的に保持する必要がある。

そのため通常チョコレート浸漬槽を二重壁としてその間
に一定温度の温水を循環させて加熱し、適温を保持する
ようにしている。

ところで、浸漬槽には通常十数個の菓子をある位置迄浸
漬し、チョコレートを付着させるので、その量だけ槽内
のチョコレートが減少し、そのま・では次第に液位が低
下し付着量が変化する。

そこで、浸漬槽内のチョコレートの液位を一定に保持す
るために、浸漬槽を囲繞して貯留槽を設け、貯留槽と浸
漬槽の間にチョコレート循環ポンプを設けて、貯留槽内
に貯留されているチョコレート液を浸漬槽に移送し、周
囲を取巻く貯留槽にオーバーフローさせ、かつ菓子に塗
布することによって減つた量を外部から補給することに
よって、菓子が浸漬される際常に一定の液位を保持する
ようにしている。

さて、食品工業においては、衛生上の観点から洗浄、清
掃は何にも増して重要な事柄であり、毎日操業が終ると
洗浄するようにしている。

そのため浸漬槽内のチョコレート液は貯留槽に移して、
取外して洗浄するのであるが、上述の如く、浸漬槽は貯
留槽内に設けられているため、外面にもベッタリとチョ
コレート液が付着し、かつ二重構造になっているため重
く、之を持ち上げて傾は内部のチョコレート液を貯留槽
に移すことは相当厄介な作業であり、時間が長引き易く
、その間にチョコレートが冷却して粘性が増し、内面に
多くのチョコレートが付着したよ・残り、これが洗浄の
際洗い流されて経済性も悪くなると云う欠点があった。

この考案は、従来の洋菓子のチョコレート塗布装置の塗
布槽の上述の問題点を解消した、浸漬槽の洗浄のための
その内部のチョコレートの移し替え、及び取り外し等の
操作性が良く、且つ取外した後、浸漬槽内面に付着残留
するチョコレートの量が少く、経済性の良好なチョコレ
ート塗布槽を提供することを目的とする。

以下、この考案を、その実施例を示す図面にもとすき詳
細に説明する。

第１図及び第２図において、クリームを充填したエフレ
ア１は、長手方向を搬送方向にして横に十数個並べてベ
ルトコンベア２上を搬送され、チョコレート塗布装置架
構に設けられたエアシリンダ３，４により搬送方向及び
上下方向に移動する送り棒５により菓子クランプユニッ
ト６の載置台７上にもたらされ、クランプされた後クラ
ンプユニット６を担持する角シヤフト８がロータ９によ
り１８０°旋回されさらにエアシリンダ１０により下降
してその直下に設けられたチョコレート塗布槽１１内の
浸漬槽１４内の溶融チョコレート内に塗布範囲を浸漬さ
れてチョコレートが付着塗布される。

その後角シヤフト８はもとの位置に上昇し反転して正常
姿勢に戻った菓子１は送り棒５によりベルトコンベア２
′上に押し出され次の工程に搬送される。

チョコレート塗布槽１１は第３図乃至第５図に示す如く
、最外側に温水槽１２、それに側部及び下部を囲まれて
チョコレート貯留槽１３、更にその内側に取外し可能に
浸漬槽１４が設けられている。

本実施例では浸漬槽１４は頂板のない逆カマボコ形の一
重タンクとして構成され、内部のチョコレートの加熱、
温度保持は、最外側の温水槽１２内の電熱器２８により
加熱された温水により、貯留槽１３の溶融チョコレート
を介して行なわれる。

浸漬槽１４は、第３図及び第４図において左端に設けた
接続部材１５と貯留槽に設けた接続部材１６とを結合し
、又底部下面に設けた脚１７を貯留槽１３の底面上に載
置して取外し可能に位置決め設置されている。

このタンクの壁の上縁は水平をなし、底面の中心線は図
において右下りに傾斜している。

そして最も低い右端付近の底面中心線上にドレン抜孔３
０が設けられている。

浸漬槽１４を貯留槽１３内の所定の位置にセットした場
合、上記ドレン抜き孔３０は、第６図に詳細に示す如く
、貯留槽１３の底部の対応する位置に設けられた栓３１
により閉塞されるようになっている。

栓３１は上部が截頭円錐形、胴部が円筒形のカップを伏
せた形状をしており、胴部の下部は貯留槽１３の底に設
けた円筒形の凹部３２に嵌合している。

又栓３１内部の空所にはコイルバネ３３が設けられ、こ
のバネ３３により栓３１の上部円錐面は浸漬槽１４のド
レン孔３０の内周面に押圧され、浸漬槽１４内と貯留槽
１３内のチョコレートの液位の差による圧力に打勝って
ドレン孔３０を閉鎖する。

貯留槽１３は浸漬槽１４を囲むカマボッ形の部分に隣接
して第３図、第４図において右側にある直方形部分に貯
留槽１３内のチョコレート液を浸漬槽１４内に移送し満
杯にした後、壁の上縁から貯留槽１３内にオーバーフロ
ーさせて浸漬槽１４の液位を一定に保持するためのチョ
コレート循環手段としてシリンダ１８とピストン２２が
設けられている。

上記ピストン２２は電磁切換弁２４により制御されるエ
アシリンダ２３で駆動され、シリンダ１８の下部ポー１
−１８ａを介して貯留槽１３よりシリンダ１８内に入っ
たチョコレートはピストン２２の上昇時に上のポート１
８ｂ、ノズル２１を介して浸漬槽１４内に排出される。

チョコレートの塗布により浸漬槽に戻されるチョコレー
トの量は漸次減少して行き、逐にはピストン２２の上昇
により戻されるチョコレートの量ではオーバーフローし
なくなるが、之に先立ち、貯留槽内液位を低レベルセン
サにて検知して警報を発し、外部よりチョコレート液を
補給するようになっている。

この装置は以上の如く構成されているので、第１図及び
第２図に示すベルトコンベア２により搬送されてきた、
横に一列に並んだ十数側の菓子は、送り棒５により反転
台７上に送られクランプされて反転下降されて、前述の
如く満杯になったチョコレート浸漬槽１４内に浸漬され
て塗布範囲にチョコレートが付着し、その後引上げられ
反転した後、送り棒５により搬送ベルト２′上に押出さ
れ次工程に送られる。

この際、浸漬槽内のチョコレートの液位は、菓子が浸漬
される前後は槽の壁の上縁迄一杯になっており、一方貯
留タンク内のチョコレートの液位は塗布を重ねるに従い
、外部より補給する迄の間は漸次減少し、浸漬槽１４の
底のドレン孔３０を閉塞する栓３１には上方からそのヘ
ッド差に相当する圧力が掛るが、栓３１は下からコイル
バネ３３で孔３０の円錐形の内周面に圧押されているの
で隙間を生ずることはない。

操業が終って洗浄するに際して、浸漬槽１４と貯留槽と
を結合する部材１５．１６の結合を外し、人手で上方に
持上げると栓３１と孔３０の内周面との間に隙間が生じ
、浸漬槽１４内のチョコレート液は槽内外のチョコレー
ト液のヘッド差により、この隙間から貯留槽１３内に流
出し、適当な傾斜と速度で浸漬槽１４を持上げて行くこ
とにより、浸漬槽底が貯留槽１３の中のチョコレートの
液面を切った時点では浸漬槽１４内には粘性で付着する
チョコレートを除いてはチョコレート液が残らないよう
にすることが出来る。

したがって浸漬槽内のチョコレートは、貯留槽内チョコ
レートにより加熱された状態で全部が排出されるので、
内面に粘性で付着して残るチョコレートの量は極めて少
なくなり、洗浄によるチョコレートのロスを最小に止め
ることが出来る。

又、浸漬槽は一重構造で小型軽量であり、かつ単に持上
げるだけで内部のチョコレートが貯留槽に流出するので
、内部にチョコレートの入った二重構造の槽を持上げて
傾転して貯留槽にチョコレートを移し替えるのに比較き
て操作性ははるかに向上し、時間が掛ってチョコレート
の粘性が増し、槽の内面に付着し洗浄に際して洗い流さ
れるチョコレートの量が増すという懸念もなくなる。

以上の如く、本考案によれば、洗浄に際して浸漬槽の取
外し、その内部のチョコレートの移し替え等の作業の操
作性が著しく向上するほか、槽壁に付着して洗い流され
ることによるチョコレートの損失も減少し、経済性も良
くなる効果がある。

又、栓、コイルバネも容易に取出して洗浄することがで
きる。

上記実施例では、浸漬槽と貯留槽とのチョコレート移送
手段としてシリンダーとピストンとを使用したが、在来
のチョコレート循環ポンプを使用した場合にも本考案は
適用することができる。

又、浸漬槽が二重タンクであっても差支えない。

なお、この考案は、エフレアのチョコレート塗布以外に
他の洋菓子のチョコレート等加熱して溶融する物質の塗
布にも使用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本考案を適用したエフレア
のチョコレート塗布槽を有するチョコレート塗布装置の
全体を示す側面図及び正面図、第３図乃至第５図はそれ
ぞれ本考案をエフレアのチョコレート塗布槽に適用した
実施例の上面図、側面図及び断面図、第６図はその浸漬
槽のドレン孔及びその栓の詳細を示す断面図である。 １・・・・・・菓子（エフレア）、７・・・・・・反転
台、１１・・・・・・チョコレート塗布槽、１２・・・
・・・温水槽、１３・・・・・・チョコレート貯留槽、
１４・・・・・・チョコレート浸漬槽、３０・・・・・
・ドレン孔、３１・・・・・・栓。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）反転可能な台上に載置された菓子をクランプし上
   下反転させて浸漬槽内の溶融チョコレート等液状物質に
   塗布範囲を接触させて塗布を行なう洋菓子のチョコレー
   ト等塗布におけるチョコレート等塗布槽において、外周
   より加熱されるチョコレート等の貯留槽と、その内部に
   取外し可能に設けられた浸漬槽とを有し、その浸漬槽の
   底部にはドレン孔が設けられ、前記貯留槽底面の前記ド
   レン孔に対応する位置には栓が設けられ、浸漬槽を貯留
   槽内所定の使用位置にセットした状態では上記の栓が上
   記のドレン孔を閉塞し、浸漬槽をこの位置より持上げた
   場合には上記の栓と上記ドレン孔の周囲との間に間隙が
   生ずるようにしたことを特徴とするチョコレート等塗布
   槽。
2. （２）前記のチョコレート等の浸漬槽を一重壁構造とし
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載のチョコレート等塗布槽。