JPS5833320Y2 - チエ−ンテンシヨナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はチェーンテンショナに関する。

動力の伝達に使用されるエンドレスチェーンの伸びによ
る弛緩を吸収してチェーンの振動を抑止するとともに動
力を効率よく伝達するためのチェーンテンショナとして
、第１図および第２図に示すものが知られている。

すなわち、ノ）ウジング１に穿設したシリンダ１ａ内に
、前端にチェーン２を押圧するシュー３を備え、外周面
の接線に平行な平面上に歯形４ａが刻設されたピストン
４を、スプリング５を介して摺動自在に嵌装するととも
に、上記ハウジング１に削設されてシリンダ１ａに開口
する窓部１ｂに、爪部スプリング６で付勢されて上記ピ
ストン４の歯形４ａと係合する爪７をハウジング１に回
動自在に挿合されたピン８に固定して取付ける一方、ピ
ン８の軸心から爪７の爪部までの寸法（爪７の回転半径
）が、ピン８の軸心からピストン４の歯形４ａまでの最
短寸法より若干大きくなるように爪７を形成し、チェー
ン２が伸びて弛緩した場合に爪７がピストン４の歯形４
ａとの係合から外れる方向（第１図において時計回わり
）に回動して上記のシュー３をスプリング５の弾力によ
って前進させて上記シュー３を常にチェーン２に圧接さ
せることによりチェーン２の伸びを吸収するとともに１
．駆動中のチェーン２の振動によってピストン４を後退
させる力が作用するときは上記歯形４ａと爪７との係合
によって爪７には第１図において反時計回わり方向の力
が作用するが、上記のようにピン８の軸心から爪７の爪
部までの寸法をピンの軸心からピストン４の歯形４ａま
での最短寸法より若干太きく形成しているため爪７は回
動することができず、その結果、ピストン４の後退を阻
止することができるものである。

しかしながら、上記従来のチェーンテンショナは、ピス
トン４の歯形４ａが１列に設けられ、この歯形４ａに係
合する爪７が１個であり、かつチェーンの振動を微量に
調整してチェーンの１騒音や摩耗を防止するために歯形
４ａおよび爪Ｉ先端のピッチを約１關に小さくしている
ので、チェーンが若干伸びピストンが前進して歯形４ａ
と爪７とが係合するいわゆる歯形４ａと爪７との係合初
期の片当り（ピストン４の山形形状をした歯形４ａの両
側の傾斜面が共に爪７と係合することなく、片側の傾斜
面のみが爪７と係合すること）によって歯形４ａの異常
摩耗や爪７先端の欠損が生じやすく、このためチェーン
２を適正張力に保持することが困難になり、騒音の発生
およびチェーンの摩耗の原因となっていた。

この考案は、歯形の摩耗および爪の欠損を軽減し、また
チェーンの伸びを高精度に吸収してチェーンを常に適正
張力に保持することができるようにしたものである。

以下にこの考案の実施例を第３図〜第５図によって説明
する。

なお、上記第１図および第２図と同じ部品については同
一符号を付けて説明を省略する。

ピストン４の外周面の底部に歯形４ａを刻設するととも
に、上記ピストン４の外周面の側部に上記の歯形４ａと
ピッチが等しく位相がピストン４の軸方向に１／２ピツ
チずれた歯形４ｂが刻設される。

他方、ハウジング１には、上記２列の歯形４ａ。４ｂに
対応して２個の窓部１ｂ、ｌｃが削設され、この窓部１
ｂ、１ｃに、爪部スプリング６ａ＋６ｂで付勢され、か
つピストン４の軸方向において同じ位置に爪７ａ、７ｂ
がピン８ａ、ａｂによってそれぞれ回動自在に取付けら
れる。

なお、爪７ａ。７ｂは、従来と同様にピン８ａ、８ｂの
軸心から爪？ａ、７ｂの爪部までの寸法がピン８ａ、ｓ
ｂの軸心からピストン４の歯形４ａ、４ｂまでの最短寸
法より若干大きくなるように形成し、ピストン４の前進
を許容するとともにその後退を阻止するようにしている
。

上記の構造において、ピストン４の歯形４ａ＋４ｂは互
いに１／２ピツチずれており、かつ爪７ａ、７ｂがピス
トン４の軸方向に同じ位置に配置されているので、チェ
ーン２が弛緩してピストン４が前進する際に、歯形４ａ
と爪７ａとの係合、および歯形４ｂと爪７ｂとの係合が
交互に歯形４ａ、４ｂの１／２ピツチごとに行なわれる
。

したがって、歯形４ａ、４ｂのピッチを従来の２倍に設
定することにより、従来と等しいピッチでチェーン２の
張力を調整することができ、しかも歯形４ａ、４ｂおよ
び爪７ａ、７ｂの厚みを大きくできるので強度が増大し
て片当りによる欠損や摩耗が防止され、チェーン２を適
正張力に保持することが容易になる。

また、爪７ａがピストン４の底面に、また爪７ｂがピス
トン４の側面にそれぞれ位置しているため、ピストン４
の軸線に対する回転やねじれがより確実に防止され、チ
ェーン２の横振れが軽減される。

すなわちチェーンの幅中央とピストン４の軸心とをオフ
セットして溝或した場合には、チェーンの駆動力により
ピストン４に回転トルクが生じるが、このような場合で
もピストン４外周の異なった位置でその接線に平行な平
面上に刻設した２列の歯形４ａ、４ｂと係合した２個の
爪７ａ、７ｂで一ヒ記回転力を受は止るため、２個の爪
７ａ 、 ７ｂおよびこの爪と係合している２列の歯形
４ａ 、 ４ｂの欠損や摩耗が防止されるとともに、ピ
ストン４の回転やねじれをより確実に防止することがで
きるのである。

また、第５図のように、一方の爪７ａは歯形４ａと噛合
って係合しているが、他方の爪７ｂは歯形４ｂと噛合わ
ず歯形の頂部に当接しているような場合であっても爪７
ｂの爪部先端と歯形４ｂの頂部とはピストン４外周の接
線に平行な同一平面上で互いに線接触しているため、ピ
ストン４の回転やねじれをより確実に防止することがで
きる。

上記の実施例において、ピストン４の歯形４ａ。

４ｂの位相を１／２ピツチずらせて爪７ａ 、７ｂを同
じ位置に配置する代りに、ピストン４の歯形４ａ 、４
ｂの位相を等しくして爪７ａ 、７ｂをピストン４の軸
方向に１／２ピツチずらして配置することにより、爪７
ａ 、７ｂを交互に歯形４ ａ ｒ４ｂと１／２ピツチ
ごとに係合させることができる。

また、歯形４ａ、４ｂの位相および爪７ａ。７ｂの位置
を、双方とも等しく設定してもよく、この場合には、歯
形４ａと爪７ａとの係合および歯形４ｂと爪７ｂとの係
合が同時に行なわれて片当りによる面モが従来の１／２
になるので、片当りによる前記の欠損や摩耗が軽減され
てチェーン２が適正張力に保持される。

更に、上記の実施例は、ピストン４の歯形４ａ、４ｂが
ピストン４の底面と側面、換言すれば外周方向に９０度
離れた位置に刻設されたものであるが、歯形４ａ、４ｂ
の位置は上記の底面と側面、または９０度離れた位置に
限定されるものではない。

ただし、９０度離れた位置に刻設した場合には、ピスト
ン４の回転やねじれの防止作用が最大になる。

以上に説明したようにこの考案は、ノ＼ウジングに設け
たシリンダ内に、前端にチェーンを押圧するシューを備
え外周面に歯形が刻設されたピストンを、スプリングを
介して摺動自在に嵌装するとともに、上記ハウジングに
上記ピストンの歯形と係合してピストンの後退を防止す
る爪を設けたチェーンテンショナにおいて、上記の歯形
を上記ピストンの外周方向の異なる位置であって該外周
の接線に平行な平面上に２列に刻設し、上記の爪を上記
２列の歯形に対応して２個設けたものであるから、歯形
の摩耗や爪の欠損が防止されてチェーンの張力を適正に
保持することが容易になるとともに、ピストンの回転を
確実に防止することができるためチェーンの横振れが防
止され、１騒音およびチェーン摩耗が軽減される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のチェーンテンショナの垂直切断側面図、
第２図は第１図の■−■線断面図、第３図はこの考案の
実施例の垂直切断側面図、第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ
線断面図、第５図は第４図の■■線断面図である。 １：ハウジング、１ａニジリンダ、２：チェーン、３：
シュー、４：ピストン、４ａ、４ｂ：歯形、５ニスプリ
ング、７ａ、７ｂ：爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ハウジングに設けたシリンダ内に、前端にチェーン
   を押正するシューを備え外周面に歯形が刻設されたピス
   トンを、スプリングを介して摺動自在に嵌装するととも
   に、上記ノ＼ウジングに上記ピストンの歯形と係合して
   ピストンの後退を防止する爪を設けたチェーンテンショ
   ナにおいて、上記の歯形を上記ピストンの外周方向の異
   なる位置であって該外周の接線に平行な平面上に２列に
   刻設し、上記の爪を上記２列の歯形に対応して２個設け
   たことを特徴とするチェーンテンショナ。 ２一方の歯形および爪が他方の歯形および爪と交互にピ
   ストンの軸方向に半ピツチずれて係合される実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のチェーンテンショナ。