JPS5832096Y2 - 加湿装置付暖房機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、加湿装置付暖房機に係り、特に、暖房機の加
熱を利用して水を蒸発することにより加湿する加湿装置
を備えた暖房機に関する。

最近、加湿装置を備えた暖房機が増加する傾向にあるが
、従来この種の暖房機に備えられた加湿装置は暖房機の
加熱を利用して水を蒸発させることにより加湿するもの
であるため、暖房能力の増減、によって加湿量が変化し
ても、暖房室の湿度に応じた加湿量の制御は不可能であ
るという欠点があった。

本考案の目的は、前記従来の加湿装置の欠点を解消し、
湿度に応じて加湿量を変更することができる加湿装置を
備えた加湿装置付暖房機を提供するにある。

以下図面に即して本考案の実施例を説明する。

本考案の一実施例を示す第１図において、暖房機の暖房
用の円筒状の加熱筒１の外壁面には、蒸発皿２がその底
面を密着して付設されており、この蒸発皿２はその内部
に水を貯留できるとともに、その貯水を加熱筒１で加熱
されることにより上部の開口から大気に蒸発できるよう
になっている。

また、この蒸発皿２の密着面は上記加熱筒１の外壁に沿
って円弧状に曲成されており、上部の開口に向って蒸発
面積が漸次拡大し、かつ加熱筒１に対する接触面積が増
加するようになっている。

暖房機の後部機枠３には、軟質耐熱ゴム等の可撓性管か
ら成る給水管４が取付けられており、この給水管４の先
端は、蒸発皿２内に上部開口から挿入され、その可撓性
を利用して蒸発皿２の底面に対して昇降自在になってい
る。

この給水管４の先端には、第２図に示すように、比重が
１以上である球形の弁体５Ａと、この弁体５Ａにより開
閉される弁座５Ｂとを備えたフロート弁５が介設されて
おり、このフロート弁５は給水管４の先端の昇降に応じ
て給水管４の給水を制御するようになっている。

給水管４の末端は、機枠３の外面において蒸発皿２より
も上方位置に付設された受皿６に連通されており、この
受皿６には貯水タンク７が倒立状態で着脱自在に支持さ
れている。

この受皿６と貯水タンク７との間には制御弁８が介設さ
れており、この制御弁８は受皿６の水位を常時一定に維
持するようになっている。

一方、給水管４の中間部は機枠に回転自在に軸架された
滑車９に紐１０を介して吊持されており、この滑車９は
、湿度センサ１３に連動してその制御を受ける直流モー
タ１２に減速ギヤ１１を介して正逆の回転駆動を受ける
ようになっている。

よって、給水管４の先端は、モータ例えば直流モータ１
２の湿度センサ１３の制御による正逆回転により昇降駆
動されるようになっている。

前記構成にかかる加湿装置付暖房機の作動を説明する。

暖房温度が上昇する等して加湿量の増加の必要性を湿度
センサ１３が検出すると、このセンサ１３からの制御信
号を受けて直流モータ１２が作動し、減速ギヤ１１を介
して滑車９を回転させて給水管４の先端を若干上昇させ
る。

給水管４の先が若干上昇すると、第２図に示したフロー
ト弁５が開成して、受皿６から貯水タンク７内の貯水が
給水管４を通じて蒸発皿２内に流入する。

給水管４の上昇が徐々に行なわれている間、蒸発皿２内
に給水が継続され、上昇が停止すると、フロート弁５は
再び第２図に示す閉成状態となって、給水は停止する。

蒸発皿２内の貯水の水位が、第３図に示す低水位状態か
ら、第４図に示す高水位状態になると、蒸発皿２の貯水
における加熱筒１に対する接触面積は増大することにな
る。

このとき、水温が約１００℃で、加熱筒１の温度が約３
００〜４００℃であるため、蒸発皿２における貯水の蒸
発量は貯水の加熱筒１に対する接触面積にほぼ比例する
ので、蒸発皿２からの蒸発量が増大化することになり、
よって、加湿量が増加されることになる。

暖房室の湿度が過多の状態になっていることを湿度セン
サ１３が検出すると、センサ１３からの制御信号を受け
て直流モータ１２が作動して、フロート弁５を第２図に
示す状態にしたまま、給水管４を下降させる。

この状態では蒸発皿２内に給水されないので、蒸発皿２
の水は蒸発して減少する一方となり、最終的に第３図に
示す低水位状態となる。

この低水位状態では、貯水の加熱筒１に対する接触面積
が減少するので、加湿量は減少されることになる。

このようにして、本実施例によれば、暖房室内の湿度状
況に応じて自動的に加湿装置の加湿量を制御することが
できる。

なお、前記実施例では、直流モータの制御を湿度センサ
によって行なう場合について説明したが、これに限らず
、例えば、人間の湿度に対する感応による手動式スイッ
チの切換操作により制御するよｊにしてもよい。

また、給水管の先端を蒸発皿の底面に対し昇降させる手
段として、可撓性の給水管を滑車で吊持して戊る構成を
使用した場合についてのみ説明したが、この構成に限ら
ず、例えば、伸縮自在な給水管を直流モータの回転をピ
ニオンを介して受けて昇降するラックによって伸縮させ
る構成等であってもよい。

以上説明するように、本考案によれば、蒸発皿に対して
給水管を上下動させることにより蒸発皿における貯水量
が変化し、蒸発量および蒸発面積が変化する。

したがって、暖房室の湿度状況に応じて加湿量を変更す
ることができるので、快適な空気調和状況を創出するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正断面図、第２図は第
１図ＩＩ部の拡大断面図、第３図および第４図は作動状
態を説明するための部分断面図である。 １・・・・・・加熱筒、２・・・・・蒸発皿、４・・・
・・・給水管、５・・・・・・フロート弁、７・・・・
・・貯水タンク、９・・・・・・滑車、１０・・・・・
・紐、１２・・・・・・直流モータ、１３・・・・・・
湿度センサ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）円筒状の加熱筒と、この加熱筒の外周壁に密着し
   て取付けられその密着面は加熱筒の外周壁に沿って円弧
   状に曲成され上部の開口に向って蒸発面積が拡大する蒸
   発皿と、先端が蒸発皿の底面に対し昇降自在に設けられ
   、かつ、末端が貯水タンクに連通されて蒸発皿内に貯水
   タンク内の水を給水する給水管と、この給水管の先端に
   介設されて、前記給水量を制御するフロート弁と、上記
   給水管の一部に連動されて給水管の先端を昇降駆動させ
   るモータとを有する加湿装置を備えたことを特徴とする
   加湿装置付暖房機。
2. （２）モータが、湿度センサに連動した実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の加湿装置付暖房機。