JPS5831134B2 - ステレオａｍ放送用変調回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、既存のＡＭ放送にＰＭまたはＦＭ変調を加
えてステレオ放送にするステレオＡＭ放送用変調回路に
関するものである。

従来この種の回路として第１図に示すものがあった。

第１図の回路では、右信号Ｌ ５ｉｎ（Ｐｔπ ２）および左信号Ｒ５ｉｎ（Ｐｔ −Ｔ ）がマトリク
ス回路（１）に加えられ、このマトリクス回路（１）の
出力として和信号Ｓおよび差信号ｄが得られる。

ここでｋは変調指数である。

これらの信号ｓ、ｄはそれぞれ定位相差回路２および３
に入力され、それぞれ４５°および−４５゜位相推移が
行なわれる。

つぎに搬送波発生回路４の出力ａ＝ｓｉｎωｔはＰＭ変
調回路５により、前記の一４５°位相推移された差信号
ｄでＰＭ変調が行なわれ、このＰＭ変調器５の出力電圧
ｖ １（ｔ）は次のようになる。

ｖ □（ｔ）二５ｉｎ（ωｔ＋β５ｉｎｐｔ） −凹
曲（１）つぎにこの出力電圧■１（ｔ）は、これを搬送
波信号とするＡＭ変調回路６により和信号Ｓ−αｃｏｓ
ｐｔでＡＭ変調され、その出力電圧■２（ｔ）は次のよ
うになる。

ここでＪｉ（ｘ）（ｉ＝１ 、２ 、３ ）はベッセル
画数である。

式（２）の各周波数スペクトラムを右信号（Ｌ）＝１（
最大振幅）、左信号（Ｒ）−〇（振幅零）の入力の場合
について計算すると第３図のようになり、従来のＡＭ変
調では僅少であった周波数（ω−２ｐ）および、ω＋２
ｐ）の第２側帯波が強くなっている。

そこで式（２）で示される放送波出力■２（ｔ）を広く
使用されている従来のモノラール受信機で自乗検波し、
（Ｖ２（ｔ））２の低周波成分のみを取り出し、これを
Ｖ。

（１）とすればＶ。（１）は次のようになる。このＶ。

（１）の２次歪酸分りをデシベルで表示すると次のよう
になる。

２ Ｄ″−，２０ｌｏｇ（２Ｊｏ（β）Ｊ２（β）＋−ＣＪ
ｏ（β）＋Ｊ２（β）］２−Ｊ１”（７９））
・・・・・・・・・（４）またステレオ放送の右と左
の分離度であるクロストークＣは、前記のように右（Ｌ
）＝１、左（Ｒ）＝０の条件について求めると、式（３
）の第１項より次式のようになる。

Ｃ７２０１ｏｇ （ａＪ６（β）［Ｊｏ（７９）ｆＪ２
（β）〕＋−〔Ｊｏ（７！３）Ｊ２（β）＋ Ｊ ２”
（Ａ’：Ｉｔ ｆＪ１” （β）−ｋ）・（５）以上
の式（４）および（５）について変調指数（ｋ＜０．５
）をパラメータとして計算すれば、表１のようになる。

この結果から、変調度が犬なるとき、明らかに既存のＡ
Ｍ専用受信機では２次歪、クロストークともに実用上支
障のある劣化が生じていることがわかる。

この発明は以上のような従来のものの欠点を除去するた
めになされたもので、従来の変調器を改良し、従来のモ
ノラール専用受信機で受信しても実用上許容し得る特性
を与えることのできる、すなわち受信機に対しステレオ
およびモノラールの双方の両立性を与えることのできる
ステレオＡＭ放送用変調回路を提供することを目的とし
ている。

以下この発明の一実施例を図について説明する。

第２図において、１ないし６は第１図と同じものを示し
、そのほか７は定位相差回路２および３でそれぞれ位相
推移された和信号Ｓと差信号ｄとの積を求める掛算回路
、８は前記差信号ｄとこの掛算回路７の出力との差を求
め、これをＰＭ変調器５に加える第１差動回路、９は前
記差信号ｄを自乗する自乗回路、１０は搬送波発生器４
で発生する搬送波ａ ＝ ｓｉｎωｔ を前記自乗回路
９の出力信号で平衡変調する平衡変調器、１１は前記２
Ｍ変調器５のＰＭ変調出力と平衡変調器１０は平衡変調
出力との差をとり、これをＡＭ変調器６の搬送波信号と
する第２差動回路であり、ＡＭ変調器６はこの搬送波信
号を前記和信号ＳによりＡＭ変調を行なう。

従来の変調方式における欠点は、式（２Ｘ４Ｘ５）によ
り明らかなとおり、Ｊ２（ｆＪ）および７Ｊ１（β）の
成分が劣化主因をなしている。

したがってこれを消去することが問題の解決となるが、
上述のベッセル画数量を単純に発生させることは工学的
に困難である。

ところが、ここで変調度は１００％以下である事実より
、α、βはαく１．βく１が成立するため、上述の有害
なるベッセル画数の成分は、次のとおり、第１次近似が
成立する。

よってこのような近似画数発生回路を付加し、有害な成
分を除去しようとするのが発明の骨子である。

第２図において、和、差信号ｓ、ｄの積を掛算回路７で
求め、第１の差動回路８の反転入力に加ニレば、その出
力ｖｄ（ｔ）は次のようになる。

一方、差信号ｄを自乗回路９で自乗し、これを平衡変調
器１０に加えれば、その出力ｖｄ（ｔ）は次のようにな
る。

β２゜ ｖｄ （ｔ）−−ｓ ｔｎ （ω±２ ｐ ） ｔ
・・・・・・（８）また、式（７）で表わされる第
１の差動回路８の出力ｖｄ（ｔ）をＦＭ変調器５に加え
ると、その出力ｖｄ（ｔ）は次のようになる。

さらに、式（９）のＰＭ変調出力ｖ ｐ （ｔ）と式（
８）の平衡変調出力ｖｂ（ｔ）との差を第２の差動回路
１１でとり、これをＡＭ変調器６に加え、和信号ＳでＡ
Ｍ変調すると、所要放送出力Ｖ。

（１）が求まる。いま、簡単のため、ｒ ＜ １である
からＪ。

（ｔ） ＝ １と近似すれば、 この放送波出力Ｖ。

（１）を自乗検波し、低周波成分を求めると、計算のプ
ロセスは省略するが、ｖｏ” ｖｉｄｅｏ＝Ｕｃｏｓ（
ｐｔ＋φＵ）＋Ｖｃｏｓ （２ｐｔ＋φｙ ）＋Ｗｃｏ
ｓ （３ｐｔ＋φＷ）とおいて、 ■ ２次歪Ｄ＝２０ ｌｏｇ （ｇ） ｃｔＢクロ
ストークＣ＝ ２０ ｌｏｇ （Ｕ−Ｋ ） ””””
υとなる。

式αυと式（１０）を計算機で右（Ｌ）−１、左（Ｒ）
−〇のパラメータの下で求めれば、この場合の２次歪り
およびクロストークＣは表２のようになる。

また、この場合のスペクトラムの拡がりは第４図に示す
とおりであり、第３図に比べ高次側帯波が少な（なって
いることがわかる。

このようにこの実施例の変調器では、放送波出力２次歪
およびクロストークが大幅に軽減され、従来のモノラー
ル専用受信機でも実用上の劣化なくステレオ放送を受信
できる効果がある。

また、放送波スペクトラムエネルギーの拡がりも少なく
なるという副次的効果もある。

なお、第２図において変調器としてＦＭ変調器６を用い
ているが、これは６ｄＢ１０ＣＴのプリエンファシスを
持つＦＭ変調器としても良いことはＦＭの理論より明ら
かである。

また、第２図において、各回路設計上の理由により、フ
ィルタ、増幅器、あるいは減衰器を加えることは、実施
例の効果に側ら影響を及ぼすものではない。

以上のように、この発明のステレオＡＭ放送用変調回路
によれば、差信号と、和信号と差信号の積との差をＰＭ
変調器に加え、そのＰＭ変調出力と、差信号の自乗を平
衡変調したものとの差をＡＭ変調器の搬送波成分とする
ことにより、既存のＡＭ放送用モノラール受信機で、実
用上の劣化なく、ステレオ放送を受信できる効果がある
。

また副次的にスペクトラムの拡がりが少ないという電波
の有効利用上の利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のステレオＡＭ放送用変調回路のブロック
図、第２図はこの発明の一実施例のブロック図、第３図
は第１図の回路による変調指数・信号レベル特性図、第
４図は第２図の回路による変調指数・信号レベル特性図
である。 Ｌ・・・・・・右信号、Ｒ・・・・・・左信号、Ｓ・・
・・・・和信号、ｄ・・・・・・差信号、１・・・・・
・マトリクス回路、５・・・・・・ＰＭ変調器、１０・
・・・・・平衡変調器、６・・・・・・ＡＭ変調器。 なお図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 右信号および左信号より和信号および差信号を得る
   マトリクス回路と、前記差信号と前記和信号と差信号の
   積との差をＰＭ変調信号とするＰＭ変調器と、前記差信
   号の自乗を平衡変調信号とする平衡変調器と、前記ＰＭ
   変調器のＰＭ変調出力と前記平衡変調器の平衡変調出力
   との差を搬送波成分としこれを前記和信号でＡＭ変調す
   るＡＭ変調器とを備えたことを特徴とするステレオＡＭ
   放送用変調回路。