JPS5829234B2 - 合成樹脂発泡成形物の製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば、車両内部装飾用パネル、ドアパネ
ルなどの表皮材で被覆された凹凸形状を有する合成樹脂
発泡成形物の製造装置に関するものである。

合成樹脂発泡体の表面に表皮材を貼着した成形物は各種
の分野に広く用いられている。

従来、合成樹脂発泡体と表皮材を一体に成形するには、
予じめ金型内面に表皮材を取付け、金型内に発泡体成形
用原液を注入し、原液が発泡して金型から溢れる以前に
金型を閉じ、密閉された金型内での発泡原液の重合反応
の圧力を利用して金型の形状に沿う一定形状に賦型する
とともに表皮材と発泡層とを一体に結合させるものであ
った。

したがって金型および金型の移動装置を含む成形装置は
発泡原液の重合圧力に耐える構造を必要とし、設備が大
型化して設備費が高価となる問題点があった。

この欠点を解消するために、伸縮性を有する編織布に発
泡体成形用原液を塗布してこれを発泡させ、発泡体の重
合反応が未だ不完全で表面が接着性を有する状態の間、
型面に凹凸形状を有する金型内に、表皮材に積層した発
泡体を搬入し、これを加圧成形し、所定の凹凸面を有す
る成形物を得る方法が開発された。

上記方法は原液を発泡させてこの発泡体と表皮材とを組
み合わせて素材を成形する工程と、この発泡体の重合反
応が未完全の状態の間に素材を所定の金型内に搬入し、
カＤＥならびに一定時間熟成する工程とからなるもので
あり、上記方法を利用して合成樹脂成形物を連続的に大
量生産する場合には、多数の金型を準備して能率よく作
業を行なうことが必要である。

本発明は上記要請に基ずいて発明をされたもので、多数
の金型を設置した回転コンベアの送り方向に沿って金型
内への裏打ちあるいは離型材の搬入ステーション、発泡
体成形用原液の注入ステーション、表皮材送入ステーシ
ョン、金型の加圧ならひに型締めステーション、熟成ゾ
ーンおよび脱型ステーションを順次設定し、回転コンベ
アに間欠回転送りを与えつつ開かれた金型内に、裏打ち
材あるいは離型材、発泡体成形用原液、表皮材の送入を
順次行ない、型締め後、一定時間熟成を行ない、回転コ
ンベアの一回転後金型を脱型して金型内から成形物を取
り出して連続的に合成樹脂発泡成形物を得るようにした
ことを特徴とするものである。

以下、本発明の実施例を図面によって説明する。

回転コンベアたとえば回転テーブル１の上面の同一円周
上の位置に多数の金型２を設置する。

金型２はそれぞれ型面に凹凸形状を有する上型２Ａと下
型２Ｂとからなり、下型２Ｂが回転テーブル１上に固定
され、上型２Ａが下型２Ｂより上方に突設したポスト３
に上下動可能に支持されており、上型２Ａはポスト３に
嵌挿されたスプリング４によって上方に付勢されて常時
型開き状態を保っている。

また、それぞれの金型２には、上型２Ａに結合して金型
２の型締めを行なうクランプ５が装備されている。

前記回転テーブル１は回転中心に設けた回転軸６に水平
に支持され、回転軸６は、ブレーキ付モーターと直結さ
れた減速機８に歯車機構９を介して連動させである。

回転テーブル１はブレーキ付モーター７の駆動により一
定角度ずつの転回送りが与えられるものである。

実施例の場合、回転テーブル１の円周をＡ〜Ｌの１２に
分割し、それぞれの位置で一旦停止させるもので、各停
止位置に次のステーションを設定する。

すなわちＡは裏打ち材あるいは離型材の搬入ステーショ
ン、Ｂは合成樹脂発泡体成形用原液の注入ステーション
で、該ステーションＢに対応して原液注入ノズル１０が
設けられている。

Ｃは原液を発泡させる余裕を与えるスペース、Ｄは表皮
材の送入ステーション、Ｅが金型２の７ＪＤ圧ならひに
型締めステーションで、該ステーションに対応して金型
２の移動ラインの上方に金型７ＪＤＥ装置としてシリン
ダ装置１２を設置し、該シリンダ装置１２に駆動される
押圧板１３を金型２の上方に向き合わせて設置する。

なお、１４はシリンダ装置１２を定位置に支える支え台
である。

Ｆ−に位置は熟成ゾーンを形成するもので、この範囲に
わたって加熱装置を内蔵したオーブン１５が金型２の搬
送ラインに沿ってその周囲に設置されている。

Ｌが金型２の脱型ステーションで、金型２内からの成形
物を搬出させるステーションである。

実施例において、ますＡ位置において、第３図イに示す
ように金型２の下型２Ｂ上に裏打ち材あるいは離型材１
６をセットし、次に回転テーブル１に一定角度の転回送
りを与えて、Ｂ位置で停止させ、第３図口に示すように
原液注入ノズル１０から定量の発泡体成形用原液を供給
して下型２Ｂ上にセットされた裏打ち材あるいは離型材
１６上に充填する。

下型２Ｂ上に注入された原液はただちに発泡が開始し、
Ｃ位置を経てさらに回転テーブル１に一定角変の回転を
与え、第３図ハに示すようにＤ位置において自然発泡さ
せた発泡体ａの表面がいまだ粘着性を有している間にそ
の表面に表皮材１１を載せ、軽いモカを加えてこれを発
泡体ａの表面に接着させる。

次いで、第３図二に示すように金型２をＥ位置に移し、
シリンダ装置１２の駆動により上方から抑圧板１３を下
降させ、上型２Ａをスプリング４の持玉力に抗してこれ
を押し下げ、発泡体ａと表皮材１１との積層物（以下素
材すという）を加圧し、同時に互いに結合された上型２
Ａと下型２Ｂとを型締めクランプ５で締付固定する。

引き続き回転テーブル１に間欠回転送りを与え、第３図
ホに示すようにＦ位置より金型２をオーブン１５内に送
りこみ、Ｇないしに位置を通過する間、オーブン１５内
で一定時間熟成を行なう。

金型２はに位置を通過してオーブン１５より外部に送り
出され、第３図へに示すようにＬ位置でクランプ５によ
る型締めをはずすと、スプリング４の持玉力により上型
２Ａが上刃に持ち上げられて金型２が開き、上下型２Ａ
、２Ｂの型面の形状により所定形状に賦型された成形物
Ｍを外部に搬出する。

以上、実症例においては、回転テーブル１上に多数の金
型２を設置し、回転テーブル１に間欠駆動送りを与えて
、金型２を各ステーションを経由させる場合の例を説明
したが、これに限らず、台車その他の形式の回転コンベ
アを用いて各金型２に循環させる構成とすることもでき
る。

第４図、第５図は金型（下型）を台車上に搭載してこれ
に移動送りを与える回転コンベアを用いた場合の例を示
すものである。

本実施例においては環状レール１７上に互いに連結され
た多数の台車１８を載置し、各台車１８上にそれぞれ所
要の凹凸面を有する上型２Ａと下型２Ｂとを組み合わせ
る金型２の下型２Ｂを搭載した場合の例を示すものであ
る。

レール１７の上方にはガイドレール１９が設けられ、該
ガイドレール１９より垂下させたアーム２０にそれぞれ
各台車１８上の下型２Ｂに対応して上型２Ａが上下動可
能に支持されているものである。

なお、アーム２０には上型２Ａを付勢するスプリング２
１が嵌挿されている。

台車１８および上型２Ａを保持するアーム２０は図示を
略す送り装置で同一速度で同一方向に間欠移動送りが与
えられる。

本実施例においても前実癩例と同様に、回転コンベア送
り方向に沿ってＡ−Ｌの１２の停止位置が設定される。

また、金型２の加圧ならひに型締めステーションＥなら
ひに熟成ゾーンＦ−にの範囲にわたってガイドレールは
一段下刃に下げられた上型誘導部１９Ａを有しており、
この区間を通過する上型２Ａは下型２Ｂ上に下降するよ
うに構成されている。

また、熟成ゾーンの全区間にわたって型締め治具２２が
設けられている。

この型締め治具２２はコンベアラインに沿って同一速度
で移動する無端コンベア２３Ａと、該コンベア２３Ａを
支えてこれを上型２Ａの上面に圧接させるローラー２３
Ｂ、２３Ｂとからなるものである。

本実施例においてＡ−Ｄステーションの区間では上型２
Ａは下型２Ｂより上方位置でガイドレール１９に保持さ
れており、この間は金型２が開いている。

前実癩例と同様にＡ位置において、第５図に示すように
裏打ち材あるいは離型材１６を下型２４上にセットし、
Ｂ位置でノズル１０から定量の発泡体成形用原液を注入
し、裏打ち材あるいは離型材１６上で自然発泡させ、次
いでＣ位置を通過してＤ位置で発泡体ａ上に表皮材１１
を供給するものである。

本実施例では表皮材１１は真空ポンプ２４の駆動により
真空吸引された吸着板２５に表皮材１１を吸着させ、該
吸着板２５を首振り腕２６によって転回させ、開かれた
下型２Ｂ上に吸着板２５を搬入し、真空吸引を停止して
吸着板２５より表皮材１１を発泡体ａ上に落下供給する
場合を示した。

本実施例においても自然発泡した合成樹脂発泡体ａがま
だ粘着性を有している間に、その表面に表皮材１１をセ
ットし、軽い圧力をかけて表皮材１１を発泡体ａの表面
に接着させて素材すを構成させる点は前実椎例と同一で
ある。

さらに台車１８および上型２ＡがＥ位置に達すると、上
型２Ａはガイドレール１９の誘導部１９Ａにしたがって
下降し、Ｅ位置に設けられたシリンダ装置１２の押匣板
１３を押し上げて上型２Ａを下型２Ｂ上に圧着させて型
締めを行ない、内部に送入された素材すの加圧を行なう
。

またＦ〜に位置の熟成ゾーンの範囲にわたって型締め治
具２２で押圧して上型２Ａを下型２Ｂ上に正接状態を保
たせる。

したがって、上型２Ａは型締め治具２２で押圧されなが
ら金型２が閉鎖された状態で熟成ゾーンＦ〜Ｋを通過し
、この間熟成が行なわれる。

熟成区間は成形物を脱型してもその形状を保つことがで
きる程度に熟成を進行させるに必要な時間を与えるもの
である。

台車１８がオーブン１５より外力に出ると、上型２Ａ上
から型締め治具２２が外れ、ガイドレール１９は再び上
刃に変位して上型２Ａはこのカイトレール１９に沿って
上刃へにげる。

金型２がＬ位置に達すると、金型２内から成形物Ｍを取
出し、金型２内を次の成形物の製造に備える。

なお、坦上実施例においては、金型の間欠自動送りによ
って各ステーションを通過させて成形物を製造する場合
について説明したが、各金型に連続移動送りを与えなが
ら各ステーションで裏打ち材あるいは離型材の搬入、発
泡体成形用原液の注入および表皮材の送入その他の操作
を行なうことももちろん可能であり、この場合において
はシリンダ装置１２を送り方向に沿って一定距離台車と
同一速度で移動させるように構成すればよい。

また裏打ち材あるいは離型材の搬入、原液の注入は同一
ステーションで行なうこともでき、表皮材の送入に特別
のステーションを設定することは必ずしも必要ではない
。

本発明における使用材料、成形条件は以下のとおりであ
る。

（１） 表皮材 ■ 伸縮性を有する編織布を使用する場合例えば綿、ス
フ、ナイロン、アクリル又はボッエステル等を原料とす
る編布や織布を使用する事が出来る。

■ 伸縮性を有する編織布に、合成樹脂発泡体、合戊樹
目旨シートを積層したものを使用する場合 例えばポリ塩化ビニール、ポリエチレン、ポリウレタン
等を発泡させたもの、あるいは合成樹脂シートとしては
、ウレタン系フィルム、ボッ第１ノフイン系フイルム、
フタジエンフィルム又は塩ビフィルム等の薄膜軟質樹脂
フィルムがある。

（２）裏打材或いは離型材 プレス時の発泡合成樹脂とプレス型との粘着を防止ある
いは成形品の補強の為に用いるもので、 例えば裏打材として、含浸硬化防止処理された編織布、
不織布、 例えば離型材として、離型紙或いはポリエチレンフィル
ム等がある。

（３）合成樹脂発泡体 車輌用内部装飾パネル、ドアパネル等の用途の場合は硬
質、半硬質発泡体を、車輌用或いは家具用クッションの
用途の場合は軟質、半硬質発泡体を使用する。

例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等
の合成樹脂フオームが使われるが特にクッションの場合
は連通気泡を有する軟質もしくは半硬質のポリウレタン
が好ましい。

又車輌用内部装飾パネルの場合は硬質、半硬質ポリウレ
タンが好ましい。

（４）オーブン温度 ４００〜２２０°Ｃ （５）金型 雌型と雄型或いは雌型と平板型、或いは雌型と雌型でも
可。

雌型の意匠面に加圧成型時の空気抜けを良くする為に小
さな貫孔を開けてもよい。

（６）加圧成型時間 （硬質ｌＯ〜６０ ｐＪ＞二） 軟質 １〜ｉｏ ７オ一ム組成により異な６・（
７）成型圧力 ０．１〜１ｋｇ／ｆｆ１ 本発明は以上のように裏打ち材あるいは離型材のセット
工程、発泡体形成用原液注入工程、表皮材セット工程、
金型の加工ならびに型締め工程、熟成工程ならびに脱型
工程を回転コンベアの循環移動の途中でそれぞれ行ない
、回転コンベアの一回転後、所定形状に賦型された合成
樹脂発泡体成形物を得ることができ、また、金型２内に
直接原液を注入してこれを自然発泡させた後、型締めを
行なうために、素材の加工をも成形用金型を使用して行
なうことができ、素材の成形中型枠の使用ならびに金型
内の搬入操作が不要となり、工程を簡略化して能率よく
成形物の製造を行なうことができる。

もちろん、原液の自然発泡後金型の型締めを行なうため
に金型に大きな巴力が加えられることがない。

また、本発明の第２の実施例に示すように型締めならび
に型開きの操作を自動化することによって、いっそう生
産効率を向上させることができる効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明装置の一実施例を示すもので、
第１図は平面図、第２図は第１図の■゛■線断面図、第
３図イルへは製造工程の説明図、第４図、第５図は本発
明装置の第２の実施例を示すもので、第４図は平面図、
第５図は展開図である。 １・・・・・・回転テーブル、２・・・・・・金型、２
人・・・・・・上型、２Ｂ・・・・・・下型、５・・・
・・・クランプ、１１・・・・・・表皮材、１６・・・
・・・裏打ち材あるいは離型材、１９・・・・・・ガイ
ドレール、１９Ａ・・・・・・誘導部、２２・・・・・
・型締め治具、Ａ・・・・・・裏打ち材あるいは離型材
搬入ステーション、Ｂ・・・・・・発泡体形成用原液注
入ステーション、Ｃ・・・・・・表皮材送入ステーショ
ン、Ｅ・・・・・・加圧ならびに型締めステーション、
Ｆ−Ｋ・・・・・・熟成ステーション、Ｌ・・・・・・
脱型ステーション。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 循環移動する回転テーブルに多数の金型を開閉可能
   に設定し、該テーブルの回転方向に沿ってそれぞれ金型
   内への裏打ち材あるいは離型材の搬入ステーション、発
   泡体形成用原液注入ステーション、表皮材送入ステーシ
   ョン、金型の加圧ならびに型締めステーション、熟成ゾ
   ーンおよび金型の脱型ステーションを設定したことを特
   徴とする合成樹脂発泡成形物の製造装置。 ２ 前記金型は回転テーブルに固定した下型と、この下
   型に対して上下動可能に設けた上型とからなり、各金型
   に上下型を結合するクランプを装備した特許請求の範囲
   第１項記載の合成樹脂発泡成形物の製造装置。 ３ ＠記回転テーブルに、上型を、下型の上方位置で下
   型の移動速度に同期して移動させるガイドレールを設け
   、金型の加圧ならびに型締めステーションおよび熟成ゾ
   ーンの区間内を進行する上型を下型側に下降させる誘導
   部をガイドレールに形成し、かつ熟成ゾーンの全区間に
   わたって上型を下型に圧着させる型締め治具を装備した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の合成樹脂
   発泡成形物の製造装置。