JPS5828902Y2 - トロリ−線の引締装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクレーン、ホイストなどの給電線として活用さ
れるトロリー線の引締装置に関する。

この種トロリー線として近年成型導体の周上に断面略Ｕ
字状の絶縁カバーを被覆した絶縁型のトロリー線の開発
がされており、通常はコイル巻キあるいはドラム巻きさ
れて搬送されている。

この布設法としては主として数百メートルの長尺で張力
（テンション）をかけて長線状に布設する場合と、ルー
プ状にすなわちエンドレス状に布設する場合があった。

前者の場合張力をかける為に端末引締が行われており、
その構造としては、第１図に示すようにトロＩＪ−線端
末を掴持する引留金具１と該金具１を碍子２を介して造
営材取付けの為の長ボルト３を取付けたものであってそ
の占有空間を大きくとり、碍子を用いることから量産性
に劣る面があった。

長尺布設の場合端末引締数が少ないのでそれでもよいが
、クレーン横行用として布設する等短尺ルートの布設が
あり、前記占有空間を多くとること及び量産性に劣るこ
と、並びに加えて引留金具の連結作業及びこの絶縁処理
等の作業工数を要し、割高であった。

一方エンドレス布設の場合現用の引締装置では張力布設
は不可能であることから、ハンガーの数量を多くして、
トロリー線のねじれ等を防ぐようにしている。

このことから施工費が高くしかも巻きぐせ等が幾分残り
、集電子の走行特性に劣り、高速走行には不向であった
。

本考案は、上記した欠点を解消する為になされたもので
、直線布設端末及びエンドレス布設における引締めにお
いて施工性がよく占有空間を小さくして安価に資するこ
とのできる引締装置の提供を目的とする。

すなわち本考案の要旨とするところは、ブラケットに取
付けられるものであって長穴を有する水子片とこの水平
片の一端に垂下形成される垂直片とよりなる支承体と、
トロリー線に横貫通せしめる剛体ピン及びこのピン両端
を掴持する略コ字状の絶縁駒体よりなるアンカークラン
プを取着し、前記長穴に下方より挿通される支持ボルト
を有するトロリー線取付体と、前記支持ボルトに水平片
上で螺着される位置固定用ナツトと、前記垂直片におい
て水平片に沿って任意に移動係留可能に貫通し、かつ先
端を前記アンカークランプを長穴に沿って移動可能に係
合せしめてなる操作杆とよりなることを特徴とするトロ
リー線の引締装置にある。

上記において操作杆と垂直片の係留構成としては、操作
杆を長ボルトとし、垂直片にはこの長ボルトを固定でき
るネジ穴を設けたり、あるいは長ボルトにナツトを設け
て係留してもよい。

また操作杆にピン取付は用穴を並設し、これに対する垂
直片に操作杆の挿通穴を形成し、ピンの垂直片に対する
係留としてもよい。

以下本考案の実施例図面により説明するに、第２図は本
考案引締装置の一実施例を示し、１０は片側の位置にお
いて造営材側のブラケット１１にボルト等により取付け
られ長穴１２を有する水平片１０ａとこの水平片の一端
に垂下形成された垂直片１０ｂとよりなる鋼板製よりな
る支承体、１３はトロリー線取付体を示し、トロリー線
１４に横貫通される鋼製剛体ピン１５と、該ピン１５の
両端を掴持する穴を有する二つ割れ状のコ字型絶縁駒体
１６とよりなるアンカクランプと、前記駒体１６を上部
より被せてボルト１１により装置するコ字状の鋼板製把
持具１８と、この把持具１８上に植設された支持ボルト
１９よりなり、この支持ボルトが長穴１２の下方より挿
通され、水平片１０ａの上部で位置固定１１′ナツト２
０により取付けられる。

２１は操作杆にしてそれ自身長ボルトとなしており、垂
直片１０ｂに有する穴を水平片１０ａに沿って貫通しナ
ツト２２により係留され、その先端は絶縁駒体１６を押
すように構成される。

本考案はかように構成してなるから、まず支承体１０を
ブラケット１１に取付け、そしてトロリー線の固定位置
決めをして該トロリー線に被覆カバー及び成型導体を横
貫通する穴を穿設し、この穴１こ剛体ピン１５を貫通さ
せ、ピンの両端より二つ割れ状絶縁駒体１６を抱き合わ
せて掴持させ、更に把持具１８を被せて固定し、この後
支持ボルトを長穴１２を移動できるように位置固定用ナ
ツト２０を緩く締めつけておく。

次に操作杆２１をねじ込んで絶縁駒体１６を押し付けて
移動させトロリー線に適正な張力をかけた状態でナツト
２２を締付けて固定しこの後位置固定用ナツト２０を締
付けることによりアンカークランプを固定して引締布設
を完了するものである。

尚上記ナツト２２は垂直片１０ｂに溶接してもよい。

また垂直片１１ｂに直接タップを設け、操作杆を螺装し
てもよい。

第３図及び第４図操作杆の取付は変形例を示し第３図は
、操作杆２１′に多数の穴２３を並設し、垂直片１１ｂ
′を挿通しアンカークランプを押し付けた後、適宜の穴
にピン２４を挿通して垂直片に係留させるものである。

第４図は把持具１８′に穴付突片２５を設け、垂直片１
１ｂ“に螺装された操作杆２１′の先端を挿通掛止させ
たもので、前記のように押し付けるのに対し、操作杆２
１″の螺退でアンカークランプを引き寄せてトロリー線
の引締に供するものである。

以上説明してきたように本考案引締装置によれば、アン
カークランプによりトロリー線の引締が行われるから、
端末の引締は勿論エンドレス布設のトロリー線の直線ル
ートにおいて引締が行つことができるのであり、そして （１）トロリー線に穴を穿けるだけでよいので取付けが
簡単で引締操作も至極簡便であり、施工性に優れる。

（２）またトロリー線の弛み等か生じても位置固定用ナ
ツトと操作杆の操作で容易に現地調整ができ、トロリー
線を常時安定な張力布設とでき、近年の高速集電走行に
対応できる安定集電面を寄与できる。

（３）碍子等を使用せず、モールド、プレス等の型製品
ｆヒを達成でき安価なものとできる。

等実益大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来一般に用いられている端末引締装置を示す
説明図、第２図は本考案引締装置の一実施例を示し、Ａ
は平面図、Ｂは正面図、Ｃは左側面図である。 第３図及び第４図は本考案装置の他の実施例を示す正面
図である。 １０：支承体、１１ａ：水平片、１１ｂ、１１ｂ’。 １１ｂ’：垂直片、１２：長穴、１３ニトロリ−線取付
体、１４ニトロリ−線、１５：剛体ピン、１６：絶縁駒
体、１９：支持ボルト、２０：位置固定用ナツト、２１
，２１’、２１’：操作杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラケ゛ントに取付けられるものであって長穴を有する
   水平片とこの水平片の一端に垂下形成される垂直片とよ
   りなる支承体と、トロリー線に横貫通せしめる剛体ピン
   及びこのピン両端を掴持する略コ字状の絶縁駒体よりな
   るアンカークランプを取着し、前記長穴に下方より挿通
   される支持ボルトを有するトロリー線取付体と、前記支
   持ボルトに水平片上で螺着される位置固定用ナツトと、
   前記垂直片において水平片に沿って任意に移動係留可能
   に貫通し、かつ先端を前記アンカークランプを長穴に沿
   って移動可能に係合せしめてなる操作杆とよりなること
   を特徴とするトロリー線の引締装置。