JPS5827212Y2 - ボイラ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本発明はボイラ装置の改良に関する。

従来特にパルプ廃液等を燃焼せしめ火炉低部よりスメル
ト状にて薬品を回収するソーダ回収ボイラ等の如く、そ
の燃焼生成ガス中に多量の腐蝕性成分を有するガス（こ
の中にはキャリオーバされる腐蝕性ダストが含１れる。

）との熱交換を行なう装置においては、例えば火炉、過
熱器、ボイラ水管、節炭器のうち、ガス温度の高い部分
に設置される火炉蒸発管の内部流体温度は、ボイラ運転
圧力における飽和温度であり、この飽和温度が高くなる
と著しい腐蝕を生ずる。

火炉蒸発管の腐蝕を防止するためにボイラ運転時の飽和
温度即ちボイラ最高使用圧力を通常のボイラよりも低く
制限している。

しかしながら、過熱器部分に於ては飽和温度以上に上る
為最も腐蝕の影響を受は易く特に各過熱器伝熱部に於て
火炉ならびに火炉上部ガス層空間（キャビティ）よりの
放射伝熱を受ける部分に於て著しい腐蝕を受ける為、最
外側管については定修時屡々取替が必要となる。

従来のソーダ回収ボイラ装置を第１図及び第２図に示す
。

火炉１、蒸発器２．１次過熱器３．２次過熱器４、ボイ
ラ水管５、降水管６、飽和蒸気連絡管１．１次過熱器入
ロヘッダ８．１次過熱器出ロヘッダ９、過熱低減器１０
．２次過熱器入ロヘツダ１１．２次過熱器出ロヘッダ１
２、主蒸気管１３．１次空気風箱１４、排液バーナ１５
．２次空気風箱１６、スーツブロアー１１１スクリーン
降水管１９、火炉出口スクリーンチューブ２０、その他
図示せざる装置により構成される従来のソーダ回収ボイ
ラに於て、廃液はバーナ１５よυ炉内に投入せられ、１
次及び２次風箱１４．１６より導入される空気によう燃
焼せしめられる。

廃液のＰＨは３〜７と低く硫化度の高いものであって可
燃物の他無機物を多量に含んでいる。

ここに可燃物は燃焼して高温ガスとなり過熱器４゜３及
びボイラ水管５を通って煙道（図示せず）へ、無機物は
炉底よυスメルト１８として取出される。

これ等燃焼生成物ならびにスメルト中に含壕れる腐蝕成
分としてＳＯＸ ＊Ｈ２Ｓ ｅ ＨＣｔｅ Ｎａ ２
ＳｓＮ ａｃｌ＊Ｎａ２ＳＯ４等がある。

蒸発管２、ボイラ水管５で発生した蒸気は飽和蒸気連絡
管７より１次過熱器３及び２次過熱器４を経て加熱され
た主蒸気管１３よシ蒸気タービンに送られる。

（第２図に於ては、燃焼灰（無機物）のキャリオーバを
防止する為スクリーンチューブ２０が設置されている。

）又伝熱部に耐着した灰を落すためスーツプロア１７を
設置される。

かかる装置に於て過熱器最外側管は火炉下部ならびに火
炉上部のガス層による放射伝熱及び対流伝熱の影響を最
も受けるため、一番メタル温度が上る事となジ、特に２
次過熱器４の最外側管においては極めて厳しい腐食を受
けてチューブの減肉が生じる。

従って、これ等のチューブによう蒸気温度の制限を受け
、最高使用蒸気温度として一般に４５０℃程度となって
いる。

（即ち第１及び２図に於ける←間部分は常に他部分よυ
温度が高くなっている。

）本考案はこれ等の欠点をなくし、４８０℃以上の蒸気
条件に対しても安心して実用できる過熱器装置を有する
ボイラを提供することを目的とするものである。

本考案の一実施例を第３図〜第４図を参照して詳細に説
明する。

第３図は本考案を採用したソーダ回収ボイラ第４図はそ
の詳細図を示す。

図示の記号で前述のものと同じものは同じ部分を示して
いる。

即ち火炉１、蒸発管２．１次過熱器３．２次過熱器４、
ボイラ水管５、降水管６、飽和蒸気連結管１−１．２次
過熱器保護管１−２、スクリーン管７−３、スクリーン
管ヘッダ１−４、スクリーン管７−５、−次週熱器保護
管７−６、連絡管７−７．１次過熱器入口及び出口へラ
ダ８，９、過熱低減器１０．２次過熱器入口及び出口ヘ
ッダ１１．１２、主蒸気管１３．１次空気風箱１４、排
液バーナ１５．２次空気風箱１６、スーツフロア１７、
スメル）１８−１、スメルト取出口１８−２により構成
されるボイラに於て、液はバーナ１５より炉内１に投入
され１次及び２次風箱１４゜１６よυ導入される空気に
より燃焼される。

廃液のＰＨは３−７と低く硫化物を多量に含むものであ
り腐蝕性が高く可燃物の他無機物を多く含んでいる。

ここに可燃物は燃焼して高温ガスとなりスクリーン管７
−３．７−５及びこれに連なる過熱器保護管７−２．７
−６を有する１次及び２次過熱器３．４を通ってボイラ
水管５に至り煙道（図示せず）に導かれる。

一方無機物はスメルＮ ８−１となり、炉底にた１リス
メルト取出口１８−２より回収される（これ等の無機物
はパルプ製造薬品として回収再生利用される）。

この様な薬品廃液を処理回収するプラントに於てこれ等
燃焼生成物ならびに飛散灰及びスメルト中に含１れる腐
蝕成分としてｓｏ ｘ ＠ Ｈ２１Ｓ ＃ ＨＣｚ ｔ
Ｎａ ２ ｓ Ｓ ＊ ＮａＣＺｓ Ｎａ ２ ＳＯ４
等がある。

一方蒸発管２及びボイラ水管５で発生した蒸気は飽和蒸
気連絡管７−１よシ２次過熱器４の外周に配置された２
次過熱器保護管１−２、スクリーン管７−３、ヘッダ７
−４、スクリーン管７−５１次過熱器３の外周に配置さ
れた１次過熱器保護管７−６、同１次過熱器保護管７−
６出口と１次過熱器入ロヘツダ８とを連通ずる連絡管１
−７を経て１次過熱器３ならびに２次過熱器４にて過熱
され高温蒸気となって主蒸気管１３を経てタービンに送
られる。

過熱器３，４と過熱器保護管７−２．７−６は第４図に
於てチューブ間の隙間Ｃを最少にする如き密着型スペー
サ７−８が設置され、又各週熱器管同志も密着又はそれ
に近い状態にて保持されている。

又、伝熱面に耐着した溶融灰はスーツプロア１７によシ
除去される。

本考案の特徴はこの過熱器保護管を過熱器外周に設置し
て飽和蒸気を通し同保護管を通過した蒸気を過熱器へ導
くようにした点にある。

ソーダ回収ボイラの如き腐蝕性の強いガスならびに低融
点の耐着灰等のある従来のボイラ装置の過熱器に於ては
、火炉及火炉上部各部のガス層空間（キャピテイ）より
の放射伝熱を受ける部分に於て最もメタル温度が厳しく
かかる状態にて著しい腐蝕を受は易く且つ、之がスート
プロア噴射による灰の剥離、耐着を繰返される部分に於
ては更に助長され甚しい場合１年に約３〜４７７ａもの
減肉を生じる事がある。

、ＲＪち従来の過熱器装置に於ては最外側管が極めて厳
しい腐蝕を受は特に２次過熱器最外側部は定検毎に肉厚
をチェックして取替る必要にある。

か＼る状況に於て本考案によれば各過熱器最外側部は最
も温度の低い飽和蒸気を導入させている為、他チューブ
列に較べて温度が低いため腐蝕の影響を全く受けない。

一般に高温腐蝕は腐蝕生成物と温度の影響によるもので
前者が一定の場合メタル温度を下げる効果が最も大であ
る○ 従って本装置を採用した場合従来に比し過熱器出口の蒸
気温度を高くしても、２次過熱器最外側部のメタル温度
は、従来装置のように上昇することはなく、例えば蒸気
条件として２０℃程度高くなった場合、プラント効率ｋ
０．５ ％増す事ができ実用上極めて有益である。

また、舶用の主ボイラなどに訟いて、過熱器よりガス上
流側にボイラ水を流通させるスクリーン水管を配置した
ものであるが、本考案の目的としている過熱器最外側管
の保護に対しては、同スクリーン管においてガス温度を
低下させねばならないので過熱器の伝熱効率が低下し、
伝熱面積が大巾に増加（本考案に比べて４％増）する欠
点があり、陸用のソーダ回収ボイラなどには到底採用で
きるものではないが、本考案によれば飽和蒸気を過熱器
保護管で加熱すると同時に過熱器を保護し、同蒸気をそ
の１１過熱器に送給するので過熱器の伝熱面積が増加し
ない。

なお、本発明はソーダ回収ボイラのみでなく各種ボイラ
全般に適用できるものである。

本考案は上述のようにボイラ装置に於て飽和蒸気連絡管
を延長して各部過熱器管の外周面に設けた過熱器保護管
に低温の蒸気（飽和蒸気）を流入させ）高温過熱器管の
保護を計る事を特徴とする伝熱面配置を有するので、過
熱器が高温蒸気条件でも腐蝕しないことによシきわめて
プラント効率の高いボイラ装置を提供できるものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のソーダ回収ボイラの構造説明
図、第３図及び第５図は本考案の１実施例を示す構造説
明図で第４図及び第５図は第３図の部分拡大構造説明図
である。 尚図中１は火炉、２は蒸発管、３は１次過熱器、４は２
次過熱器、５はボイラ水管、７−２．７−６は過熱保護
管を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 過熱器の火炉及び火炉上部ガス層空間からの放射伝熱を
   受ける部分の外周部に過熱器保護管を設け、同過熱器保
   護管に飽和蒸気を送給する飽和蒸気連絡管及び過熱器保
   護管出口と過熱器入口とを連通ずる連絡管を設けたこと
   を特徴とするボイラ装置。