JPS5826171Y2 - 懸架装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車高調整を行える懸架装置の改良に関するも
のである。

車高調整式の懸架装置のなかには、ばね上型量とばね下
重量との間に架設した油圧緩衝器に、圧縮気体を利用し
た一種の気体ばねを付設して該油圧緩衝器を伸び方向に
附勢し、積載荷重に応じて上記圧縮気体の圧力すなわち
気体ばねの附勢力を変えることにより車高の調整を行う
ようにしたものがある。

このような懸架装置の構成は、基本的には、油圧緩衝器
のシリンターより伸びるピストンロッド先端部に、該ピ
ストンロッド及びシリンダを囲繞するように保護筒を固
定し、筒状とされた可撓性部材の一端部を該保護筒内周
に固定すると共にその他端部を上記シリンダ外周に固定
し、該保護筒と可撓性部材とで囲まれた密閉空間内に圧
縮気体を封入したものとなっている。

ところが、このように構成された懸架装置においては、
密閉空間内の圧縮気体が抜けたときに、圧縮気体を残留
させる機構がなかったために、可撓性部材の折り返し部
分で可撓性部材同志が密着してしまうものであった。

この状態で作動すると、可撓性部材が早期に摩耗してし
まうばかりでなく、摩耗熱により可撓性部材が破損して
しまうという問題点を残していた。

本考案は前記問題点を解消するもので、前記密閉空間の
給排口部に残圧弁を設け、圧縮気体を残留させて可撓性
部材同志が密着するのを防止するように構成したもので
ある。

以下に本考案を図面に基づいて説明する。

第１図において、Ａは三重筒式とされた油圧緩衝器で、
そのシリンダ１は内筒２と、該内筒２を取囲む外筒３と
から構成され、その上部開口端はロントガイド４、シー
ル材５、ヘッドフランジ６で閉塞されている。

なお、シリンタ”１の下部開口端も閉塞されている。

シリンタ”１の内筒２内にはピストンが摺動自在に嵌挿
され、該ピストンに一体化されたピストンロッド７が、
上記ロッドガイド４、シール材５、ヘッドフランジ６を
それぞれ摺動自在に貫通してシリンダ１外へ伸びている
。

内筒２内及び外筒３内にはそれぞれ油液が充填されてお
り、ピストンロッドがシリンダ１に対して進退動するこ
とにより緩衝作用を行うようになっているが、緩衝力を
生じさせるための細い機構等については、本考案と直接
関係ないので図面では省略してありまたここでのこれ以
上の詳細な説明を省略する。

油圧緩衝器Ａの周囲には、これを同心状に取囲むように
して保護筒８が配設され、該保護筒８は、筒体９とその
上開口部位を閉塞するフランジ１０とから構成されると
共に、このフランジ１０部分にてピストンロッド７の先
端部に固定されている。

この保護筒８の内周面には、ゴム等からなる筒状の可撓
性部材１１の一端部１１ａがリング１２にて固定され、
該可撓性部材１１は保護筒８の内周面に沿って一旦下方
へ伸びた後、略１８００折返されてシリンター１の外周
面に沿って上昇し、その他端部１１ｂが、止めリング１
３により該シリンダ１に対して嵌合状態で固定されてい
る。

そして、保護筒８と可撓性部材１１とで囲まれた密閉空
間１４内には、空気、窒素等を圧縮した圧縮気体が強制
的に封入されて油圧緩衝器Ａをその伸び方向に附勢して
いる。

そして、該附勢力は、保護筒８に形成した給排口１５を
介して、圧縮気体を密閉空間１４内に適宜量供給、排出
することにより調整される。

したがって、例えばピストンロッド７を取付具を介して
ばね上重量（図示時）に取付け、シリンダ１を取付具を
介してばね下重量（図示時）に取付ければ、前記圧縮気
体の給排による密閉空間１４の圧力変化により、車高が
調整させることとなる。

更に保護筒８の給排口１５には残圧弁１６が取付けられ
る。

残圧弁１６を第２図に基いて説明する。

保護筒８の給排口１５にその内部を連通させてプラグ１
７が保護筒８の外部に取付けられている。

該プラグ１７にはキャンプ１８が螺着され、キャップ１
８内のコネクタ１９の突条部１９ａでホース２０の一部
を縮少させて抜けを防止してホース２０をプラグ１７に
接続させている。

２１はホース２０とプラグ１１との間の気密を保持する
シールリングである。

ホース２０と給排口１５との間のプラグ１１には弁座１
７ａが設けられ、該弁座１７ａには弾性体からなる弁体
２２がばね２３により附勢されて着座している。

このばね２３のばね力は供給される圧縮気体の圧力より
小さいものであり、しかも可撓性部材１１の密着を防止
するために空間１４内に残留する圧力よりは大きいもの
である。

また、弁体２２にはスリット２４が設けられており、ホ
ース２０からの圧縮気体により弁体２２が撓んでスリッ
ト２４が開いて圧縮気体が密閉空間１４内に供給される
ようになっている。

なお、ばね２３はプラグ１１内に取付けた孔２５ａを有
するワッシャ２５に弾接している。

このワ゛ノシャ２５は第３図に示すように円弧状に変形
させてプラグ１７内に嵌入しておき、キャンプ１８、コ
ネクタ１９、シールリング２１を取付けるまでに弁体２
２、ばね２３が脱落しないようにする。

組付は後は第２図に示すように押圧して平らにしてその
外径を太キくシて組込まれる。

またワッシャ２５は平板のものとし、これをプラグ１７
内に打ち込んで組込むようにしても良い。

密閉空間１４内に圧縮気体が供給されるときには、圧縮
気体は弁体２２のスリット２４を強制的に押し拡げて空
間１４内に流入する。

排気する場合にはホース２０の先端に設けられたバルブ
を開弁させる。

密閉空間１４内の圧縮気体の圧力がばね２３のばね力よ
り大きい場合には圧縮気体が弁体１９をはね２３に抗し
て弁座１？ａより離間させて弁体１９の周囲より外部に
流出する。

空間１４内の圧力がばね２３のばね力より小さくなると
、スプリング２３により弁座１７ａが弁体２２が強制的
に着座させられて最早圧縮気体が外部に流出せずに空間
１４内に残留することになる。

これにより可撓部材１１が点線で示すように折り返し部
分で密着することはなくなる。

以上実施例では、油圧緩衝器のシリンダを二重筒式とし
た場合を説明したが、単簡弐のものでも同様に適用し得
るものである。

本考案は以上述べたように、密閉空間内に圧縮気体を残
留するようにしたので、可撓性部材が密着してしまうこ
とはなく、可撓性部材の損傷を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の縦断面図、第２図は残圧弁を詳細
に示す断面図、第３図はワッシャの断面図である。 Ａ・・・油圧緩衝器、１・・・シリンダ、７・・・ピス
トンロッド、８・・・保護筒、１１・・・可撓性部材、
１４・・・密閉空間、１５・・・給排口、１６・・・残
圧弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ及び該シリンダより伸びるピストンロッドを備
   えた油圧緩衝器と、ピストンロッド先端部に固定され、
   上記油圧緩衝器を取囲むように配設された保護筒と、一
   端部が前記保護筒に固定され、他端部が前記シリンダに
   固定された筒状の可撓性部材と、前記保護筒と前記可撓
   性部材とにより囲まれた密閉空間内に充填された圧縮気
   体とからなる懸架装置において、前記保護筒と前記可撓
   性部材とにより囲まれた密閉空間の給排口部に残圧弁を
   設けたことを特徴とする懸架装置。