JPS5824087B2 - 庭木バリカンの刈込刃 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、側部の長手方向に亘って多数の固定歯１を突
設した固定刃２と、固定刃２上面上にて固定刃２の長手
方向に沿って摺動自在な可動刃３と、側部の長手方向に
亘って上記固定歯１と対応して案内歯４が突設され且つ
可動刃３上方にて可動刃３の摺動方向に移動自在に配設
された案内板５とを具備して成り、案内歯４先端の移動
線上における固定歯１の巾から案内歯４先端部の巾を差
し引いた寸法距離よりも小さい距離で案内板５が移動す
るようにして成ることを特徴とする庭木バリカンの刈込
刃を第１発明とし、側部に固定歯１を突設した固定刃１
と、固定刃２上面上にて固定刃２の長手方向に沿って摺
動自在な可動刃３と、側部に上記固定歯１と対応して案
内歯４が突設され且つ可動刃３上方にて可動刃３の摺動
方向に移動自在に配設された案内板５と、固定歯１と案
内歯４とが上下に相対向する位置に案内板５を復帰せし
める復帰ばね６とから成ることを特徴とする庭木バリカ
ンの刈込刃に係り、その目的とするところは可動歯と固
定歯が歯先干渉を起こして歯先に摩耗を生じるおそれが
なく切味寿命を長く維持できる庭木バリカンの刈込刃を
提供するにある。

従来の庭木バリカンにあっては、第１０図ａのように案
内板５は固定刃２にボルト７及び蝶ナツト８で固定され
ており、また第１０図す及び第１０図Ｃのように案内歯
４と固定歯１との巾はほぼ同−巾に形成されている。

このものにあって、庭木９が固定歯１間に導入されて可
動刃１０の可動歯３が庭木９に当接すると第１１図ａの
ように可動歯１０の進行方向（矢印で示す）に対して庭
木９は直角に位置しており、また庭木９は案内歯４と固
定歯１の端部に保持されていて可動歯１０による切断始
めより切断路りに致るまでこの位置に固定されている。

従って可動歯１０の進行が進むとき第１１図すの矢印Ｍ
のような曲げモーメントが庭木９に発生し、その反力と
して矢印Ｐ が生じて分力矢印Ｐ ’、 Ｐ“のうちＰ
。

が可動歯０ ０ １０を固定歯１の方向へ下方に押し下げる力として可動
歯１０に働き、可動歯１０は固定歯１よりδ１の寸法下
方に押し下げられる。

Ｐｔは切断が進行するにつれて大きくなり、ここに可動
歯１０と固定歯１との間に干渉が生じて第１１図Ｃに示
すよう固定歯１と可動歯１０にそれぞれδ１ とδ２の
寸法刃先摩耗を生じ切味寿命が短くなることになる。

そこでこの対策として可動歯１０と固定歯１との間にこ
の干渉分たけ予め見込んだ隙間を設けておくことが行な
われているが、これでは庭木９の切断時に庭木９の切口
につぷれや破断面を生じ、庭木が立ち枯れとか病害虫に
かかり易くなるおそれがある。

本発明は上記の点に鑑みて成されたものであって、以下
実施例により詳述する。

固定刃２はバリカン本体１１の前部に固設されていて、
その両側には長手方向に亘って固定歯１が多数一定間隔
で突設しである。

２０は固定歯２間に導入された庭木９の逃げを防止する
逃げ防止突片である。

可動刃３の両側には長手方向に亘って一定間隔で可動歯
１０が多数突設してあり、可動刃３は固定刃２上面上に
て固定刃２に沿って長手方向で往復摺動自在に配されて
いて、バリカン本体１１に内蔵したモータで往復駆動さ
れる。

案内板５０両側には前記固定歯１と同ピツチで案内歯４
が突設してあり、案内板５の中央部数カ所に案内板５の
長手方向に長細い長孔１２が穿孔しである。

この案内板５の取付けにあたっては、第３図のように先
ずボルト７を固定刃２に螺結せしめて可動刃押えばね１
３を可動刃３上に載置し、押えばね固定用ブツシュ２１
をボルト７に螺結する。

次で案内板５をその長孔１２をボルトγの上部に挿通せ
しめて可動刃押えばね１３上に載置してボルト７上部に
ブツシュ１４を被嵌螺結する。

ここでブツシュ１４は下部が長孔１２の短径とほぼ等し
い小径部１４ａ、上部が長孔１２の短径より大きい大径
部１４ｂとなっていて、小径部１４ａを長孔１２内に挿
入するとともに大径部１４ｂを長孔１２の周縁上面に当
接せしめる。

この後蝶ナンド１５をボルト７の上端部に螺結すること
によって案内板５を長孔１２の長径に沿つ等動自在に増
付けるものである。

このようにして第１図及び第２図に示す庭木バリカンを
形成する。

１６はスイッチである。第４図はブツシュ１４の両側に
て長孔１２内にコイルスプリングの復帰ばね６を内装し
、カバー１７にて復帰はね６を押えた実施例を示すもの
で、また第５図は復帰ばね６として波形の板ばねを用い
て長孔１２に内装したものである。

本発明にあって、今スイッチ１６を入れて可動刃を往復
駆動せしめて固定歯１間に庭木９を導入すると、先ず可
動歯１０が第６図ａ矢印方向へ進行して庭木９は固定歯
１と案内歯４とに接触する状態となり、更に可動歯１０
が移動すると第６図すに示すように可動歯１０と固定歯
１の一部が庭木９に喰い込みを開始すると同時に可動歯
１０に押される庭木９によって、案内板５は長孔１２が
ボルト７に取付けたブツシュ１４の小径部１４ａにガイ
ドされることにより横巾方向へ横ゆれすることなく移動
を開始し、これにつれて庭木９も傾きはじめる このよ
うに横揺れなく案内板５を可動刃３の摺動方向のみに移
動可能にすることによって庭木９を効率よく傾斜せしめ
ることができるものである、更に可動歯１０が進行し、
長孔１２の長径側の端部がブツシュ１４に当接する丑で
案内板５が移動するにつれて、庭木９は第６図Ｃに示す
ように固定歯１との接触点を支点としてθの角度まで傾
き、この傾きにより可動歯１０を押し下げる力として生
じるモーメントＭ１ を吸収すると同時にＭｌ と
逆向きのモーメントＭ２ により可動歯１０を持ち上げ
る力が発生し、可動歯１０と固定歯１との間に隙間δ２
が生じる。

更に可動歯１０が進行すると、今度は案内板５はすでに
一定距離移動して移動の限界に達していて動かず、可動
刃１０を持ち上げようとするモーメントＭ２はなくなり
、庭木９に対しては庭木９を切断しようとする力が働い
て、第６図ｄのように庭木９にかかるモーメントＭ１
および切断時に可動歯１０の歯先に作用する分力Ｐ。

′により可動歯１０を下方に押し下げ、可動歯１０と固
定歯１との隙間δ２が小さくなってδ２１となるが可動
歯１０と固定歯１との間に干渉は生じない状態で庭木９
の切断が完了する。

従って第６図ｅのように庭木９切断後の可動歯１０及び
固定歯１には摩耗は生じない。

第４図、第５図の復帰ばね６を用いたものにあっては第
６図ｅの想像線位置に案内歯４は復帰する。

ここで、上記のようにモーメントＭ１ の吸収機構とし
て案内板５を移動自在となるようした点につき説明する
。

すなわち、第９図に示すように案内板５を固定刃２に固
設した状態にて案内歯４の巾すを固定歯１の巾Ｂより小
さく形成して第６図Ｃにおける庭木９の傾きθを創出す
るのでは何故不都合であるかにつき説明する。

一つの理由とし。て、案内歯４の巾すは庭木９切断時に
発生する剪断力に耐えられるものとする必要があり、こ
れによって案内歯４の巾すを小さくするには限界がある
ことが挙げられる。

もう一つの理由としては、可動歯１０と固定歯１との干
渉を発生させないた：めの必要な庭木９の傾斜角θは５
°〜４５° （庭木によって最適々角度は若干異なるが
後述するように庭木の固定刃間への導入効率よりしてθ
は大きい方がよい）の範囲にとることが望寸しいが、固
定歯１の巾Ｂは第９図すよりしてＢ＝ｂ＋２Ｔ。

ｔａｎθ（Ｔは固定歯と案内歯との間の上下距離）とな
って巾Ｂは巾すより２Ｔｔａｎθたけ巾広く形成しなけ
ればならない。

ここにθを大きな角度とし、また案内歯４の巾すを強度
的にある程度の大きさとすると巾Ｂは相当大きなものと
する必要があるＪが、このことは固定刃２の一定の長さ
当りの歯数は巾Ｂが大きくなる程数少なくしかとれない
ことになり、また一定数の固定歯１を確保しようとすれ
ば庭木９導入切断用の固定歯１間の溝巾Ｂ。

が挾くなることを意味し、刈込み効率が低下するこ・と
になる。

これらの理由よりして、庭木９に所定の傾斜角θを与え
ることができ、かつ庭木９の導入効率を落とさず案内歯
の強度を維持するために案内板５を移動自在にする必要
があるものである。

第７図は固定歯１間への庭木９の導入効率を低下させる
おそれのない案内板５の移動量を決定するだめの説明図
で、第７図ａにおいて案内歯４の先端の移動線Ｓと固定
歯１側面との交点Ｐ、Ｑ間の巾をＢ、移動線Ｓ上での案
内歯４の巾をｂとすると（ｂ、Ｂはそれぞれ庭木の切断
強度に耐える巾とする）、庭木９の固定歯１間への導入
効率を落とさないためには案内歯４は第７図ａの実線で
示す初期位置と想像線で示す移動後の位置とが固定歯１
の歯巾内にあることが必要で、案内板５の移動量ＩＪｔ
Ｌ≦Ｂ−ｂという関係になるよう長孔１２の長径寸法を
設定すれば庭木９の導入効率を落とすおそれがないこと
になる。

第７図すは案内歯４の先端に丸味みをつけられたものの
場合の巾すの決定方法を示すもので、この場合は案内歯
４の両側端面の延長線と移動線Ｓとの交点間の巾をｂと
する。

ここで、第３図に示す復帰ばね６を具備しないものにあ
っては、固定歯１に対して案内歯４の初期の位置は一定
していないだめ第８図ａ、ｂのようにＸ−Ｘ線、Ｙ−Ｙ
線間の庭木導入用空間Ｒが若干異なってくるが、導入用
空間Ｒは案内歯４間で広がって扇形となり庭木９の導入
効率はよい。

ただしこの場合案内歯４の位置が一定しないので庭木９
の導入用空間Ｒは一定せず導入効率が若干変化する。

これに対して第４図及び第５図のように復帰ばね６にて
案内歯４のセンター位置を固定歯１のセンター上方に復
帰させるようにしたものにあっては、庭木９導入時には
案内歯４は常に第８図ａに示す元の位置に復帰していて
導入用空間Ｒは案内歯４の側が両側に広がった形で一定
していて、庭木９の固定歯１間への安定した導入が可能
となる。

丑だこのものにあっては、固定歯１のセンター線上に案
内歯４が位置した状態でのＸ−Ｘ線、Ｙ−Ｙ線の傾斜角
度θ以上に傾斜した庭木９は固定歯１間に導入されず、
必ず案内歯４が庭木９を支持しながら後退して庭木９の
傾斜角度がθより徐々に増していくものであって、可動
歯１０を固定歯１方向へ押し付けるモーメントＭ１は徐
々に大きくなることになって可動歯１０による庭木９切
断途中でモーメン、トＭ１が急激に大きくなって切断途
中での庭木９に破断が起こるようなことを防止でき、庭
木９切断の切口がきれいになって庭木９の立ち枯れも少
なくなるものである。

上述のように本発明にあっては、固定刃の固定歯に対応
して案内歯を突設せる案内板を可動刃の摺動方向へ移動
自在にしであるので、可動歯の庭木への作用に伴って案
内歯が移動して可動歯を下方へ押し下げるモーメントを
弱めることができ、可動歯が固定歯よシ下方に位置して
可動歯と固定歯との間の干渉による両歯の摩耗の発生を
低減できるものであり、切味寿命を延ばすことができる
利点がある。

しかも案内歯先端の移動線上における固定歯の巾から案
内歯先端部の巾を差し引いた寸法距離よりも小さい距離
で案内板が移動するようにしだので、可動歯と固定歯と
の間に干渉が生じることを防止するだめに案内歯を可動
にしたにもかかわらず、案内歯が隣合う固定歯の間に移
動して固定歯の間に庭木を導入するのを案内歯で妨げて
しまうことを防止することができ、固定歯の間への庭木
の導入効率が低下するおそれがないものである。

また第２発明にあっては、固定歯と案内歯とが上下に相
対向する位置に案内板を復帰せしめる復帰ばねを具備し
ているので、庭木の固定歯間への導入時には常に案内歯
は固定歯上に復帰しているものであって、庭木を固定歯
間へ導入する導入用空間の広さを常に一定に保つことが
できて庭木の固定歯間への導入効率を低下させるおそれ
なく効率のよい刈込みを行うことができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の全体斜視図、第２図は同上の
拡大斜視図、第３図ａ、ｂは第１発明の拡大断面図と同
上面図、第４図ａ、 ｂは第２発明の一実施例の拡大断
面図と同上面図、第５図ａ。 ｂは第２発明の他の実施例の拡大断面図と同上面図、第
６図ａ乃至ｅは本発明の詳細な説明する概略拡大側面図
、第７図ａ、ｂは同上の固定歯と案内歯との関係を説明
する概略拡大上面図、第８図ａ、ｂは固定歯間への庭木
の導入状態を説明する概略拡大側面図、第９図ａ、
ｂは本発明の比較例を示す概略拡大上面図と概略拡大側
面図、第１０図ａ、 ｂ、 ｃは従来例の拡大側断面
図、一部切欠上面図、一部切欠側面図、第１１図ａ、
ｂ、 ｃは従来例の作用を示す概略拡大側面図であっ
て、１は固定歯、２は固定刃、３は可動刃、４は案内歯
、５は案内板、６は復帰ばねである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 側部の長手方向に亘って多数の固定歯を突設した固
   定刃と、固定刃上面上にて固定刃の長手方向に沿って摺
   動自在な可動刃と、側部の長手方向に亘って上記固定歯
   と対応して案内歯が突設され且つ可動刃上方にて可動刃
   の摺動方向に移動自在に配設された案内板とを具備して
   成り、案内歯先端の移動線上における固定歯の巾から案
   内歯先端部の巾を差し引いた寸法距離よりも小さい距離
   で案内板が移動するようにして成ることを特徴とする庭
   木バリカンの刈込刃。 ２ 側部に固定歯を突設した固定刃と、固定刃上面上に
   て固定刃の長手方向に沿って摺動自在な可動刃と、側部
   に上記固定歯と対応して案内歯が突設され且つ可動刃上
   方にて可動刃の摺動方向に移動自在に配設された案内板
   と、固定歯と案内歯とが上下に相対向する位置に案内板
   を復帰せしめる復帰ばねとから成ることを特徴とする庭
   木バリカンの刈込刃。 ３ 案内板に可動刃の摺動方向へ長い長孔を穿孔すると
   共に固定刃に固設せるボルトを長孔に挿通して長孔に沿
   って案内板を移動自在にして成ることを特徴とする特許
   請求の範囲第２項記載の庭木バリカンの刈込刃。 ４ 案内板の長孔内にて案内板とボルトとの間に復帰ば
   ねを介設して成ることを特徴とする特許請求の範囲第３
   項記載の庭木バリカンの刈込刃。 ５ ボルトに被嵌せるブツシュの上部を長孔の短径より
   直径が大きい大径部とすると共に下部を長孔の短径と長
   径が略同−径の小径部とし、小径部を長孔内に位置せし
   めて大径部を長孔の周縁上面に当接せしめて成ることを
   特徴とする特許請求の範囲第３項又は第４項記載の庭木
   バリカンの刈込刃。