JPS5823037Y2 - 自吸式渦巻ポンプにおける気液の分離装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自吸式渦巻ポンプにおける気液の分離装置に関
するものであり、自吸性能の向上及びポンプ自体の性能
を高めることを目的とする。

従来、この種のポンプは自吸作動時において、微細な気
泡を混和した極めて激しい乱流状態にある自吸作動液を
円錐ディフューザ部に旋回流入しなから気水分離を行い
、作動液を再び桶型室内へと循環させているが、その際
発生する空気柱の下端が該桶型室内にまで達した場合、
該空気柱から同じ空気がポンプ内を循環することになり
、自吸作用に障害を来たすことになる。

そこで、これを防止する手段として、円錐型のディフュ
ーザ部の下方中央部に、前記中央部の底を受ける空洞受
けなるものを設けて自吸性能を高めていた。

しかしながら、自吸作用を終えて一旦ポンプとして作動
を開始すると、前記空洞受けは、水がディフューザ部に
流入する際に、通路面積の急激な減少と、その後の急激
な広がりを生せしめるために損失が増大し、その上に水
流が剥離させて渦領域が吐出流内に形成されるなど、結
果的には大きな圧力損失を引き起す原因となっていたの
である。

上記欠点に鑑み、本考案は圧力損失をなくし、且つ、気
水分離を効率良く行わしめて自吸作用等を向上させるも
のであり、その構成は、ケーシング１を渦巻型のインペ
ラ２を収納するための渦型室３とその渦型室３の外周部
に、その接線方向に沿って設けた流体の吐出管８となり
構成するとともに、上記渦型室３と吐出管８とを自吸作
動液の通路６で連通させ、始動に際して吐出管８内の流
体が渦型室３を循環するようにした自吸式渦巻ポンプで
あって、上記渦型室３の吐出部において、吐出管８内に
形成される円錐型のディフューザ部４の周壁内面部に、
その母線方向に沿って凹所５をまたものである。

符号７は噴出口、９は自吸時に発生する空気柱である。

尚、前記凹所５，５゜・・・は、適宜、ディフューザ部
の下部周壁に設ければより、窪み具合とか設けた数には
限定されるものではない。

例えば、第３図の如く凹所を一箇所だけにしてもよい。

本考案は上記の如く構成されているので、自吸作動時に
おいて、気泡を伴なった自吸作動液は通路６を経て噴出
ロアよりディフューザ部４内へ切線状に旋回流入され、
そこで気水分離作用が行われるのであるが、自吸作動液
の回転運動は、ディフューザ部の下方にて凹所５のため
に弱められてしまい、その結果として凹所５を通る水平
断面より下方にはほとんど渦が発生しなくなる。

そのために、空気柱９の下端は凹所５を通る水平断面ま
では伸びてこなくなり、自吸性能はすこぶる向上するの
である。

さらに、本考案に係る凹所５は、ディフューザ部４の下
方内周面を基準にして、この面より外方に窪みを設けた
だけのものであるので、従来の空洞受けの如くに流出路
内に障害物を設けるのとは異なって、圧力損失が全くな
くなりポンプの性能は格段に向上する。

以上説明したように、本考案は単に円錐型のディフュー
ザ部の下部周壁に凹所を設けるだけで自吸性能を向上さ
せ、さらに、ポンプの揚水効率をよくすることができる
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るポンプの縦断面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ′線に沿っての断面図、第３図は同じくＡ−
に線に沿っての他の実施例の断面図である。 符号説明、１・・・・・・ケーシング、２・・・・・・
インペラ、３・・・・・・両型室、４・・・・・・ディ
フューザ部、５・・・・・・凹所、６・・・・・・通路
、８・・・・・・吐出管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシング１を渦巻型のインペラ２を収納するための渦
   型室３とその渦型室３の外周部にその接線方向に沿って
   設けた流体の吐出管８とより構成するとともに、上記、
   渦型室３と吐出管８とを自吸作動液の通路６で連通させ
   、始動に際して吐出管８内の流体が、渦型室３を循環す
   るようにした自吸式渦巻ポンプであって、上記渦型室３
   の出口部において、吐出管Ｂ内に形成される円錐型のデ
   ィフューザ部４の周壁内面部に、その母線方向に沿って
   、凹所５を設けたことを特徴とする自吸式渦巻ポンプに
   おける気液の分離装置。