JPS582288B2 - オイルフエンスとその形成法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は作成が簡単でありしかも保管、運搬、布設等の
取扱性が良好なオイルフェンスに関するものである。

オイルフェンスとしては近年きわめて多種にわたる形状
、構造のものが知られているが、その中で、蛇腹状に縮
小しうる管状体からなる浮体に油液遮蔽膜を一体化した
ものが特公昭４６−３５５４４号発明として公知であり
、このオイルフェンスは保管、運搬時ある程度コンパク
トにしうるという利点がある。

しかしながら、このような伸縮性浮体に遮蔽膜を取りつ
けることが容易でなく、取付け構造がどうしても複雑に
なり、このため十分にコンパクトにすることができない
。

しかも、浮体間は間隙を有しないように接合しなければ
水面に浮遊する油液を遮蔽し得ないが、この接合は特殊
な形式を採用しなければならず、この点でも、現場での
取扱上の不都合がある。

本発明は、ふのような欠点をなくしたものであり、柔軟
性を有する遮水性シートからなる長尺の袋状体の内部に
、小径の蛇腹状で伸縮性を有する管状体を伸縮して密閉
し，て形成した浮体を挿入してなり、該袋状体に複数の
注排孔と下部長手方向に沿って設けられた重錘を有する
ことを特徴とするオイルフェンスおよびその形成法であ
る。

まず、本発明で用いる柔軟で遮水性を有するシートとし
ては、合成樹脂、ゴムのシート、合成樹脂、ゴムをもっ
て被覆加工してなる加工布が用いられ、このシートは帯
状で準備され、両側縁を縫成するかファスナー、鳩目ロ
ープ等で接合され長尺の袋状をなしている。

なお、この袋状体には排気、注水のための複数の注排孔
が形成されているが、前述のようにシート帯状体の側縁
をファスナー等で接合しているときあるいは部分的に縫
合されているときには、両側縁間に間隙を形成するため
、特別に注排孔を穿つ必要はない。

特にこの注排孔はオイルフェンスとして袋状体が布設さ
れたとき、その上下部分に位置する場合、袋状体内の速
かな排気と袋状体内への注水が行われ易く、布設作業を
迅速ならしめる。

なく、この袋状体は後述のように油液遮蔽の作用をする
ものであり、注排孔が側面両側で貫通するような構造は
好ましくない。

一方、この中に挿入される管状体からなる浮体は蛇腹状
に伸縮しうる気密性の管を伸縮した状態で密閉されたも
ので、特公昭４６−３５５４４号の浮体部分のように両
側を密閉され、別の注排気孔をもつ管状体を伸張するこ
とによってその内部に空気を吹引させ密栓するか両側あ
るいは片側が開口した状態の管状体を伸張し、その状態
で両側あるいは片側を密閉することによって形成される
。

さらに、本発明においては、袋状体に対して長さ方向に
沿って重錘が取りつけられ、オイルフェンスを安定した
状態で浮かせるものである。

この重錘は個々に並べて縫着等で袋状体に固定されてい
ればよいが、重錘体を連続したチェーン状とするかロー
プ等に取りつけたものを袋状体に固定してもよい。

第１図は本発明のオイルフェンスの構造を示すもので、
１は遮水性シートからなる袋状体、３は蛇腹状伸縮性管
状体からなる浮体、４は注排孔、５は遮水性シートの接
合片、６は重錘である。

本発明で浮体となる管状物はその周長が袋状体の周長よ
り小さく好ましくはκ程度以下が良く、このことにより
、弛んだ袋状体が油液遮蔽膜としての作用をする。

本発明のオイルフェンスの好ましい製造法は第２図に示
すようにまず、袋状体１を形成する帯状シート２を、例
えばロール状に巻いて準備し、これを引き出し、この上
に別に準備されている蛇腹状に折り畳まれた管状体３を
伸張しつつあるいは伸張した後載置するか載置した後伸
張し、密閉して浮体とする。

この場合、シートは前もって、その両側縁に接合片５，
５′長手方向に沿って重錘６が並夕１ルて固着されてお
り、必要に応じて注排孔が形成されている。

本発明では、管状体３を載置したシート２を、側縁から
管状体を包み込むようにして側縁で接合し、袋状体とし
オイルフェンスが形成される。

この場合、接合片は間歇的に設けられ、少なくとも非接
合部は注排口４となる。

以上の方法において、管状体よりなる浮体３はオイルフ
ェンスの長手方向に沿って連続あるいは連結されている
ことがオイルフェンスを安定かつ所望の水面上の高さ、
水面下の深さに浮設するのに好都合であり、第２図では
管状体を密閉蓋７により連結したものを示している。

ただ、この浮体の連続化は、管状体そのものを長いもの
としたり、管状体からなる浮体をチェーン、ローブ等で
連結することによっても達成しうる。

上述の方法は、シートおよび管状体をそれぞれコンパク
トにした状態で、現場へ運搬し、例えば船上でオイルフ
ェンスとして簡単に作成することを可能にし、取扱性を
著しく改善するものである。

第３図は本発明の第１図のオイルフェンスを浮設したと
きの状態を示す断面図であり、投下されたオイルフェン
スは袋状体１の内部の空気が排出され、注水されて、浮
体３の浮力と重錘の作用で安定に水面に浮き、余剰の袋
状体１のシートが油液遮蔽膜の作用をする。

本発明によれば構造が簡単であり、保管、運搬時にはそ
れぞれ部品としてコンパクトに取り扱うことができ、し
かも製作はきわめて簡単であって現場で容易に組立て、
迅速に投下、布設作業を行なうことができる。

特に袋状体は前もってほぼ無限長をもつものとして準備
可能であり、ほとんどオイルフェンスのジョイントの必
要がない。

また、もちろん本発明のオイルフェンスはフレキシグル
であり、波動によって不都合な浮き上がりや沈みを生ず
ることはなく、また浮遊油を取り囲むように布設するこ
とは容易である。

さらに、遮蔽膜の作用をする袋状体には従来の遮蔽膜の
ような無理な力が加わりにくくまた、浮体は袋状体によ
り保護された状態で直接の外力を受けないため、オイル
フェンスの破損が少なく耐久性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のオイルフェンスの側面例図、第２図は
その製法を設明する概 図、第３図は布設時のオイルフ
ェンスの断面図であり、１はシート状物２からなる袋状
体、３は蛇腹状管状体からなる浮体、４は注排孔、５は
接合片、６は重錘である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 柔軟性を有する遮水性シートからなる長尺の袋状体
   の内部に、小径の蛇腹状伸縮性を有する管状体を伸張し
   、密閉して形成した浮体を挿入してなり該袋状体に複数
   の注排孔と下部長手方向に沿って設けられた重錘を有す
   ることを特徴とするオイルフェンス。 ２ 長手方向に沿って重錘を固定し側端部に接合片をも
   つ長尺帯状の柔軟性を有する遮水性シートの上に、その
   長手方向に沿って蛇腹状に折り畳まれた管状体を伸張し
   あるいは伸張しつつ重ねて密閉して浮体となし、避水性
   シートにより管状体を側端より包み込み両側端を接合片
   にて接合し、この接合部に注排用の隙間を形成すること
   を特徴とするオイルフェンスの形成法。