JPS5820795B2 - 輪転印刷機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プラスチック製の連続したフィルムあるいは
袋等に社名等の所定の文字もしくは模様を所定間隔で印
刷する輪転印刷機に関する。

従来、プラスチック製の連続したフィルムあるいは袋等
の一部に商店名、会社名、商標などを所定間隔で印刷す
る場合、この間隔（ピッチ）に一致した円周長さを有す
る版胴が必要とされる。

従って、１ｍ間隔で送り方向中１０ＣＩｒＬの印刷をす
る場合においても、１ｍの長さの円周を有する版胴を必
要とし、版胴のため広いスペースを必要とするばかりで
なく、版胴及びその支持機構の製作コストが高くなる欠
点がある。

また、従来の印刷機においては、送り方向の印刷中が同
一の場合でも印刷ピッチが異なる場合には、異なる寸法
の版胴及び版を必要とし、多種類のピッチの印刷では版
胴等の製作コスト及びその取換え作業に起因する印刷コ
ストの上昇を招くという欠点がある。

さらに、従来の印刷機において、所定ピッチごとの印刷
すなわちピッチ飛ばし印刷を行なう場合、フィルムの伸
びなどにより生ずるピッチずれを補正するために版胴を
不定期回転させる必要があるが、非吸湿性のプラスチッ
クフィルムの印刷では非常に速乾性のインキを用いてい
るため、不定期回転によりインキが乾いてしまい印刷ミ
スが発生する″とｌう欠点もある。

本発明の目的は・、−プラスチック製のフィルム、袋等
への所定間隔での印刷にあたり、版胴等を取換えること
なく印刷間隔を変更可能で、かつ、インキの乾きを発生
させることがない輪転印刷機を提供するにある。

本発明は、被印刷物の送り長さを検出する送り長さ検出
手段からの信号によりブレーキ手段を作動させて被印刷
物を一時停止させ、ついで版胴の回転方向の位置を検出
する版胴位置検出手段からの信号により版の位置が被印
刷物の被印刷部の所定の間隔に一致するようにブレーキ
手段を解放しこれと同期して印刷用胴部移動機構を作動
して圧胴もしくは版胴を移動させ、圧胴と版胴との間で
印刷を可能にするように構成し、これにより被印刷物の
停止動作によって版胴を取換えることなく印刷間隔を可
変にでき、さらに、被印刷物側の停止によって版胴の連
続回転を可能にしてインキの乾きを防止できるようにし
、前記目的を達成しようとするものである。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

図中右端に設けられた原反繰出しロール１にはプラスチ
ック製の連続したフィルムあるいは袋などからなる被印
刷物２が巻かれている。

この際、被印刷物２の巻回部すなわち原反はロール巻、
カセ巻、これらをほぐしたものを問わない。

被印刷物２の外端部は、繰出しロール１の上方に設けら
れた一対の引取ロール３により一定の設定速度で繰出さ
れ、張力調整手段４及びガイドロール５を通って被印刷
物２の送り長さ検出手段６へと至っている。

この張力調整手段４は、ばね、重錘あるいはシリンダな
どの付勢手段４Ａと、この付勢手段４Ａの付勢力により
図中上下方向に移動自在な一対の調整ロール４Ｂとから
構成され、被印刷物２の繰出し側での張力が一定となる
ようにされている。

また、送り長さ検出手段６は、被印刷物２の所定間隔ご
とに光電管マークがある場合は光電管により構成され、
マークがない場合は被印刷物２の表面に接して転動じ、
この回転数（回転角度）によって被印刷物２の送り長さ
を検出する検出ロールにより構成されている。

この際検出ロールは特別に設けず、引取ロール３、調整
ロール４、カイトロール５等で兼用してもよい。

前記被印刷物２は、送り長さ検出手段６の後流でブレー
キ手段としての一対のブレーキロール７間を通過する。

このブレーキロール７にはブレーキロール駆動機構８が
連結され、ブレーキロール７の停止、停止解除、回転１
駆動がなされるようになっている。

このブレーキロール１駆動機構８ ハ１、駆動源として
のモータ８Ａと、このモータ８Ａの出力軸に取付けられ
たクラッチ・ブレーキ８Ｂと、このクラッチ・ブレーキ
８Ｂと前記一対のブレーキロール７とを連動させる連動
機構８０とからなり、クラッチ・ブレーキ８Ｂ及びモー
タ８Ａの操作によりブレーキロール７の停止等の前記動
作が行なえるようになっている。

この際、ブレーキロール７の駆動時には、ブレーキロー
ル７による被印刷物２の送り量が引取ロール３の送り量
より大きくなるように設定され、ブレーキロール７の停
止時に張力調整手段４のたるみ方向への移動すなわち調
整ロール４Ｂの下降方向への移動によりためられていた
被印刷物２を繰出し方向に引上げるようになっている。

また、連動機構８０はプーリとベルトあるいはギヤの組
合せなどからなり、さらに一対のブレーキロール７は図
示しない紙面の裏側でギヤ等により連結され、反対方向
に同一速度で回転するようになされている。

ブレーキロール７を通過した被印刷物２は、一対のガイ
ドロール９を経て版胴１０の部分に至り、この版胴１０
に対向して設けられるとともに、ブレーキロール７と連
動して回転及び停止される圧胴１１の外周に巻き掛けら
れている。

版胴１０は、図示しない１駆動源により常時回転するよ
うにされるとともに、局面に版１２を備えている。

この版１２にはインキロール１３が接触可能に設けられ
、このインキロール１３も常時回転するようにされ、か
つ、このインキロール１３の下部はインキ溜め１４内に
収納された速乾性のインキ１５に浸され、これにより版
胴１０の版１２にインキ１５が供給されるようになって
いる。

また、版胴１０には版胴１０の回転方向の位置を検出す
る版胴位置検出手段１６が設けられ、この検出手段１６
は、゛例えば版胴１０側に設けられた磁石１６Ａと、こ
の磁石１６Ａに対向可能にされたリードスイッチ、ホー
ル素子等の磁気センサ１６Ｂとから構成されたもの、あ
るいは版胴１０の軸に固着されるロークリエンコーダ（
図示せず）、さらには版胴１０の表面に設けた反射板か
らの反射光あるいは光源からの光等を検知する光学的検
知手段（図示せず）等の公知の検知手段で構成されてい
る。

前記圧胴１１には印刷用胴部移動機構１７が連結され、
この移動機構１７により圧胴１１は版胴１０側に移動さ
れて圧胴１１と版胴１０との間に位置される被印刷物２
に印刷が行なえるようになっている。

この移動機構１７は、版胴位置検出手段１６からの信号
、ブレーキロール７のブレーキ解除信号等の所定の信号
で作動される駆動源としてのシリンダ１７Ａと、このシ
リンダ１７Ａのピストンロッド１７Ｂに一端を連結され
るとともに曲端が圧胴１１の軸を回転自在に支持する連
結ロッド１７Ｃとから構成されている。

この際、移動機構１７は、１駆動源としてモータを用い
、このモータの回転力をピニオンとラックとで変換して
圧胴１１を移動させるなど池の機構でもよく、また。

移動させるのも圧胴１１ではなく、版胴１０側すなわち
版胴１０、インキロール１３及びインキ溜め１４を同時
に移動させるようにしてもよく、要するに版胴１０と圧
胴１１との相対位置を変化させて版胴１０と圧胴１１と
の間で被印刷物２に印刷が可能となるように構成されて
いればよい。

前記圧胴１１の部分を通過した被印刷物２は、ガイドロ
ール１８，１９を経てヒータなどからなる乾燥器２０に
至り、さらにガイドロール２１を経てばねなどの付勢手
段２２Ａ及び調整ロール２２Ｂからなる張力調整手段２
２に至って張力をコントロールされつつ引取ロール２３
により引き取られ、製品巻取ロール２４により巻取られ
ている。

なお、図中符号２５は、圧胴１１の近傍に設けられ、印
刷機の被印刷物２の表面に熱風を吹きかけてインキ１５
の乾燥を促進する熱風送風機である。

また、前記送り長さ検出手段６の出力信号及び版胴位置
検出手段１６の出力信号は、前記ブレーキロール駆動機
構８に与えられ、送り長さ検出手段６が所定の送り長さ
を検出したときブレーキロール駆動機構８が作動され、
ブレーキロール７で被印刷物２が挾持されて一時的に停
止され、ついで、版胴位置検出手段１１により版胴１０
が所定位置にきたことが検知されるとブレーキロール７
による挟持が解除され、１駆動機構８により所定速度で
被印刷物２が送られるようになっている。

次に、本実施例の作用につき説明する。

繰出しロール１に巻かれた被印刷物２は引取ロール３に
より所定速度で連続して繰出され、張力調整手段４で張
力をコントロールされつつ、版胴１０側に送られる。

この送りにより、送り長さ検出手段６で光電管マークの
検出あるいは検出ロールによる所定長さの検出が行なわ
れると、その検出信号によりブレーキロール駆動機構８
のクラッチ・ブレーキ８Ｂがブレーキがかかるように作
動されてブレーキロール７が停止され、被印刷物２のブ
レーキロール７より下流側の流れが停止される。

この際、繰出し側の引取ロール３は連続して回転されて
いるため、調整ロール４Ｂが下降して被印刷物２の張力
の低下が防止される。

このブレーキロールアの作動後、版胴位置検出手段１６
により版胴１０の位置が所定位置にきたことが検出され
ると、この検出信号によりブレーキロール７駆動機構８
のクラッチ・ブレーキ８Ｂはブレーキを解除するととも
に、モータ８Ａの回転力をブレーキロール７に伝達する
ように作動され、ブレーキロール７は引取ロール３より
も速い所定速度で１駆動され、一方、ブレーキロール７
と連動して回転及び停止される圧胴１１は、版胴位置検
出手段１６の検出信号により作動される印刷用胴部移動
機構１７により下降させられ、被印刷物２が版胴１０側
に押しつけられて印刷がなされる。

この移動機構１７は版胴１０が１回転すると上昇方向に
作動され、最上位位置で停止されて次回の下降に備えら
れる。

この際、ブレーキロール７の引取ロール３よりも高速の
１駆動により、ブレーキロール７の停止時に生じた張力
調整手段４のたるみ方向の移動が是正され、調整ロール
４Ｂはほぼ初期位置に復帰される。

また、版胴位置検出手段１６の検出信号の発信されるタ
イミング及びブレーキロール７の駆動速度は、版胴位置
検出信号の発信後ブレーキロール７が駆動され、被印刷
物２の被印刷部が圧胴１１上の印刷開始点に送られてき
たとき、丁度版胴１０の版１２の先端側が当該開始点に
到達するようなタイミング及び速度とされている。

このようにして印刷を行なわれた被印刷物２は、熱風送
風機２５からの熱風により予備乾燥され、ついで乾燥器
２０内を通過して十分に乾燥され、さらに張力調整手段
２２により張力をコントロールされつつ、引取ロール２
３により引取られて製品巻取ロール２４に巻取られる。

以上の動作は継続して行なわれ、被印刷物２への所定間
隔での印刷が継続される。

上述のような本実施例によれば、被印刷物２の送り長さ
検出手段６の信号によりブレーキ口−ル７を停止させて
被印刷物２を停止させ、この停止後、版胴位置検出手段
１６からの信号により、版１２の位置と被印刷物２の被
印刷部の位置とが同期するようにブレーキロールＴの停
止を解除するようにしたから、版胴１０の版１２を取換
えなくともブレーキロール７の停止、駆動のタイミング
を適宜に設定することで印刷間隔を変更することができ
る。

従って、印刷間隔のみが異なる印刷にあっては、版胴１
０及び版１２の取換えを全く行なわずに印刷でき、版胴
１０等の製作コストの低減及び取換作業時間の割愛によ
る印刷コストの低減を図ることができる。

また、送り方向の印刷中が異なる場合は、版胴１０への
取付は可能な範囲において版１２のみ取換えれば済み、
この場合も版胴１０の製作コスト及び取換作業時間を低
減できる。

さらに、印刷間隔に拘らず、同一の版胴１１０を用いる
ことができるから、小径の版胴１０で比較的長い間隔の
印刷を行なうことができて版胴１０を小型化できるばか
りでなく、同一サイズの版胴１０を作りだめでき、量産
効果によりこの点からも製作コストを低減できる。

また、送り長さ検出手段６が光電管で構成された場合は
、被印刷物２への光電管マークの設定ピッチを適宜に変
更することにより、一方、検出ロールで構成された場合
は、検出ロールによる検出信号の発生タイミングをマイ
コン等を用いて適宜に記憶設定しておき、この記憶値に
基づいた信号により、容易に印刷間隔を変更できる。

さらに、被印刷物２側を停止させることによって印刷間
隔を所定の間隔にするようにしたから、版胴１０及びイ
ンキロール１３を連続回転させることができ、従ってプ
ラスチック用速乾性インキ１５を用いても版胴１０側で
のインキ１５の乾きを生じさせることがなく、これに起
因する印刷ミスを発生することがない。

なお、実施にあたり、本発明の輪転印刷機は、凸版印刷
、平版印刷、凹版印刷、その池の印刷法に適用できる。

また、ブレーキ手段は繰出しロールを停止するように設
けてもよいが、前記実施例のように構成すれば、小さな
駆動力かつ簡易な構造で実施できる利点がある。

上述のような本発明によれば、プラスチック製のフィル
ム、袋等の被印刷物への所定間隔での印刷にあたり、版
胴等を取換えることなく印刷間隔を可変にでき、かつ、
インキの乾きを発生させることのない輪転印刷機を提供
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係る輪転印刷機の概略構成を示す正面図で
ある。 １・・・・・・操出しロール、２・・・・・・被印刷物
、３・・・・・・引取ロール、４・・・・・・張力調整
手段、６・・・・・・送り長さ検出手段、７・・・・・
・ブレーキ手段としてのブレーキロール、８・・・・・
・ブレーキロール駆動機構、１０・・・・・・版胴、１
１・・・・・・圧胴、１２・・・・・・版、１３・・・
・・・インキロール、１３・・・・・・インキ、１６・
・・・・・版胴位置検出手段、１７・・・・・・印刷用
胴部移動機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 連続したプラスチック製のフィルム、袋等からなる
   被印刷物に所定間隔で印刷を施こす輪転印刷機において
   、連続回転するインキロールと、このインキロールによ
   りインキを供給されるさともに連続回転する版胴と、こ
   の版胴の回転方向の位置を検出する版胴位置検出手段と
   、前記被印刷物の送り長さを検出する送り長さ検出手段
   と、この送り長さ検出手段からの信号により被印刷物を
   一時停止させるとともにこの停止後前記版胴位置検出手
   段からの信号によりこの停止を解除するブレーキ手段と
   、前記版胴に対向された圧胴と、前記版胴位置検出手段
   からの信号、ブレーキ手段の信号等の所定の信号により
   作動され圧胴と版胴との相対位置を変化させて圧胴と版
   胴との間での被印印物の印刷を可能にする印刷用胴部移
   動機構とを設けたことを特徴とする輪転印刷機。 ２ 前記特許請求の範囲第１項において、前記ブレーキ
   手段を、圧胴の比較的近傍において設けられた一対のブ
   レーキロールにより構成するとともに、このブレーキロ
   ールと被印刷物の繰出しロールの近傍に設けられた引取
   ロールとの間に、ブレーキロール停止時の被印刷物のた
   るみを吸収する張力調整手段を設け、かつ、ブレーキロ
   ールのブレーキ解放時にブレーキロールを前記引取ロー
   ルより高速で駆動してブレーキ作動時に生じた張力調整
   手段のたるみ方向の移動を是正するブレーキロール駆動
   機構を設けたことを特徴とする輪転印刷機。