JPS5818366Y2 - 高圧電流検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テレビジョンセット等に於ける高圧電流を検
出する高圧電流検出装置に関する。

従来、テレビジョンセット等に於ける高圧電流の測定は
、測定位置が高圧であり、電流値が約２ｍＡ以下と微小
である為に、高圧回路に直流電流計を挿入して測定する
場合と、フライバックトランスの低圧側に電流計、また
は何らかのセンサーを挿入して測定する場合があった。

しかしながら、高圧回路に電流計を挿入する測定の場合
は、精度の高い電流計を用いれば正確な測定はできるが
、それは単なる表示にすぎず、電子回路的に処理でき得
る電気信号としては取り出せない。

また、フライバックトランスの低圧側に電流計、または
側らかのセンサーを挿入する方法にあっては、電流値を
正確に測定でき電子回路的に処理し得る信号を取り出す
ことも可能であるが。

テレビジョンセット等においては、フライバックトラン
スの高圧側と低圧側に流れる電流は原理上等しいとはい
えず、よって、高圧電流の真の値を測定し、且つ、その
電流値を電子回路的に処理できる信号として取り出すこ
とは、従来の方法に於いては不可能であった。

本考案は、従尾のこれらの欠点を解決し、テレビジョン
セット等に於ける高圧電流の検出を可能にした高圧電流
検出装置を提供することを目的としたものである。

以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図は本考案の実施例に係る高圧電流検出装置を示す
もので、センサ一部３はリングコア４と、リングコア４
に巻線されたバイアス巻線７と、バイアス巻線７に接続
されたバイアス電源８と、リングコア４の２次側に巻線
された２次巻線６と、リングコア４の内部に設けられた
略中心に貫通孔９を有する絶縁物５とで構成され、検出
回路部１０は、フィルター回路１１と、フィルター回路
１１に接続された整流・平滑回路１２と、整流・平滑回
路１２に接続された補正回路１３とで構成され、センサ
一部３の２次巻線６の両端が検出回路部１０のフィルタ
ー回路１１に接続されて高圧電流検出装置を構成してい
る。

斯かる構成の高圧電流検出装置において、高圧電流の検
出に供するテレビジョンのフライバックトランス１の高
圧回路から引出された高圧リード線２をセンサ一部３の
リングコア４の内部に設けられた絶縁物５の貫通孔９に
挿通して、高圧ＩＪ−ド線２に流れる高圧電流を検出す
るものである。

第２図は本考案のセンサ一部の電気接続部な示すもので
、センサ一部３は一次側に高圧リード線２．及びバイア
ス巻線７が、二次側に２次巻線６がリングコア４に巻線
されて、磁気結合したトランス構造をなしている。

次に、高圧電流検出装置の動作について述べる。

高圧電流の検出に供されるフライバックトランス１の高
圧リード線２を流れる高圧電流には、直流成分と交流成
分が含まれており、この高圧電流の交流成分が一次電流
となって、２次巻線６に二次電圧が誘起される。

また、バイアス巻線７にはバイアス電源８よりバイアス
電流を流すが、このバイアス電流は高圧電流の範囲内に
おいて最も特性の良い点に電流値を定めてセンサーの動
作点を決定して〜・る。

そして、２次巻線６に誘起された二次電圧は、２次巻線
６に接続された検出回路部１０のフィルター回路１１で
フィルターされ９次に、整流・平滑回路１２で直流化・
平滑化され。

次に、補正回路１３で高圧電流の直流分と等価な直流電
流に補正されてとり出されるものである。

尚、第１図において、整流・平滑回路を用いて直流化す
る代わりに整流・平滑・サンプルホールド回路を用いれ
ば、整流後重量している６０Ｈｚ戊分をサンプルホール
ド回路で取り除くことができ、整流・平滑回路１２の平
滑定数が小さくて済み、出力信号の応答が迅速化される
。

また、本考案の高圧電流検出装置を構成するセンサ一部
の、実験値に従った特性の一部分を芭３図に示す。

第３図は、高圧リード線に流れる高圧電流（Ｘ軸）に対
する２次巻線の出力電圧、すなわち、センサー出力電流
（Ｙ軸）を示すもので。

実測値（実線）では高圧電流がＯ付近において曲線とな
るが、これはブラウン管等の容積によって直流的には負
荷Ｏであっても交流的には負荷０とならないためと考え
られる。

そこで、直線近似（一点鎖線で示す）を行ない、Ｙ軸と
の切片■。

をさし引けば、高圧電流が小さくない部分に於いては高
圧電流とセンサー出力電圧は比例関係にあり、また、補
正値（点線で示す）を取り、その後同様に■ をさし引
けば高圧電流の小さい部分でも比例関係が保て精度の高
い検出ができる。

以上述べた如く１本考案の高圧電流検出装置によれば、
被検出物の高圧回路の高圧リード線を用い、センサ一部
のリングコア内部に絶縁物を介して高圧リード線を挿通
して検出する非接触構造である為に、高圧回路であるが
、比較的検出が安全にできる。

また、センサ一部のトランス構造により２次巻線に誘起
される出力信号を検出回路部によって容易に処理できる
。

更に、高圧電流とセンサー出力電圧との関係があらかじ
め知られたセンサ一部を使うことで高圧電流の真値を測
定でき精度の高い検出を行なうことができる。

そして、センサ一部自体の構造が簡単で安価にして精度
の高いものが得られる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す高圧電流検出装置の電気
系統図、第２図は同じくセンサ一部の電気回路図、第３
図は同じくセンサ一部の特性を示すグラフである。 ２・・・・・・高圧リード線、３・・・・・・センサ一
部、４・・・、・・リングコア、５・・・・・・絶縁物
、６・・・・・・２次巻線。 ７・・・・・・バイアス巻線、８・・・・・・バイアス
電源、９・・・・・・貫通孔、１０・・・・・・検出回
路部、１１・・・・・・フィルター回路、１２・・・・
・・整流・平滑回路、１３・・・・・・補正回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リングコアと、該リングコアに巻線されたバイアス巻線
   と、前記リングコアに巻線され二次側に位置する二次巻
   線と、前記リングコアの内部に設けられた被検出物の高
   圧回路の高圧リード線を挿通するための貫通孔な略中央
   に有する絶縁物とで構成されたセンサ一部と、該センサ
   一部の２次巻線に接続され、２次巻線に誘起された２次
   電圧を直流に変換して前記高圧リード線を流れる高圧直
   流電流と等価な直流電圧に処理するためのフィルター回
   路と、整流・平滑回路と、補正回路とで構成された検出
   回路部とより成ることな特徴とした高圧電流検出装置。