JPS5816940B2 - 廃棄物の破袋選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、袋詰めして回収した都市塵芥等の廃棄物を対
象とする破袋選別装置に関する。

省資源、省エネルギーという時代の要請に呼応して、都
市塵芥等を有効に再活用する方策が近年積極的に推進さ
れつつある。

廃棄物の有効利用を図る方式としては、先ず回収した廃
棄物を前処理工程で難燃性廃棄物と易燃性廃棄物とに分
別し、厨芥類等の難燃性廃棄物は；堆肥化処理によって
コンポストに転換すると共に、プラスチック等の易燃性
廃棄物は焼却若しくはガス化処理して熱エネルギーとし
て回収するようにした、所謂物質変換型処理法と熱利用
型処理法との組合せが最も理想的な処理方式であり、現
在では広くこの方式が採用されている。

一般に、各家庭や事業所等から排出される廃棄物は、通
常紙若しくはプラスチック製の袋等で何重にも包み込ま
れた状態で回収されて来るのが普通である。

例えば、一般の家庭等に於いては、掃・除や台所の後片
付は毎に排出した小量の塵芥を紙又はプラスチック製の
小袋に詰め、これ等小袋を数個分まとめて中容量の袋に
入れ、更に数日分の前記中容量の袋をまとめて所定のご
み袋内に密封し、これを所定のごみ回収日に排出するの
が普通だからである。

而して、従前の資源再利用を考慮した廃棄物処理方式に
於いては、上述の様に紙又はプラスチック製の袋等で何
重にも包み込まれた状態で回収した廃棄物を効率よく破
袋し、且つ同時に難燃性廃・棄物と易燃性廃棄物とに選
別し得る機能を併有した適当な前処理用装置が無いため
に、廃棄物の破砕装置と選別装置とを夫々別個に設置し
て、回収した袋詰め状の廃棄物を先ず破砕機で粉砕し、
次に粉砕した廃棄物を風選若しくは篩等の選別機で分別
するという方式を前処理工程として採用している。

然し乍ら、袋詰めした廃棄物の粉砕には多量の動力エネ
ルギーを必要とし、例えば破砕能力が１０ ｔ／ｈ程度
の破砕機では、一般に５０ｋＷ以上もの動力を必要とす
るという欠点がある。

又、破砕装置と選別装置とを各別に設置するために、設
備費が高騰するだけでなく、ランニングコストも著しく
増加するという欠点がある。

更に、廃棄物中に含まれている廃乾電池等も一緒に粉砕
されてしまうため、乾電池内に含まれている水銀やカド
ミウム、亜鉛等の有害な重金属類が放出され、重金属公
害を引き起すという欠点がある。

特に、前記廃乾電池は日常生活に極めて密着した廃棄物
の一つであり、回収した廃棄物の中には多量の廃乾電池
が含まれている。

今、これを従来方式の例えば回転式破砕機で粉砕した場
合には、廃乾電池は跡形も無い位いに完全に破砕され、
内部に含まれる水銀や亜鉛、或はアルカリ電池の場合に
は７０．０００１）Ｉｌｍものカドミウムが外部へ放散
されることになり、重大な重金属公害源となる。

粉砕されたこれ等重金属類は、当然堆肥化処理したコン
ポスト内へ混入されることになり、コンポスト中の水銀
含有量が肥料取締法で規定する水銀制限量（２ｐｐｍ）
をオーバし、肥料として使用不能の事態を招来するとい
う危険がある。

又、廃乾電池（若しくは粉砕した廃電池）を他の易燃性
廃棄物と共に焼却した場合には、内部に含まれている重
金属類が燃焼灰や排ガス、排水中等へ移行して２次或は
３次公害を引き起す虞れがあり、仮りに排ガス又は排水
中の重金属処理が出来たとしても、多量の薬剤や電力を
必要とすることになる。

本発明は、従前のこの種廃棄物処理に於ける上述の如き
欠点の除去を課題とするものであり、袋詰め状態で回収
した廃棄物の破袋と選別とを同時に、且つ極めて少ない
動力で持って行うことが出来、然かも、廃乾電池の如き
有害物は略完全な形態で確実に選別分離し得るようにし
た、廃棄物の前処理工程に使用する破袋選別装置の提供
を目的とするものである。

以下、第１図乃至第４図に示す本発明の一実施例に基づ
いて、その詳細を説明する。

第１図は、本発明に係る破袋選別装置の縦断面概要図で
あり、第２図は第１図のＸ−Ｘ視断面図、第３図は第２
図Ｙ−Ｙ視の部分断面図である。

第４図は、第１図のＺ−Ｚ視断面図である。

図に於いて、１は円筒状の回転スクリーン体であり、そ
の外周面にはパンチングメタル若しくは織網等から成る
スクリーン２が固定されている。

該スクリーン２の穴径は、入口部から奥部へ行くにつれ
て順次大きくされており、入口部近傍では２０〜７０ｍ
ｍφに、又、奥部側に於いては７０〜２５０ｍｍφ程度
に選定されている。

前記回転スクリーン体１の中心には固定シャフト３が挿
通されており、該固定シャフト３に回転スクリーン体１
が略１５〜２５°の傾斜角αをもって回転自在に支持さ
れている。

又、回転スクリーン体１の端部外周面には装置本体ギヤ
ー４が固着されており、該ギヤー４と噛合する駆動ギヤ
ー５を１．駆動用モータ６によって回転７駆動すること
により、回転スクリーン体１は１分間に数回乃至数十回
回転されるようになっている。

尚、第１図に於いて、７は減速機であり、８は固定シャ
フト３の両端部を支持するためのフレーム体、９は廃棄
物の供給用ホッパーである。

前記固定シャフト３の外周部には、第１図乃至第３図に
示す如く適宜の横幅を有する回転リング１０と固定リン
グ１１とが交互に挿着されており、シャフト３に固着さ
れている固定リング１１には、ホッパー９側より順次そ
の寸法を長くした複数の固定刃１２ａ、、１２ｂ・・・
・・・が、入口側から奥部へ行くほどその取付ピッチＨ
を小さくシ、且つ第２図に示す如く一定の傾斜角βをも
って固着されている。

即ち、ホッパー９側に位置する固定刃１２ａが最短の固
定刃であり、ホッパー９より最も離れて位置する固定刃
１２ｄが最長の固定刃となっている。

又、前記回転スクリーン体１の内周面には、第１図及び
第３図に示す如く、固定刃１２ａ。

１２ｂ 、 １２ｅ及び１２ｄを夫々挾み込む様な形態
で可動刃１３ａ、１３ｂ、１３ｅ及び１３ｄが、螺旋状
の配列をもって固着されている。

尚、前記可動刃の長さは、ホッパー９側から順に刃が長
くなるように配列されている。

即ち、ホッパー９に最も近い可動刃１３ａが最短の可動
刃であり、ホッパー９に最も遠い可動刃１３ｄが最長辺
可動刃となっている。

従って、各固定刃１２ａ、１２ｂ、１２ｃ。

１２ｄと各可動刃１３ａ 、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄと
の相互関係は、供給用ホッパー９側では両者の重なり部
分が極く少く、順次奥部へ行くにつれて両者の重なり部
分が大きくなるような組合せとなっている。

尚、本実施例にあっては、各可動刃１３の長さを入口部
では５０７ｎ７ＩＬ〜３００ｍｍに、中間部では５０龍
〜５００籠に、更に奥部では５０龍〜８００ｍｍと段階
的に長くしており、且つ固定刃１２と可動刃１３との間
隙Ｇも、入口部では３０〜８０ｍｖｔと比較的太きくシ
、次第にこれを小さくして奥部では３０ｍｍ〜１０朋以
下という値に選定している。

又、各固定刃１２ａ、１２ｂ・・・・・・間の取付ピッ
チＨも同様に、入口部では３００７ｎ７１Ｌ〜８００ｍ
ｍと大きくとり、順次小さくして行き奥部では、２００
關〜５００７ｆｔ７ＩＬ程度のピンチとしている。

更に、本実施例にあっては、各可動刃１３を螺旋状に配
列しているが、千鳥配列等にしてもよいことは勿論であ
る。

前記固定シャフト３の外周部に挿着した回転リング１０
と回転スクリーン体１との間には、第１図及び第２図に
示す如く、回転リング用可動刃１４が配設されており、
該回転リング用可動刃１４を介して、回転リング１０が
回転スクリーン体１と同回転数で回転されることになる
。

又、１５は、回転スクリーン体１の断面方向に配設され
た仕切板であり、該仕切板１５には廃棄物の流れ方向に
開口部１６が形成されている。

該開口部１６は、第４図に示す如く、リンク機構１７を
介して外部より蓋板１８を摺動させることにより、被処
理廃棄物の性状に応じてその開口形状と開口面積を任意
に変え得るように構成されている。

尚、本実施例にあっては、仕切板１５を回転スクリーン
体１の奥部に設けているが、これを入口部に設けても、
或は中央部に設けても良いことは勿論である。

次に、本発明に係る破袋選別装置の作動について説明す
る。

袋詰めした状態で回収されて来た廃棄物Ａは、供給用ホ
ッパー９から回転スクリーン体１の入口側へ順次供給さ
れて行く。

供給された袋詰め廃棄物Ａは、前述の如く、各固定刃１
２ａ、１２ｂ。

・・・・・・と可動刃１３ａ、１３ｂ、・・・・・・の
長さ及びその取付ピッチが長手方向に順次調整されてい
るために、スクリーン体１の入口部近傍に於いて先ず大
きな袋が破袋され、順次中袋、小袋と破袋されながら主
に回転刃１３の作用によって奥部側へ移送されて行く。

そして破袋された廃棄物中からは、先ず厨芥類が放出さ
れ、次いで紙等が排出されてくる。

而して、スクリーン体１の入口部からその中央部近傍で
破袋され、該袋より放出された重く且つ細かい厨芥類等
は、２０ｍｍ〜７０ｍｍφ径の比較的細かい穴径を有す
る前部スクリーン２ａによって選別され、前部排出ホッ
パー１９から外部へ排出される。

又、回転スクリーン体１の中間部に於いては、破られ且
つほぐされたごみ袋中から多量の紙類が放出されてくる
。

該紙類は、７０１ｍ〜２５０ｍｍφという比較的大きな
穴径の中央部スクリーン２ｂにより選別され、中央排出
ホッパー２０から外部へ取り出される。

更に、前部スクリーン２ａ及び中央部スクリーン２ｂを
通過しなかったプラスチックフィルムや布切れ等は、仕
切板１５の開口部１６を経て、回・転スクリーン体１の
奥部側壁より後部排出ホッパー２１へ排出されることに
なる。

次に、前部排出ホッパー１９から取り出された厨芥類や
、中央排出ホッパー２０から取り出された紙類は、堆肥
化処理工程へ移送され、コンポストに変換される。

又、後部排出ホッパー２１から取り出されたプラスチッ
クフィルム尋布等は、焼却若しくはガス化処理工程へ移
送され、熱エネルギーの回収が図られる。

尚、搬入した廃棄物Ａの回転スクリーン体１内１に於け
る滞留時間は、仕切板１５の開口部１６の大きさをリン
ク機構１７を介して調整することにより、廃棄物の性状
や処理量に応じて適宜に調整されるようになっている。

該滞留時間の調節は、この他に回転スクリーン体１の傾
斜角度αやその、回転数の調整によっても行ない得るこ
とは勿論である。

又、廃棄物Ａの送りは、前記滞留時間とも関連するが、
主として回転スクリーン体１の傾斜角度αと、螺旋状に
配列した可動刃１３の回転により行なわれる。

； 更に、回転スクリーン体１が回動ずれば、これと一
体となって固定シャフト３の外周部に挿着した回転リン
グ１０が回動する。

即ち、一対の可動刃１３と回転リング１０とが同一回転
数で回るうえ、各固定刃１２ａ、１２ｂ・・・・・・が
第２図に示す如く、絡み付きを生じ難いように一定角度
βをもって取付けられているために、袋、紐、又は布等
がシャフトや固定刃１２に絡み付く様なことは全くなく
、極めて円滑に廃棄物Ａの奥部側への移送が行なわれる
。

そのうえ、各排出ホッパー１９．２０の境界部に設けた
分級調整板２２を調節することにより、分級点を任意に
変更することも可能である。

本発明は上述の如き構成であるから、下記の如く多くの
優れた効用を有している。

（１） 袋詰して回収した廃棄物Ａの破袋と、難燃性
廃棄物と易燃性廃棄物との選別が、一基の装置で然かも
高能率で行なうことが出来、設備費やランニングコスト
の著しい低減を図り得る。

（２）回転スクリーン体１の入口部近傍に於いて、破袋
により放出された比較的重量の大なる厨芥類等を選別し
て排出してしまうために、当該破袋選別装置の駆動用動
力が著しく削減される。

例えば、破袋選別能力が１０ ｔ／ｈの場合に、必要と
する動力は１５ｋＷであって、又、２０ｔ ／ ｈでは
約２２ｋＷである。

従って、従前の破砕式前処理装置に比較して、所要動力
が略１／３〜１／４位いに削減され、著しい省エネルギ
ー化を図り得る。

（３）廃棄物Ａ中に混入している廃乾電池等は、単品の
重量が太きいうえ、前部スクリーン２ａの穴径の方が乾
電池の外径よりも太きいため、破壊されることなくその
侭の形態ですみやかに前記排出ホッパー１９若しくは中
央排出ホッパー２０内へ回収される。

従って、磁選その他の方法により廃乾電池を引き続き分
別すれは、危険な重金属類が選別した難燃性廃棄物の内
部へ拡散されるようなことも全くなく、重金属公害の発
生を未然に防止することが出来る。

（４）固定シャフト３の外周部に回転リング１０と固定
リング１１を挿着し、回転リング１０を可動刃１３と同
回転数で回転すると共に、固定刃１２の形状にも工夫を
加えているために、紐類や布類等の絡みつきを完全に防
止することが出来、極めて円滑に大量の廃棄物の破袋選
別作業を行ない得る。

（５）各固定刃１２ａ 、１２ｂ・・・・・・と各一対
の可動刃１３ａ、１３ｂ・・・・・・の長さ及びその取
付ピッチを調整し、入口部近傍では固定刃と可動刃との
重なりを少なくすると共に両者間の間隙を大きくとり、
又、奥部に於いては、逆に両者の重なりを大きくし且つ
その間隙を少さくしているため、大きな袋から順に小さ
な袋へと移送されつつ完全に破袋され、極めて円滑な破
袋選別を行ない得る。

（６）中央部スクリーン２ｂ後方に仕切板１５を装着し
、該仕切板１５の開口部１６の大きさをリンク機構１７
により調整できるため、搬入した廃棄物Ａの回転スクリ
ーン体１内に於ける滞留時間を、廃棄物の性状や処理量
に応じて適宜に調整することができ、常に良好な破袋選
別作業を行ない得る。

本発明は上述の通り、優れて高い実用的効用を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る破袋選別装置の縦断面概要図で
ある。 第２図は、第１図のＸ−Ｘ視断面図であり、第３図は、
第２図のＹ−Ｙ視部分断面概要図である。 第４図は、第１図のＺ−Ｚ視断面図である。Ａ・・・袋
詰め廃棄物、α・・・傾斜角、Ｇ・・・固定刃と可動刃
との間隙、１・・・回転スクリーン体、２・・・スクリ
ーン、２ａ・・・前部スクリーン、２ｂ・・・中央部ス
クリーン、２ｃ・・・後部スクリーン、３・・・固定シ
ャフト、６・・・１駆動装置、９・・・供給ホッパー、
１０・・・回転リング、１１−・・固定リング、１２ａ
、１２ｂ。 ・・・・・・・−・・・・・固定刃、１３ａ、１３ｂ、
・・・・・・・・・可動刃、１４・・・回転リング用可
動刃、１５・・・仕切板、１６・・・開口部、１９，２
０．２１・・・排出ホッパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 袋詰め廃棄物Ａの供給側から他端に向って穴径が大
   きくなるようにしたスクリーン２を外周面に固着してな
   る円筒状の回転スクリーン体１を、その中心部を挿通せ
   しめた固定シャフト３を介して支持すると共に駆動装置
   ６により回動自在と１該回転スクリーン体１の下方に複
   数個の排出ホッパー１９：２０・・・・・・を配設する
   と共に、前記固定シャフト３に固定リング１１を装着し
   、該固定リング１１には複数個の固定刃１２ａ、１２ｂ
   ・・・・・・を、前記回転スクリーン体１の内面側には
   複数個の可動刃１３ａ、１３ｂ・・・・・・を夫々突設
   し、該固定刃、可動刃共廃棄物供給側から他端に向って
   順次長くし且つ取付ピッチＨを小さくすると共に可動刃
   １３ａ、１３ａ間の間隙も少さくし、中央部スクリーン
   ２ｂ後方には開口面積調節リンク機構１７を有する仕切
   板１５を装着する構成とした廃棄物の破袋選別装置。