JPS5815142B2 - 眼内前チャンバ移植体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は眼内前チャンバ移植体 （１ｎｔｒａｏｃｕｌａｒ ａｎｔｅｒｉｏｒ ｃ
ｈａｍｂｅｒｉｍｐｌａｎｔ）に関するものである。

眼内前チャンバ移植体はこの２５年間に発展してきたも
ので、主として無水晶体の矯正に用いられている。

これらの眼内移植体は取除いた眼のレンズの機能を果す
レンズとして作用する光学部分（オプチツク）と、移植
体を所定位置に保持するためのバブチック（ｈａｐｔｉ
ｃ ）部分とを含む。

眼内移植体分野では光学部分即ちオプチツク（ｏｐｔｉ
ｃ ）はレンズとして作用する移植体部分を指し、バブ
チック（ｈａｐｔｉｃ ）（バブチック部分）は虹彩の
前の所望位置に”オプチツク″を位置定めする役目をす
る移植体の残部を指す。

本発明の場合、バブチックは脚部２と３の両方と、隆起
部分６とからなり、即ちこれらはすべて支持部分に相当
する。

数年前、かかる眼内前チャンバ移植体用に極めて望まし
い材料はＰＭＭＡとして普通知られかつ商標名１１パー
スペツクス シーキューＴＩとして臨床品質として売ら
れているポリメチルメタクリレートであることが見出さ
れた。

所定位置に適切に保持されるこの材料で作った移植体は
眼が耐えることのできるものであることが見出されてい
る。

本願発明者は数年前光学部分から離れて反対方向に突出
る２対の脚部を含むバブチック部分（ｈａｐｔｉｃ）と
一体の光学部分（ｏｐｔｉｃ）を有する眼内前チャンバ
移植体を使用することを提案した。

かかる眼内前チャンバ移植体は第１，２図に示す。

図中、光学部分は１で示し、両凸面となっている。

バブチック部分は２対の脚部２と３からなり、これらの
脚部は部分円錐台形たな部４から光学部分の反対側に突
出ている。

各脚部は円孔５をもっている。

が、これは省いてもよい。本発明の目的は改良した眼内
前チャンバ移植体を提供することにある。

本発明によれば、改良した眼内前チャンバ移植体は光学
部分と、光学部分の正反対側から突出た２組の脚部をも
つバブチック部分とを含み、前記移植体の長い方の側縁
は各脚部の組の中心を通る線に向う波形模様を有してい
る。

移植体の外縁の前記波形模様は移植体の寸法と重量を減
する利点がある。

前記移植体の縁の波形模様は移植体の眼内でのかさくｂ
ｕｌｋ）を減少せしめる。

このことは望ましいことであり、それは前記波形模様は
眼内チャンバの中の水性液体の自由循環に対する妨害を
減することになるからである。

このことは、虹彩の手術後の膨張又は浮腫がもし起った
としても、これがあまり重い症状とならず、それ故移植
体の正面に虹彩の手術後の脱出が殆んど起らなくなると
いう効果がある。

好適には、移植体の幅は光学部分の直径までに限定され
、一方光学部分の直径は好適には４龍乃至５ｍｍとする
。

成る幾つかの眼は幅の広い移植体を受入れるのには物理
的に小さ過ぎる。

幅の挾い移植体を作る試みが以前なされたが、この試み
は移植体を眼の中に安定して保持させることができない
ために失敗した。

本願発明では眼中に正しく位置させるためにほんの４〜
５ｍｍのレンズの大きさを使用することができる。

従来は６ｍｍ以下の幅で成功した例はなく、本発明の如
き狭い幅は重要な意味を有する。

というのは成る幾つかの眼は虹彩の部分が欠除し又は除
去されていて幅の広い移植体の脚部を据えるための区域
が残っていない場合もあるからである。

移植体の幅を減少すれば、必要とする切開の長さを減少
できるという利点がある。

第１，２図につき前述した既知の眼内前チャンバ移植体
では、光学部分の幅は６ｍｍで、最低７ｍｍの切開を必
要とするが、５ｍｍと４ｍｍ直径の光学部分は夫々切開
を６朋と５ｍｍに減少させることができる。

これは移植体を白内障抽出（ｃａｔａｒａｃｔｅｘｔｒ
ａｃｔｉｏｎ）又は水晶体乳化 （Ｐｈａｃｏｅｍｕｌｓｉｆｉｃａｔｉｏｎ）後に挿入
する時に特に望ましいことが見出された。

第二に、移植は通常眼が白内障抽出から回復した後に行
なわれる。

水晶体乳化及びこれに伴なう処置は白内障抽出のための
手順である。

前記５龍幅は大きな眼に用いられる。

即ち要求される移植体長さが１２．５ｍｍ或いはこれ以
上のときに用いるものとし、又４ｍｍ幅は移植体長さが
１２．０ｍｍ或いはこれ以下のときに用いるものとする
。

移植体長さは０．５龍づつの差で１０ｍｍから１ ｃｍ
ｍまで変えることができる。

光学部分は平らな面を前面にもつ平凸面のものとするの
が望ましい。

というのはこの形状が天然レンズの球面収差に最も良く
適合し、屈折面をできるだけ後方へ移すと考えられるか
らである。

然し乍ら、第１図に示す如き両凸面光学部分も別個とし
て用いることができる。

即ちこれは平らな面を後面にもつ平凸面光掌部分と同様
に用いることができる。

この光学部分の直径を減少することは寸法の減少よりも
更に有利な光学的理由から理論的に望ましいことが見出
されている。

光学的パワー（ｏｐｔｉｃａｌ ｐｏｗｅｒｓ）は以
前用いられていたものと同様であり、即ち２ジオプトリ
ーステツプに於て＋７ジオプトリーステツプのめがね値
（５ｐｅｃｔａｃｌｅ ｅｑｕｉｖａｌｅｎｔ）から
＋１５ジオプトリーステツプのめがね値までとなる。

このレンズは臨床品質のポリメチルメタクリレート（パ
ースペックス シーキュー）から旋盤で切削した後に手
みがきをすることにより作るのが望ましいが、他のプラ
スチック、ガラスその他の透明材料も使用に適している
。

好適には、バブチック部分は光学部分の両側に各々部分
円錐台形のたな部を含み、各たな部から１対の脚部が突
出しており、これらの脚部は光学部分の中央平面から位
置のずれた１平面内に配列されている。

好適には少なくとも１つの孔が光学部分の両側のバブチ
ック部分に形成される。

前記脚部の長さは好適には２ｍｍ±０．２５ｍｍとする
。

移植体の全長は眼の寸法により制限される。

レンズ区域は移植体の幅と許容しうる最大口径により決
まる。

典型的には全長は１３ｍｍで、直径５ｍｍの光学部分の
両側には夫々４ｍｍのバブチック部分を残すに過ぎない
。

本発明の上記脚部寸法は脚部の区域を最大限に利用する
ものであり、虹彩のできるだけ広い区域に移植体により
及ぼされる力を分散させることができる。

第３図に示す本発明の実施例では、移植体の側縁６は最
大深さ０．５ ｍｍまでの波形模様に形成されている。

光学部分１は両凸面をなし、第２図に示す光学部分１と
はゾ同様の断面をもつ。

第４乃至６図に示す実施例では、光学部分１は平凸面を
なし、５ｍｍの直径“Ｃ”をもつ。

この移植体の側縁６は波形模様に形成されており、この
波形の深さ”ａ”は移植体の長さ及び幅に従って変化す
るが、０．５ｍｍを超えるべきではない。

部分円錐台形のたな部４は光学部分１の両側に各１個づ
つ形成されていて、各々中心孔７をもつ。

この中心孔はＬＯｍｍの直径“ｄ”をもち、流体の流れ
を許すのに役立つ。

前記流体の流れを許すということも前記波形の機能の１
つである。

本発明の波形模様は前チャンバ内の水様液の循環に役立
つ。

もつと大きい波形模様は循環をより良好にするが、同時
に移植体の安定性と強度に影響が出る。

この観点から本発明の波形模様の上記寸法は実験的に最
適なものであることが認められたものである。

前記孔７は又、移植体を回動させるためにこの孔７に道
具を入れることができるので位置定めを容易にする。

更に、孔７はレンズ移植体の重量を減少させ、そのため
レンズ移植体は軽くなればなる程眼の中であまり動かな
くなるという利点が得られる。

このレンズ移植体の位置が眼内で一定に留まるというこ
とは重要なことである。

前記孔の別の用途は、縫糸即ち縫合用の糸をこれらの孔
に通し、次にきよう膜（５ｃｌｅｒａ ）を通して出し
て追加的に固定することができる点にある。

平らな脚部２と３は、移植体の長さがどのようなもので
あっても２關に等しい又はこれに近い均一な長さ“ｄ”
とすべきであり、特に脚部２と３の長さは１．７５ｍｍ
と２２５龍の間とすべきである。

脚部の端は丸味を付し又は円弧状とする。

同様に各対の脚部間の区域にも丸味を付す。

上記両丸味の彎曲の半径は好適には０．５關とする。

移植体全体の縁も又断面で見て丸味を付して、これが接
触する繊細な組織に外傷を与えないようにする。

４ｍｍ直径の光学部分が優れているか、５龍直径の光学
部分が優れているかという点については未だ何れとも決
め難い。

以上、本発明の好適実施例につき説明したが、本発明の
範囲内で種々の設計変更が可能であることは明らかであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の眼内前チャンバ移植体の平面図、第２図
は第１図の移植体のＸ−Ｘ線上の断面図、第３図は本発
明の眼内前チャンバ移植体の平面図、第４図は本発明の
別の実施例の移植体の平面図、第５図は第４図のものの
側面図、第６図は第４図の６−６線上の断面図である。 １・・・・・・光学部分、２，３・・・・・・脚部、４
・・・・・・部分円錐台形たな部、５・・・・・・円孔
、６・・・・・・側縁、７・・・・・・中心孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 光学部分と、前記光学部分の正反対側から突出た２
   組の脚部をもつバブチック部分とを含む眼内前チャンバ
   移植体に於て、移植体６の長い方の側縁が各組の脚部の
   中心を通る一線に向う波形模様に形成されていることを
   特徴とする眼内前チャンバ移植体。 ２ 前記移植体の幅が光学部分の幅より大きくないこと
   を特徴とする特許請求の範囲１記載の眼内前チャンバ移
   植体。 ３ 光学部分の直径を４ｍｍ乃至５關とすることを特徴
   とする特許請求の範囲１記載の眼内前チャンバ移植体。 ４ 光学部分１を平凸面とすることを特徴とする特許請
   求の範囲１記載の眼内前チャンバ移植体。 ５ 光学部分の前面を彎曲面とすることを特徴とする特
   許請求の範囲４記載の眼内前チャンバ移植体。 ６ 前記バブチック部分が光学部分１の両側に部分円錐
   台形たな部４を含み、一組の脚部２，３が前記たな部４
   の各々から突出ていることを特徴とする特許請求の範囲
   １記載の眼内前チャンバ移植体。 ７ 少なくとも１個の孔７を光学部分１の各側に形成し
   ていることを特徴とする特許請求の範囲６記載の眼内前
   チャンバ移植体。 ８１個の中心孔７を各たな部４に形成したことを特徴と
   する特許請求の範囲７記載の眼内前チャンバ移植体。 ９ 前記脚部２，３の長さを１．７５ｍｍ乃至２．２５
   ｍｖｔの範囲内とすることを特徴とする特許請求の範囲
   １記載の眼内前チャンバ移植体。 １０前記波形模様の最大深さを０．５ ｍｍとすること
   を特徴とする特許請求の範囲１記載の眼内前チャンバ移
   植体。