JPS5815055Y2 - 深孔ぐり旋盤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、深孔ぐり旋盤に係り、特に、多種多様な形
状からなる多種類の加工物を孔ぐりするに好適な深孔ぐ
り旋盤に関する。

一般に、深孔ぐり旋盤は、加工物の一端をつかんで加工
物を回転させる主軸台と、加工物の他端から孔ぐりする
中ぐり装置とからなっている。

また、深孔ぐり旋盤における孔加工は、加工物の切削片
を小片として切削油剤とともに外部に排出させるように
なっており、切削片を小片として排出効率を高めるため
に、主軸台によって加工物を高速回転させるとともに、
中ぐり装置の刃物送り量を大きくし、また、真直で高精
度の孔をあけるために中ぐり装置の中ぐり棒には切削抵
抗に勝る推力を与える必要がある。

従来の深孔ぐり旋盤においては、主軸台と中ぐり装置と
は同一高さのベッド上に載置され、主軸台の中心高さと
中ぐり装置の中心高さとは同一とされており、また、直
径の大きい加工物もしくは一部に大きな直径のフランジ
部を有する加工物等を加工させるために主軸台および中
ぐり装置の中心高さが太き（されている。

しかしながらこのような従来の深孔ぐり旋盤においては
、中ぐり装置の中心高さが大きいことから、切削送りを
円滑に行なうために、長く大きな剛性を有する摺動部を
備え、また、加工物の重量が大きくなるに従い強固な加
工物受台を備えなげればならない等、中ぐり装置各部の
剛性を大きくしなげれば、加工精度が低下するという問
題点がある。

この考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであ
って、中ぐり装置の剛性を大きくし、加工精度を向上さ
せることができる深孔ぐり旋盤を提供することを目的と
する。

本考案に係る深孔ぐり旋盤は、主軸台が乗せられる主軸
台ベッドより中ぐり装置が乗せられる中ぐり装置ベッド
を高く設置するとともに、主軸台と中ぐり装置は各ベッ
ドからの高さを異ならせることにより中ぐり装置の中心
高さを低く形威し、前記主軸台を主軸台ベッドに対して
軸方向に移動可能に取付けて構成したものである。

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は、この考案に係る深孔ぐり旋盤の一実施例を示
す説明図である。

床上には主軸台ベッド１０と中ぐり装置ベット２０とが
段差を有して設置されており、中ぐり装置ベッド２０は
主軸台ベッド１０よりも高い位置に設置されている。

主軸台ベッド１０には主軸台３０がベース３１を介して
載置され、任意の位置にボルトによって固定されている
。

主軸台３０は主軸モータ３２によって回転される面板３
３と、面板３３に備えられる爪部３４とを設けられてい
る。

また、主軸台ベンド１０には加工物受台３５が移動可能
に載置されており、加工物受台３５は、後述する中ぐり
装置ベンド２０に設げられる加工物受台４１等とともに
、加工物５０の中心線が主軸台３０の中心線に一致する
ように調整支持するようになっている。

さらに、第２図に示されるように、主軸台３０の下端に
は雌ねじ３６が固定されており、雌ねじ３６は主軸台ベ
ンド１０の内部に内蔵されている雄ねじ３７と螺合され
ている。

雄ねじ３７は減速機３８を介して送りモータ３９によっ
て回転されるようになっている。

中ぐり装置ベンド２０の主軸台ベッド１０側端部には加
工物受台４１が載置され、主軸台ベンド１０の両端部近
傍には中ぐり棒４２を支持する中ぐり台４３と送り台４
４とが備えられている。

中ぐり台４３は、加工物５０の端面に密着するように配
置され、図示されないポンプによって中ぐり棒４２の外
周部から加工物５０の切削部に高圧の切削油剤を供給す
るようになっている。

中ぐり棒４２は、パイプ状とされており、その先端部に
は加工物５０を孔加工する刃物が装着されている。

中ぐり棒４２の刃物によって加工物５０に発生する切削
片は、切削油剤とともに中ぐり棒４２のパイプ状孔部を
輸送されて外部に排出されるようになっている。

また、送り台４４には送り機構が設けられ、中ぐり棒４
２を切削抵抗以上の推力で切削送りさせるようになって
いる。

さらに、中ぐり装置ベンド２０の中間部には、中ぐり棒
４２を中間支持する中ぐり棒受台４５が備えられ、中ぐ
り棒４２の振動および撓みを防止するようになっている
。

第３図は、両端部に大きな直径のフランジ部を有する加
工物５０を上記実施例に係る深孔ぐり旋盤によって加工
する状態を示す説明図であり、加工物５０は、主軸台ベ
ンド１０の上部において２個の加工物受台３５によって
支持されるようになっている。

また、第４図は、一端に大きな直径のフランジ部を有す
る加工物５０を上記実施例に係る深孔ぐり旋盤によって
加工する状態を示す説明図であり、フランジ部のみを主
軸台ベンド１０の上部に配置させ、加工物５０の小径の
シャフト部は中ぐり装置ベンド２０の上部において加工
物受台４１によって支持されるようになっている。

上記実施例によれば、加工物の大きな直径物を主軸台ベ
ンド１０の上部に配置させ、加工物５０の孔あげ作業は
、中ぐり装置ベンド２０に設げられている中心線高さの
低い中ぐり装置４０によって行なうことができるので、
中ぐり装置４０の剛性を向上させるとともに、送りの円
滑化によって多種多様の形状からなる加工物を良好な加
工精度で加工することが可能となる。

また、中ぐり装置ベッド２０の上部において中心線高さ
の低い加工物受台４１によって加工物を支持する場合に
は、加工物の支持強度が向上し、したがって、切削性能
を向上させることが可能となる。

さらに、中ぐり装置４０を大型化することによって剛性
を大きくする必要がなくなり、小型の中ぐり装置に基づ
く操作性の向上および作業性の向上が招来される。

また、上記実施例によれば、主軸台３０を主軸台ベッド
１０の上部で軸方向に移動させることができるので、第
４図に示されたように、加工物５０の形状に応じて主軸
台３０を移動し、加工物５０を強固に支持することが可
能となるとともに、中ぐり棒４２のオーバーハング量も
短縮化され加工精度および切削性能の向上を図ることが
できる。

なお、上記実施例においては主軸台３０の軸方向移動方
式として雌ねじ３６と雄ねじ３７とによる方式を説明し
たが、この移動方式は、主軸台ベンド１０にランクを取
り付け、主軸台３０にランクと噛み合うピニオンを取り
付け、主軸台３０のベース３１に設置する駆動装置によ
ってピニオンを回転させるような方式によってもよい。

以上のように、この考案に係る深孔ぐり旋盤は、主軸台
が乗せられる主軸台ベッドより中ぐり装置が乗せられる
中ぐり装置ベッドを高く設置するとともに、主軸台と中
ぐり装置は各ベッドからの高さを異ならせることにより
中ぐり装置の中心高さを低く形威し、前記主軸台を主軸
台ベッドに対して軸方向に移動可能に取付けて構成した
ので、中ぐり装置の剛性を大きくし、加工精度を向上さ
せることができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る深孔ぐり旋盤の一実施例を示す
正面図、第２図は主軸台の移動方式を示す連結関係図、
第３図および第４図はそれぞれ第１図の深孔ぐり旋盤に
異なる形状の加工物を取り付けた状態を示す正面図であ
る。 １０・・・・・・主軸台ベンド、２０・・・・・・中ぐ
り装置ベット、３０・・・・・・主軸台、３６・・・・
・・雌ねじ、３７・・・・・・雄ねじ、４０・・・・・
・中ぐり装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸台は乗せられる主軸台ベッドより中ぐり装置が乗せ
   られる中ぐり装置ベッドを高く設置固定するとともに、
   主軸台と中ぐり装置は各ベッドからの高さを異ならせる
   ことにより中ぐり装置の中心高さを低く形威し、前記主
   軸台を主軸台ベッドに対して軸方向に移動可能に取付け
   たことを特徴とする深孔ぐり旋盤。