JPS5814590Y2 - 油入機器の防雪型冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油入電気機器の風冷式冷却器に関し、特に冬期
の積雪により冷却器の排気口が塞がれて冷却効果を減す
ることを防止することにある。

従来、一般に例えば風冷式変圧器は第１図に示す如く変
圧器本体１の側面周囲に複数本の冷却パイプ２及び冷却
ファン３を備えた風冷式冷却器４を配置し、送油ポンプ
５及び送油管６，６′により油を上部より下部へ送り変
圧器本体１と冷却器４間を循環する油で変圧器全体の冷
却を計っている。

この様な変圧器は屋外に据付けられるため、ガラノアを
有する箱８で覆っである。

しかして寒冷地で特に冬期降雪のある場合、その運転中
は変圧器から発生する熱の為、周囲には殆んど雪が積ら
ない。

特に冷却器４内で温められた空気は箱８の一方より冷却
パイプ２、冷却ファン３を通すガラリ７より矢印ａの如
く排気されるので箱８の上面やガラリ７内には雪は積ら
ない。

しかしながら、保修及び点検等で一旦変圧器の運転を中
止すると変圧器は雪に埋るばかりでなく、第２図の如く
ガラリ７の排気口の副板間に積って凍結し、排気口を塞
ぐことになる。

そこで第１図の鎖線で示す様に冬期間のみガラリ７を覆
う如く下方の開口した風胴９を設けてその間口１０より
空気を排気するようにする。

しかしこの方法だと風胴９の取付け、取外し作業と共に
冷却能力を良好に保つために排気通路を充分な大きさに
とり排気が矢印すの如く栗に通るようにする必要があり
、従ってかなり大きな風胴９を取付けなければならない
。

このように大きい風胴９を取付けるとその上面等に積る
雪の重みを考えて可成り丈夫な重量のあるものとなるの
で、これを支持する油送管６，６′の強度も考えねばな
らず、更に横に大きく張り出ることになり好ましくない
。

なお、図中の１１はブッシングを示す。

本考案は上記の如き欠点の多いものに改良を加えたもの
で、ガラリの部分を金鋼製の箱体で覆い、この箱体に積
る雪を利用して、ガラリの副板間に雪が詰まらないよう
にしたものである。

以下、本考案の１実施例を示した第３図、第４図で説明
する。

同一部分には同一番号を付し、型組する説明を省略する
。

図において１２は金鋼製で、その正面と上面並びに左右
側面は金綱をもって覆い、他の背面即ち冷却器４の排気
側に対応する面及び下面即ち地面に対応する面は開放状
態のものである。

なお、必要あれば上記下面には金綱を設けて雪の吹き込
みがある場合の雪除けとしてもよい。

この金綱は、冷却器４の排気側に着脱自在としたフラン
ジ１３と適宜の骨組（図示せず）とによって構成される
。

しかして、フランジ１３を利用して冷却器４の排気側即
ちガラリ７に面して取付けるものである。

冬期の降雪時に変圧器の運転を中止すると、雪１４は変
圧器の周囲のみならず第３図の如く冷却器４やカバー１
２にも積る。

この場合、降り始めは雪１４が金綱を通過して１部は侵
入するが大部分は金綱に付着し、ガラリ７の調板間にま
で侵入してこれを詰らせることはない。

この積雪により排気口を覆うように雪１４による排気風
胴ができ、排気通路として矢印Ｃで示す如くなる。

次に、一旦体止していた変圧器を運転再開するにはまず
変圧器本体１を受電し、冷却ファン３及び送油ポンプ５
を働かす。

この場合、冷却空気は雪１４でできた排気風胴のため、
矢印Ｃの如く、その下面開口１５−より排気される。

さらに変圧器の運転を続けると油温が上昇し、排気され
る空気もあたたまり、それに従い雪１４はこの熱により
徐々に溶けだし、やがてすべて溶ける。

すると空気は矢印ｄの如く金綱を通過し、排気される。

即ち運転再開時のみ空気は下面開口１５より排気され雪
が溶ければ金綱を通過して排気される。

本考案によれば、降雪時に運転休止した場合には金網製
の箱体に積る雪が排気風胴を形成して排気通路を保護す
るのでガラリの調板間に積ることを防止し、変圧器を稼
働する場合には、前記排気風胴の下面開口が排気口とし
て確保されておるので直ちに運転再開が可能である。

しかして箱体が金網製であるので第１図の風胴９の如く
大型とする必要がないので、カバー上の積雪荷重も少く
又張り出しも小さく障害になることも少ない。

それ故、−年中取付けたままで良く、従来例で示した鉄
板製風胴９が要した取付は取外し作業を必要とせず保守
作業を大幅に省力化することができる。

又、運転再開時、油温はまだ温まっていないので通風に
よる冷却能力をそれ程必要とせず空気が外部に排気され
ればよい。

それ故箱体は薄形のコンパクトなもので良く、防雪構造
を簡素化できる。

尚、冷却器４は多数の冷却パイプ２で雪の侵入を防ぐこ
とができる構造であり、しかも冷却パイプ２に付着し、
凍結したとしても運転再開時にはこのパイプ内を温まっ
た油が流れて雪は溶けるので特に防雪対策を必要としな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な送油風冷式変圧器の外観側面図、第２
図は第１図の部分拡大図、第３図は本考案の実施例を示
す送油風冷式変圧器の一部外観側面図、第４図は本考案
の金網製のカバーの斜視図である。 符号 １は変圧器本体、２は冷却パイプ、３は冷却ファ
ン、４は風冷式冷却器、７はガラリ、１２はカバー、１
３は取付フランジである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油入電気機器の油の温度上昇を防ぐ風冷式冷却器におい
   て、少くとも正面、上面及び両側面を金網にて形成した
   カバーを、冷却器の排気側のガラリを覆う如く設けた油
   入機器の防雪型冷却装置。