JPS5813197B2 - 袋結束部切取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金属製の締め輪または紐などによって結束さ
れた袋の結束部を切り取る装置に関し、とりわけ、袋の
中間における結束部に対して円滑な作動を可能ならしめ
るのに好適な切取装置に関する。

ハム、ソーセージ等は、通常、チューブ状の袋の中に充
填されその両端部が結束された単一の状態で加熱加工さ
れる。

しかしながら、上記のように最初から単品の状態に区分
された充填ではその両端結束部に使用されるフイルムの
長さに無駄が多く、コスト高となることに気づき、最近
では、省資源を図るために、長いチューブに原料を連続
充填し、その両端部ばかりでなく中間部をも等間隔に数
個所結束された連続の状態で加熱加工されるようになっ
た。

上記何れの場合であっても、出荷時にそれらを化粧包装
する際、結束部が場所をとって邪魔になるので、それら
を速やかに切り取る作業が必要なことに変りはない。

結束部の切取作業は、従来、専ら作業員の手指の力によ
って操作されるハサミにより行われていたため、長時間
の手作業が原因で腱掌炎を起すのが実情であった。

更に、各袋詰物体はコンベアから吊り下げられた状態で
搬送されてくるので、結束部にハサミを当てる際、前後
左右に揺れ動いて定まらないばかりか、ハサミの刃の取
付構造が角変位型であるため、切断操作によって切断対
象部が刃元から刃先の方へ押し出され逃げてしまい容易
に捕捉し得ず、他方の手指を使って切断対象部が動かな
いように補捉した状態で切取作業を進めることを要した
ので、手間と時間及び人件費がかかり作業能率が向上し
ない悩みがあった。

他方において、本発明により先に出願され公知となった
爪切型の切取装置は、結束部の延長線上からその結束部
に対向する姿勢で切取作業を行なうようにその姿勢が限
定されているため、末端の結束部しか切り得す、中間の
結束部を切り離し得ない憂いがあった。

更に他方において、露出した状態の刃を使用した切取作
業は、屡々、操作の手違いから指先を損傷するトラブル
が生じ、作業の安全性に欠ける憂いがあった。

本発明の第１の目的は、末端の結束部は勿論のこと中間
の結束部の切り離しをも確実容易に達成し得る袋結束部
切取装置を創作して提供することである。

本発明の第２の目的は、切断対象部が確実容易に補捉さ
れて刃の間から決して逃げることがないばかりか、片手
操作が可能で迅速に作業を進めることができ、人件費の
節約と作業能率の著しい向上とを可能ならしめる袋結束
部切取装置を創作して提供することである。

本発明の第３の目的は、長時間の作業にも耐えられる軽
快な操作と高度の安全性とを保証し得る袋結束部切取装
置を創作して提供することである。

本発明の構想を要約すれば、結束部捕捉用の切欠があけ
られている４角筒形案内材の内側に沿って、結束巾と同
じ間隔で併設された２枚刃を、往復変位させて成る点に
ある。

本発明の構成をその具体的実施態様により図によって以
下に詳述する。

本発明で使用される切断刃は所望の間隔で併設された２
枚刃６及び７であり、該刃はその基部が往復変位伝達材
８にねじ止めされており、該伝達材８はピストン９の前
面に固定されている。

２枚刃６及び７の間隔は、第４図に示すように、切り取
られるべき結束部１０の結束巾によって決定され、それ
に適合した間隔で併設された２枚刃が使用される。

１１は袋詰物体である。１２は伝達材８の案内材、１３
はシリンダーであって何れもケーシングを形成する。

ピストン９と案内材１２との間に復帰用の圧縮スプリン
グ１４が弾設されている。

前記２枚刃６及び７は４角筒形案内材１５に沿って案内
され前方へ突出する。

該案内材はケーシング１２に固定され、その先端に切屑
排出口１６が開口している。

結束部１０を捕捉するための切欠１７は、案内材１５の
一端縁１５ａから案内材の中心に向けて、かつ、２枚刃
６及び７の変位方向を横切る方向にあけられている。

シリンダー１３の後部に円筒形のバルブケース１８を取
付固定し、該ケースの中心に沿って空気圧入路１９を刻
設し、該圧入路と交叉しそれを横切る方向に刻設した孔
にプランジャ型操作弁２０を配置し、該操作弁とその孔
には何れもその中間部に径の相違する円錐部を設けて、
一方が円錐弁、他方が円錐弁座を形成し、常時は圧縮ス
プリング２１の作用により弁が弁座に圧接させられ、空
気圧入路１９は遮断されている。

圧入路遮断時にはシリンダー１３内の空気は操作弁内に
刻設した排出路２２を経由して外部に放出される。

２３は操作弁挿入孔の口にねじ止めされたスプリング座
であって、シリンダー内の空気は該座に刻設した孔２２
から外部に放出される。

操作弁２０の一端２０ａはスプリング２１の作用によっ
て常時外方へ突出しており、該突出端部２０ａ上に手動
操作レバー２４の先端が接している。

第５図は自動操作型の実施例を示し、切欠１７の最奥部
に起動用接触レバー２５の自由端部を突出させて、結束
部１０によって該レバー２５が押し上げられるように構
成し、該レバー２５の押圧力により３方弁２６の操作弁
２７を従動変位させる。

入力側２８の空気圧力は３方弁２６における操作弁２７
の作用によって２つの出力側２９及び３０に選別的に空
気圧力を切換供給する。

一方の出力側２９はシリンダー１３の後端ポート３１に
連通してピストンを前進せしめ、他方の出力側３０はシ
リンダー１３の前端ポート３２に連通してピストンを後
退せしめる。

３３は切屑侵入防止板であって、２枚刃６及７の後退時
に刃の間に切屑がはさまって後退するとき、その切屑の
後退を阻止する。

本発明の作用は次の通りである。

先ず、第１図で示すように、結束部１０を締めるリング
３４が切欠１７において案内材１５の筒内で捕捉される
ように、結束部１０を切欠１７にはめ込む。

次いで、操作レバー２４を手動にして押圧すると、操作
弁２０がスプリング２１の力に抗して押し上げられ、弁
座から弁が離脱して圧入路１９が連通し、圧縮空気がシ
リンダー１３内に流入してピストン９がスプリング１４
の力に抗して前進し、それと一体の往復変位伝達材８を
介して２枚刃６及び７が前進し、切欠１７で捕捉されて
いる結束部１０のリング３４の両側が２枚刃で一斉に切
断され、両断された切屑は２枚刃６及び７の前進によっ
て前方へ送られ、排出口１６から外部へ放出される（第
２図参照）。

図示しない手指の力をゆるめてレバー２４の押圧を解除
すると、スプリング２１の作用によって操作弁２０が復
帰し、弁が弁座に密着して空気圧入路１９が遮断される
と同時に排出路２２が開通する。

排出路の開通と同時にスプリング１４の作用によってピ
ストン９が復帰し、シリンダー１３内の空気が排出路２
２を経由して外部へ放出される。

ピストン９の後退と同時に往復変位伝達材８を経由して
ピストンと一体の２枚刃６及び７もまた後退して原位置
に復帰する（第１図参照）。

上記の作用が反覆されて結束部１０の切取作業が進行す
る。

第５図に示す自動操作型の場合には、接触レバー２５の
自由端部に結束部１０が当ってそれを上方へ変位させる
と、その変位に操作弁２７が従動して入力側２８の圧力
空気を一方の出力側２９に供給し、供給された圧力空気
はポート３１を経由してシリンダー内に流入し、ピスト
ンを押して、それと一体の２枚刃６及び７を前進させ、
切欠１７で捕捉されている結束部１０の２ケ所を同時に
切断する。

切断により結束部１０からの押圧を解放された接触レバ
ー２５は２点鎖線に示す位置まで垂れ下り、それに伴な
って、操作弁２７もまた原位置に復帰し、入力側２８の
圧力空気を他方の出力側３０に切換供給し、供給された
圧力空気はボート３２を経由してシリンダー内に流入し
、ピストンを後退させ、それと一体の２枚刃６及び７を
後退させて原位置に戻す。

上記の作用が反覆されて結束部１０の自動切取作業が進
行する。

本発明は、中間の結束部１０に対してリング３４と袋詰
物体１１，１１との間を２枚刃６及び７によって一斉に
切断し得るから、一本の連続したチューブ状袋の中間に
存在する複数の結束部を迅速かつ容易に切り取り得るよ
うになった。

更に、本発明は、前後左右に揺動する結束部を切欠１７
にて捕捉し、２枚刃６及び７の切断時にも外方へ逃げる
おそれが全くないので、片手操作のみによっても、確実
迅速かつ容易に結束部１０を切り取り得るようになった
。

更に、本発明では、強力な空気圧力を使って切断を行な
うので、手指の筋肉の疲労が少なく、連続作業でも腱掌
炎を生ずるおそれがなく、また、４角筒形の案内材１５
によって２枚刃６及び７が被覆されているので手指を損
傷するおそれがなくなり、作業の安全が保証されるよう
になった。

上記の諸効果の綜合により、人件費の大巾な節減と生産
性の著しい向上とを可能ならしめた。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の具体的実施態様を例示する。 第１図は手動型の実施例において始動直前の状態を示す
一部縦断面図、第２図は第１図と同じ実施例において作
動の状態を示す縦断面図、第３図は要部の分解斜視図、
第４図Ａ，Ｂ，Ｃ及びＤは中間結束巾と刃巾との対応関
係を示す説明図、第５図は自動型の実施例を示す一部縦
断面図である。 ６及び７・・・２枚刃、８・・・往復変位伝達材、９・
・・ピストン、１０・・・結束部、１１・・・袋詰物体
、１２・・・案内材、１３・・・シリンダー、１４・・
・スプリング、１５・・・４角筒形案内材、１５ａ・・
・一端縁、１６・・・切屑排出口、１７・・・切欠、１
８・・・バルブケース、１９・・・空気圧入路、２０・
・・操作弁、２１・・・スプリング、２２・・・排出路
、２３・・・スプリング座、２４・・・操作レバー、２
５・・・起動用接触レバー、２６・・・３方弁、２７・
・・操作弁、２８・・・入力側、２９及び３０・・・出
力側、３１及び３２・・・ポート、３３・・・切屑侵入
防止板、３４・・・リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 往復変位伝達材の先端面から前方へ向け中間結束部
   の結束巾に適合した間隔で併設された２枚刃と、 前記伝達材のケーシングに固定され、その内面に沿って
   前記２枚刃が案内され、その先端に切屑排出口があけら
   れている４角筒形案内材と、該案内材の一端縁からその
   中心に向け、かつ、前記２枚刃の変位方向を横切る方向
   にあけられた結束部捕捉用切欠と、 空気圧力を使って前記２枚刃を往復変位させる手段と、 から成り、 中間における袋結束部の切取を可能ならしめることを特
   徴とする袋結束部切取装置。 ２ ２枚刃を往復変位させる手段として、空気圧力を使
   用し、シリンダー内への空気の圧入路を横切る方向にプ
   ランジャ型操作弁を設置し、該操作弁を一方向に付勢す
   ることにより前記圧入路の遮断と排出路の開通とが生じ
   更に該付勢手段に抗して前記操作弁の外方突出端部を操
   作レバーにて押圧することにより前記圧入路の開通と排
   出路の遮断とが生じるように空気流通経路を配置し、空
   気の圧力に対抗する方向に往復変位伝達材を付勢したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ ２枚刃を往復変位させる手段として、空気圧力を使
   用し、切欠の最奥部に起動用接触レバーの自由端部を突
   出させ、該レバーに従動する変位により空気圧力をシリ
   ンダの対向側に併設した一対のポートに選別的に切換供
   給する３方弁を設けて、ピストンを自動操作することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の装置。