JPS5810943B2 - カイテンシノマキセン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転子巻線の改良に関する。

電気的装置に使用される新規な希土類磁石はすぐれた安
定性および強度を有し、回転子の巻線に多量の銅を使用
し、さらに効率的な、かつ強力な電気機械装置を形成す
ることができる。

特に直径の小さな回転子の場合に問題となるのは、回転
子の溝孔に線を完全に満し得ないこと、または大きな回
転子溝孔を使用し得ないことである。

その理由は端部巻線内において一つの溝孔から他の溝孔
に延びる線が介在する溝孔を越えて突出し、かつ部分的
にこれら溝孔を閉塞し、したがって前記介在溝孔に巻線
を形成した時に回転子の直径を膨出させるようになるか
らである。

これによって設計は制限され、使用する線を少なくせね
ばならず、回転子の寸法を大にし、または回転子および
固定子間の間隔を異常に大とせねばならぬようになる。

本発明の目的は回転子および固定子間の最小間隔と釣合
った実際的に最小の回転子に使用される線の量を最大と
なすことによって前述の欠点を除去することである。

この好適な目的は、回転子の端部巻線に対し追加的な支
持体を与えることによって達成される。

このような追加支持体は、任意の溝孔に端部巻線が過大
に積重なって次に形成される巻線がこの溝孔を部分的に
閉塞し、端部巻線の区画において回転子の輪郭を部分的
に膨出させることのないように設計される。

前記追加支持体は回転子の端部から十分に隔置され、任
意の溝孔から突出しない端部巻線の部分に適合し、該端
部巻線の残余の部分が前記追加支持体を通って延びるよ
うにする。

この追加支持体は巻線案内円板と称されるもので、実質
的に回転子と同じ断面を有し、該回転子の溝孔と整合す
る孔を有している。

回転子の溝孔を部分的に閉塞する過剰の端部巻線はこの
巻線案内円板内の対応する孔を通るようにされる。

前記巻線案内円板を部分的に閉塞するような端部巻線が
残る場合には、追加的な巻線案内円板を設け、このよう
な状態の生じるのを避けるようになすことができる。

次に添付図面によって本発明の詳細な説明する。

第１図は後述の如く、本発明にしたがって完全に巻線の
形成された回転子１０の好適な実施例を示す。

この回転子１０は回転子軸１１を有し、該軸は非鉄製の
、なるべくはプラスチックよりなる回転子コアー１２、
非鉄製の、なるべくはプラスチックよりなる１対の巻線
案内円板１３、整流子１４および線１５を支持している
。

線１５は回転子コアー１２（第２図および４図）内の溝
孔１７−２３の中に担持され、かつ一つの溝孔から回転
子コアーの端部および端部巻線２５内の巻線案内円板１
３を通って他の溝孔に延びている。

前記巻線案内円板１３は実質的に回転子コアー１２と同
じ断面を有する円板部分２７よりなっている。

巻線案内円板１３の片側に一体的に形成されたスリーブ
２８は前記円板部分２７を回転子コアー１２から十分な
距離にわたって隔置し、端部巻線２５の一部分を通し得
るようにすると共に、線を軸１１から二重に絶縁する働
らきを有している。

円板部分２７のスリーブ２８と相対する側に設けられた
同様な第２のスリーブ２９は端部巻線２５の残余の部分
に対する二重絶縁を行うようになっている。

前述の如く円板部分は実質的に回転子コアー１２と同じ
断面を有し、したがって該回転子コアー１２内の溝孔１
７−２３に対応する孔３７−４３を有している。

後述の如く巻線案内円板１３内の孔を通るのは端部巻線
の一部分だけであるから孔３７−４３は溝孔と同様にす
る必要はな（これより浅くすることができるが、図示の
如（同じ形に製作される。

回転子１０に対する典型的な端部巻線は次の如き態様で
配置される（第４図）。

１束の巻線が溝孔１７から溝孔２０に進み１束の巻線が
溝孔１７から溝孔２１に進み 〃 溝孔１８から
溝孔２１に進み 〃 溝孔１８から溝孔２２に進
み 〃 溝孔１９から溝孔２２に進み 〃
溝孔１９から溝孔２３に進み 〃 溝孔２０か
ら溝孔２３に進み 〃 溝孔２０から溝孔１７に
進み 〃 溝孔２１から溝孔１７に進み 〃
溝孔２１から溝孔１８に進み 〃 溝孔２２
から溝孔１８に進み 〃 溝孔２２から溝孔１９
に進み 〃 溝孔２３から溝孔１９に進み
〃 溝孔２３から溝孔２０に進む。

第４図は図を簡単にするために部分的に巻線の形成され
た回転子区画を示すもので、回転子コアー１２および巻
線案内円板１３のスリーブ２８は表わされているが、円
板部分２７は表わされていない。

かくの如く溝孔１７から溝孔２０，２１に進んだ線の束
はスリーブ２８の両側を通り、溝孔間の道筋をできるだ
け短くするようになっている。

前掲の表によって明らかな如く線充填溝孔１７または同
様な他の溝孔は４個の独立した、しかも同じ寸法の束を
有している。

この場合２個の束は溝孔１７から溝孔２０，２１に進み
、１個の束が溝孔２０から溝孔１７に、１個の束が溝孔
２１から溝孔１７に進んでいることが分かる。

第４図に示された溝孔の配置においては、各溝孔の最小
半径方向位置（溝孔の最底位置）とスリーブ２８の外径
との間、すなわち第４図に示された径間“ａ”は４個の
束の線、すなわち一つの溝孔の全容量に相当する線が溝
孔区画に侵入することなく通り得るようになっている必
要がある。

たとえは前掲の表によっても明らかな如く、溝孔１８を
バイパスする線の束は、 溝孔１７から溝孔２０に 溝孔２０から溝孔１７に、 溝孔２３から溝孔１９に、 溝孔１９から溝孔２３に、 至るもので４個の束、すなわち一つの溝孔全体を満す線
の束である。

なお溝孔１８は該溝孔と溝孔２１．２２との間を通る４
個の束の線を有している。

使用する線の量が最大となり、かつ回転子の直径が線を
入れるに必要な溝孔の寸法に比して小さな在来技術にお
いては、第５図に示されるような状態が生じ、溝孔をバ
イパスする線によって該溝孔が部分的に閉塞され、この
溝孔から該溝孔をバイパスする線の上を通って延びる線
によって、回転子の外径より大なる膨出部分が生じる。

第３図は巻線案内円板１３を使用した時における回転子
端部巻線２５の断面を示す。

電機子に巻線を形成する場合には一つの溝孔から他の溝
孔に延び、かつ介在する溝孔の径間“ａ”（第４図）を
満す量の線だけが回転子コアーに近接して巻成され、線
の残余の部分は巻線案内円板１３のまわりに巻成される
。

このようにすれば端部巻線の積重ねに対して追加空間を
与えることによって介在溝孔の部分的閉塞を避けること
ができる。

さらに多くの空間が必要とされる場合には第２の巻線案
内円板を使用することができるが、この円板は第１案内
円板上のスリーブ２９に衝当するからスリーブ２８を必
要としない。

この種の巻線案内円板は端部巻線に対して空間を必要と
する場合に複数個を追加することができる。

巻線案内円板１３のスリーブ２８，２９は本発明にとっ
ては必要不可欠のものではない。

しかしながらこれらスリーブは巻線案内円板部分２７を
回転子コアーから隔置すると共に、巻線を鋼製軸から二
重に絶縁する働らきを有している。

前記スリーブは省略することができ、かつ円板部分２７
は接着剤、または回転子軸１１上に形成した肩の如き他
の装置によって位置決めすることができる。

回転子コアー１２はこれをプラスチック材料によって形
成すれば慣性を小さくなし得ると共に二重絶縁を行うこ
とができる。

この回転子は巻線案内円板の有用性をそこなうことな（
所要の材料によって形成し得ることは明らかである。

図には７個の回転子溝孔に対して使用される特別の巻線
設計が示されているが、特に回転子の直径が小さい場合
に最大量の巻線を使用せんとするような他の回転子に対
しても本発明が有用であることも明らかである。

図示の如く７個の溝孔を有する回転子の場合は、巻線案
内円板を使用することにより、各溝孔を通る線の量を２
４０−３００巻回だけ増加し、それによって固定子に対
し希土類磁石を使用する小直径モーターの強度および効
率を実質的に増加させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にしたがって巻成され、回転子溝孔を線
によって完全に充填し得るようになった完成回転子の斜
面図である。 第２図は第１図に示された回転子のい（つかの構成部材
の展開斜面図である。 第３図は実質的に第１図の線３−３に沿って取られた回
転子の端部巻線の軸線方向断面図である。 第４図は実質的に第３図の線４−４に沿って取られた端
部巻線の横断面図であるが、３個の溝孔の間の巻線の一
部分だけを示すもので、端部巻線が介在する回転子溝孔
を閉塞しないことを表わしている。 第５図は第３図と同様な断面図であるが、同じ回転子に
在来技術によって巻線を形成した場合の状態を示す。 図において、１０は回転子、１１は回転子軸、１２は回
転子コアー、１３は巻線案内円板、１４は整流子、１５
は線、１７−２３は溝孔、２５は端部巻線、２７は円板
部分、２８．２９はスリーブ、３７１３は孔である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気機械に対する回転子において；回転子軸と、最
   小半径方向位置を有する複数の縦方向外部溝孔を形成さ
   れた円筒形コアーと、前記円筒形コアーの各端部にそれ
   ぞれ隣接して前記回転子軸に装着された２個の巻線案内
   装置にして、各巻線案内装置が前記溝孔と同数でかつ実
   質的に前記溝孔と整合する複数の円周方向に隔置された
   外向きに開口する孔を有する少くとも１個の巻線案内円
   板と、この円板を前記円筒形コアーと、および２個以上
   の円板を用いる場合は円板相互とを隔置する装置とを有
   する巻線案内装置と、前記溝孔の中に巻成された絶縁導
   線にして、前記円筒形コアーの端部において一つの溝孔
   から他の溝孔に進むことによって端部巻線を形成し、前
   記端部巻線の一部が前記円筒形コアーと前記巻線案内装
   置との間の空間に前記溝孔の最小半径方向位置を越えな
   いように収容され、残余の前記端部巻線が前記少（とも
   一つの巻線案内円板の前記孔を通って前記各巻線案内円
   板の外面に第２の端部巻線を形成する絶縁導線と、を有
   している回転子。 ２、特許請求の範囲第１項記載の回転子において、前記
   巻線案内円板を前記円筒形コアーと隔置する装置が巻線
   案内円板と一体のスリーブを含みかつ巻線案内円板が実
   質的に非導電性の材料によって形成され、更に前記巻線
   案内円板が前記スリーブと相対する第２の一対スリーブ
   を含み、それによって前記絶縁導線が前記回転子軸から
   二重に絶縁される、回転子。