JPS5810183Y2 - 磁気テ−プ消磁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープ消磁装置に関する。

テープレコーダやＶＴＲ等の磁気記録再生装置に用いら
れる磁気テープに記録されている信号を消去する場合に
は、この磁気テープをテープレコーダやＶＴＲによって
走行させ、消去ヘッドに対接させて消去するのが一般的
であるが、このような方法は時間がかかるばかりでなく
、消去と同時に録音が行なわれるために、単に消去だけ
をするという目的のためにはこの方法は不適当なものと
なる。

また消去ヘッドによる消去だと、トランク位置のずれな
どで信号が消去されずに一部分残ってＳＮ比を悪化させ
る場合がある。

このような欠点を防止するために磁気テープ消磁装置が
利用されている。

この消磁装置は強い磁界を磁気テープに与えて消去する
方法であって、短時間で記録内容を消去することができ
る。

しかし、このような消磁装置によると、誤消去防止爪が
折取られており、消去されては困る信号を記録したテー
プカセットをも消去してしまうことになり、誤消去が行
なわれてしまう。

本考案はこのような問題点を克服することを目的として
なされたものであって、磁気テープを収納ししかも対向
する一対の側面にそれぞれ誤消去防止爪が設けられたテ
ープカセットをカセットホルダに収納し、このカセット
ホルダを消磁装置本体内に挿入して前記磁気テープに記
録されている信号を消去するようにした磁気テープ消磁
装置において、前記テープカセットの一対の側面を弾性
的に挾持する一対の誤消去防止爪検出部材と、前記テー
プカセットの逆挿入を阻止する部材とを前記カセットホ
ルダに設け、前記カセットホルダに対して前記テープカ
セットが所定の向きに挿入され、かつ誤消去防止爪が折
取られていない時にのみ前記テープカセットを前記カセ
ットホルダの所定位置に収納し、前記消磁装置本体内に
挿入可能とした磁気テープ消磁装置に係るものである。

従って誤消去防止爪が折取られているときには、テープ
カセットの消去は確実に防止される。

以上本考案の一実施例を図面につき説明する。

この磁気テープ消磁装置は第１図に示すように消磁装置
本体１とカセットホルダ２とから構成されている。

消磁装置本体１は偏平な直方体状に構成されており、透
磁率の大きな材料から成りかつ磁気シールド効果を有す
るケースの内側には互に対向して相反する極性を有する
永久磁石が配設されている。

そしてこれらの磁石の間をテープカセット３を通過させ
ることにより、カセット３内の磁気テープの消去が行な
われるように構成されている。

なおこのカセット３はマイクロカセントと称されている
超小型のテ・−プカセットである。

すなわち消磁装置本体１の側面にはカセットホルダ挿入
用開口４が形成されており、この開口４には開閉蓋５が
取付げられている。

この開閉蓋５を開くと、その内側には案内用凹部６が形
成されており、この四部６に案内させてテープカセット
３を収納したカセットホルダ２を消磁装置本体１内に挿
入するように構成されている。

次にカセットホルダ２について第２図〜第５図につき説
明する。

このカセットホルダ２は枠体７と受蓋８とから構成され
ている。

なお枠体７と受蓋８とはともに合成樹脂によって成型さ
れたものである。

セして受蓋８の下端には３つの円弧状をなす突片９が連
設されており、これらの突片９は枠体７の下部に形成さ
れている細長い開口１０によって枠体７の下部に形成さ
れている凹部１１内に入っており、これによって受蓋８
は枠体７に対して回動可能に支持されている。

さらに枠体７の壁部１２には一対の六角柱状突起１３と
一対の板状の突起１４とが連設されている。

六角柱状の突起１３は、カセット３がカセットホルタ２
内に収納されたときに、カセット３のリール軸挿通孔１
５と係合してカセット３内のリールの回転を防止するも
のである。

また板状の突起１４は、カセット３がカセットホルタ“
２内に正しく収納されないときに、カセット３のハーフ
と当接して受蓋８の回動を阻止するためのものである。

またこの枠体７の壁部１２にはカセット３の着脱を容易
にするためのＶ字状凹部１６が形成されている。

一方受蓋８にはその底部からは文直角に延びる一対のガ
イド壁１７が形成されており、これらのガイド壁１７に
よってカセット３０両側を受けるように構成されている
。

このガイド壁１Ｔの画材側には弾性変形可能にその下部
が比較的肉薄に形成されている一対のアーム１８が連設
されている。

これらのアーム１８の上端には互に対向する大きな突出
部１９が形成されており、またその下部には互に対向す
る比較的小さな誤消去防止爪検出用の一対の突出部２０
が連設されている。

またこれらのアーム１８には磁気テープの巾方向におけ
るカセット３のガイドを行うためのガイド片２１が連設
されている。

なおりセット３の巾方向のガイドはこのガイド片２１と
カセットホルタ２の受蓋８の外枠に連設されている一対
の板状片２２と、そしてカセットホルダ２の壁部２３と
によって行なわれるよ５に構成されている。

またこの壁部２３にもカセット３の着脱を容易にするた
めのＶ字状凹部２４が形成されている。

またこのカセットホルダ２の受蓋８の外枠の低部には突
出（−でピン２５が設けられており、カセット３が逆に
入ると、このピン２５によって検出されるように構成さ
れている。

次に以上の構成によるカセットホルタ２へのカセット３
の挿入動作について説明する。

まずカセット３の誤消去防止爪２６が折取られている場
合について述べると、この場合には、この誤消去防止爪
２６に対応する位置に開口２７が形成されている。

このように開口２７の形成されているカセット３をカセ
ットホルダ２の受蓋８に挿入すると、第６Ａ図に示すよ
うにアーム１８に形成されている誤消去防止爪検出用突
出部２０が開口２７内に入り込み、カセット３０カセツ
トボルダ２の受蓋８への挿入が途中で阻止される。

従ってこのような状態でカセットホルタ２の受蓋８を枠
体７に苅して回動させてカセットホルタ２の受蓋８を閉
じようとしても、第７Ａ図に示すようにカセソ）３の上
端側のハーフが枠体７の壁部１２に形成されている板状
の突起１４と当接し、カセットホルダ２の受蓋８を閉じ
ることができない。

このためにカセットホルダ挿入用開口１４がら本体１内
に挿入することができず、このためにカセットホルダ２
内のカセット３ｖＣ収納されている磁気テープの消磁を
行うことはできない。

すなわち誤消去防止爪２６が折取られているテープカセ
ット３の消磁は防止されることになる。

次にカセット３を上下を逆にしてカセットホルダ２内に
挿入すると、第６Ｂ図に示すようにカセット３の挿入力
向の先端部がピン２５に当接し、この場合にもカセット
３のカセットホルダ２の受蓋８への挿入が途中で阻止さ
れる。

従ってこの場合にも第７Ｂ図に示すように板状の突起１
４によつて受蓋８の回動が阻止され、カセットホルダ２
の受蓋８を閉じることはできない。

従ってカセット３を逆に挿入した場合は、このカセット
ホルダ２内のカセット３に収納されている磁気テープの
消磁は行なわれない。

次に誤消去防止爪２６が折取られていないカセット３を
正しくカセットホルダ２の受蓋８に挿入した場合につい
て述べると、この場合には第６Ｃ図に示すように、開口
２７がないためにカセット３が誤消去防止爪検出用突出
部２０によって挿入を阻止されることがない。

またピン２５はカセット３の前面開口からカセット３内
に相対的に入り込み、このためにカセット３は受蓋８内
に完全に挿入されることになる。

従って受蓋８の枠体７に対する回動阻止されることなく
、第７Ｃ図に示すように受蓋８は閉じられる。

そしてこのときに六角柱状の突起１３がリール軸挿通孔
１５内に挿通される。

このようにして受蓋８が閉じられたカセットホルダ２を
消磁装置本体１の開閉蓋５の案内用凹部６に沿ってカセ
ットホルダ挿入用開口４から消磁装置本体１内に挿入す
れば、このカセットホルダ２内に収納されているテープ
カセット３の消磁が行なわれるようになる。

このようにこの消磁装置は、誤消去防止爪２６が折取ら
れていないカセット３が正しくカセットホルダ２内に入
っている場合にのみ、カセット内の磁気テープの消去が
行なわれるようになっており、誤消去防止爪２６が折取
られている場合や、カセット３が逆にカセットホルダ２
に挿入されて誤消去防止爪２６の検出が行なわれない場
合には消去が行なわれないようになっている。

以上に述べたように、本考案はテープカセット誤消去防
止爪が折取られていると、カセットホルダの蓋が閉じず
、消磁装置本体内へ挿入できないように構成したもので
あるから、誤消去防止爪の折取られているテープカセッ
トの消去は効果的に防止される。

またテープカセットが逆に挿入されると、逆挿入を阻止
する部材によって、カセットホルダが装置本体に収納さ
れなくなる。

従って逆挿入によって誤消去防止爪の検出が行なわれな
くなることもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
消磁装置の全体の斜視図、第２図はカセットホルダの分
解斜視図、第３図はカセットホルダの正面図、第４図は
第３図におけるＩＶ−ＩＶ線断面矢視親図第５図は第４
図におけるＶ〜Ｖ線断面矢視図親図６Ａ図〜第６Ｃ図は
受蓋８にカセットが挿入された各状態を示す正面図、第
７Ａ図〜第７Ｃ図はカセットが挿入されたカセットホル
ダを閉じようとする各状態を示す要部縦断面図である。 なお図面に用いられている符号において、１は消磁装置
本体、２はカセットホルダ、３はテープカセット、８は
受蓋、２０は誤消去防止爪検出用突出部、２５はピンで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープを収納ししかも対向する一対の側面にそれぞ
   れ誤消去防止爪が設けられたテープカセットをカセット
   ホルダに収納し、このカセットホルダを消磁装置本体内
   に挿入して前記磁気テープに記録されている信号を消去
   するようにした磁気テープ消磁装置において、前記テー
   プカセットの一対の側面を弾性的に挾持する一対の誤消
   去防止爪検出部材と、前記テープカセットの逆挿入を阻
   止する部材とを前記カセットホルダに設け、罰記カセン
   トホルダに対して前記テープカセットが所定の向きに挿
   入され、かつ誤消去防止爪が折取られていない時にのみ
   前記テープカセットを前記カセットホルダの所定位置に
   収納し、前記消磁装置本体内に挿入可能とした磁気テー
   プ消磁装置。