JPS5810089Y2 - 水準器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主に木造建築物の仮設工事において使用する水
準器に関するものである。

一般にこの種の仮設工事は標準地盤面つまり位置の基準
点をまず設定し、その後建物配置図によって建物の輪郭
にそって適当間隔ごとにくいを打込み、且つこのくい間
をなわで連繋する所謂地なわ振りを行って敷地内に建物
の位置を凡そ決意する。

この地縄張りが完了すると、地面に地ぐいを打込み、且
つこの地ぐい間に水ぬきと称する板材を横架する所謂建
物の高低・位置・方向等を定める基準となるやりかたを
行うもので、この際、前記水ぬきに水準器を用いて先に
述べた基準点高さを明示し、この建物の高低を定げるう
えでの基準高さをやりがたに表示させる所謂水盛りを行
なう。

上記のような仮設工事において、従来使用されている簡
易な水準器として水貯留容器（水盛罐）にホースを介し
て目盛り付きガラス管を連通させてその水位との比較に
より高さを決定する構造のものがある。

しかし乍ら、該構造の水準器においては例えば日照・家
相或いは庭木・池等に対して建物の方位を決定する場合
、別途磁石等の方向測定具を準備し、建物等の方向を定
める必要があって、作業手間も極めて煩られしいもので
あった。

また、前記水貯留容器に磁石を装備させるにしてはこの
容器が従来、金属製のため磁石の精度を狂わせ使用し得
ない欠点があった。

本考案は上記の点に鑑み、ホースを介して目盛り付き透
明管に給水する水貯留容器の蓋部材を非磁性体で形成す
ると共に、該蓋部材上面に磁石を着脱可能に組込むよう
に構成することにより、水単基のみで、仮設工事時にお
ける建物の高低及び方向の各基準決定を行ない得、この
工事の作業効率向上を図ると共に、これに取付ける磁石
の精度を確実に維持することのできる水準器を提供しよ
うとするものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図に示す如く、水準器は水を貯留する容器１と、該
容器１の底部にゴムホース２を介して連通させるガラス
材等で作られた細状の透明管３とから構成し、前記容器
１は容器本体４と、該本体４を支持する容器台５と、前
記本体４の開口上部に被させる蓋部材６とで形成してい
る。

前記容器本体４は上部外側にこの容器１を持運びするた
めの把手部７を有し、この底部４ａを前記台５上部の凹
形嵌合部５ａに係合支持させている。

また、前記本体４の底部４ａ及び前記台５の支持壁５ｂ
の中央にそれぞれ貫通孔４ｂ及び５Ｃを穿設していて、
これら番孔４ｂ、５Ｃに前記台５側よりＬ状のホースジ
ョインｌ−８端を挿通させ、この突出端にシール１０を
介してナツト９を螺着することによって、前記本体４と
台５の連結固定を図ると共に、該本体４及び台５に前記
ホースジョイン１〜８を取付固定するべく構成している
。

一方、先に述べた蓋部材６は例えば合成樹脂等の非磁性
体で形成していて、該蓋部材６の上面側中央に円形状の
陥没部１１を形成し、該陥没部１１内に第２図にも示す
如き磁石１２を収納すると共に、該磁石１２の上方を覆
う如く前記陥没部１１をキャップ１３で蓋をしている。

このキャップ１３は非磁性の透明体のもので該内周を前
記磁石１２外周に、また該キャップ１３外周を前記陥没
部１１内周にそれぞれ嵌合し得るように形成すると共に
、該キャップ１３の下部に鉤状の複数の係止部１４・・
・・・・を突設していて、該係止部１４・・・・・・を
前記陥没部１１の底壁周側に穿設する係合溝１５・・・
・・・に挿入させ、且つ前記キャップ１３を若干回転し
、該キャップ１３の係止部１４・・・・・・鉤状先端部
を前記陥没部１１の底壁外側に係止させることにより、
前記蓋部材６に該キャップ１３を着脱自在に取付固定す
べく構成している。

また、先に述べた透明管３は外側に目盛１６を付してい
て、鉄管３の水位と基準点高さの差が読み取れるように
構成している。

而して、仮設工事に先立っては前記容器１を敷地内の安
定の良い適宜場所に置いて、該容器１の蓋部材６に組込
んだ磁石１２により、敷地内に建造する家屋或いは造成
する池或いは築山、さらには植樹等の方向位置をその敷
地内の地面の起伏及び造成状態、或いはその方位の善し
悪し、この敷地周囲の循環・日照等の各条件と照らし合
わせて割り出し、これら建造酸物の相互間の配置並びに
方向或いは家屋内の間取り決定（ご活用するものである
。

また、仮設工事においては、前記磁石１２により配置図
等の定められた方向に建造酸物等を配置すべく位置決定
するもので、建物の方向が決定すると前記容器１を地な
わ張り内つまり敷地内の建物建設予定地内の略中央位置
に置いて、該容器１を水準器として使用するものであり
、予め定めた基準点（ベンチマーク）を例えば第３図に
示す如くやりかたのＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ｆの各点に前
記透明管３内の水位を基準として目盛１６で読み取り明
示し、この建物の高低基準となるその基準高さをやりか
たに定めるものである。

このように該水準器は仮設工事等において必要不可欠な
建物の方向及び高低位置のいずれの基準決定にも共通し
て使用し得るものである。

本考案は上記実施例からも明らかなように、ホース２を
介して目盛１６付き透明管３に給水する水貯留容器１の
蓋部材６を非磁性体で形成すると共に、該蓋部材６上面
に磁石１２を着脱可能に組込むように構成したものであ
るから、構造簡単なこのような水準器のみでもって仮設
工事における建物の高低及び方向の各基準決定が能率良
く容易に行なうことができると共に、前記磁石１２を組
込む容器１つまり蓋部材６を非磁性体で形成することに
よりその磁石１２精度の性能維持を図ることができ、し
かも磁石１２の磁力が低下し精度が悪くなった場合には
簡易に磁石１２を交換し得る等顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る水準器の説明図、第２図は要部の
分解斜視図、第３図は使用状態説明図である。 １・・・・・・水貯留容器、２・・・・・・ホース、３
・・・・・・透明管、６・・・・・・蓋部材、１２・・
・・・・磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水を貯留する容器１と、該容器１の底部にゴムホース２
   を介して連通させるガラス材等で作られた細状の透明管
   ３とから構成し、前記容器１は容器本体４と、該本体４
   を支持する容器台５と、前記本体４の開口上部に被させ
   る蓋部材６とで形成し、前記容器本体４は上部外側にこ
   の容器１を持運びするための把手部７を有し、また、前
   記本体４の底部４ａ及び前記台５の支持壁５ｂの中央に
   それぞれ貫通孔４ｂ及び５Ｃを穿設していて、これら各
   孔４ｂ、５Ｃに前記台５側よりＬ状のホースジヨイント
   ８端を挿通させ、この突出端にシール１０を介してナツ
   ト９を螺着して、前記本体４及び台５に前記ホースジヨ
   イント８を取付固定し、一方、蓋部材６は合成樹脂等の
   非磁性体で形成していて、該蓋部材６の上面側中央に円
   形状の陥没部１１を形成し、該陥没部１１内に磁石１２
   を収納すると共に、該磁石１２の上方を覆う如く前記陥
   没部１１をキャップ１３で蓋をし、このキャップ１３は
   非磁性の透明体のもので該内周を前記磁石１２外周に、
   また該キャップ１３外周を前記陥没部１１内周にそれぞ
   れ嵌合し得るように形成すると共に、該キャップ１３の
   下部に鉤状の複数の係止部１４・・・・・・を突設して
   いて、該係止部１４・・・・・・を前記陥没部１１の底
   壁周側に穿設する係合溝１５・・・・・・に挿入させ、
   且つ前記キャップ１３を若干回転し、該キャップ１３の
   係止部１４・・・・・・鉤状先端部を前記陥没部１１の
   底壁外側に係止させることにより、前記蓋部材６に該キ
   ャップ１３を着脱自在に取付固定すべく構成したことを
   特徴とする水準器。