JPH1199477A - 超砥粒ホイール及びその製造方法 - Google Patents
超砥粒ホイール及びその製造方法Info
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Abstract
た混合体を焼結することにより砥粒層を形成するととも
に、同砥粒層を鉄系の台金表面に直に接合する超砥粒ホ
イールにおいて、製造コストを低減し、かつ、台金と砥
粒層との接合力に優れた超砥粒ホイールを提供する。 【解決手段】 金属粉末として少なくともニッケル及び
錫を使用し、かつニッケルに対する錫の量を15〜35
重量%の範囲とした。これにより、台金へのニッケルの
拡散領域が10μm以上と広くなり、従来のように台金
に銅メッキを施すことなく、砥粒層の接合強度を高める
ことができる。
Description
ト、セラミックス、耐火れんが等、脆性材料の切断、切
削加工に使用される超砥粒ホイール及びその製造方法に
関する。
成した超砥粒ホイールは、石材、コンクリート、セラミ
ックス、耐火れんが等、脆性材料の切断或いは切削加工
に使用されているが、このような同時成形の超砥粒ホイ
ールにおいては、台金と砥粒層との接合力が安全上最も
重要である。
表面に銅メッキを施し、また砥粒層のボンド材として、
メッキ成分と同質の銅を使用している。これによって、
砥粒層を台金表面に焼結成形する際に、メッキ成分の銅
と砥粒層を構成する銅とが相互拡散し、砥粒層とメッキ
層とを相互拡散によって強固に接合することが可能とな
る。また、台金と銅メッキ層とは、機械的結合によって
強固に接合される。
3−22274号公報には、銅メッキした鉄製薄板を下
地層として、ダイヤモンド層に銅、錫、亜鉛、ニッケル
のような金属粉末を使用して一緒に焼結する方法が開示
されている。
ことは製造工数の増加となるばかりでなく、メッキを施
さない部分には絶縁体で台金表面を被覆しなければなら
ないというメッキ加工の問題上、砥粒層形成部以外にも
全面にメッキを施さざるを得ず、これがコストダウンの
大きな阻害要因となっている。
号公報には、台金と砥粒層との接合強度を向上させるた
めに、台金の外周面の突起部に多数の凹陥部を設けてセ
グメントチップを焼結させ、機械的に接合強度を強くし
たダイヤモンド砥石が記載されているが、このような凹
陥部を設けるのは加工費が高く、現実的な製造方法とし
ては採用しにくい。
べき課題は、製造コストを低減し、かつ、台金と砥粒層
との接合力に優れた超砥粒ホイールを提供することにあ
る。
決するために、銅メッキを施すことなく、これと同等以
上の接合力を得る方法について鋭意研究の結果、従来ボ
ンド材としても使用されているニッケル及び錫を特定の
割合で使用することによって、これが解決できることを
知見し、本発明を完成するに至ったものである。
イヤモンドやCBNなどの超砥粒とボンド材である金属
粉末とを混合した混合体を焼結することにより砥粒層を
形成するとともに、同砥粒層を鉄系の台金表面にメッキ
層を介さずに直に接合する超砥粒ホイールであって、前
記金属粉末として少なくともニッケル及び錫を使用し、
かつ前記ニッケルに対する錫の量を15〜35重量%の
範囲としたことを特徴とするものである。
た場合、耐熱性が高くボンド焼けしない、強度が高く延
性に富むために砥粒層の強度を高める、という特徴を有
する。反面、強度が高く磨耗しにくいので、砥粒の自生
作用を起こしにくくする特性がある。
する、強度が低く延性が低いために砥粒層の強度が低
い、という特性から、ボンド材の主材としては不適切で
あり、主に添加剤として用いられている。一方、強度が
低く磨耗しやすいことから、砥粒の自生作用を促進する
という特徴を有する。
し、錫を15〜35重量%とすることで、耐熱性が低く
強度が低いという錫の欠点を発現させることなく、砥粒
層の焼結温度である700〜1000℃の低い温度で流
動化してニッケルの周囲を覆い、その結果、ニッケルを
活性化させて、鉄製台金内に深く入り込み10μm以上
にわたってニッケルの拡散領域を持つことが可能となる
ことを知見した。なお、ニッケルと錫以外の材料として
は、銅、コバルト、鉄などが好適に使用可能である。
5重量%未満であると、錫の量が不足し、ニッケルの周
囲を覆いきれずに、台金へのニッケルの拡散領域が狭く
なる。またボンド強度が高過ぎて砥粒の自生作用を起こ
しにくくする。他方35重量%を超えると、ニッケルの
拡散領域は微増するが強度不足となるため、上記範囲が
望ましい。
15重量%以上が望ましく、より好ましくは40重量%
以上である。ニッケルの含有量が15重量%未満の場
合、錫の量が前記の範囲であってもニッケルの量が不足
し、ニッケルの拡散領域が狭くなって、砥粒層と台金と
の接合強度が低くなる。15重量%以上であれば10μ
m以上の拡散領域が得られ、40重量%以上になると拡
散領域と接合強度が高いレベルで安定する。
説明する模式図であり、(a)は常温で加圧したときの
状態、(b)は300℃で加圧したときの状態、(c)
は700℃で加圧したときの状態をそれぞれ示す。な
お、本説明ではニッケル及び錫以外の材料として銅を含
有したものについて述べるが、銅に代えてコバルトや鉄
でも同様の傾向が見られた。
層、3はニッケルの粉末、4は錫の粉末、5は銅の粉末
であり、砥粒層2中のダイヤモンド砥粒は図示を省略し
ている。同図(a)に示すように、常温で加圧した状態
では、各金属粉末間には多数の空間が存在する。これを
300℃に加熱して加圧すると、同図(b)に示すよう
に、空間が少なくなるとともに錫の粉末4が溶融してニ
ッケルの粉末3及び銅の粉末5の表面を被覆する。さら
に700℃以上で加熱すると、同図(c)に示すよう
に、溶融した錫4aとニッケル及び銅とが合金化を始め
る。
れ、ニッケルが鉄製台金1内に深く入り込み10μm以
上にわたって拡散領域を形成する。この場合、鉄製台金
に従来のような銅メッキが施されていると、ニッケルが
鉄製台金に拡散されにくく、拡散領域は4μm程度しか
得られないが、本発明では銅メッキを施さない鉄製台金
1を用いるので、10μm以上の拡散領域が形成され
る。
ド材の組成が異なる点を除いて、従来の超砥粒ホイール
と同様な手順によって製造し、使用することができる。
以下本発明におけるボンド材の組成に関して、実験例に
基づいて詳細に説明する。
%に固定し、ニッケルに対する錫の割合を0〜50重量
%の範囲で変化させたときの、台金へのニッケルの拡散
領域及び接着強度を図2に示し、ニッケルに対する錫の
割合を20重量%に固定し、ボンド材全体の重量に対す
るニッケルの割合を0〜70重量%の範囲で変化させた
ときの、台金へのニッケルの拡散領域及び接着強度を図
3に示す。
割合が15〜35重量%のとき、台金へのニッケルの拡
散領域は10μm以上でかつ接着強度が100Kgf/
cm以上となる結果が得られた。また、図3に示すよう
に、ボンド材全体の重量に対するニッケルの割合が15
重量%以上のとき、台金へのニッケルの拡散領域は10
μm以上でかつ接着強度が100Kgf/cm以上とな
る結果が得られた。
度の関係調査 ボンド材全体の重量に対するニッケルの割合及びニッケ
ルに対する錫の割合を種々変えて台金へのニッケルの拡
散領域が0〜20μmの範囲の超砥粒ホイールを製作
し、接着強度と疲労強度を調査した結果を図4に示す。
ここで疲労強度は、接着部に繰り返し応力を加え、接着
部が疲労破壊するまでの繰り返し回数で表す。
散領域が10μm以上あると、接着強度は100Kgf
/cm以上となり、疲労強度(疲労破壊するまでの繰り
返し回数)は10000回以上となり、従来の台金表面
に銅メッキを施した場合と同程度の接着強度と疲労強度
が得られる。
破砕性の関係調査 ボンド材全体の重量に対するニッケルの割合が15重量
%以上でかつニッケルに対する錫の割合が15〜35重
量%の範囲のボンド材を用いて焼結したときの焼結温度
と拡散領域及び砥粒の破砕性との関係を調査した結果を
図5に示す。ここで砥粒の破砕性は、加熱後の試料砥粒
と鋼球を鋼製のカプセルに入れて一定時間揺動し、この
後カプセル中の砥粒を取り出し、試料砥粒より一段下の
篩を用いて篩い分けを行ったときの、一段下の篩通過量
(g)/試料砥粒総重量(g)×100(%)で表す。
上であると、台金へのニッケルの拡散領域が10μm以
上となる。他方、焼結温度が1000℃を超えると、砥
粒結晶中の金属介在物が熱応力により砥粒粒子を破壊し
てクラックが発生し、砥粒の破砕性が急増する。この結
果から、焼結温度は700〜1000℃の範囲が適当で
あることがわかる。
々準備してこれを混合したものについて説明したが、あ
らかじめ上記割合のニッケル粉と錫粉とを合金化したも
のも使用できる。この場合、合金化していない方が、若
干ニッケルの拡散領域が広いことが確認された。
ができる。
用し、かつニッケルに対する錫の量を15〜35重量%
の範囲とすることで、従来のような台金に銅メッキを施
すことなく、砥粒層の接合強度を高めることができる。
体の15重量%以上とすることで、台金へのニッケルの
拡散領域が10μm以上と広くなり、高い接合強度を得
ることができる。
することにより、700〜1000度の比較的低温で焼
結を行うことができる。
ルや錫を使用すること、及び台金の銅メッキを省くこと
により、製造コストを低減することができる。
模式図である。
び接着強度の関係を示す図である。
領域及び接着強度の関係を示す図である。
図である。
示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 超砥粒とボンド材である金属粉末とを混
合した混合体を焼結することにより砥粒層を形成すると
ともに、同砥粒層を鉄系の台金表面に直に接合する超砥
粒ホイールであって、前記金属粉末として少なくともニ
ッケル及び錫を使用し、かつ前記ニッケルに対する錫の
量を15〜35重量%の範囲としたことを特徴とする超
砥粒ホイール。 - 【請求項2】 前記ニッケルの含有量がボンド材全体の
15重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の
超砥粒ホイール。 - 【請求項3】 前記焼結による台金へのニッケルの拡散
領域が10μm以上であることを特徴とする請求項1,
2記載の超砥粒ホイール。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載の超砥粒ホイールの製
造方法であって、前記焼結温度が700〜1000℃の
範囲であることを特徴とする超砥粒ホイールの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26452197A JP3770712B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 超砥粒ホイール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26452197A JP3770712B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 超砥粒ホイール及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1199477A true JPH1199477A (ja) | 1999-04-13 |
JP3770712B2 JP3770712B2 (ja) | 2006-04-26 |
Family
ID=17404418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26452197A Expired - Fee Related JP3770712B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 超砥粒ホイール及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3770712B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014205225A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-30 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 高硬度脆性材料の研削用砥石 |
-
1997
- 1997-09-29 JP JP26452197A patent/JP3770712B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014205225A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-30 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 高硬度脆性材料の研削用砥石 |
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Publication number | Publication date |
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JP3770712B2 (ja) | 2006-04-26 |
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