JPH1198715A - 太陽電池用充電装置 - Google Patents

太陽電池用充電装置

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JPH1198715A
JPH1198715A JP9257392A JP25739297A JPH1198715A JP H1198715 A JPH1198715 A JP H1198715A JP 9257392 A JP9257392 A JP 9257392A JP 25739297 A JP25739297 A JP 25739297A JP H1198715 A JPH1198715 A JP H1198715A
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美久 沖田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池を最大発電電力で動作させるに当た
り、損失を低減させ、2次電池等の蓄電素子を効率よく
充電し得る充電装置を提供する。 【解決手段】 DC/DCコンバータ2は、太陽電池1
の接続される入力端子11、12と、蓄電素子6の接続
される出力端子61、62との間に接続され、太陽電池
1の発電電力を変換して得られた電力を、蓄電素子6に
供給する。制御手段3は、出力端子61、62に現れる
端子電圧Vcが入力され、入力された端子電圧Vcの変
化率を演算して、出力端子61、62に現れる端子電圧
Vcが最大になるように、DC/DCコンバータ2を制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池の発電電
力を用いて2次電池やコンデンサなどの蓄電素子を充電
する充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自然エネルギーの有効利用の観点から、
太陽光エネルギーを利用した機回路が数多く提案されて
いる。太陽電池は、一定照度下でも動作電圧によって発
電電力が異なるという基本的な動作特性を有する。この
動作特性に着目し、動作電圧を自動的に調整して、太陽
電池を最大発電電力で動作させ、光エネルギーを有効に
利用する装置が提案されている。
【0003】例えば、特開平7−336910号公報
は、充電中の2次電池の充電電流を検出して、充電電流
が最大になるようにDC/DCコンバータを制御すると
いう比較的簡略な方法で、太陽電池の利用率を高める手
段を開示している。
【0004】特開平7−239724公報は、太陽電池
を利用した太陽光発電システムにおいて、電流及び電圧
を検出し、その電流検出信号及び電圧検出信号から、乗
算手段を用いて電力を計算し、その電力が最大になるよ
うに制御する手段を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電流検出に
は、回路内に直列に抵抗を挿入して、電流を電圧信号に
変換して検出するような方法が取られることが多い。電
流から変換された電圧信号を一般的な電子回路を用いて
扱う場合には、耐ノイズ性やオフセットなどによる誤差
の観点から、電圧信号のレベルを極端に小さくすること
ができないため、挿入する直列抵抗の値を、電流に応じ
て、ある程度大きくする必要があり、挿入した抵抗によ
り、比較的大きな電力損失を発生してしまうという問題
がある。
【0006】電流検出の別の手段として、カレントトラ
ンス等の非接触型の電流センサを用いた場合は、等価抵
抗が比較的小さいが、センサ本体が高価であるなどの問
題がある。
【0007】上述した先行技術文献に記載するように、
従来は、太陽電池を最大発電電力で動作させるに当たっ
て、蓄電素子に流れる充電電流を検出するのが必須であ
ったから、電流検出に伴う上記問題点を回避することが
できない。
【0008】本発明の課題は、損失を低減させ、蓄電素
子を効率よく充電し得る充電装置を提供することにあ
る。
【0009】本発明のもう一つの課題は、構成が簡単
で、部品点数が少なくて済む充電装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を達成する
ため、本発明に係る充電装置は、直流ー直流変換手段
と、制御手段とを含み、太陽電池の発電電力を用いて蓄
電素子を充電する。前記直流ー直流変換手段(以下DC
/DCコンバータと称する)は、前記太陽電池の接続さ
れる入力端子と、前記蓄電素子の接続される出力端子と
の間に接続され、前記太陽電池の発電電力を変換して得
られた電力を前記蓄電素子に供給する。前記制御手段
は、前記出力端子に現れる端子電圧が入力され、入力さ
れた前記端子電圧の変化率を演算して、前記出力端子に
現れる端子電圧が最大になるように直流−直流変換手段
を制御する。
【0011】本発明に係る充電装置は、DC/DCコン
バータを有しており、DC/DCコンバータは、太陽電
池の入力端子と、蓄電素子を接続する出力端子の間に接
続され、太陽電池の発電電力を変換して得られた電力を
蓄電素子に供給する。DC/DCコンバータによれば、
太陽電池の発電電力を、太陽電池の発電特性及び負荷と
なる蓄電素子に適合した電圧または電力に変換して、蓄
電素子に供給することができる。
【0012】本発明に係る充電装置は、更に、制御手段
を含み、制御手段は、出力端子に現れる端子電圧が入力
され、入力された端子電圧の変化率を演算して、出力端
子に現れる端子電圧が最大になるようにDC/DCコン
バータを制御する。このように、DC/DCコンバータ
の制御に当たり、蓄電素子の充電電流ではなく、端子電
圧の情報を利用しているので、電流検出に起因する従来
の問題点を全て解消することができる。
【0013】蓄電素子の好ましい一例は2次電池であ
る。2次電池の内部インピーダンスは、使用する周波数
の範囲によっては純抵抗性に近い特性示す。純抵抗性に
近い特性を示す周波数の範囲では、充電端子電圧の変化
率の波形と、充電電流の変化率の波形は相似(波形はほ
ぼ同位相)となる。従って、充電電流を増加させると端
子電圧は必ず上昇するといえる。
【0014】本発明の好ましい態様として、2次電池を
用いた場合、この2次電池の特性に着目し、充電電流で
はなく、出力端子に現れる端子電圧を、制御手段に供給
する。そして、制御手段により、端子電圧の信号に基づ
いて、2次電池を等価的に抵抗及び起電力の回路として
みなし得る制御周波数で、DC/DCコンバータを制御
する。
【0015】一方、太陽電池の発電電力は、最大発電電
力を与える発電電圧までは電圧の上昇につれて発電電力
が増大し、その後は、電圧の上昇とともに、発電電力が
低下する。従って、2次電池の接続される端子電圧の変
化率を計測して、端子電圧が最大(変化率ゼロ)になる
ようにDC/DCコンバータを制御することにより、太
陽電池を最大発電電力で動作させることが可能になる。
【0016】この結果、電流検出が不要になり、電流検
出のための直列抵抗や、カレントトランスを省略し、電
流検出のための電力損失を非常に小さく押さえ、省部品
化をはかることが可能で、より安価な充電装置を実現す
ることができる。
【0017】蓄電素子の他の好ましい例は、コンデンサ
である。特に、電気2重層コンデンサが適している。蓄
電素子としてコンデンサを用いた場合も、使用する周波
数の範囲によっては純抵抗性に近い特性示す。純抵抗性
に近い特性を示す周波数の範囲では、充電電流の変化率
の波形と、充電端子電圧の変化率の波形が相似となる。
従って、蓄電素子として、コンデンサを用いた場合も、
2次電池の場合と同様の制御が可能になる。蓄電素子と
して、コンデンサを用いた場合、制御手段は、コンデン
サを、等価的に抵抗回路としてみなし得る制御周波数
で、直流ー直流変換手段を制御する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る充電装置の基
本構成を示すブロック図である。本発明に係る充電装置
は、DC/DCコンバータ2と、制御手段3とを含み、
太陽電池1の発電電力を用いて蓄電素子6を充電する。
DC/DCコンバータ2は、太陽電池1を接続する入力
端子11、12と、蓄電素子6を接続する出力端子6
1、62との間に接続され、太陽電池1の発電電力を変
換して得られた電力を、蓄電素子6に供給する。制御手
段3は、出力端子61、62に現れる端子電圧Vcまた
はそれに比例する電圧信号が入力され、入力された端子
電圧Vcの変化率を演算して、出力端子61、62に現
れる端子電圧Vcが最大になるように、DC/DCコン
バータ2を制御する。
【0019】上述のように、本発明に係る充電装置は、
DC/DCコンバータ2を有しており、DC/DCコン
バータ2は、太陽電池1の接続される入力端子11、1
2と、蓄電素子6の接続される出力端子61、62の間
に接続され、太陽電池1の発電電力を変換して得られた
電力を蓄電素子6に供給する。従って、DC/DCコン
バータ2により、太陽電池1の発電電力を、太陽電池1
の発電特性及び蓄電素子6の特性に適合した電圧または
電力に変換して、蓄電素子6に供給することができる。
【0020】本発明に係る充電装置は、更に、制御手段
3を含む。制御手段3は、出力端子61、62に現れる
端子電圧Vcまたはそれに比例する電圧信号が入力さ
れ、端子電圧Vcの変化率を演算して、端子電圧Vcが
最大になるようにDC/DCコンバータ2を制御する。
このように、DC/DCコンバータ2の制御に当たり、
蓄電素子6の充電電流ではなく、端子電圧Vcの情報を
利用しているので、電流検出に起因する従来の問題点を
全て解消することができる。
【0021】実施例において、蓄電素子6は2次電池で
ある(以下、本実施例において蓄電素子6を2次電池と
称する)。このような場合、制御手段3は、2次電池6
が等価的に抵抗及び起電力としてみなし得る制御周波数
で、DC/DCコンバータ2を制御する。
【0022】図2は2次電池6の概略的な等価回路を示
している。図示するように、2次電池6は、起電力Eに
対し、インダクタンス成分L1と、抵抗成分R1と、抵
抗成分R2及びコンデンサ成分C1との直列回路でなる
内部インピーダンスを接続した回路として表現され得
る。市販のニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素
電池、リチウムイオン電池などの2次電池では、特に携
帯機回路を中心に広く普及している数百mAh〜数Ah
程度の容量の単セル当たりで、数百mΩ程度の内部イン
ピーダンスを有することが知られている。
【0023】発明者らの研究によれば、2次電池6は、
使用する周波数の範囲によっては、図3に示すように、
起電力Eに抵抗成分R0を接続した純抵抗性に近い内部
インピーダンスを持つに至ることが確認された。純抵抗
性となる周波数の範囲では、端子電圧Vcの変化率の波
形と、充電電流Icの変化率の波形は相似となる。
【0024】図4はニッケル−カドミウム電池(三洋電
機株式会社製Cadnica 1.2V/700mAh)を2
個直列に接続して充電を実施した実験波形図である。実
験では、直流電流に250Hzの周期を有する三角波状
の交流電流を重畳して2次電池を充電し、端子電圧及び
充電電流の変化を観察した。図4を参照すると、端子電
圧の波形は、充電電流の交流分の波形に比例して三角波
状になっており、使用された周波数(250Hz)の範
囲では、2次電池の内部インピーダンスが純抵抗成分に
近いことが確認される。上述した実験例において用いら
れた動作周波数250Hzは一例であって、この周波数
で駆動しなけらばならないことを意味するものではな
い。三角波は、フーリエ変換によると、基本波成分と、
その奇数倍の高調波成分とに分解される。本発明におい
て、ある次数の高調波成分に対しても、純抵抗性を持た
せる考慮が必要である。換言すれば、使用する周波数は
ある範囲を持っている。但し、どの次数まで純抵抗性を
持たせるかは、実際の回路において、要求される制御条
件を実質的に満たし得る純抵抗性が確保されるよう選択
すべき設計的事項に属する。
【0025】次に、充電状態の進行による2次電池6の
変化は、その時間的変化率が非常に小さいから、無視こ
とができる。このような条件で、充電電流を増加させる
と、端子電圧Vcは必ず上昇するといえる。本発明にお
いては、上述した2次電池6の特性に着目し、充電電流
Icではなく、出力端子61、62に現れる端子電圧V
cまたはそれに比例する信号を、制御手段3に供給す
る。そして、制御手段3により、端子電圧Vcの信号に
基づいて、2次電池6を等価的に抵抗及び起電力の回路
としてみなし得る制御周波数で、DC/DCコンバータ
2を制御する。
【0026】一方、太陽電池1の発電電力は、図5に示
すように、最大発電電力を与える発電電圧V1までは電
圧の上昇につれて発電電力が増大し、発電電圧V1を越
えた後は、電圧の上昇とともに、発電電力が低下する。
従って、充電電流の変わりに、2次電池6に供給される
端子電圧Vcの変化率を計測して、端子電圧Vcが最大
になるようにDC/DCコンバータ2を制御することに
より、太陽電池1を最大発電電力で動作させることが可
能になる。
【0027】2次電池6の内部インピーダンスは電池履
歴や2次電池6の置かれた周囲温度によって大幅に変わ
り、2次電池6の端子電圧変化率と充電電流変化率の比
例係数は一定ではないが、変化率の符号のみを用いて充
電電力が最大になるように制御すればこの影響は排除さ
れる。
【0028】この結果、電流検出が不要になり、電流検
出のための直列抵抗や、カレントトランスを省略し、電
流検出のための電力損失を非常に小さく押さえ、省部品
化をはかることが可能で、より安価な充電装置を実現す
ることができる。
【0029】図1に示す実施例では、制御手段3は、電
圧変化率監視回路4と、最大電力制御回路5とを備え
る。電圧変化率監視回路4は、出力端子61、62の間
に現れる端子電圧Vcを監視し、その監視信号を最大電
力制御回路5に供給する。最大電力制御回路5は電圧変
化率監視回路4から供給された監視信号に基づいて、出
力端子61、62に現れる端子電圧Vcが最大になるよ
うに、DC/DCコンバータ2を制御する。
【0030】図6は蓄電素子6としてコンデンサを用い
た本発明に係る充電装置の基本構成を示すブロック図、
図7は図6において蓄電素子として用いられているコン
デンサの概略的等価回路図である。図6及び図7の実施
例において、蓄電素子6をコンデンサと称する。コンデ
ンサ6としては、電気2重層コンデンサが適している。
【0031】図7に示した等価回路図において、コンデ
ンサ6の内部インピーダンスは、キャパシタンスCと等
価直列抵抗rとの直列回路として表現される。等価直列
抵抗rの抵抗値は周波数に無関係であるが、キャパシタ
ンスCによるインピーダンスZcは、よく知られている
ように、Zc=1/(jωc)となり、周波数が高くな
るにつれて低くなる。従って、r≫Zcとなるような周
波数で動作させることにより、等価直列抵抗rによる純
抵抗性に近い特性示す。純抵抗性に近い特性を示す周波
数の範囲では、充電電流の変化率の波形と、充電端子電
圧の変化率の波形が相似となる。従って、蓄電素子とし
て、コンデンサ6を用いた場合も、2次電池の場合と同
様の制御が可能になる。制御手段3は、コンデンサ6
を、等価直列抵抗rによる抵抗回路としてみなし得る制
御周波数で、DC/DCコンバータ2を制御する。
【0032】図8は本発明に係る充電装置の更に具体的
な実施例を示している。DC/DCコンバータ2は、電
界効果トランジスタ等の3端子スイッチ素子21を用い
た降圧型チョッパ回路で構成されており、3端子スイッ
チ素子21の出力側に、ダイオード23、チョークコイ
ル22及びコンデンサ24等を備えている。このような
チョッパ回路は周知である。参照符号20はコンデンサ
である。
【0033】電圧変化率監視回路4は、微分回路410
とコンパレータ411を組み合わせて構成されている。
微分回路410は端子電圧Vcの変化率を算出する。コ
ンパレータ411は微分回路410から供給された変化
率検出信号S1を参照信号Sr1と比較し、その比較結
果として、高レベルの信号と、低レベルの信号とを出力
する。
【0034】最大電力制御回路5は、AND回路513
と、フリップフロップ(D−フリップフロップ)510
と、加算回路511と、積分回路512と、コンパレー
タ513と、三角波発振回路514と、論理和回路51
6とを備える。積分回路512は、2次電池6を、等価
的に抵抗及び起電力の回路としてみなし得る制御周波数
で、DC/DCコンバータ2を制御するための信号を作
成する。最大電力制御回路5は外部から与えられる充電
制御信号S0によって、動作が制御される。
【0035】図8の回路において、DC/DCコンバー
タ2を構成する3端子スイッチ素子21に供給される信
号S6の制御周波数は、微分回路410の遅れ及び積分
回路512のゲインを調節することによって調節され
る。
【0036】次に、図8に図示された充電装置の動作
を、図9及び図5を参照して具体的に説明する。
【0037】まず、初期状態では、充電制御信号S0は
動作停止を示す“H”レベル(論理値1とする)(図9
(a)参照)にあり、積分回路512は、リセットさ
れ、出力電圧が0Vになっている(図9(c)参照)。
フリップフロップ510もリセット状態にあり、出力端
子Qに現れる信号S4が“L”レベル(論理値0とす
る)なっている。この状態では論理和回路516の出力
信号S6は論理値1に保たれるので、DC/DCコンバ
ータ2の3端子スイッチ素子21はオフ状態を保ち、太
陽電池1の出力電流はゼロとなるので、太陽電池1の動
作点は、図5に図示された電圧ー電流及び電力特性曲線
上のα点となっている。
【0038】充電制御信号S0が、t0時に論理値0に
変わる(図9(a)参照)と、フリップフロップ510
と積分回路512のリセットが解除され、積分動作が開
始するとともに、論理和回路516の入力端子bに論理
値0が入力される。
【0039】また、コンパレータ515には、三角波発
振回路514から三角波が供給されているので、コンパ
レータ515で生成された信号が、論理和回路516を
介して、DC/DCコンバータ2の3端子スイッチ素子
21のゲートに供給され、3端子スイッチ素子21が動
作を開始する。図8において、参照符号S6はコンパレ
ータ515で生成された信号に基づいて、論理和回路5
16から3端子スイッチ素子21のゲートに供給される
信号である。
【0040】このとき、フリップフロップ510の出力
端Qの出力信号S4は論理値0の状態(図9(e)参
照)にあり、積分回路512の入力には、加算回路51
1を介して、バイアスによる負の電圧が入力されている
ので、積分回路512の出力は正に増加しはじめる(図
中の積分回路512は反転型である)。積分回路512
の出力信号S5(図9(c)参照)は、コンパレータ5
15において、三角波発振回路514から供給された三
角波と比較され、その比較出力信号が論理和回路516
の入力端子aにに供給される。
【0041】3端子スイッチ素子21は、論理和回路5
16から供給される信号S6によって駆動され、3端子
スイッチ素子21の一周期中のオンの期間が次第に増加
しはじめる。この結果、2次電池6に流れる充電電流I
cが増加(図9(d)参照)し、微分回路410から出
力される変化率検出信号S1(図9(f)参照)は正の
値となる。コンパレータ411の出力信号S2(図9
(g)参照)は論理値0となり、AND回路513の出
力信号S3(図9(h)参照)は論理値0の状態にな
る。太陽電池1側では、動作点が、図5のα点から最大
電力点βに向かって変化し、出力電力が増加する。
【0042】積分回路512の出力信号S5は増加を続
け、太陽電池1の動作点が図5の最大電力点βに達する
と、最大電力運転状態となるが、積分回路512には負
のバイアス電圧が入力され続けるため、積分回路512
の出力信号S5のレベルは上昇し続ける(図9(c)参
照)。この結果、太陽電池1の動作点は、図5の最大電
力点βから、さらに電力零点γに向かって進み、最大電
力動作点を行き過ぎた状態となり、このため充電電流I
cが減少しはじめる。
【0043】微分回路410の変化率検出信号S1は、
わずかの時間遅れを伴って、反転し、負となる(図9
(f)参照)。この結果、コンパレータ411の出力信
号S2が論理値0から論理値1の状態に遷移する(図9
(g)参照)。AND回路513の入力端子には、コン
パレータ411の出力信号S2と、その1次遅れの信号
が入力される。従って、AND回路513は、コンパレ
ータ411の出力パルスの立ち上がり、立ち下がりにお
けるパルス微分回路を構成しており、コンパレータ41
1の出力信号S2が反転した瞬間に、論理値1の出力信
号S3を生じ(図9(h)参照)、フリップフロップ5
10をトリガし、フリップフロップ510の出力信号S
4を反転させる(図9(f)参照)。
【0044】この結果、積分回路512には正の電圧が
入力されるようになるので、積分回路512の出力信号
S5は増加から減少に転じる。このため、図5におい
て、再び動作点が最大電力点βに向かって変化しはじ
め、2次電池6の充電電流は増加に転じる。このため、
微分回路410の変化率検出信号S1は再び正に反転
し、コンパレータ411の出力信号S2が論理値0にな
る。
【0045】そして、図5の最大電力点βを行き過ぎる
たびに、フリップフロップ510がトリガされて、フリ
ップフロップ510の出力信号S4が反転するという動
作が繰返される。微分回路410の微分ゲイン及び周波
数帯域、更に、積分回路512の積分ゲインを適当に設
計することにより、太陽電池1の動作点を、最大電力点
βの付近に保つことができ、常に最大に近い電力を発生
して、2次電池6を効率よく充電することができる。
【0046】図10は本発明の別の具体的な実施例であ
る。図において、図8と同じ構成部分には同一の参照符
号を付してある。図10の実施例において、最大電力制
御回路5は、微分回路520及びコンパレータ521を
用いて、太陽電池1の発電電圧Vsの変化率の符号を検
出する。電圧変化率監視回路4は、微分回路420及び
コンパレータ421を用いて電圧変化率の符号を検出す
る。EXOR(排他的論理和)回路523はコンパレー
タ521とコンパレータ421の出力の論理演算を行
う。加算回路522はEXOR回路523の出力パルス
に負のバイアス電圧を加算する。
【0047】積分回路524は加算回路522の出力信
号を積分する。DC/DCコンバータ2の3端子スイッ
チ素子21に供給される信号S6の制御周波数は、この
積分回路524のゲインを調節することによって、調節
される。
【0048】コンパレータ526は積分回路524の出
力と三角波発振回路525とを比較し、その比較信号に
よって、DC/DCコンバータ2の3端子スイッチ素子
21のスイッチングパルス幅を制御を行う。
【0049】一定照度下において太陽電池1の動作点を
連続的に変化させると、図11の太陽電池1の電圧−電
力曲線上を移動し、電圧の変化率の符号、電力の変化率
の符号を用いてその状態を、表1に示すように、4つに
分類できる。 動作状態M1〜M4は図11中の矢印M1〜M4と対応
している。太陽電池1の出力電力が最大になるように制
御するためには、電力の変化率が負(<0)になったと
きに動作点の移動方向が反転するように制御すればよ
い。このように太陽電池1の電圧変化率と、電力の変化
率の符号を監視することにより、次に動作点をどのよう
に移動させるべきかがわかる。
【0050】例えば、動作状態M2では、太陽電池1の
動作電圧を低下させることにより、出力電力も減少して
いるので、太陽電池1の動作電圧を増加させて電力も増
加する動作状態M1を実現するように制御し、同様に出
力電力が減少する動作状態M3では、動作状態M4が実
現するように制御すればよい。
【0051】図10の実施例では、太陽電池1の電圧変
化率の符号を、微分回路520とコンパレータ521を
用いて検出し、電圧変化率監視回路4では、微分回路4
20、コンパレータ421を用いて充電電圧変化率の符
号を検出する。コンパレータ521とコンパレータ42
1の出力をEXOR回路523に入力して論理演算を行
い、バイアス電圧を与えたのち、EXOR回路523の
出力パルスを積分回路524で積分して、DC/DCコ
ンバータ2の3端子スイッチ素子21のスイッチングパ
ルス幅を制御を行う。この制御系によれば、図11に示
すように、動作点が最大電力点βを通過すると、EXO
R回路523の出力が反転し、再度最大電力点に向かっ
て動作点が移動するように制御することにより、常に太
陽電池1の動作電圧を最大電力動作点βの付近になるよ
うに制御することができる。
【0052】図8及び図10に示した具体的回路は、蓄
電素子として、電気2重層コンデンサ等のコンデンサを
用いた場合にも、若干の変更を加えて適用できる。
【0053】
【発明の効果】上述のように本発明によると、電流セン
サを取り付ける必要がなく、低消費電力で、部品点数の
少ない安価な充電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄電素子として2次電池を用いた本発明に係る
充電装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1において蓄電素子として用いられている2
次電池の概略的等価回路図である。
【図3】2次電池を純抵抗性回路となるような条件で動
作させた場合の概略的等価回路である。
【図4】ニッケル−カドミウム電池を純抵抗性回路とな
るような条件で充電を実施した場合の電圧波形及び電流
波形を示す図である。
【図5】太陽電池の発電電力及び電流と発電電圧との関
係を示すグラフである。
【図6】蓄電素子としてコンデンサを用いた本発明に係
る充電装置の基本構成を示すブロック図である。
【図7】図6において蓄電素子として用いられているコ
ンデンサの概略的等価回路図である。
【図8】本発明に係る充電装置の更に具体的な実施例を
示す電気回路図である。
【図9】図8に図示された充電装置の動作を説明するタ
イムチャートである。
【図10】本発明に係る充電装置の更に別の実施例を示
す電気回路図である。
【図11】図10に示した充電装置の動作波形図であ
る。
【参照符号】
1 太陽電池 2 DC/DCコンバータ 3 制御手段 6 蓄電素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02M 3/155 H01L 31/04 K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流ー直流変換手段と、制御手段とを含
    み、太陽電池の発電電力を用いて蓄電素子を充電する充
    電装置であって、 前記直流ー直流変換手段は、前記太陽電池の接続される
    入力端子と、前記蓄電素子を接続する出力端子の間に接
    続され、前記太陽電池の発電電力を変換して得られた電
    力を前記蓄電素子に供給し 、 前記制御手段は、前記出力端子に現れる端子電圧信号が
    入力され、前記端子電圧信号の変化率を演算して、前記
    出力端子に現れる端子電圧が最大になるように、前記直
    流−直流変換手段を制御する充電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された充電装置であっ
    て、 前記蓄電素子は、2次電池であり、 前記制御手段は、前記2次電池を、等価的に抵抗及び起
    電力の回路としてみなし得る制御周波数で、前記直流ー
    直流変換手段を制御する充電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された充電装置であっ
    て、 前記蓄電素子は、コンデンサであり、 前記制御手段は、前記コンデンサを、等価的に抵抗回路
    とみなし得る制御周波数で、前記直流ー直流変換手段を
    制御する充電装置。
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