JPH1197500A - 半導体装置の評価方法,半導体装置の製造工程の管理方法及び記録媒体 - Google Patents
半導体装置の評価方法,半導体装置の製造工程の管理方法及び記録媒体Info
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- JPH1197500A JPH1197500A JP10145290A JP14529098A JPH1197500A JP H1197500 A JPH1197500 A JP H1197500A JP 10145290 A JP10145290 A JP 10145290A JP 14529098 A JP14529098 A JP 14529098A JP H1197500 A JPH1197500 A JP H1197500A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 半導体装置の製造工程中で短時間に全数検査
が可能な半導体装置の評価方法を提供する。 【解決手段】 酸化膜に時間の経過とともにランプ波形
状に変化する電界を印加し、各測定時点において酸化膜
に印加される電流密度を測定する。酸化膜の破壊が生じ
る時点までの電流密度を時間について積分し、破壊まで
の総電荷量Qbdを求める。総電荷量Qbdを各測定時点
における電流密度で除し、各測定時点における電流密度
が一定のままで酸化膜に印加されたと仮定したときの酸
化膜の寿命の推定値を算出する。共通の測定時点に対応
する電界強度と寿命の推定値とから、酸化膜の寿命の推
定値を電界強度の関数とする回帰直線を決定する。この
回帰直線に基づいて、電界加速係数を決定し、任意の電
界強度における酸化膜寿命を推定する。
が可能な半導体装置の評価方法を提供する。 【解決手段】 酸化膜に時間の経過とともにランプ波形
状に変化する電界を印加し、各測定時点において酸化膜
に印加される電流密度を測定する。酸化膜の破壊が生じ
る時点までの電流密度を時間について積分し、破壊まで
の総電荷量Qbdを求める。総電荷量Qbdを各測定時点
における電流密度で除し、各測定時点における電流密度
が一定のままで酸化膜に印加されたと仮定したときの酸
化膜の寿命の推定値を算出する。共通の測定時点に対応
する電界強度と寿命の推定値とから、酸化膜の寿命の推
定値を電界強度の関数とする回帰直線を決定する。この
回帰直線に基づいて、電界加速係数を決定し、任意の電
界強度における酸化膜寿命を推定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の絶縁
膜の信頼性等を評価する方法,この評価方法を利用した
半導体装置の製造工程における管理方法及び評価手順を
コンピュータに実行させるための記録媒体に関するもの
である。
膜の信頼性等を評価する方法,この評価方法を利用した
半導体装置の製造工程における管理方法及び評価手順を
コンピュータに実行させるための記録媒体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路装置の高密度化、
高集積化、微細化の進行に伴い、それを構成するMOS
トランジスタまたはMOSキャパシタで用いられる絶縁
膜、特にSiO2 膜(以下酸化膜と称する)は薄膜化さ
れる傾向にある。この一方で、半導体集積回路装置の電
源電圧はそれほど低電圧化されていないことから、酸化
膜に印加される電界強度は薄膜化に伴って増大してきて
いる。この状況の下で、酸化膜の経時絶縁破壊(TDD
B:Time Dependent Dielectric Breakdown)が信頼性を
左右するものとして重大な問題となってきている。これ
は、酸化膜に電界が印加された場合、たとえばMOSト
ランジスタではゲート電極とチャネル領域間、MOSキ
ャパシタでは2つの電極間に電圧が印加された場合、電
界の印加開始からある時間が経過した時点で酸化膜が破
壊し、酸化膜の電気的な絶縁性が失われて、酸化膜を挟
むゲート−チャネル間あるいは上下電極間に電気的な短
絡が生じる現象である(この時間を以下酸化膜寿命と称
する)。
高集積化、微細化の進行に伴い、それを構成するMOS
トランジスタまたはMOSキャパシタで用いられる絶縁
膜、特にSiO2 膜(以下酸化膜と称する)は薄膜化さ
れる傾向にある。この一方で、半導体集積回路装置の電
源電圧はそれほど低電圧化されていないことから、酸化
膜に印加される電界強度は薄膜化に伴って増大してきて
いる。この状況の下で、酸化膜の経時絶縁破壊(TDD
B:Time Dependent Dielectric Breakdown)が信頼性を
左右するものとして重大な問題となってきている。これ
は、酸化膜に電界が印加された場合、たとえばMOSト
ランジスタではゲート電極とチャネル領域間、MOSキ
ャパシタでは2つの電極間に電圧が印加された場合、電
界の印加開始からある時間が経過した時点で酸化膜が破
壊し、酸化膜の電気的な絶縁性が失われて、酸化膜を挟
むゲート−チャネル間あるいは上下電極間に電気的な短
絡が生じる現象である(この時間を以下酸化膜寿命と称
する)。
【0003】ここで、TDDBには欠陥の無い酸化膜に
おいて電圧を印加してから一定時間経過したときに発生
する故障であって発生確率分布関数がピークを有する真
性故障と、欠陥を含む酸化膜において真性故障より短時
間に発生する偶発故障とがある。そして、製品における
酸化膜の偶発故障をスクリーニングするためにバーンイ
ンが行われている。このバーンイン条件は、酸化膜のT
DDB試験により得られた酸化膜の真性故障時間(寿
命)の電界強度依存性からストレスの電界加速係数を求
め、このストレスの電界加速係数を使用して、酸化膜の
真性故障が起こらない範囲で、酸化膜の偶発故障をスク
リーニングできる条件として決定される。このとき、偶
発故障に対するストレスの電界加速係数として真性故障
に対して測定された電界加速係数の値を使用する。
おいて電圧を印加してから一定時間経過したときに発生
する故障であって発生確率分布関数がピークを有する真
性故障と、欠陥を含む酸化膜において真性故障より短時
間に発生する偶発故障とがある。そして、製品における
酸化膜の偶発故障をスクリーニングするためにバーンイ
ンが行われている。このバーンイン条件は、酸化膜のT
DDB試験により得られた酸化膜の真性故障時間(寿
命)の電界強度依存性からストレスの電界加速係数を求
め、このストレスの電界加速係数を使用して、酸化膜の
真性故障が起こらない範囲で、酸化膜の偶発故障をスク
リーニングできる条件として決定される。このとき、偶
発故障に対するストレスの電界加速係数として真性故障
に対して測定された電界加速係数の値を使用する。
【0004】このように、電界加速係数抽出及び酸化膜
寿命推定のための経時絶縁膜破壊試験(TDDB試験)
が半導体集積回路装置の設計・開発上必須の項目となっ
ており、その重要性は更に増大する傾向にある。
寿命推定のための経時絶縁膜破壊試験(TDDB試験)
が半導体集積回路装置の設計・開発上必須の項目となっ
ており、その重要性は更に増大する傾向にある。
【0005】この経時絶縁破壊試験(TDDB試験)に
は、下記表に示すような一定の電圧を絶縁膜が破壊する
まで印加する定電圧試験と、一定の電流を絶縁膜が破壊
するまで印加する定電流試験と、時間の経過とともに一
定の増加率で増大する電圧を絶縁膜に印加するランプ電
圧試験と、時間の経過とともに一定の増加率で増大する
電流を絶縁膜に印加するランプ電流試験とがある。
は、下記表に示すような一定の電圧を絶縁膜が破壊する
まで印加する定電圧試験と、一定の電流を絶縁膜が破壊
するまで印加する定電流試験と、時間の経過とともに一
定の増加率で増大する電圧を絶縁膜に印加するランプ電
圧試験と、時間の経過とともに一定の増加率で増大する
電流を絶縁膜に印加するランプ電流試験とがある。
【0006】
【表1】
【0007】上記各試験のうち定電圧試験は、実使用時
寿命τを推定する目的で行なわれるものであり、この試
験により絶縁膜の寿命の絶対的な評価を行なうことがで
きる。定電流試験は、絶縁膜の膜質の評価の指標となる
破壊電荷量Qbdを求める目的で行なわれるものであ
り、この試験により絶縁膜の膜質の相対的な評価を行う
ことができる。ランプ電圧試験は、絶縁膜の欠陥の密度
の評価の指標となる耐圧値Ebdを求める目的で行なわ
れるものであり、この試験により偶発的な故障の発生確
率の相対的な評価を行なうことができる。ランプ電流試
験は、定電流試験と同様に、破壊電荷量Qbdを求める
目的で行なわれるものであり、この試験により絶縁膜の
膜質の相対的な評価を行うことができる。なお、現実に
行なわれているランプ電圧試験,ランプ電流試験におけ
る電圧,電流の波形は微細に見ると階段状に変化するも
のが大多数を占めており、時間の経過に対して完全に連
続的に増加するものは少ない。
寿命τを推定する目的で行なわれるものであり、この試
験により絶縁膜の寿命の絶対的な評価を行なうことがで
きる。定電流試験は、絶縁膜の膜質の評価の指標となる
破壊電荷量Qbdを求める目的で行なわれるものであ
り、この試験により絶縁膜の膜質の相対的な評価を行う
ことができる。ランプ電圧試験は、絶縁膜の欠陥の密度
の評価の指標となる耐圧値Ebdを求める目的で行なわ
れるものであり、この試験により偶発的な故障の発生確
率の相対的な評価を行なうことができる。ランプ電流試
験は、定電流試験と同様に、破壊電荷量Qbdを求める
目的で行なわれるものであり、この試験により絶縁膜の
膜質の相対的な評価を行うことができる。なお、現実に
行なわれているランプ電圧試験,ランプ電流試験におけ
る電圧,電流の波形は微細に見ると階段状に変化するも
のが大多数を占めており、時間の経過に対して完全に連
続的に増加するものは少ない。
【0008】以下、従来の電界加速係数抽出及び酸化膜
寿命の推定方法のうち定電圧試験について、図9〜図1
1を参照しながら説明する。ただし、図9は従来の定電
圧TDDB試験から酸化膜寿命を推定する手順を示すフ
ローチャートであり、図10は従来の定電圧TDDB試
験中で得られる各ストレス電界強度における酸化膜寿命
の測定結果を示す図であり、図11は従来の定電圧TD
DB試験における最終的に酸化膜寿命を決定する方法を
説明するための図である。
寿命の推定方法のうち定電圧試験について、図9〜図1
1を参照しながら説明する。ただし、図9は従来の定電
圧TDDB試験から酸化膜寿命を推定する手順を示すフ
ローチャートであり、図10は従来の定電圧TDDB試
験中で得られる各ストレス電界強度における酸化膜寿命
の測定結果を示す図であり、図11は従来の定電圧TD
DB試験における最終的に酸化膜寿命を決定する方法を
説明するための図である。
【0009】図9に示すように、まず、ステップST5
1で、酸化膜を挟む2つの導電層を介して酸化膜に一定
電圧を印加し、ステップST52で、酸化膜破壊が生じ
る時間(酸化膜寿命)を測定する。次に、ステップST
53で、各電界強度における酸化膜寿命を電界強度の関
数として近似する。そして、ステップST54で、この
関数から電界加速係数を抽出し、任意の電界強度におけ
る酸化膜寿命を推定する。このような手順に従いストレ
ス酸化膜寿命の推定が行われていた。
1で、酸化膜を挟む2つの導電層を介して酸化膜に一定
電圧を印加し、ステップST52で、酸化膜破壊が生じ
る時間(酸化膜寿命)を測定する。次に、ステップST
53で、各電界強度における酸化膜寿命を電界強度の関
数として近似する。そして、ステップST54で、この
関数から電界加速係数を抽出し、任意の電界強度におけ
る酸化膜寿命を推定する。このような手順に従いストレ
ス酸化膜寿命の推定が行われていた。
【0010】図10は、上記ステップST51,ST5
2の手順を詳細に説明する図である。同図において、横
軸は酸化膜に電界を印加するストレス時間、右の縦軸は
酸化膜経時絶縁破壊による累積故障率P、左の縦軸は累
積故障率Pから計算されたln{−ln(1−P)}を
示している。また、黒三角,白丸,白四角,白三角で示
される点は、各々異なるストレス電界強度Ea ,Eb ,
Ec ,Ed の下で個々の酸化膜破壊が生じた時点での累
積故障率を示す。そして、各点を結ぶ直線ap,bp ,
cp ,dp は、各ストレス電界強度Ea ,Eb ,Ec ,
Ed の下での累積故障率の時間依存性を示す。さらに各
直線と一点鎖線との交点におけるストレス時間Ta ,T
b ,Tc ,Td は、酸化膜経時絶縁破壊による50%累
積故障時間の実測値である。図10に示すように、横軸
を時間の対数、縦軸をln(−ln(1−P))とする
グラフの上に累積故障率Pをプロットすることは、一般
にワイブルプロットと呼ばれている。一般に、故障確率
がワイブル分布に従う場合に、ワイブルプロットの結果
は直線となる。このように、ストレス時間に対する酸化
膜の経時絶縁破壊の累積故障率をグラフ上に表したい場
合には、ワイブルプロット法が広く用いられている。
2の手順を詳細に説明する図である。同図において、横
軸は酸化膜に電界を印加するストレス時間、右の縦軸は
酸化膜経時絶縁破壊による累積故障率P、左の縦軸は累
積故障率Pから計算されたln{−ln(1−P)}を
示している。また、黒三角,白丸,白四角,白三角で示
される点は、各々異なるストレス電界強度Ea ,Eb ,
Ec ,Ed の下で個々の酸化膜破壊が生じた時点での累
積故障率を示す。そして、各点を結ぶ直線ap,bp ,
cp ,dp は、各ストレス電界強度Ea ,Eb ,Ec ,
Ed の下での累積故障率の時間依存性を示す。さらに各
直線と一点鎖線との交点におけるストレス時間Ta ,T
b ,Tc ,Td は、酸化膜経時絶縁破壊による50%累
積故障時間の実測値である。図10に示すように、横軸
を時間の対数、縦軸をln(−ln(1−P))とする
グラフの上に累積故障率Pをプロットすることは、一般
にワイブルプロットと呼ばれている。一般に、故障確率
がワイブル分布に従う場合に、ワイブルプロットの結果
は直線となる。このように、ストレス時間に対する酸化
膜の経時絶縁破壊の累積故障率をグラフ上に表したい場
合には、ワイブルプロット法が広く用いられている。
【0011】次に、図11は、上記ステップST53,
54の手順を詳細に説明する図である。同図において、
横軸は酸化膜に印加される電界強度E、縦軸は酸化膜寿
命Tを示している。同図において、Ta ,Tb ,Tc ,
Td は50%累積故障時間の実測値、EA ,EB ,EC
,ED はストレス電界強度、直線T(E)は酸化膜寿
命の推定直線、Emax は実使用時の酸化膜印加電界強度
の最大値、τESは実使用時の酸化膜寿命の推定値であ
る。
54の手順を詳細に説明する図である。同図において、
横軸は酸化膜に印加される電界強度E、縦軸は酸化膜寿
命Tを示している。同図において、Ta ,Tb ,Tc ,
Td は50%累積故障時間の実測値、EA ,EB ,EC
,ED はストレス電界強度、直線T(E)は酸化膜寿
命の推定直線、Emax は実使用時の酸化膜印加電界強度
の最大値、τESは実使用時の酸化膜寿命の推定値であ
る。
【0012】次に、上記手順を実行するための具体的な
処理について説明する。酸化膜寿命を推定するため同一
の形状、寸法、製造プロセスにより形成された同等の酸
化膜をキャパシタ絶縁膜とするMOSキャパシタを多数
準備する。これが複数の組に分けられる。各組に対して
は、それぞれ、図11に示した実使用時の酸化膜印加電
界強度の最大値Emax よりも高い一定のストレス電界強
度EA ,EB ,EC ,ED を印加する。このストレス印
加により、各組の酸化膜は経時絶縁破壊を生じ、時間の
経過に伴って故障を生じた酸化膜の個数が増大する。
処理について説明する。酸化膜寿命を推定するため同一
の形状、寸法、製造プロセスにより形成された同等の酸
化膜をキャパシタ絶縁膜とするMOSキャパシタを多数
準備する。これが複数の組に分けられる。各組に対して
は、それぞれ、図11に示した実使用時の酸化膜印加電
界強度の最大値Emax よりも高い一定のストレス電界強
度EA ,EB ,EC ,ED を印加する。このストレス印
加により、各組の酸化膜は経時絶縁破壊を生じ、時間の
経過に伴って故障を生じた酸化膜の個数が増大する。
【0013】この各ストレス電界強度の下で、個々の酸
化膜破壊が生じた時間(ストレス時間)とそのときの累
積故障率を、図10に示すように、ワイブルプロットす
る。経験的に酸化膜経時絶縁破壊の故障確率はワイブル
分布に従い、このため累積故障率の時間依存性のワイブ
ルプロットは通常直線となる。このデータから各ストレ
ス電界強度の下で個々の酸化膜破壊が生じた時点での累
積故障率に対する回帰直線ap ,bp ,cp ,dp を求
めることにより、各ストレス電界強度EA ,EB ,EC
,ED に対して累積故障率が50%に達する時間、す
なわち50%累積故障時間の実測値Ta ,Tb ,Tc ,
Td を求める。
化膜破壊が生じた時間(ストレス時間)とそのときの累
積故障率を、図10に示すように、ワイブルプロットす
る。経験的に酸化膜経時絶縁破壊の故障確率はワイブル
分布に従い、このため累積故障率の時間依存性のワイブ
ルプロットは通常直線となる。このデータから各ストレ
ス電界強度の下で個々の酸化膜破壊が生じた時点での累
積故障率に対する回帰直線ap ,bp ,cp ,dp を求
めることにより、各ストレス電界強度EA ,EB ,EC
,ED に対して累積故障率が50%に達する時間、す
なわち50%累積故障時間の実測値Ta ,Tb ,Tc ,
Td を求める。
【0014】この50%累積故障時間を酸化膜寿命とみ
なして、片対数グラフである図11上に、50%累積故
障時間の実測値Ta ,Tb ,Tc ,Td を縦軸に、酸化
膜に印加される電界強度EA ,EB ,EC ,ED を横軸
にプロットする。経験的には、50%累積故障時間の実
測値Ta ,Tb ,Tc ,Td をプロットすると、直線上
に並ぶ。そこで、これにもとづいて50%累積故障時間
の実測値Ta ,Tb ,Tc ,Td 、すなわち酸化膜寿命
Tを電界強度Eの関数、例えば回帰直線T(E)として
近似しこの回帰直線T(E)の傾きをストレスの電界加
速係数β(decades/MV/cm)として抽出す
る。この回帰直線T(E)を利用すると、任意の電界強
度における酸化膜寿命の推定値を求めることができる。
そこで、実使用時の酸化膜印加電界強度の最大値Emax
における実使用時の酸化膜寿命の推定値τESを求めるの
である。
なして、片対数グラフである図11上に、50%累積故
障時間の実測値Ta ,Tb ,Tc ,Td を縦軸に、酸化
膜に印加される電界強度EA ,EB ,EC ,ED を横軸
にプロットする。経験的には、50%累積故障時間の実
測値Ta ,Tb ,Tc ,Td をプロットすると、直線上
に並ぶ。そこで、これにもとづいて50%累積故障時間
の実測値Ta ,Tb ,Tc ,Td 、すなわち酸化膜寿命
Tを電界強度Eの関数、例えば回帰直線T(E)として
近似しこの回帰直線T(E)の傾きをストレスの電界加
速係数β(decades/MV/cm)として抽出す
る。この回帰直線T(E)を利用すると、任意の電界強
度における酸化膜寿命の推定値を求めることができる。
そこで、実使用時の酸化膜印加電界強度の最大値Emax
における実使用時の酸化膜寿命の推定値τESを求めるの
である。
【0015】そして、製造工程で拡散工程を終了したウ
エハ上のMOSキャパシタを用いて酸化膜の信頼性を短
時間に評価するには、評価対象となる酸化膜をキャパシ
タ絶縁膜とする多数のMOSキャパシタをウエハ状態の
ままで試験する。この場合、オートプローバを用いてウ
エハ上のMOSキャパシタに対して、測定点を移動しな
がら順次プロービングして測定する。
エハ上のMOSキャパシタを用いて酸化膜の信頼性を短
時間に評価するには、評価対象となる酸化膜をキャパシ
タ絶縁膜とする多数のMOSキャパシタをウエハ状態の
ままで試験する。この場合、オートプローバを用いてウ
エハ上のMOSキャパシタに対して、測定点を移動しな
がら順次プロービングして測定する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の酸化膜寿命の推定方法のうち定電圧試験には、以下
のような問題があった。
来の酸化膜寿命の推定方法のうち定電圧試験には、以下
のような問題があった。
【0017】一般に、半導体デバイスの製造プロセスの
開発の際には、プロセス条件が頻繁に変更される。この
プロセス条件の変更により電界加速係数及び酸化膜寿命
が変化する可能性があることから、電界加速係数の抽出
及び酸化膜寿命の推定を頻繁に行う必要がある。
開発の際には、プロセス条件が頻繁に変更される。この
プロセス条件の変更により電界加速係数及び酸化膜寿命
が変化する可能性があることから、電界加速係数の抽出
及び酸化膜寿命の推定を頻繁に行う必要がある。
【0018】また、工場で製品を量産する際にも、装置
のトラブル等によるプロセス条件の変動により拡散工程
を終了したウエハ毎に酸化膜寿命が変動し、時にはいち
じるしく酸化膜寿命が短くなって信頼性を保証するため
の基準を満たさなくなる可能性がある。このような異常
が発生した場合に、市場に信頼性の低い製品が出荷され
るのを防ぐため、早急に寿命の推定を行って酸化膜寿命
の推定値を正確に求めることが必要になる。
のトラブル等によるプロセス条件の変動により拡散工程
を終了したウエハ毎に酸化膜寿命が変動し、時にはいち
じるしく酸化膜寿命が短くなって信頼性を保証するため
の基準を満たさなくなる可能性がある。このような異常
が発生した場合に、市場に信頼性の低い製品が出荷され
るのを防ぐため、早急に寿命の推定を行って酸化膜寿命
の推定値を正確に求めることが必要になる。
【0019】すなわち、拡散工程を終了した全ウエハに
対して、ウエハ毎に電界加速係数及び酸化膜の寿命の推
定値を短時間で求めることが必要となる。
対して、ウエハ毎に電界加速係数及び酸化膜の寿命の推
定値を短時間で求めることが必要となる。
【0020】上述した従来の酸化膜寿命の推定方法の中
で、ウエハ状態のままで寿命推定のための試験をする場
合においては、オートプローバを用いてウエハ上のMO
Sキャパシタに順次プロービングして測定する。このた
め、同時に試験が可能なMOSキャパシタは、プローブ
カードのプローブ針で同時に電気的接続を取ることので
きる1個あるいは数個に限られる。したがって、多数の
MOSキャパシタに複数のストレス電界強度を印加して
累積故障率を測定しようとすると、長時間を要する。特
に、低ストレス電界強度の測定においてこの傾向がいち
じるしく、全ウエハの電界加速係数の抽出及び酸化膜寿
命の推定をする際の大きな障害となっている。
で、ウエハ状態のままで寿命推定のための試験をする場
合においては、オートプローバを用いてウエハ上のMO
Sキャパシタに順次プロービングして測定する。このた
め、同時に試験が可能なMOSキャパシタは、プローブ
カードのプローブ針で同時に電気的接続を取ることので
きる1個あるいは数個に限られる。したがって、多数の
MOSキャパシタに複数のストレス電界強度を印加して
累積故障率を測定しようとすると、長時間を要する。特
に、低ストレス電界強度の測定においてこの傾向がいち
じるしく、全ウエハの電界加速係数の抽出及び酸化膜寿
命の推定をする際の大きな障害となっている。
【0021】そこで、酸化膜の寿命推定のための測定時
間を短くするためには、測定に用いるMOSキャパシタ
の数を少なくしたり、あるいは試験時のストレス電界強
度を高くする方法がある。
間を短くするためには、測定に用いるMOSキャパシタ
の数を少なくしたり、あるいは試験時のストレス電界強
度を高くする方法がある。
【0022】しかし、相異なる何種類かのストレス電界
強度に対して累積故障率を求める必要があるので、測定
に用いるMOSキャパシタの数を少なくすると、1つの
ストレス電界強度条件に割り当てられるMOSキャパシ
タの数は一層少なくなる。しかも、同一ウエハ上のMO
Sキャパシタは同等であると仮定されているにもかかわ
らず、実際には特性にばらつきを持っているので、各ス
トレス電界強度における累積故障率は異なるMOSキャ
パシタから求められる。このため、各ストレス電界強度
に割り当てられるMOSキャパシタの数が少なくなるほ
ど、各MOSキャパシタの特性のばらつきが各ストレス
電界強度における累積故障率の分布の変位となって現わ
れる。この結果、各MOSキャパシタの特性のばらつき
が各ストレス電界強度における酸化膜寿命の変位として
現われ、これが最終的に電界加速係数及び酸化膜寿命の
推定値の誤差を大きくする。したがって、測定に用いる
MOSキャパシタの数を少なくして測定時間を短くし、
全ウエハの電界加速係数及び酸化膜寿命を推定すること
は、信頼性を保証する観点から不適切である。
強度に対して累積故障率を求める必要があるので、測定
に用いるMOSキャパシタの数を少なくすると、1つの
ストレス電界強度条件に割り当てられるMOSキャパシ
タの数は一層少なくなる。しかも、同一ウエハ上のMO
Sキャパシタは同等であると仮定されているにもかかわ
らず、実際には特性にばらつきを持っているので、各ス
トレス電界強度における累積故障率は異なるMOSキャ
パシタから求められる。このため、各ストレス電界強度
に割り当てられるMOSキャパシタの数が少なくなるほ
ど、各MOSキャパシタの特性のばらつきが各ストレス
電界強度における累積故障率の分布の変位となって現わ
れる。この結果、各MOSキャパシタの特性のばらつき
が各ストレス電界強度における酸化膜寿命の変位として
現われ、これが最終的に電界加速係数及び酸化膜寿命の
推定値の誤差を大きくする。したがって、測定に用いる
MOSキャパシタの数を少なくして測定時間を短くし、
全ウエハの電界加速係数及び酸化膜寿命を推定すること
は、信頼性を保証する観点から不適切である。
【0023】一方、ストレス時の電界強度を高くした場
合には、測定器の時間精度が不十分となるという問題
や、高電界の印加により試験時に多量の発熱が生じ、酸
化膜の温度が予測不可能な上昇を生じて、経時的に絶縁
破壊するまでの時間が本来の温度および電界強度におけ
る値よりも短くなるという問題により電界加速係数抽出
及び寿命推定に大きな誤差が生じる。このため、ストレ
ス時の電界強度を高くして測定時間を短くし、ウエハの
電界加速係数を抽出し酸化膜寿命を推定することもまた
不適切である。
合には、測定器の時間精度が不十分となるという問題
や、高電界の印加により試験時に多量の発熱が生じ、酸
化膜の温度が予測不可能な上昇を生じて、経時的に絶縁
破壊するまでの時間が本来の温度および電界強度におけ
る値よりも短くなるという問題により電界加速係数抽出
及び寿命推定に大きな誤差が生じる。このため、ストレ
ス時の電界強度を高くして測定時間を短くし、ウエハの
電界加速係数を抽出し酸化膜寿命を推定することもまた
不適切である。
【0024】そこで、定電圧試験ではなく他のTDDB
試験について検討してみると、定電流試験は、定電圧試
験よりは試験時間を短くできるものの、なお試験時間が
長い上に相対的な膜質の評価しかできないという欠点が
ある。ランプ電圧試験は、試験時間が短いものの得られ
る情報が欠陥による偶発的な故障の発生確率を推定する
ものであり、正常な絶縁膜の寿命を評価するという目的
には適合していない。また、ランプ電流試験は、試験時
間は短いものの、定電流試験と同様の欠点を有する。
試験について検討してみると、定電流試験は、定電圧試
験よりは試験時間を短くできるものの、なお試験時間が
長い上に相対的な膜質の評価しかできないという欠点が
ある。ランプ電圧試験は、試験時間が短いものの得られ
る情報が欠陥による偶発的な故障の発生確率を推定する
ものであり、正常な絶縁膜の寿命を評価するという目的
には適合していない。また、ランプ電流試験は、試験時
間は短いものの、定電流試験と同様の欠点を有する。
【0025】結局、上記従来の各試験法のいずれを採用
しても、実用上十分短い測定時間と実用上十分高い精度
を有する電界加速係数及び酸化膜寿命の推定値を実現す
ることができず、特に、全ウエハの電界加速係数を抽出
及び酸化膜寿命を推定することは不可能である。
しても、実用上十分短い測定時間と実用上十分高い精度
を有する電界加速係数及び酸化膜寿命の推定値を実現す
ることができず、特に、全ウエハの電界加速係数を抽出
及び酸化膜寿命を推定することは不可能である。
【0026】本発明の目的は、実用上十分短い測定時間
と十分高い推定精度とを有し、かつ従来の方法による推
定値と互換性のある電界加速係数の抽出又は絶縁膜寿命
の推定を行いうる手段を講ずることにより、製造工程中
の全ウエハに対して電界加速係数及び酸化膜寿命の推定
値を短期間で測定することを可能とするとともに、製造
プロセス開発の際のプロセス条件の変更による電界加速
係数及び酸化膜寿命の変化、あるいは工場で製品を量産
する際に、装置のトラブル等によるプロセス条件の変動
による電界加速係数及び酸化膜寿命の変動を短期間で見
落とすことなくモニタリングしうる半導体装置の評価方
法を提供することにある。
と十分高い推定精度とを有し、かつ従来の方法による推
定値と互換性のある電界加速係数の抽出又は絶縁膜寿命
の推定を行いうる手段を講ずることにより、製造工程中
の全ウエハに対して電界加速係数及び酸化膜寿命の推定
値を短期間で測定することを可能とするとともに、製造
プロセス開発の際のプロセス条件の変更による電界加速
係数及び酸化膜寿命の変化、あるいは工場で製品を量産
する際に、装置のトラブル等によるプロセス条件の変動
による電界加速係数及び酸化膜寿命の変動を短期間で見
落とすことなくモニタリングしうる半導体装置の評価方
法を提供することにある。
【0027】また、本発明は、この評価方法を利用した
半導体装置の製造工程の管理方法と、この評価を行なう
手順をコンピュータに実行させるための記録媒体とを提
供することをも目的とする。
半導体装置の製造工程の管理方法と、この評価を行なう
手順をコンピュータに実行させるための記録媒体とを提
供することをも目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、第1及び第2の半導体装置の評価方法
に関する手段と、第1及び第2の半導体装置の製造工程
の管理方法に関する手段と、第1及び第2の記録媒体に
関する手段とを講じている。
に、本発明では、第1及び第2の半導体装置の評価方法
に関する手段と、第1及び第2の半導体装置の製造工程
の管理方法に関する手段と、第1及び第2の記録媒体に
関する手段とを講じている。
【0029】本発明の第1の半導体装置の試験方法は、
半導体装置内に設けられた絶縁膜に、強度が時間の経過
とともに変化する電界を印加する第1のステップと、上
記電界が印加されている間の複数の時点において上記絶
縁膜に印加される電流密度を測定する第2のステップ
と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度
を時間について積分して破壊までの電荷量を算出する第
3のステップと、上記第3のステップで算出された上記
絶縁膜の破壊までの電荷量を上記第2のステップで測定
された各時点の電流密度で除し、各時点ごとにそのとき
の電流密度が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜
の寿命の推定値を求める第4のステップと、上記絶縁膜
の寿命の推定値を電界強度の関数として近似する第5の
ステップと、上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と
任意の電界強度における絶縁膜寿命の推定とのうち少な
くともいずれか一方を行う第6のステップとを備えてい
る。
半導体装置内に設けられた絶縁膜に、強度が時間の経過
とともに変化する電界を印加する第1のステップと、上
記電界が印加されている間の複数の時点において上記絶
縁膜に印加される電流密度を測定する第2のステップ
と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度
を時間について積分して破壊までの電荷量を算出する第
3のステップと、上記第3のステップで算出された上記
絶縁膜の破壊までの電荷量を上記第2のステップで測定
された各時点の電流密度で除し、各時点ごとにそのとき
の電流密度が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜
の寿命の推定値を求める第4のステップと、上記絶縁膜
の寿命の推定値を電界強度の関数として近似する第5の
ステップと、上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と
任意の電界強度における絶縁膜寿命の推定とのうち少な
くともいずれか一方を行う第6のステップとを備えてい
る。
【0030】この方法により、印加電圧の経時変化に応
じて絶縁膜に印加される電流密度も経時変化する。そし
て、絶縁膜寿命の推定値は、絶縁膜の破壊までの総電荷
量が電界強度あるいは電流密度に依存しない一定値とな
るという経験的事実にもとづいて、電流密度の経時変化
特性線上のある部位における電流密度が一定で絶縁膜に
印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命推定値が求め
られる。さらに、この寿命推定値に基づいて電界−寿命
推定値関数が決定される。つまり、従来の寿命推定方法
のごとく、MOSキャパシタの複数箇所に複数種類の一
定電圧を印加するのではなく、1つの箇所に経時変化す
る電圧を印加することで、複数箇所に複数種類の一定電
流を印加して試験を行うのと同じ効果を発揮することが
でき、測定時間を実用上十分短い範囲内に収めながら、
測定精度が確保できる。
じて絶縁膜に印加される電流密度も経時変化する。そし
て、絶縁膜寿命の推定値は、絶縁膜の破壊までの総電荷
量が電界強度あるいは電流密度に依存しない一定値とな
るという経験的事実にもとづいて、電流密度の経時変化
特性線上のある部位における電流密度が一定で絶縁膜に
印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命推定値が求め
られる。さらに、この寿命推定値に基づいて電界−寿命
推定値関数が決定される。つまり、従来の寿命推定方法
のごとく、MOSキャパシタの複数箇所に複数種類の一
定電圧を印加するのではなく、1つの箇所に経時変化す
る電圧を印加することで、複数箇所に複数種類の一定電
流を印加して試験を行うのと同じ効果を発揮することが
でき、測定時間を実用上十分短い範囲内に収めながら、
測定精度が確保できる。
【0031】上記第1の半導体装置の評価方法におい
て、上記第6のステップでは、少なくとも電界加速係数
を抽出し、この抽出された電界加速係数を用いて上記絶
縁膜が使用される製品のバーンイン条件を決定すること
ができる。
て、上記第6のステップでは、少なくとも電界加速係数
を抽出し、この抽出された電界加速係数を用いて上記絶
縁膜が使用される製品のバーンイン条件を決定すること
ができる。
【0032】上述のように、第1の半導体装置の評価方
法は、電界強度における絶縁膜寿命の推定値は、絶縁膜
の破壊までの総電荷量が電界強度あるいは電流密度に依
存しない一定値となるという広く認められた経験的事実
にもとづいて求められている。このため、得られる各電
界強度における電界加速係数及び絶縁膜寿命の推定値
は、従来の方法による電界加速係数及び実使用時の絶縁
膜寿命の推定値と高い互換性を有する。したがって、こ
の方法により、第6のステップで求められる電界加速係
数が従来の方法による電界加速係数と高い互換性を有す
ることを利用して、上述の電界加速係数を用いてバーン
イン条件を短期間で適切に決定することが可能になる。
法は、電界強度における絶縁膜寿命の推定値は、絶縁膜
の破壊までの総電荷量が電界強度あるいは電流密度に依
存しない一定値となるという広く認められた経験的事実
にもとづいて求められている。このため、得られる各電
界強度における電界加速係数及び絶縁膜寿命の推定値
は、従来の方法による電界加速係数及び実使用時の絶縁
膜寿命の推定値と高い互換性を有する。したがって、こ
の方法により、第6のステップで求められる電界加速係
数が従来の方法による電界加速係数と高い互換性を有す
ることを利用して、上述の電界加速係数を用いてバーン
イン条件を短期間で適切に決定することが可能になる。
【0033】上記第1の半導体装置の評価方法におい
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における強
度が増加するように変化する電界を使用することが好ま
しい。
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における強
度が増加するように変化する電界を使用することが好ま
しい。
【0034】この方法により、絶縁膜の破壊までに絶縁
膜に印加される総電荷量がばらついて極端に小さくなっ
ている場合でも、ストレスの印加初期における電流密度
を十分に小さくすることができるので、絶縁膜が破壊す
るまでの時間を測定精度が確保できる程度に長くするこ
とができる。反対に、総電荷量がばらつきにより極端に
大きくなっている場合でも、破壊直前の電流密度を十分
大きくすることができるので、測定時間が長くなること
はない。したがって、製造工程中で実施するのに十分短
い測定時間で絶縁膜寿命の推定値を求めることが可能と
なる。
膜に印加される総電荷量がばらついて極端に小さくなっ
ている場合でも、ストレスの印加初期における電流密度
を十分に小さくすることができるので、絶縁膜が破壊す
るまでの時間を測定精度が確保できる程度に長くするこ
とができる。反対に、総電荷量がばらつきにより極端に
大きくなっている場合でも、破壊直前の電流密度を十分
大きくすることができるので、測定時間が長くなること
はない。したがって、製造工程中で実施するのに十分短
い測定時間で絶縁膜寿命の推定値を求めることが可能と
なる。
【0035】また、強度が時間とともに増大する電界を
使用することにより、共通のMOSキャパシタに対する
電流,電圧等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値
を求めることができる。したがって、従来の絶縁膜寿命
の推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから寿命
推定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は絶縁
膜の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すなわ
ち、推定精度は測定時間を短縮しても低下することな
く、従来の絶縁膜寿命の推定方法と同程度かそれ以上の
精度を保つことができる。
使用することにより、共通のMOSキャパシタに対する
電流,電圧等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値
を求めることができる。したがって、従来の絶縁膜寿命
の推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから寿命
推定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は絶縁
膜の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すなわ
ち、推定精度は測定時間を短縮しても低下することな
く、従来の絶縁膜寿命の推定方法と同程度かそれ以上の
精度を保つことができる。
【0036】上記第1の半導体装置の評価方法におい
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における強
度の増加率が一定な電界を使用することができる。
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における強
度の増加率が一定な電界を使用することができる。
【0037】上記第1の半導体装置の評価方法におい
て、上記第1のステップでは、強度が時間の経過に対し
て階段状に変化する電界を使用することができる。
て、上記第1のステップでは、強度が時間の経過に対し
て階段状に変化する電界を使用することができる。
【0038】この方法により、連続的に増大する電圧を
発生させる機能を有しない装置を用いることが可能にな
る。
発生させる機能を有しない装置を用いることが可能にな
る。
【0039】上記第1の半導体装置の評価方法におい
て、上記第1〜第6のステップは、絶縁耐圧測定と同時
に同一の試料に対し実施することができる。
て、上記第1〜第6のステップは、絶縁耐圧測定と同時
に同一の試料に対し実施することができる。
【0040】上記第1の半導体装置の評価方法におい
て、上記信頼性試験は、ランプ電圧によるTDDB試験
と同時に同一の試料に対し実施することができる。
て、上記信頼性試験は、ランプ電圧によるTDDB試験
と同時に同一の試料に対し実施することができる。
【0041】これらの方法により、この信頼性を試験す
るために専用のサンプルを準備する必要がなくなり、ウ
エハレベルでの絶縁膜の信頼性評価を他の種類の信頼性
評価と同時に行うことができる。したがって、信頼性に
関する情報がより多く得られ、絶縁膜の信頼性評価の精
度を大幅に高めることができる。
るために専用のサンプルを準備する必要がなくなり、ウ
エハレベルでの絶縁膜の信頼性評価を他の種類の信頼性
評価と同時に行うことができる。したがって、信頼性に
関する情報がより多く得られ、絶縁膜の信頼性評価の精
度を大幅に高めることができる。
【0042】本発明の第2の半導体装置の信頼性評価方
法は、半導体装置内に設けられた絶縁膜に、密度が時間
とともに変化する電流を印加する第1のステップと、上
記電流が印加されている間の複数の時点において上記絶
縁膜に印加される電界強度を測定する第2のステップ
と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの電流密度を時
間について積分して破壊までの電荷量を算出する第3の
ステップと、上記第3のステップで算出された上記絶縁
膜の破壊までの電荷量を上記第2のステップで測定され
た各時点の電流密度で除し、各時点ごとにそのときの電
流密度が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿
命の推定値を求める第4のステップと、上記絶縁膜の寿
命の推定値を電界強度の関数として近似する第5のステ
ップと、上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意
の電界強度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくと
もいずれか一方を行う第6のステップとを備えている。
法は、半導体装置内に設けられた絶縁膜に、密度が時間
とともに変化する電流を印加する第1のステップと、上
記電流が印加されている間の複数の時点において上記絶
縁膜に印加される電界強度を測定する第2のステップ
と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの電流密度を時
間について積分して破壊までの電荷量を算出する第3の
ステップと、上記第3のステップで算出された上記絶縁
膜の破壊までの電荷量を上記第2のステップで測定され
た各時点の電流密度で除し、各時点ごとにそのときの電
流密度が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿
命の推定値を求める第4のステップと、上記絶縁膜の寿
命の推定値を電界強度の関数として近似する第5のステ
ップと、上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意
の電界強度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくと
もいずれか一方を行う第6のステップとを備えている。
【0043】この方法により、絶縁膜寿命の推定値は、
絶縁膜の破壊までの総電荷量が電界強度あるいは電流密
度に依存しない一定値となるという経験的事実にもとづ
いて、電流密度の経時変化特性線上のある部位における
電流密度が一定で絶縁膜に印加されたと仮定したときの
絶縁膜の寿命推定値が求められる。さらに、この寿命推
定値に基づいて電界−寿命推定値関数が決定される。つ
まり、従来の寿命推定方法のごとく、MOSキャパシタ
の複数箇所に複数種類の一定電界を印加するのではな
く、1つの箇所に変化する電流密度を印加することで、
複数箇所に複数種類の一定電流を印加して試験を行うの
と同じ効果を発揮することができ、測定時間を実用上十
分短い範囲内に収めながら、測定精度が確保できる。
絶縁膜の破壊までの総電荷量が電界強度あるいは電流密
度に依存しない一定値となるという経験的事実にもとづ
いて、電流密度の経時変化特性線上のある部位における
電流密度が一定で絶縁膜に印加されたと仮定したときの
絶縁膜の寿命推定値が求められる。さらに、この寿命推
定値に基づいて電界−寿命推定値関数が決定される。つ
まり、従来の寿命推定方法のごとく、MOSキャパシタ
の複数箇所に複数種類の一定電界を印加するのではな
く、1つの箇所に変化する電流密度を印加することで、
複数箇所に複数種類の一定電流を印加して試験を行うの
と同じ効果を発揮することができ、測定時間を実用上十
分短い範囲内に収めながら、測定精度が確保できる。
【0044】上記第2の半導体装置の評価方法におい
て、上記第6のステップでは、少なくとも電界加速係数
を抽出し、この抽出された電界加速係数を用いて上記絶
縁膜が使用される製品のバーンイン条件を決定すること
ができる。
て、上記第6のステップでは、少なくとも電界加速係数
を抽出し、この抽出された電界加速係数を用いて上記絶
縁膜が使用される製品のバーンイン条件を決定すること
ができる。
【0045】上述のように、絶縁膜寿命の推定値は、絶
縁膜の破壊までの総電荷量が電界強度あるいは電流密度
に依存しない一定値となるという広く認められた経験的
事実にもとづいて求められている。このため、得られる
電界加速係数及び各電流密度における絶縁膜寿命の推定
値は、従来の方法による電界加速係数及び実使用時の絶
縁膜寿命の推定値と高い互換性を有する。したがって、
この方法により、第6のステップで求められる電解加速
係数が従来の方法による電界加速係数と高い互換性を有
することを利用して、上述の電界加速係数を用いてバー
ンイン条件を短期間で適切に決定することが可能にな
る。
縁膜の破壊までの総電荷量が電界強度あるいは電流密度
に依存しない一定値となるという広く認められた経験的
事実にもとづいて求められている。このため、得られる
電界加速係数及び各電流密度における絶縁膜寿命の推定
値は、従来の方法による電界加速係数及び実使用時の絶
縁膜寿命の推定値と高い互換性を有する。したがって、
この方法により、第6のステップで求められる電解加速
係数が従来の方法による電界加速係数と高い互換性を有
することを利用して、上述の電界加速係数を用いてバー
ンイン条件を短期間で適切に決定することが可能にな
る。
【0046】上記第2の半導体装置の評価方法におい
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における密
度が増大するように変化する電流を使用することが好ま
しい。
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における密
度が増大するように変化する電流を使用することが好ま
しい。
【0047】この方法により、時間とともに増大する電
流密度を使用しているので、絶縁膜の破壊までに絶縁膜
に印加される総電荷量がばらついて極端に小さくなって
いる場合でも、ストレスの印加初期における電流密度を
十分に小さくすることができ、絶縁膜が破壊するまでの
時間を測定精度が確保できる程度に長くすることができ
る。反対に、総電荷量がばらつきにより極端に大きくな
っている場合でも、破壊直前の電流密度を十分大きくす
ることができるので、測定時間が長くなることはない。
したがって、製造工程中で実施するのに十分短い測定時
間で絶縁膜寿命の推定値を求めることが可能となる。
流密度を使用しているので、絶縁膜の破壊までに絶縁膜
に印加される総電荷量がばらついて極端に小さくなって
いる場合でも、ストレスの印加初期における電流密度を
十分に小さくすることができ、絶縁膜が破壊するまでの
時間を測定精度が確保できる程度に長くすることができ
る。反対に、総電荷量がばらつきにより極端に大きくな
っている場合でも、破壊直前の電流密度を十分大きくす
ることができるので、測定時間が長くなることはない。
したがって、製造工程中で実施するのに十分短い測定時
間で絶縁膜寿命の推定値を求めることが可能となる。
【0048】また、時間とともに増大する電流密度を使
用することにより、共通のMOSキャパシタに対する電
流,電圧等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値を
求めることができる。したがって、従来の絶縁膜寿命の
推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから寿命推
定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は絶縁膜
の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すなわち、
絶縁膜寿命の推定方法における推定精度は測定時間を短
縮しても低下することなく、従来の絶縁膜寿命の推定方
法と同程度かそれ以上の精度を保つことができる。
用することにより、共通のMOSキャパシタに対する電
流,電圧等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値を
求めることができる。したがって、従来の絶縁膜寿命の
推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから寿命推
定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は絶縁膜
の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すなわち、
絶縁膜寿命の推定方法における推定精度は測定時間を短
縮しても低下することなく、従来の絶縁膜寿命の推定方
法と同程度かそれ以上の精度を保つことができる。
【0049】上記第2の半導体装置の評価方法におい
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における密
度の対数増加率が一定な電流を使用することができる。
て、上記第1のステップでは、各測定時点間における密
度の対数増加率が一定な電流を使用することができる。
【0050】この方法により、時間とともに増大する電
流密度の生成を容易に行わせることができる。
流密度の生成を容易に行わせることができる。
【0051】上記第2の半導体装置の評価方法におい
て、上記第1のステップでは、密度が時間の経過ととも
に階段状に変化する電流を使用することができる。
て、上記第1のステップでは、密度が時間の経過ととも
に階段状に変化する電流を使用することができる。
【0052】この方法により、連続的に変化する電流密
度を発生させる機能を有しない装置を用いることが可能
になる。
度を発生させる機能を有しない装置を用いることが可能
になる。
【0053】上記第2の半導体装置の評価方法におい
て、上記信頼性試験を、ランプ電流によるTDDB試験
と同時に同一の試料に対し実施することができる。
て、上記信頼性試験を、ランプ電流によるTDDB試験
と同時に同一の試料に対し実施することができる。
【0054】この方法により、この信頼性を試験するた
めに専用のサンプルを準備する必要がなくなり、ウエハ
レベルでの絶縁膜の信頼性評価を他の種類の信頼性評価
と同時に行うことができる。したがって、信頼性に関す
る情報がより多く得られ、絶縁膜の信頼性評価の精度を
大幅に高めることができる。
めに専用のサンプルを準備する必要がなくなり、ウエハ
レベルでの絶縁膜の信頼性評価を他の種類の信頼性評価
と同時に行うことができる。したがって、信頼性に関す
る情報がより多く得られ、絶縁膜の信頼性評価の精度を
大幅に高めることができる。
【0055】本発明の半導体装置の製造工程の管理方法
は、半導体基板上に、第1,第2の導電層と該第1,第
2の導電層に挟まれる絶縁膜とを形成する工程と、上記
絶縁膜の寿命を推定する工程と、上記絶縁膜の寿命の推
定結果に応じて、上記第1,第2の導体層及び絶縁膜の
製造条件を管理する工程とを備えた半導体装置の製造工
程における管理方法である。ここで、上記絶縁膜の寿命
を推定する工程は、上記絶縁膜に、強度が時間の経過と
ともに変化する電界を印加するステップと、上記電界が
印加されている間の複数の時点において上記絶縁膜に印
加される電流密度を測定するステップと、上記絶縁膜の
破壊が生じる時点までの上記電流密度を時間について積
分して破壊までの電荷量を算出するステップと、上記第
3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊までの電荷
量を上記第2のステップで測定された各時点の電流密度
で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定で印加
されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を求める
ステップと、上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関
数として近似するステップと、上記関数に基づき、任意
の電界強度における絶縁膜寿命の推定とを行うステップ
とを備えている。
は、半導体基板上に、第1,第2の導電層と該第1,第
2の導電層に挟まれる絶縁膜とを形成する工程と、上記
絶縁膜の寿命を推定する工程と、上記絶縁膜の寿命の推
定結果に応じて、上記第1,第2の導体層及び絶縁膜の
製造条件を管理する工程とを備えた半導体装置の製造工
程における管理方法である。ここで、上記絶縁膜の寿命
を推定する工程は、上記絶縁膜に、強度が時間の経過と
ともに変化する電界を印加するステップと、上記電界が
印加されている間の複数の時点において上記絶縁膜に印
加される電流密度を測定するステップと、上記絶縁膜の
破壊が生じる時点までの上記電流密度を時間について積
分して破壊までの電荷量を算出するステップと、上記第
3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊までの電荷
量を上記第2のステップで測定された各時点の電流密度
で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定で印加
されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を求める
ステップと、上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関
数として近似するステップと、上記関数に基づき、任意
の電界強度における絶縁膜寿命の推定とを行うステップ
とを備えている。
【0056】上記第1の半導体装置の製造工程の管理方
法において、上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、上記
半導体基板がウエハの状態で行なわれることが好まし
い。
法において、上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、上記
半導体基板がウエハの状態で行なわれることが好まし
い。
【0057】本発明の第2の半導体装置の製造工程の管
理方法は、半導体基板上に、第1,第2の導電層と該第
1,第2の導電層に挟まれる絶縁膜とを形成する工程
と、上記絶縁膜の寿命を推定する工程と、上記絶縁膜の
寿命の推定結果に応じて、上記第1,第2の導体層及び
絶縁膜の製造条件を管理する工程とを備えた半導体装置
の製造工程における管理方法である。ここで、上記絶縁
膜の寿命を推定する工程は、上記絶縁膜に、密度が時間
とともに変化する電流を印加するステップと、上記電流
密度が印加されている間の複数の時点において上記絶縁
膜に印加される電界強度を測定するステップと、上記絶
縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度を時間につ
いて積分して破壊までの電荷量を算出するステップと、
上記第3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊まで
の電荷量を上記第2のステップで測定された各時点の電
流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定
で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を
求めるステップと、上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強
度の関数として近似するステップと、上記関数に基づ
き、上記絶縁膜寿命の推定を行うステップとを備えてい
る。
理方法は、半導体基板上に、第1,第2の導電層と該第
1,第2の導電層に挟まれる絶縁膜とを形成する工程
と、上記絶縁膜の寿命を推定する工程と、上記絶縁膜の
寿命の推定結果に応じて、上記第1,第2の導体層及び
絶縁膜の製造条件を管理する工程とを備えた半導体装置
の製造工程における管理方法である。ここで、上記絶縁
膜の寿命を推定する工程は、上記絶縁膜に、密度が時間
とともに変化する電流を印加するステップと、上記電流
密度が印加されている間の複数の時点において上記絶縁
膜に印加される電界強度を測定するステップと、上記絶
縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度を時間につ
いて積分して破壊までの電荷量を算出するステップと、
上記第3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊まで
の電荷量を上記第2のステップで測定された各時点の電
流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定
で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を
求めるステップと、上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強
度の関数として近似するステップと、上記関数に基づ
き、上記絶縁膜寿命の推定を行うステップとを備えてい
る。
【0058】上記第2の半導体装置の製造工程の管理方
法において、上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、上記
半導体基板がウエハの状態で行なわれることが好まし
い。
法において、上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、上記
半導体基板がウエハの状態で行なわれることが好まし
い。
【0059】上記第1,第2の半導体装置の製造工程の
管理方法により、半導体装置の製造装置のトラブル等に
よるプロセス条件の変動による絶縁膜の寿命の変動を、
短期間で全ウエハに対してモニタリングすることが可能
となるので、低コストで信頼性の高い半導体装置の製造
を図ることができる。
管理方法により、半導体装置の製造装置のトラブル等に
よるプロセス条件の変動による絶縁膜の寿命の変動を、
短期間で全ウエハに対してモニタリングすることが可能
となるので、低コストで信頼性の高い半導体装置の製造
を図ることができる。
【0060】本発明の第1の記録媒体は、絶縁膜を有す
る半導体装置の特性評価を行なうために使用されるコン
ピュータに組み込み可能な記録媒体であって、上記絶縁
膜に、強度が時間の経過とともに変化する電界を印加す
る第1の手順と、上記電界が印加されている間の複数の
時点において上記絶縁膜に印加される電流密度を測定す
る第2の手順と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの
上記電流密度を時間について積分して破壊までの電荷量
を算出する第3の手順と、上記第3の手順で算出された
上記絶縁膜の破壊までの電荷量を上記第2の手順で測定
された各時点の電流密度で除し、各時点ごとにそのとき
の電流密度が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜
の寿命の推定値を求める第4の手順と、上記絶縁膜の寿
命の推定値を電界強度の関数として近似する第5の手順
と、上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電
界強度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともい
ずれか一方を行う第6の手順とをコンピュータに実行さ
せるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
記録媒体である。
る半導体装置の特性評価を行なうために使用されるコン
ピュータに組み込み可能な記録媒体であって、上記絶縁
膜に、強度が時間の経過とともに変化する電界を印加す
る第1の手順と、上記電界が印加されている間の複数の
時点において上記絶縁膜に印加される電流密度を測定す
る第2の手順と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの
上記電流密度を時間について積分して破壊までの電荷量
を算出する第3の手順と、上記第3の手順で算出された
上記絶縁膜の破壊までの電荷量を上記第2の手順で測定
された各時点の電流密度で除し、各時点ごとにそのとき
の電流密度が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜
の寿命の推定値を求める第4の手順と、上記絶縁膜の寿
命の推定値を電界強度の関数として近似する第5の手順
と、上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電
界強度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともい
ずれか一方を行う第6の手順とをコンピュータに実行さ
せるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
記録媒体である。
【0061】本発明の第2の記録媒体は、絶縁膜を有す
る半導体装置の特性評価を行なうために使用されるコン
ピュータに組み込み可能な記録媒体であって、上記絶縁
膜に、密度が時間とともに変化する電流を印加する第1
の手順と、上記電流が印加されている間の複数の時点に
おいて上記絶縁膜に印加される電界強度を測定する第2
の手順と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの電流密
度を時間について積分して破壊までの電荷量を算出する
第3の手順と、上記第3の手順で算出された上記絶縁膜
の破壊までの電荷量を上記第2の手順で測定された各時
点の電流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度
が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推
定値を求める第4の手順と、上記絶縁膜の寿命の推定値
を電界強度の関数として近似する第5の手順と、上記関
数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電界強度にお
ける絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともいずれか一方
を行う第6の手順とをコンピュータに実行させるプログ
ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体で
ある。
る半導体装置の特性評価を行なうために使用されるコン
ピュータに組み込み可能な記録媒体であって、上記絶縁
膜に、密度が時間とともに変化する電流を印加する第1
の手順と、上記電流が印加されている間の複数の時点に
おいて上記絶縁膜に印加される電界強度を測定する第2
の手順と、上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの電流密
度を時間について積分して破壊までの電荷量を算出する
第3の手順と、上記第3の手順で算出された上記絶縁膜
の破壊までの電荷量を上記第2の手順で測定された各時
点の電流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度
が一定で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推
定値を求める第4の手順と、上記絶縁膜の寿命の推定値
を電界強度の関数として近似する第5の手順と、上記関
数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電界強度にお
ける絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともいずれか一方
を行う第6の手順とをコンピュータに実行させるプログ
ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体で
ある。
【0062】上記第1,第2の記録媒体により、記録媒
体をコンピュータに組み込むと、コンピュータを利用し
て、上記第1,第2の評価方法の手順に従って、半導体
装置の絶縁膜の寿命が推定される。したがって、絶縁膜
の寿命の推定を迅速かつ自動的に行なうことができる。
体をコンピュータに組み込むと、コンピュータを利用し
て、上記第1,第2の評価方法の手順に従って、半導体
装置の絶縁膜の寿命が推定される。したがって、絶縁膜
の寿命の推定を迅速かつ自動的に行なうことができる。
【0063】
(第1の実施形態)まず、本発明の第1の実施形態につ
いて、図1〜図3を参照しながら説明する。ただし、図
1は第1の実施形態に係るランプ波形を有する電圧(ラ
ンプ電圧)によるTDDB試験から酸化膜寿命を推定す
る手順を示すフローチャートであり、図2はこのランプ
電圧によるTDDB試験中で得られる各ストレス電界強
度における酸化膜寿命の測定結果を示す図であり、図3
はランプ電圧によるTDDB試験における回帰直線τ
(E)を求める手順とこの回帰直線τ(E)から任意の
印加電圧に対する酸化膜寿命を求める手順とを説明する
ための図である。
いて、図1〜図3を参照しながら説明する。ただし、図
1は第1の実施形態に係るランプ波形を有する電圧(ラ
ンプ電圧)によるTDDB試験から酸化膜寿命を推定す
る手順を示すフローチャートであり、図2はこのランプ
電圧によるTDDB試験中で得られる各ストレス電界強
度における酸化膜寿命の測定結果を示す図であり、図3
はランプ電圧によるTDDB試験における回帰直線τ
(E)を求める手順とこの回帰直線τ(E)から任意の
印加電圧に対する酸化膜寿命を求める手順とを説明する
ための図である。
【0064】図2において、横軸は電圧を酸化膜に印加
するストレス時間tを示し、左の縦軸は酸化膜に印加さ
れる電界強度Eを示し、右の縦軸は酸化膜に印加される
電流密度Jを示している。図2において、E(t)は時
間tの関数としてランプ波形を描くように変化する酸化
膜に印加される電界強度、E1 ,E2 ,E3 ,E4 はこ
の電界強度E(t)のランプ波形に沿った各ストレス印
加時間t1 ,t2 ,t3 ,t4 において酸化膜に印加さ
れる電界強度、J(t)は時間tの関数として表される
酸化膜に印加される電流密度、J1 ,J2 ,J3 ,J4
は各電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 下において酸化膜
に印加される電流密度、tB は酸化膜破壊が生じるまで
のストレス印加時間である。
するストレス時間tを示し、左の縦軸は酸化膜に印加さ
れる電界強度Eを示し、右の縦軸は酸化膜に印加される
電流密度Jを示している。図2において、E(t)は時
間tの関数としてランプ波形を描くように変化する酸化
膜に印加される電界強度、E1 ,E2 ,E3 ,E4 はこ
の電界強度E(t)のランプ波形に沿った各ストレス印
加時間t1 ,t2 ,t3 ,t4 において酸化膜に印加さ
れる電界強度、J(t)は時間tの関数として表される
酸化膜に印加される電流密度、J1 ,J2 ,J3 ,J4
は各電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 下において酸化膜
に印加される電流密度、tB は酸化膜破壊が生じるまで
のストレス印加時間である。
【0065】図3において、横軸は酸化膜に印加される
電界強度E、縦軸は酸化膜寿命の推定値τを示してい
る。また、τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、酸化膜に印加さ
れる上記電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 における酸化
膜寿命の推定値、τ(E)は印加電界強度Eの関数とし
て表される寿命推定線(回帰直線)、Emax は実使用時
に酸化膜に印加される電界強度の最大値、τESは実使用
時の酸化膜寿命の推定値である。
電界強度E、縦軸は酸化膜寿命の推定値τを示してい
る。また、τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、酸化膜に印加さ
れる上記電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 における酸化
膜寿命の推定値、τ(E)は印加電界強度Eの関数とし
て表される寿命推定線(回帰直線)、Emax は実使用時
に酸化膜に印加される電界強度の最大値、τESは実使用
時の酸化膜寿命の推定値である。
【0066】以下、図2及び図3を参照しながら、図1
のフローチャートに示す手順を説明する。
のフローチャートに示す手順を説明する。
【0067】まず、ステップST11で、酸化膜に図2
に示すようなランプ波形の電界強度E(t)に沿って変
化する電界E1 ,E2 ,E3 ,E4 を印加し、ステップ
ST12で、この電界E1 ,E2 ,E3 ,E4 の印加に
よって酸化膜に印加される電流密度J1 ,J2 ,J3 ,
J4 を測定するとともに、電流密度の時間変化曲線J
(t)を求める。
に示すようなランプ波形の電界強度E(t)に沿って変
化する電界E1 ,E2 ,E3 ,E4 を印加し、ステップ
ST12で、この電界E1 ,E2 ,E3 ,E4 の印加に
よって酸化膜に印加される電流密度J1 ,J2 ,J3 ,
J4 を測定するとともに、電流密度の時間変化曲線J
(t)を求める。
【0068】次に、ステップST13で、酸化膜破壊が
生じる時点tB までの電流密度J(t)を時間tについ
て積分して破壊までの電荷量Qbdを計算する。そし
て、ステップST14で、破壊までの電荷量Qbdをラ
ンプ波形上の各測定点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における
電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 で除し、各電界強度E
1 ,E2 ,E3 ,E4 における酸化膜寿命の推定値τ1
,τ2 ,τ3 ,τ4 を計算する。ここで、酸化膜の破
壊までの総電荷量Qbdは、電界強度Eあるいは電流密
度Jに依存しない一定値であることが知られているの
で、上記酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4
は、上記各電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 が一定と仮
定して酸化膜に印加された場合に、酸化膜が破壊に達す
る時間であることがわかる。
生じる時点tB までの電流密度J(t)を時間tについ
て積分して破壊までの電荷量Qbdを計算する。そし
て、ステップST14で、破壊までの電荷量Qbdをラ
ンプ波形上の各測定点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における
電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 で除し、各電界強度E
1 ,E2 ,E3 ,E4 における酸化膜寿命の推定値τ1
,τ2 ,τ3 ,τ4 を計算する。ここで、酸化膜の破
壊までの総電荷量Qbdは、電界強度Eあるいは電流密
度Jに依存しない一定値であることが知られているの
で、上記酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4
は、上記各電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 が一定と仮
定して酸化膜に印加された場合に、酸化膜が破壊に達す
る時間であることがわかる。
【0069】さらに、ステップST15で、図3に示す
ように、各電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 と酸化膜寿
命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 との関係をプロット
し、このデータから酸化膜寿命の推定値τを電界強度E
の関数として近似してなる回帰直線τ(E)を作成す
る。そして、ステップST16で、この回帰直線τ
(E)の傾きを電界加速係数として抽出し、酸化膜寿命
の推定値の電界強度依存性の関数により実使用時の電圧
が印加されたときの(必ずしも一定とは限らないが、一
定の最大電界強度Emax が印加されたと仮定したとき
の)酸化膜寿命の推定値τESを決定する。
ように、各電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 と酸化膜寿
命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 との関係をプロット
し、このデータから酸化膜寿命の推定値τを電界強度E
の関数として近似してなる回帰直線τ(E)を作成す
る。そして、ステップST16で、この回帰直線τ
(E)の傾きを電界加速係数として抽出し、酸化膜寿命
の推定値の電界強度依存性の関数により実使用時の電圧
が印加されたときの(必ずしも一定とは限らないが、一
定の最大電界強度Emax が印加されたと仮定したとき
の)酸化膜寿命の推定値τESを決定する。
【0070】以上の基本的な手順に従いストレスの電界
加速係数抽出及び酸化膜寿命の推定を行う。
加速係数抽出及び酸化膜寿命の推定を行う。
【0071】本実施形態によれば、時間tの経過ととも
にランプ波形状に増大する電界を酸化膜に印加し、その
ときの複数の時点(ストレス時間)における電流密度を
測定しておき、総電荷量Qbdを各測定時点における電
流密度で除して酸化膜の寿命の推定値を求めることによ
り、同じストレス時間に対応する電界強度と寿命の推定
値とを得て、これらのデータから回帰直線を求めてい
る。すなわち、酸化膜の破壊までの総電荷量Qbdが電
界強度Eや電流密度Jに依存しない一定値であることを
利用して、ランプ電圧試験中に変化する電流密度が一定
のままで酸化膜に印加されたと仮定したときの酸化膜の
寿命推定値を求め、この寿命推定値に基づいて回帰直線
を決定するのである。したがって、従来の寿命推定方法
のごとく、MOSキャパシタの複数箇所に複数種類の一
定電圧を印加するのではなく、1つの箇所にランプ電圧
を印加することで、以下のような効果を発揮することが
できる。まず、ランプ電圧波形のストレスを使用するこ
とにより、測定時間を実用上十分短い範囲内に収めなが
ら、測定精度が確保できる。すなわち、絶縁膜の破壊ま
での総電荷量Qbdがばらついて極端に小さくなってい
る場合でも、ストレス印加初期における電流密度を十分
に小さくすることができるので、絶縁膜が破壊するまで
の時間を測定精度が確保できる程度に長くすることがで
きる。逆に、総電荷量Qbdがばらつきにより極端に大
きくなっている場合でも、破壊直前の電流密度は十分大
きくすることができるので、測定時間が長くなることを
防ぐことができる。
にランプ波形状に増大する電界を酸化膜に印加し、その
ときの複数の時点(ストレス時間)における電流密度を
測定しておき、総電荷量Qbdを各測定時点における電
流密度で除して酸化膜の寿命の推定値を求めることによ
り、同じストレス時間に対応する電界強度と寿命の推定
値とを得て、これらのデータから回帰直線を求めてい
る。すなわち、酸化膜の破壊までの総電荷量Qbdが電
界強度Eや電流密度Jに依存しない一定値であることを
利用して、ランプ電圧試験中に変化する電流密度が一定
のままで酸化膜に印加されたと仮定したときの酸化膜の
寿命推定値を求め、この寿命推定値に基づいて回帰直線
を決定するのである。したがって、従来の寿命推定方法
のごとく、MOSキャパシタの複数箇所に複数種類の一
定電圧を印加するのではなく、1つの箇所にランプ電圧
を印加することで、以下のような効果を発揮することが
できる。まず、ランプ電圧波形のストレスを使用するこ
とにより、測定時間を実用上十分短い範囲内に収めなが
ら、測定精度が確保できる。すなわち、絶縁膜の破壊ま
での総電荷量Qbdがばらついて極端に小さくなってい
る場合でも、ストレス印加初期における電流密度を十分
に小さくすることができるので、絶縁膜が破壊するまで
の時間を測定精度が確保できる程度に長くすることがで
きる。逆に、総電荷量Qbdがばらつきにより極端に大
きくなっている場合でも、破壊直前の電流密度は十分大
きくすることができるので、測定時間が長くなることを
防ぐことができる。
【0072】また、ランプ波形の電界強度を使用するこ
とにより、共通のMOSキャパシタに対する電流,電圧
等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値や電界加速
係数を求めることができる。したがって、従来の絶縁膜
寿命の推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから
寿命推定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は
絶縁膜の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すな
わち、酸化膜寿命の推定精度は、測定時間が短縮された
にもかかわらず、低下することはない。
とにより、共通のMOSキャパシタに対する電流,電圧
等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値や電界加速
係数を求めることができる。したがって、従来の絶縁膜
寿命の推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから
寿命推定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は
絶縁膜の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すな
わち、酸化膜寿命の推定精度は、測定時間が短縮された
にもかかわらず、低下することはない。
【0073】また、本実施形態における酸化膜寿命の推
定方法を実施するための測定方法は、従来の酸化膜の耐
圧分布測定およびランプ電圧によるTDDB測定の方法
に、ランプ電圧波形の各電界強度における電流密度の測
定を加えたものである。このため、従来の酸化膜耐圧分
布測定およびランプ電圧によるTDDB測定と同時に同
一の試料に対し実施することが可能である。つまり、本
実施形態の測定のために専用の試料を必要とせず、試料
数および測定時間の増大を伴うことなくウエハレベルで
の酸化膜の信頼性評価が従来の方法と同時に実現でき
る。よって、信頼性に関する情報がより多く得られ、酸
化膜の信頼性評価の精度を大幅に高めることが可能とな
る。
定方法を実施するための測定方法は、従来の酸化膜の耐
圧分布測定およびランプ電圧によるTDDB測定の方法
に、ランプ電圧波形の各電界強度における電流密度の測
定を加えたものである。このため、従来の酸化膜耐圧分
布測定およびランプ電圧によるTDDB測定と同時に同
一の試料に対し実施することが可能である。つまり、本
実施形態の測定のために専用の試料を必要とせず、試料
数および測定時間の増大を伴うことなくウエハレベルで
の酸化膜の信頼性評価が従来の方法と同時に実現でき
る。よって、信頼性に関する情報がより多く得られ、酸
化膜の信頼性評価の精度を大幅に高めることが可能とな
る。
【0074】さらに、本実施形態の推定方法は、絶縁膜
が破壊するまでの総電荷量Qbdが電界強度や電流密度
に依存しない一定値であるという経験的事実に基づいて
いるものであるために、本実施形態により得られる電界
加速係数及び実使用時の酸化膜寿命の推定値は、従来の
方法による電界加速係数および実使用時の酸化膜寿命の
推定値と高い互換性を有する。
が破壊するまでの総電荷量Qbdが電界強度や電流密度
に依存しない一定値であるという経験的事実に基づいて
いるものであるために、本実施形態により得られる電界
加速係数及び実使用時の酸化膜寿命の推定値は、従来の
方法による電界加速係数および実使用時の酸化膜寿命の
推定値と高い互換性を有する。
【0075】よって、本実施形態の方法により得られた
電界加速係数を用いてバーンイン条件を短期間で適切に
決定することが可能となる。
電界加速係数を用いてバーンイン条件を短期間で適切に
決定することが可能となる。
【0076】−第1の実施形態に関する実施例− ここで、本実施形態の方法を利用して行われた半導体デ
バイスの製造工程中における酸化膜の寿命推定の具体的
な実施例について説明する。ここでは、MOSキャパシ
タの容量絶縁膜である酸化膜について寿命推定を行う場
合について説明する。
バイスの製造工程中における酸化膜の寿命推定の具体的
な実施例について説明する。ここでは、MOSキャパシ
タの容量絶縁膜である酸化膜について寿命推定を行う場
合について説明する。
【0077】この実施例では、拡散工程が終了したウエ
ハ上のMOSキャパシタを用いて酸化膜の信頼性を短時
間に評価する例を説明する。この場合、評価対象となる
酸化膜をキャパシタ絶縁膜とする多数のMOSキャパシ
タに対し、ウエハ状態のままで以下のような手順で寿命
の推定値τESを決定するための試験を行う。ただし、こ
の実施例で用いたMOSキャパシタの容量絶縁膜を構成
する酸化膜の膜厚は12nm、平面上の酸化膜寸法は1
00μm×50μm、酸化膜面積は5000μm2 であ
る。また、寿命推定のために必要なデータは、オートプ
ローバと連動した測定器を用いて、ウエハ上の各MOS
キャパシタにおける測定点を移動しながら順次プロービ
ングして測定する。この測定器には電圧源、電流源、電
圧計、電流計、および容量計が備わっている。
ハ上のMOSキャパシタを用いて酸化膜の信頼性を短時
間に評価する例を説明する。この場合、評価対象となる
酸化膜をキャパシタ絶縁膜とする多数のMOSキャパシ
タに対し、ウエハ状態のままで以下のような手順で寿命
の推定値τESを決定するための試験を行う。ただし、こ
の実施例で用いたMOSキャパシタの容量絶縁膜を構成
する酸化膜の膜厚は12nm、平面上の酸化膜寸法は1
00μm×50μm、酸化膜面積は5000μm2 であ
る。また、寿命推定のために必要なデータは、オートプ
ローバと連動した測定器を用いて、ウエハ上の各MOS
キャパシタにおける測定点を移動しながら順次プロービ
ングして測定する。この測定器には電圧源、電流源、電
圧計、電流計、および容量計が備わっている。
【0078】まず、MOSキャパシタが電荷蓄積状態と
なるような電圧をMOSキャパシタに印加する。このと
き、被測定物がP型基板上に形成されたMOSキャパシ
タの場合には、下部電極となる基板の電圧に対する上部
電極の電圧を負に、たとえば−5Vにする。逆に、N型
基板上に形成されたMOSキャパシタの場合には、基板
の電圧に対する上部電極の電圧を正に、たとえば+5V
にする。MOSキャパシタが電荷蓄積状態の場合、酸化
膜の容量がMOSキャパシタの容量として現われる。そ
こでMOSキャパシタの容量を測定し、その容量と酸化
膜面積から酸化膜の厚みを計算する。この酸化膜の厚み
は酸化膜に印加された電圧から酸化膜に印加される電界
強度を求める際に必要なパラメータである。
なるような電圧をMOSキャパシタに印加する。このと
き、被測定物がP型基板上に形成されたMOSキャパシ
タの場合には、下部電極となる基板の電圧に対する上部
電極の電圧を負に、たとえば−5Vにする。逆に、N型
基板上に形成されたMOSキャパシタの場合には、基板
の電圧に対する上部電極の電圧を正に、たとえば+5V
にする。MOSキャパシタが電荷蓄積状態の場合、酸化
膜の容量がMOSキャパシタの容量として現われる。そ
こでMOSキャパシタの容量を測定し、その容量と酸化
膜面積から酸化膜の厚みを計算する。この酸化膜の厚み
は酸化膜に印加された電圧から酸化膜に印加される電界
強度を求める際に必要なパラメータである。
【0079】続いて、図2に示すような酸化膜破壊が生
じる時点tB まで時間tとともに増加するランプ波形状
に変化する電界E(t)を与えるような電圧を酸化膜に
印加する。この実施例においては、ランプ電圧の増加率
を0.6V/secとする。このとき、実際に酸化膜に
印加される電界強度E(t)の増加率は0.5MV/c
m・secとなる。
じる時点tB まで時間tとともに増加するランプ波形状
に変化する電界E(t)を与えるような電圧を酸化膜に
印加する。この実施例においては、ランプ電圧の増加率
を0.6V/secとする。このとき、実際に酸化膜に
印加される電界強度E(t)の増加率は0.5MV/c
m・secとなる。
【0080】ここで、電圧源にランプ電圧を発生させる
機能が備わっている場合には、その機能を利用してラン
プ波形状に変化する電界強度E(t)を発生させること
ができる。電圧源にランプ電圧を発生させる機能が備わ
っていない場合には、時間刻みを測定器の時間精度の許
容範囲内で短くした階段波形によりランプ波形を模擬
し、ランプ電圧の印加開始時点からの経過時間に比例し
て増大する電界を酸化膜に印加することができる。
機能が備わっている場合には、その機能を利用してラン
プ波形状に変化する電界強度E(t)を発生させること
ができる。電圧源にランプ電圧を発生させる機能が備わ
っていない場合には、時間刻みを測定器の時間精度の許
容範囲内で短くした階段波形によりランプ波形を模擬
し、ランプ電圧の印加開始時点からの経過時間に比例し
て増大する電界を酸化膜に印加することができる。
【0081】この実施例では、ストレスの印加を開始し
てから28秒後に酸化膜の破壊が生じている。この過程
において、酸化膜への印加電圧を先に求めた酸化膜の厚
みで除することにより、上記各測定時点t1 ,t2 ,t
3 ,t4 における酸化膜への印加電界強度E1 ,E2 ,
E3 ,E4 を求める。この例では、上記4つの測定時点
t1 ,t2 ,t3 ,t4 は、ストレスの印加開始から1
1.5MV/cm、12.0MV/cm、12.5MV
/cm、13.0MV/cmとなった時点である。ま
た、この各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における酸
化膜に印加される電流を測定し、この測定値を酸化膜面
積で除することにより各測定時点における電流密度J1
,J2 ,J3 ,J4 を求めた後、電流密度を時間の関
数J(t)として求める。この例では、電流密度の時間
変化曲線J(t)上の4点J1 ,J2,J3 ,J4 は、
0.098A/cm2 、0.18A/cm2 、0.47
A/cm2 、0.96A/cm2 である。
てから28秒後に酸化膜の破壊が生じている。この過程
において、酸化膜への印加電圧を先に求めた酸化膜の厚
みで除することにより、上記各測定時点t1 ,t2 ,t
3 ,t4 における酸化膜への印加電界強度E1 ,E2 ,
E3 ,E4 を求める。この例では、上記4つの測定時点
t1 ,t2 ,t3 ,t4 は、ストレスの印加開始から1
1.5MV/cm、12.0MV/cm、12.5MV
/cm、13.0MV/cmとなった時点である。ま
た、この各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における酸
化膜に印加される電流を測定し、この測定値を酸化膜面
積で除することにより各測定時点における電流密度J1
,J2 ,J3 ,J4 を求めた後、電流密度を時間の関
数J(t)として求める。この例では、電流密度の時間
変化曲線J(t)上の4点J1 ,J2,J3 ,J4 は、
0.098A/cm2 、0.18A/cm2 、0.47
A/cm2 、0.96A/cm2 である。
【0082】上述のように、この実施例では、ストレス
の印加時間が28秒に達した時点で酸化膜に印加される
電流密度Jは突然大きく増大している。この電流密度の
突然の大きな増大が生じた時点が酸化膜の破壊が生じた
時点tB である。酸化膜の破壊が生じた時点tB までの
電流密度J(t)を時間に関して積分して、酸化膜が破
壊されるまでに酸化膜に印加された総電荷量Qbd(C
/cm2 )を算出する。本実施例では、この総電荷量Q
bdは14(C/cm2 )である。この破壊までの総電
荷量Qbdは、電界強度Eあるいは電流密度Jに依存し
ない一定値であることが知られている。
の印加時間が28秒に達した時点で酸化膜に印加される
電流密度Jは突然大きく増大している。この電流密度の
突然の大きな増大が生じた時点が酸化膜の破壊が生じた
時点tB である。酸化膜の破壊が生じた時点tB までの
電流密度J(t)を時間に関して積分して、酸化膜が破
壊されるまでに酸化膜に印加された総電荷量Qbd(C
/cm2 )を算出する。本実施例では、この総電荷量Q
bdは14(C/cm2 )である。この破壊までの総電
荷量Qbdは、電界強度Eあるいは電流密度Jに依存し
ない一定値であることが知られている。
【0083】次に、この酸化膜の破壊までの総電荷量Q
bdの値を、既に測定されているランプ波形状の電界E
(t)の各点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における電流密度
0.098A/cm2 、0.18A/cm2 、0.47
A/cm2 、0.96A/cm2 で除することにより、
上記各測定時点の電界強度11.5MV/cm、12.
0MV/cm、12.5MV/cm、13.0MV/c
mにおける酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4
を求める。本実施例においては、酸化膜寿命の推定値τ
1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、上記各測定時点t1 ,t2 ,
t3 ,t4 に対して、順に140秒、78秒、30秒、
15秒である。
bdの値を、既に測定されているランプ波形状の電界E
(t)の各点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における電流密度
0.098A/cm2 、0.18A/cm2 、0.47
A/cm2 、0.96A/cm2 で除することにより、
上記各測定時点の電界強度11.5MV/cm、12.
0MV/cm、12.5MV/cm、13.0MV/c
mにおける酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4
を求める。本実施例においては、酸化膜寿命の推定値τ
1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、上記各測定時点t1 ,t2 ,
t3 ,t4 に対して、順に140秒、78秒、30秒、
15秒である。
【0084】この各電界強度11.5MV/cm、1
2.0MV/cm、12.5MV/cm、13.0MV
/cmにおける酸化膜寿命の推定値140秒、78秒、
30秒、15秒を、図3に示すように、酸化膜に印加さ
れる電界強度Eを横軸とし、酸化膜寿命の推定値τ(対
数)を縦軸とする片対数グラフ上にプロットする。これ
にもとづいて各電界強度における酸化膜寿命の推定値1
40秒、78秒、30秒、15秒を電界強度Eの関数τ
(E)、例えば回帰直線として近似しこの回帰直線の傾
きをストレスの電界加速係数β(decades/MV
/cm)として抽出する。この回帰直線τ(E)を利用
すれば、任意の電界強度における酸化膜寿命の推定値を
求めることができるので、この回帰直線τ(E)を用い
て実使用時の酸化膜に印加される電界強度の最大値Ema
x おける実使用時の酸化膜寿命の推定値τESを求める。
2.0MV/cm、12.5MV/cm、13.0MV
/cmにおける酸化膜寿命の推定値140秒、78秒、
30秒、15秒を、図3に示すように、酸化膜に印加さ
れる電界強度Eを横軸とし、酸化膜寿命の推定値τ(対
数)を縦軸とする片対数グラフ上にプロットする。これ
にもとづいて各電界強度における酸化膜寿命の推定値1
40秒、78秒、30秒、15秒を電界強度Eの関数τ
(E)、例えば回帰直線として近似しこの回帰直線の傾
きをストレスの電界加速係数β(decades/MV
/cm)として抽出する。この回帰直線τ(E)を利用
すれば、任意の電界強度における酸化膜寿命の推定値を
求めることができるので、この回帰直線τ(E)を用い
て実使用時の酸化膜に印加される電界強度の最大値Ema
x おける実使用時の酸化膜寿命の推定値τESを求める。
【0085】本実施例においては、拡散工程が終了した
1ロット約50枚のウエハに対して各ウエハごとに5点
の測定点がある場合、約1.9時間という短時間で全測
定が終了し、各ウエハ上の各測定点の酸化膜寿命の推定
値が得られる。この測定時間は、1つの酸化膜寿命の推
定値を得るのに必要なMOSキャパシタの個数が1個だ
けでもよく、かつ酸化膜1個当りの測定時間を短縮でき
るため、全体として、従来の酸化膜寿命の推定方法によ
る場合の数10分の1で済み、飛躍的な測定効率の向上
が実現できる。
1ロット約50枚のウエハに対して各ウエハごとに5点
の測定点がある場合、約1.9時間という短時間で全測
定が終了し、各ウエハ上の各測定点の酸化膜寿命の推定
値が得られる。この測定時間は、1つの酸化膜寿命の推
定値を得るのに必要なMOSキャパシタの個数が1個だ
けでもよく、かつ酸化膜1個当りの測定時間を短縮でき
るため、全体として、従来の酸化膜寿命の推定方法によ
る場合の数10分の1で済み、飛躍的な測定効率の向上
が実現できる。
【0086】特に、上記実施例のごとく、ランプ電圧波
形の電圧増加率(上記実施例では0.6V/sec)
を、ランプ電圧波形により最終的に破壊を生ずる時間
(上記実施例では28秒)が、従来の絶縁膜の寿命の推
定方法における複数の定ストレス電界強度の中で最低の
ストレス電界強度よりも十分に短くなるように高くする
ことが可能である。さらに、絶縁膜に印加するランプ電
圧波形の電界強度の最大値すなわち絶縁膜破壊を生ずる
電界強度が、測定器の時間精度が不十分となったり、高
電界により試験時の発熱により経時絶縁膜破壊の時間が
本来の温度および電界強度における値よりも短くなるよ
うな不具合が生じない範囲内でできる限り高くなるよう
に、ランプ電圧波形の電圧増加率を高くすることも可能
である。一例として、従来の絶縁膜寿命の推定方法にお
ける複数のストレス電界強度の中で最高のストレス電界
強度(たとえば図10中の直線ap を与える電界強度)
と同程度とすることにより、従来の絶縁膜寿命の推定方
法における低ストレス電界(たとえば図10中の直線d
p を与える電界)を印加した時の測定時間よりも大幅に
短くすることが可能である。
形の電圧増加率(上記実施例では0.6V/sec)
を、ランプ電圧波形により最終的に破壊を生ずる時間
(上記実施例では28秒)が、従来の絶縁膜の寿命の推
定方法における複数の定ストレス電界強度の中で最低の
ストレス電界強度よりも十分に短くなるように高くする
ことが可能である。さらに、絶縁膜に印加するランプ電
圧波形の電界強度の最大値すなわち絶縁膜破壊を生ずる
電界強度が、測定器の時間精度が不十分となったり、高
電界により試験時の発熱により経時絶縁膜破壊の時間が
本来の温度および電界強度における値よりも短くなるよ
うな不具合が生じない範囲内でできる限り高くなるよう
に、ランプ電圧波形の電圧増加率を高くすることも可能
である。一例として、従来の絶縁膜寿命の推定方法にお
ける複数のストレス電界強度の中で最高のストレス電界
強度(たとえば図10中の直線ap を与える電界強度)
と同程度とすることにより、従来の絶縁膜寿命の推定方
法における低ストレス電界(たとえば図10中の直線d
p を与える電界)を印加した時の測定時間よりも大幅に
短くすることが可能である。
【0087】さらに、本実施例の各電界強度における酸
化膜寿命の推定値は実測値とよく一致しているため、上
述のように、本実施形態による電界加速係数及び実使用
時の酸化膜寿命の推定値が、従来の方法による電界加速
係数及び実使用時の酸化膜寿命の推定値と高い互換性を
有することが裏付けられた。
化膜寿命の推定値は実測値とよく一致しているため、上
述のように、本実施形態による電界加速係数及び実使用
時の酸化膜寿命の推定値が、従来の方法による電界加速
係数及び実使用時の酸化膜寿命の推定値と高い互換性を
有することが裏付けられた。
【0088】(第2の実施形態)次に、ランプ電流によ
るTDDB試験から酸化膜寿命を推定する方法にかかる
第2の実施形態について、図4〜図6を参照しながら説
明する。ただし、図4は本実施形態に係るランプ電流に
よるTDDB試験から酸化膜寿命を推定する手順を示す
フローチャートであり、図5は酸化膜の破壊が生じる時
点まで酸化膜にランプ波形を有する電流(ランプ電流)
を印加した際の電界強度の測定結果を示す図であり、図
6は、ランプ電流によるTDDB試験における回帰直線
τ(E)を求める手順とこの回帰直線τ(E)から任意
の印加電圧に対する酸化膜寿命の推定値を求める手順と
を説明するための図である。
るTDDB試験から酸化膜寿命を推定する方法にかかる
第2の実施形態について、図4〜図6を参照しながら説
明する。ただし、図4は本実施形態に係るランプ電流に
よるTDDB試験から酸化膜寿命を推定する手順を示す
フローチャートであり、図5は酸化膜の破壊が生じる時
点まで酸化膜にランプ波形を有する電流(ランプ電流)
を印加した際の電界強度の測定結果を示す図であり、図
6は、ランプ電流によるTDDB試験における回帰直線
τ(E)を求める手順とこの回帰直線τ(E)から任意
の印加電圧に対する酸化膜寿命の推定値を求める手順と
を説明するための図である。
【0089】図5において、横軸は電流を酸化膜に印加
するストレス時間tを示し、左の縦軸は酸化膜に印加さ
れる電流密度Jを示し、右の縦軸は酸化膜に印加される
電界強度Eを示している。図5において、J(t)は時
間tの関数としてランプ波形を描くように変化する酸化
膜に印加される電流密度、J1 ,J2 ,J3 ,J4 は、
この電流密度J(t)のランプ波形に沿った各ストレス
印加時間t1 ,t2 ,t3 ,t4 において酸化膜に印加
される電流密度、E(t)は時間の関数として表される
酸化膜に印加される電界強度、E1 ,E2 ,E3 ,E4
は、各電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 下において酸化
膜に印加される電界強度、tB は酸化膜破壊が生じるま
でのストレス印加時間である。
するストレス時間tを示し、左の縦軸は酸化膜に印加さ
れる電流密度Jを示し、右の縦軸は酸化膜に印加される
電界強度Eを示している。図5において、J(t)は時
間tの関数としてランプ波形を描くように変化する酸化
膜に印加される電流密度、J1 ,J2 ,J3 ,J4 は、
この電流密度J(t)のランプ波形に沿った各ストレス
印加時間t1 ,t2 ,t3 ,t4 において酸化膜に印加
される電流密度、E(t)は時間の関数として表される
酸化膜に印加される電界強度、E1 ,E2 ,E3 ,E4
は、各電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 下において酸化
膜に印加される電界強度、tB は酸化膜破壊が生じるま
でのストレス印加時間である。
【0090】図6において、横軸は酸化膜に印加される
電界強度Eを示し、縦軸は酸化膜寿命の推定値τを示し
ている。また、τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、各酸化膜に
印加される上記電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 におけ
る酸化膜寿命の推定値、直線τ(E)は電界強度Eの関
数として表される寿命推定直線(回帰直線)、Emaxは
実使用時に酸化膜に印加される電界強度の最大値、τES
は実使用時の酸化膜寿命の推定値である。
電界強度Eを示し、縦軸は酸化膜寿命の推定値τを示し
ている。また、τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、各酸化膜に
印加される上記電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 におけ
る酸化膜寿命の推定値、直線τ(E)は電界強度Eの関
数として表される寿命推定直線(回帰直線)、Emaxは
実使用時に酸化膜に印加される電界強度の最大値、τES
は実使用時の酸化膜寿命の推定値である。
【0091】以下、図5及び図6を参照しながら、図4
のフローチャートに示す手順を説明する。
のフローチャートに示す手順を説明する。
【0092】まず、ステップST21で、酸化膜に図5
に示すようなランプ波形の電流密度J(t)に沿って変
化する電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 を印加し、ステ
ップST22で、この電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4
の印加によって酸化膜に印加される電界E1 ,E2 ,E
3 ,E4 を測定するとともに、電界強度の時間変化曲線
E(t)を求める。
に示すようなランプ波形の電流密度J(t)に沿って変
化する電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 を印加し、ステ
ップST22で、この電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4
の印加によって酸化膜に印加される電界E1 ,E2 ,E
3 ,E4 を測定するとともに、電界強度の時間変化曲線
E(t)を求める。
【0093】次に、ステップST23で、酸化膜破壊が
生じる時点tB までの電流密度J(t)を時間tについ
て積分して破壊までの電荷量Qbdを計算する。そし
て、ステップST24で、破壊までの電荷量Qbdをラ
ンプ波形上の各測定点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における
電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 で除し、各電界強度E
1 ,E2 ,E3 ,E4 における酸化膜寿命の推定値τ1
,τ2 ,τ3 ,τ4 を計算する。ここで、この破壊ま
での総電荷量Qbdは、電界強度Eあるいは電流密度J
に依存しない一定値であることが知られているので、上
記酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、上記
電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 が一定で酸化膜に印加
された場合に、酸化膜が破壊に達する時間であることが
わかる。
生じる時点tB までの電流密度J(t)を時間tについ
て積分して破壊までの電荷量Qbdを計算する。そし
て、ステップST24で、破壊までの電荷量Qbdをラ
ンプ波形上の各測定点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における
電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 で除し、各電界強度E
1 ,E2 ,E3 ,E4 における酸化膜寿命の推定値τ1
,τ2 ,τ3 ,τ4 を計算する。ここで、この破壊ま
での総電荷量Qbdは、電界強度Eあるいは電流密度J
に依存しない一定値であることが知られているので、上
記酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 は、上記
電流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 が一定で酸化膜に印加
された場合に、酸化膜が破壊に達する時間であることが
わかる。
【0094】さらに、ステップST25で、図6に示す
ように、各電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 と酸化膜寿
命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 との関係をプロット
し、このデータから酸化膜寿命の推定値τを電界強度E
の関数として近似してなる回帰直線τ(E)を作成す
る。そして、ステップST26で、この回帰直線τ
(E)の傾きを電界加速係数として抽出し、酸化膜寿命
の電界強度依存性の関数により実使用時の電圧が印加さ
れたときの(必ずしも一定とは限らないが、一定の最大
電界強度Emax が印加されたと仮定したときの)酸化膜
寿命の推定値τESを決定する。
ように、各電界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 と酸化膜寿
命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 との関係をプロット
し、このデータから酸化膜寿命の推定値τを電界強度E
の関数として近似してなる回帰直線τ(E)を作成す
る。そして、ステップST26で、この回帰直線τ
(E)の傾きを電界加速係数として抽出し、酸化膜寿命
の電界強度依存性の関数により実使用時の電圧が印加さ
れたときの(必ずしも一定とは限らないが、一定の最大
電界強度Emax が印加されたと仮定したときの)酸化膜
寿命の推定値τESを決定する。
【0095】以上の基本的な手順に従いストレスの電界
加速係数抽出及び酸化膜寿命の推定を行うのである。
加速係数抽出及び酸化膜寿命の推定を行うのである。
【0096】本実施形態によれば、ランプ波形状に時間
とともに増大する電流密度(ランプ電流)を酸化膜に印
加し、そのときの測定時点(ストレス時間)における電
流密度を測定しておき、総電荷量Qbdを各測定時点に
おける電流密度で除して酸化膜の寿命の推定値を求める
一方、各測定時点における電界強度を測定しておくこと
により、同じストレス時間に対応する電界強度と寿命の
推定値とを得て、これらのデータから寿命の推定値から
回帰直線を求めている。すなわち、酸化膜の破壊までの
総電荷量Qbdが電界強度Eや電流密度Jに依存しない
一定値であることを利用して、ランプ電流試験中のある
測定時点における電流密度が一定のままで酸化膜に印加
されたと仮定したときの酸化膜の寿命推定値を求め、こ
の寿命推定値に基づいて回帰直線を決定するのである。
したがって、従来の寿命推定方法のごとく、MOSキャ
パシタの複数箇所に複数種類の一定電圧を印加するので
はなく、1つの箇所にランプ電流を印加することで、以
下のような効果を発揮することができる。まず、ランプ
波形の電流密度を使用することにより、測定時間を十分
短い範囲内に収めながら、測定精度が確保できる。すな
わち、絶縁膜の破壊までの総電荷量Qbdがばらついて
極端に小さくなっている場合でも、ストレス印加初期に
おける電流密度を十分に小さくすることができるので、
絶縁膜が破壊するまでの時間を測定精度が確保できる程
度に長くすることができる。逆に、総電荷量Qbdがば
らつきにより極端に大きくなっている場合でも、破壊直
前の電流密度は十分大きくすることができるので、測定
時間が長くなることを防ぐことができる。
とともに増大する電流密度(ランプ電流)を酸化膜に印
加し、そのときの測定時点(ストレス時間)における電
流密度を測定しておき、総電荷量Qbdを各測定時点に
おける電流密度で除して酸化膜の寿命の推定値を求める
一方、各測定時点における電界強度を測定しておくこと
により、同じストレス時間に対応する電界強度と寿命の
推定値とを得て、これらのデータから寿命の推定値から
回帰直線を求めている。すなわち、酸化膜の破壊までの
総電荷量Qbdが電界強度Eや電流密度Jに依存しない
一定値であることを利用して、ランプ電流試験中のある
測定時点における電流密度が一定のままで酸化膜に印加
されたと仮定したときの酸化膜の寿命推定値を求め、こ
の寿命推定値に基づいて回帰直線を決定するのである。
したがって、従来の寿命推定方法のごとく、MOSキャ
パシタの複数箇所に複数種類の一定電圧を印加するので
はなく、1つの箇所にランプ電流を印加することで、以
下のような効果を発揮することができる。まず、ランプ
波形の電流密度を使用することにより、測定時間を十分
短い範囲内に収めながら、測定精度が確保できる。すな
わち、絶縁膜の破壊までの総電荷量Qbdがばらついて
極端に小さくなっている場合でも、ストレス印加初期に
おける電流密度を十分に小さくすることができるので、
絶縁膜が破壊するまでの時間を測定精度が確保できる程
度に長くすることができる。逆に、総電荷量Qbdがば
らつきにより極端に大きくなっている場合でも、破壊直
前の電流密度は十分大きくすることができるので、測定
時間が長くなることを防ぐことができる。
【0097】また、ランプ波形の電流密度を使用するこ
とにより、共通のMOSキャパシタに対する電流,電圧
等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値や電界加速
係数を求めることができる。したがって、従来の絶縁膜
寿命の推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから
寿命推定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は
絶縁膜の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すな
わち、酸化膜寿命の推定精度は、測定時間が短縮された
にもかかわらず、低下することはない。
とにより、共通のMOSキャパシタに対する電流,電圧
等の測定から実使用時の絶縁膜寿命の推定値や電界加速
係数を求めることができる。したがって、従来の絶縁膜
寿命の推定方法のごとく、異なるMOSキャパシタから
寿命推定を行うことに起因して生じる電界加速係数又は
絶縁膜の寿命推定の誤差が大きくなることはない。すな
わち、酸化膜寿命の推定精度は、測定時間が短縮された
にもかかわらず、低下することはない。
【0098】また、本実施形態における酸化膜寿命の推
定方法を実施するための測定方法は、従来のランプ電流
によるTDDB測定の方法に、ランプ波形の各電流密度
における電界強度の測定を加えたものである。このた
め、従来のランプ電流によるTDDB測定と同時に同一
の試料に対し実施することが可能である。つまり、本実
施形態の測定のために専用の試料を必要とせず、試料数
および測定時間の増大を伴わずにウエハレベルでの酸化
膜の信頼性評価が従来の方法と同時に実現できる。この
ため信頼性に関する情報がより多く得られ、酸化膜の信
頼性評価精度を大幅に高めることが可能となる。
定方法を実施するための測定方法は、従来のランプ電流
によるTDDB測定の方法に、ランプ波形の各電流密度
における電界強度の測定を加えたものである。このた
め、従来のランプ電流によるTDDB測定と同時に同一
の試料に対し実施することが可能である。つまり、本実
施形態の測定のために専用の試料を必要とせず、試料数
および測定時間の増大を伴わずにウエハレベルでの酸化
膜の信頼性評価が従来の方法と同時に実現できる。この
ため信頼性に関する情報がより多く得られ、酸化膜の信
頼性評価精度を大幅に高めることが可能となる。
【0099】さらに、本実施形態の推定方法は、絶縁膜
が破壊するまでの総電荷量Qbdが電界強度や電流密度
に依存しない一定値であるという経験的事実に基づいて
いるものであるために、本実施形態により得られる電界
加速係数及び実使用時の酸化膜寿命の推定値は、従来の
方法による電界加速係数および実使用時の酸化膜寿命の
推定値と高い互換性を有する。
が破壊するまでの総電荷量Qbdが電界強度や電流密度
に依存しない一定値であるという経験的事実に基づいて
いるものであるために、本実施形態により得られる電界
加速係数及び実使用時の酸化膜寿命の推定値は、従来の
方法による電界加速係数および実使用時の酸化膜寿命の
推定値と高い互換性を有する。
【0100】よって、本実施形態の方法により得られた
電界加速係数を用いてバーンイン条件を短期間で適切に
決定することが可能となる。
電界加速係数を用いてバーンイン条件を短期間で適切に
決定することが可能となる。
【0101】−第2の実施形態に関する実施例− ここで、本実施形態の方法を利用して行われた半導体デ
バイスの製造工程中における酸化膜の寿命推定の具体的
な実施例について説明する。ここでは、MOSキャパシ
タの容量絶縁膜である酸化膜について寿命推定を行う場
合について説明する。
バイスの製造工程中における酸化膜の寿命推定の具体的
な実施例について説明する。ここでは、MOSキャパシ
タの容量絶縁膜である酸化膜について寿命推定を行う場
合について説明する。
【0102】この実施例では、拡散工程が終了したウエ
ハ上のMOSキャパシタを用いて酸化膜の信頼性を短時
間に評価する例を説明する。この場合、評価対象となる
酸化膜をキャパシタ絶縁膜とする多数のMOSキャパシ
タに対し、ウエハ状態のままで以下のような手順で寿命
の推定値τESを決定するための試験を行う。ただし、こ
の実施例で用いたMOSキャパシタの容量絶縁膜を構成
する酸化膜の膜厚は12nm、平面上の酸化膜寸法は1
00μm×50μm、酸化膜面積は5000μm2 であ
る。また、寿命推定のために必要なデータは、オートプ
ローバと連動した測定器を用いて、ウエハ上の各MOS
キャパシタにおける測定点を移動しながら順次プロービ
ングして測定する。この測定器には電圧源、電流源、電
圧計、電流計、および容量計が備わっている。
ハ上のMOSキャパシタを用いて酸化膜の信頼性を短時
間に評価する例を説明する。この場合、評価対象となる
酸化膜をキャパシタ絶縁膜とする多数のMOSキャパシ
タに対し、ウエハ状態のままで以下のような手順で寿命
の推定値τESを決定するための試験を行う。ただし、こ
の実施例で用いたMOSキャパシタの容量絶縁膜を構成
する酸化膜の膜厚は12nm、平面上の酸化膜寸法は1
00μm×50μm、酸化膜面積は5000μm2 であ
る。また、寿命推定のために必要なデータは、オートプ
ローバと連動した測定器を用いて、ウエハ上の各MOS
キャパシタにおける測定点を移動しながら順次プロービ
ングして測定する。この測定器には電圧源、電流源、電
圧計、電流計、および容量計が備わっている。
【0103】まず、MOSキャパシタが電荷蓄積状態と
なるような電圧をMOSキャパシタに印加する。このと
き、被測定物がP型基板上に形成されたMOSキャパシ
タの場合には、下部電極となる基板に対する上部電極の
電圧を負に、たとえば−5Vにする。逆に、N型基板上
に形成されたMOSキャパシタの場合には、基板に対す
る上部電極の電圧を正に、たとえば+5Vにする。MO
Sキャパシタが電荷蓄積状態の場合、酸化膜の容量がM
OSキャパシタの容量として現われる。そこでMOSキ
ャパシタの容量を測定し、その容量と酸化膜面積から酸
化膜の厚みを計算する。この酸化膜の厚みは酸化膜に印
加された電圧から酸化膜に印加される電界強度を求める
際に必要なパラメータである。
なるような電圧をMOSキャパシタに印加する。このと
き、被測定物がP型基板上に形成されたMOSキャパシ
タの場合には、下部電極となる基板に対する上部電極の
電圧を負に、たとえば−5Vにする。逆に、N型基板上
に形成されたMOSキャパシタの場合には、基板に対す
る上部電極の電圧を正に、たとえば+5Vにする。MO
Sキャパシタが電荷蓄積状態の場合、酸化膜の容量がM
OSキャパシタの容量として現われる。そこでMOSキ
ャパシタの容量を測定し、その容量と酸化膜面積から酸
化膜の厚みを計算する。この酸化膜の厚みは酸化膜に印
加された電圧から酸化膜に印加される電界強度を求める
際に必要なパラメータである。
【0104】続いて、図5に示すような酸化膜破壊が生
じる時点tB まで時間tとともにランプ波形状に増加す
る電流密度J(t)を酸化膜に印加する。この実施例に
おいては、ランプ波形状の電流密度J(t)の増加率を
0.1decade/secとする。これは、deca
deが桁あるいは常用対数値を意味することから、電流
密度Jが時間tに対し指数関数的に増加し、電流密度J
の対数ln(J)の時間tに対する増加率が一定である
ことを示している。
じる時点tB まで時間tとともにランプ波形状に増加す
る電流密度J(t)を酸化膜に印加する。この実施例に
おいては、ランプ波形状の電流密度J(t)の増加率を
0.1decade/secとする。これは、deca
deが桁あるいは常用対数値を意味することから、電流
密度Jが時間tに対し指数関数的に増加し、電流密度J
の対数ln(J)の時間tに対する増加率が一定である
ことを示している。
【0105】ここで、電流源にランプ電流を発生させる
機能が備わっている場合には、その機能を利用してラン
プ波形状に変化する電流密度J(t)を発生させること
ができる。電流源にランプ電流を発生させる機能が備わ
っていない場合には、時間刻みを測定器の時間精度の許
容範囲内で短くした階段波形によりランプ波形を模擬
し、ランプ電流の印加開始時からの経過時間に比例して
増大する対数値を持つ電流密度を酸化膜に印加すること
ができる。
機能が備わっている場合には、その機能を利用してラン
プ波形状に変化する電流密度J(t)を発生させること
ができる。電流源にランプ電流を発生させる機能が備わ
っていない場合には、時間刻みを測定器の時間精度の許
容範囲内で短くした階段波形によりランプ波形を模擬
し、ランプ電流の印加開始時からの経過時間に比例して
増大する対数値を持つ電流密度を酸化膜に印加すること
ができる。
【0106】本実施例では、ストレスの印加を開始して
から17秒後に酸化膜の破壊が生じている。この過程に
おいて、酸化膜への印加電流を酸化膜面積で除すること
により、各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における電
流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 を求める。ただし、本実
施例では、ランプ波形状の電流密度曲線J(t)上の4
点t1 ,t2 ,t3 ,t4 は、ストレスの印加開始から
それぞれ0.1A/cm2 、0.2A/cm2 、0.5
A/cm2 、1.0A/cm2 となった時点である。さ
らに、各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 において酸化
膜に印加されている電圧を測定し、この電圧を既に測定
されている酸化膜の厚みで除することにより、上記各測
定時点における酸化膜への印加電界強度E1 ,E2 ,E
3 ,E4を求める。本実施例では、上記4点における電
界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 は、それぞれ11.8M
V/cm、12.2MV/cm、12.7MV/cm、
13.1MV/cmである。
から17秒後に酸化膜の破壊が生じている。この過程に
おいて、酸化膜への印加電流を酸化膜面積で除すること
により、各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における電
流密度J1 ,J2 ,J3 ,J4 を求める。ただし、本実
施例では、ランプ波形状の電流密度曲線J(t)上の4
点t1 ,t2 ,t3 ,t4 は、ストレスの印加開始から
それぞれ0.1A/cm2 、0.2A/cm2 、0.5
A/cm2 、1.0A/cm2 となった時点である。さ
らに、各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 において酸化
膜に印加されている電圧を測定し、この電圧を既に測定
されている酸化膜の厚みで除することにより、上記各測
定時点における酸化膜への印加電界強度E1 ,E2 ,E
3 ,E4を求める。本実施例では、上記4点における電
界強度E1 ,E2 ,E3 ,E4 は、それぞれ11.8M
V/cm、12.2MV/cm、12.7MV/cm、
13.1MV/cmである。
【0107】上述のように、この実施例では、ストレス
の印加時間が17秒に達した時点で酸化膜に印加される
電流密度Jは突然大きく増大している。この電流密度の
突然の大きな増大が生じた時点が酸化膜の破壊が生じた
時点tB である。酸化膜の破壊が生じた時点tB までの
電流密度J(t)を時間に関して積分して、酸化膜が破
壊されるまでに酸化膜に印加された総電荷量Qbd(C
/cm2 )を算出する。本実施例では、この総電荷量Q
bdは14(C/cm2 )である。
の印加時間が17秒に達した時点で酸化膜に印加される
電流密度Jは突然大きく増大している。この電流密度の
突然の大きな増大が生じた時点が酸化膜の破壊が生じた
時点tB である。酸化膜の破壊が生じた時点tB までの
電流密度J(t)を時間に関して積分して、酸化膜が破
壊されるまでに酸化膜に印加された総電荷量Qbd(C
/cm2 )を算出する。本実施例では、この総電荷量Q
bdは14(C/cm2 )である。
【0108】次に、この酸化膜の破壊までの総電荷量Q
bdの値を、既に測定されているランプ波形線E(t)
の各点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における電流密度0.1
A/cm2 、0.2A/cm2 、0.5A/cm2 、
1.0A/cm2 で除することにより、上記各測定時点
の電界強度11.8MV/cm、12.2MV/cm、
12.7MV/cm、13.1MV/cmにおける酸化
膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 を求める。本実
施例においては、酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2,τ3
,τ4 は、各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 に対し
て、順に140秒、70秒、28秒、14秒である。
bdの値を、既に測定されているランプ波形線E(t)
の各点t1 ,t2 ,t3 ,t4 における電流密度0.1
A/cm2 、0.2A/cm2 、0.5A/cm2 、
1.0A/cm2 で除することにより、上記各測定時点
の電界強度11.8MV/cm、12.2MV/cm、
12.7MV/cm、13.1MV/cmにおける酸化
膜寿命の推定値τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 を求める。本実
施例においては、酸化膜寿命の推定値τ1 ,τ2,τ3
,τ4 は、各測定時点t1 ,t2 ,t3 ,t4 に対し
て、順に140秒、70秒、28秒、14秒である。
【0109】この各電界強度11.8MV/cm、1
2.2MV/cm、12.7MV/cm、13.1MV
/cmにおける酸化膜寿命の推定値140秒、70秒、
28秒、14秒を、図6に示すように、酸化膜に印加さ
れる電界強度Eを横軸とし、酸化膜寿命の推定値τ(対
数)を縦軸とする片対数グラフ上にプロットする。これ
にもとづいて各電界強度における酸化膜寿命の推定値1
40秒、70秒、28秒、14秒を電界強度Eの関数τ
(E)、例えば回帰直線として近似しこの回帰直線の傾
きをストレスの電界加速係数β(decades/MV
/cm)として抽出する。この回帰直線τ(E)を利用
すれば、任意の電界強度における酸化膜寿命の推定値を
求めることができるので、この回帰直線τ(E)を用い
て実使用時の酸化膜に印加される電界強度の最大値Ema
x おける実使用時の酸化膜寿命の推定値τESを求める。
2.2MV/cm、12.7MV/cm、13.1MV
/cmにおける酸化膜寿命の推定値140秒、70秒、
28秒、14秒を、図6に示すように、酸化膜に印加さ
れる電界強度Eを横軸とし、酸化膜寿命の推定値τ(対
数)を縦軸とする片対数グラフ上にプロットする。これ
にもとづいて各電界強度における酸化膜寿命の推定値1
40秒、70秒、28秒、14秒を電界強度Eの関数τ
(E)、例えば回帰直線として近似しこの回帰直線の傾
きをストレスの電界加速係数β(decades/MV
/cm)として抽出する。この回帰直線τ(E)を利用
すれば、任意の電界強度における酸化膜寿命の推定値を
求めることができるので、この回帰直線τ(E)を用い
て実使用時の酸化膜に印加される電界強度の最大値Ema
x おける実使用時の酸化膜寿命の推定値τESを求める。
【0110】本実施例においては、拡散工程を終了した
1ロット約50枚のウエハに対して各ウエハ5点の測定
点がある場合、約1.2時間という短時間で全測定が終
了し、各ウエハ上の各測定点の酸化膜寿命の推定値が得
られる。この測定時間は、1つの酸化膜寿命の推定値を
得るのに必要なMOSキャパシタの個数が1個だけでも
よく、かつ酸化膜1個当りの測定時間を短縮できるた
め、全体として、従来の酸化膜の寿命の推定方法による
場合の数10分の1で済み、飛躍的な測定効率の向上が
実現できる。
1ロット約50枚のウエハに対して各ウエハ5点の測定
点がある場合、約1.2時間という短時間で全測定が終
了し、各ウエハ上の各測定点の酸化膜寿命の推定値が得
られる。この測定時間は、1つの酸化膜寿命の推定値を
得るのに必要なMOSキャパシタの個数が1個だけでも
よく、かつ酸化膜1個当りの測定時間を短縮できるた
め、全体として、従来の酸化膜の寿命の推定方法による
場合の数10分の1で済み、飛躍的な測定効率の向上が
実現できる。
【0111】さらに、本実施例の各電界強度における酸
化膜寿命の推定値は実測値とよく一致しているため、上
述のように、本実施形態による電界加速係数及び実使用
時の酸化膜寿命の推定値が、従来の方法による電界加速
係数および実使用時の酸化膜寿命の推定値と高い互換性
を有することが裏付けられた。
化膜寿命の推定値は実測値とよく一致しているため、上
述のように、本実施形態による電界加速係数及び実使用
時の酸化膜寿命の推定値が、従来の方法による電界加速
係数および実使用時の酸化膜寿命の推定値と高い互換性
を有することが裏付けられた。
【0112】(その他の実施形態)上記各実施形態で
は、絶縁膜に一定の割合で増大する電界強度又は電流密
度を印加するようにしたが、本発明において絶縁膜に印
加する電界強度又は電流密度は、かかる実施形態におけ
る変化特性に限定されるものではない。例えば、図7に
示す実線曲線や破線曲線のように、曲線状に変化する特
性を有する電界強度又は電流密度を印加してもよい。ま
た、図8に示すように、所定時間の間直線的に増大した
後一定値となるような変化特性を有する電界強度又は電
流密度を印加してもよい。
は、絶縁膜に一定の割合で増大する電界強度又は電流密
度を印加するようにしたが、本発明において絶縁膜に印
加する電界強度又は電流密度は、かかる実施形態におけ
る変化特性に限定されるものではない。例えば、図7に
示す実線曲線や破線曲線のように、曲線状に変化する特
性を有する電界強度又は電流密度を印加してもよい。ま
た、図8に示すように、所定時間の間直線的に増大した
後一定値となるような変化特性を有する電界強度又は電
流密度を印加してもよい。
【0113】また、上記図2,図5,図7及び図8にお
いては、電界密度又は電流密度の経時変化特性線を連続
的に増大するように表しているが、現実には階段状に変
化する経時変化特性線で近似することが多い。
いては、電界密度又は電流密度の経時変化特性線を連続
的に増大するように表しているが、現実には階段状に変
化する経時変化特性線で近似することが多い。
【0114】上記図1,図4に示す手順は、コンピュー
タで読みとり可能な記録媒体に記憶させておいて、この
記録媒体をコンピュータに組み込むことにより、絶縁膜
の寿命の推定などを迅速かつ自動的に行なうことができ
る。記録媒体の種類としては磁気ディスクが一般的に利
用されるが、磁気ディスク以外の磁気的な手段(たとえ
ばバブルメモリ)による記録媒体や、光ディスク等の機
械的な凹凸パターンによる記録媒体や、電荷の有無や電
気的接続状態の相違を利用したROM等の半導体メモリ
として総称される記録媒体や、バーコーダ等の光学的パ
ターンによる記録媒体など、コンピュータで読みとり可
能な記録媒体であればいずれの記録媒体を用いてもよ
い。
タで読みとり可能な記録媒体に記憶させておいて、この
記録媒体をコンピュータに組み込むことにより、絶縁膜
の寿命の推定などを迅速かつ自動的に行なうことができ
る。記録媒体の種類としては磁気ディスクが一般的に利
用されるが、磁気ディスク以外の磁気的な手段(たとえ
ばバブルメモリ)による記録媒体や、光ディスク等の機
械的な凹凸パターンによる記録媒体や、電荷の有無や電
気的接続状態の相違を利用したROM等の半導体メモリ
として総称される記録媒体や、バーコーダ等の光学的パ
ターンによる記録媒体など、コンピュータで読みとり可
能な記録媒体であればいずれの記録媒体を用いてもよ
い。
【0115】
【発明の効果】本発明の第1の半導体装置の評価方法に
よれば、絶縁膜に経時変化する電圧を印加して、その間
の各測定時点における電流密度を測定し、この各電流密
度が一定のままで絶縁膜に印加されたと仮定したときの
絶縁膜の寿命の推定値を求めるとともに、同じ測定時点
に対応する電界強度と寿命の推定値とから絶縁膜の寿命
を電界強度の関数として近似し、この関数に基づき電界
加速係数の抽出や絶縁膜の寿命推定を行うようにしたの
で、従来の方法との互換性を保ったままで、推定精度の
低下を伴うことなく、試験のための測定時間を大幅に短
縮することができる。
よれば、絶縁膜に経時変化する電圧を印加して、その間
の各測定時点における電流密度を測定し、この各電流密
度が一定のままで絶縁膜に印加されたと仮定したときの
絶縁膜の寿命の推定値を求めるとともに、同じ測定時点
に対応する電界強度と寿命の推定値とから絶縁膜の寿命
を電界強度の関数として近似し、この関数に基づき電界
加速係数の抽出や絶縁膜の寿命推定を行うようにしたの
で、従来の方法との互換性を保ったままで、推定精度の
低下を伴うことなく、試験のための測定時間を大幅に短
縮することができる。
【0116】本発明の第2の半導体装置の評価方法によ
れば、絶縁膜に経時変化する電流密度を印加して、各測
定時点における電流密度が一定のままで絶縁膜に印加さ
れたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を求めると
ともに、その間の各測定時点における電界強度を測定
し、同じ測定時点に対応する電界強度と寿命の推定値と
から絶縁膜の寿命を電界強度の関数として近似し、この
関数に基づき電界加速係数の抽出や絶縁膜の寿命推定を
行うようにしたので、従来の方法との互換性を保ったま
まで、推定精度の低下を伴うことなく、試験のための測
定時間を大幅に短縮することができる。
れば、絶縁膜に経時変化する電流密度を印加して、各測
定時点における電流密度が一定のままで絶縁膜に印加さ
れたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を求めると
ともに、その間の各測定時点における電界強度を測定
し、同じ測定時点に対応する電界強度と寿命の推定値と
から絶縁膜の寿命を電界強度の関数として近似し、この
関数に基づき電界加速係数の抽出や絶縁膜の寿命推定を
行うようにしたので、従来の方法との互換性を保ったま
まで、推定精度の低下を伴うことなく、試験のための測
定時間を大幅に短縮することができる。
【0117】本発明の第1,第2の半導体装置の製造工
程の管理方法によれば、上記半導体装置の評価方法を利
用して、製造装置のトラブル等によるプロセス条件の変
動による絶縁膜の寿命の変動を短期間で全ウエハに対し
てモニタリングすることが可能となり、信頼性の高い半
導体装置を低コストで製造することができる。
程の管理方法によれば、上記半導体装置の評価方法を利
用して、製造装置のトラブル等によるプロセス条件の変
動による絶縁膜の寿命の変動を短期間で全ウエハに対し
てモニタリングすることが可能となり、信頼性の高い半
導体装置を低コストで製造することができる。
【0118】本発明の第1,第2の記録媒体によれば、
上記第1,第2の評価方法の手順をコンピュータに行な
わせることができるので、絶縁膜の寿命の推定を迅速か
つ自動的に行なうことができる。
上記第1,第2の評価方法の手順をコンピュータに行な
わせることができるので、絶縁膜の寿命の推定を迅速か
つ自動的に行なうことができる。
【図1】第1の実施形態に係るランプ電圧によるTDD
B試験から酸化膜寿命を推定する方法の手順を示すフロ
ーチャート図である。
B試験から酸化膜寿命を推定する方法の手順を示すフロ
ーチャート図である。
【図2】第1の実施形態におけるランプ電圧の波形と、
このランプ電界強度を印加した際の酸化膜に印加される
電流密度の測定結果とを示す図である。
このランプ電界強度を印加した際の酸化膜に印加される
電流密度の測定結果とを示す図である。
【図3】第1の実施形態において得られる酸化膜の寿命
の推定値を印加電圧の関数として表す回帰直線と、この
回帰直線を用いて電界加速係数の抽出と酸化膜の寿命推
定とを行う方法を説明する図である。
の推定値を印加電圧の関数として表す回帰直線と、この
回帰直線を用いて電界加速係数の抽出と酸化膜の寿命推
定とを行う方法を説明する図である。
【図4】第2の実施形態に係るランプ電流密度によるT
DDB試験から酸化膜寿命を推定する方法の手順を示す
フローチャート図である。
DDB試験から酸化膜寿命を推定する方法の手順を示す
フローチャート図である。
【図5】第2の実施形態におけるランプ電流密度の波形
と、このランプ電流密度を印加した際の酸化膜に印加さ
れる電界強度の測定結果とを示す図である。
と、このランプ電流密度を印加した際の酸化膜に印加さ
れる電界強度の測定結果とを示す図である。
【図6】第2の実施形態において得られる酸化膜の寿命
の推定値を印加電圧の関数として表す回帰直線と、この
回帰直線を用いて電界加速係数の抽出と酸化膜の寿命推
定とを行う方法を説明する図である。
の推定値を印加電圧の関数として表す回帰直線と、この
回帰直線を用いて電界加速係数の抽出と酸化膜の寿命推
定とを行う方法を説明する図である。
【図7】その他の実施形態における時間の経過に対して
曲線状に変化する電界強度又は電流密度の例を示す図で
ある。
曲線状に変化する電界強度又は電流密度の例を示す図で
ある。
【図8】その他の実施形態における時間の経過に対して
直線状に変化した後一定値となる電界強度又は電流密度
の例を示す図である。
直線状に変化した後一定値となる電界強度又は電流密度
の例を示す図である。
【図9】従来の方法による定電圧TDDB試験から酸化
膜寿命を推定する方法の手順を示すフローチャート図で
ある。
膜寿命を推定する方法の手順を示すフローチャート図で
ある。
【図10】従来の方法による各ストレス電界強度におけ
る酸化膜寿命の測定結果を示す図である。
る酸化膜寿命の測定結果を示す図である。
【図11】従来の方法において得られる酸化膜の寿命を
印加電圧の関数として表す回帰直線と、この回帰直線を
用いて電界加速係数の抽出と酸化膜の寿命推定とを行う
方法を説明する図である。
印加電圧の関数として表す回帰直線と、この回帰直線を
用いて電界加速係数の抽出と酸化膜の寿命推定とを行う
方法を説明する図である。
E 電界強度 J 電流密度 t 時点 τ 酸化膜寿命の推定値 Emax 最大電界強度 τES 実使用時の寿命の推定値 T 酸化膜の寿命
Claims (19)
- 【請求項1】 半導体装置内に設けられた絶縁膜に、強
度が時間の経過とともに変化する電界を印加する第1の
ステップと、 上記電界が印加されている間の複数の時点において上記
絶縁膜に印加される電流密度を測定する第2のステップ
と、 上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度を時
間について積分して破壊までの電荷量を算出する第3の
ステップと、 上記第3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊まで
の電荷量を上記第2のステップで測定された各時点の電
流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定
で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を
求める第4のステップと、 上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関数として近似
する第5のステップと、 上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電界強
度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともいずれ
か一方を行う第6のステップとを備えていることを特徴
とする半導体装置の評価方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の評価方法に
おいて、 上記第6のステップでは、少なくとも電界加速係数を抽
出し、 この抽出された電界加速係数を用いて上記絶縁膜が使用
される製品のバーンイン条件を決定することを特徴とす
る半導体装置の評価方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の半導体装置の評価方法に
おいて、 上記第1のステップでは、各測定時点間における強度が
増加する電界を使用することを特徴とする半導体装置の
評価方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の評価方法に
おいて、 上記第1のステップでは、各測定時点間における強度の
増加率が一定な電界を使用することを特徴とする半導体
装置の評価方法。 - 【請求項5】 請求項3記載の半導体装置の評価方法に
おいて、 上記第1のステップでは、強度が時間の経過に対して階
段状に変化する電界を使用することを特徴とする半導体
装置の評価方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の半導体装置の評価方法に
おいて、 上記第1〜第6のステップは、絶縁耐圧測定と同時に同
一の試料に対し実施することを特徴とする半導体装置の
評価方法。 - 【請求項7】 請求項2記載の半導体装置の評価方法に
おいて、 上記評価のための試験は、ランプ電圧によるTDDB試
験と同時に同一の試料に対し実施することを特徴とする
半導体装置の評価方法。 - 【請求項8】 半導体装置内に設けられた絶縁膜に、密
度が時間とともに変化する電流を印加する第1のステッ
プと、 上記電流が印加されている間の複数の時点において上記
絶縁膜に印加される電界強度を測定する第2のステップ
と、 上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの電流密度を時間に
ついて積分して破壊までの電荷量を算出する第3のステ
ップと、 上記第3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊まで
の電荷量を上記第2のステップで測定された各時点の電
流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定
で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を
求める第4のステップと、 上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関数として近似
する第5のステップと、 上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電界強
度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともいずれ
か一方を行う第6のステップとを備えていることを特徴
とする半導体装置の評価方法。 - 【請求項9】 請求項8記載の半導体装置の評価方法に
おいて、 上記第6のステップでは、少なくとも電界加速係数を抽
出し、 この抽出された電界加速係数を用いて上記絶縁膜が使用
される製品のバーンイン条件を決定することを特徴とす
る半導体装置の評価方法。 - 【請求項10】 請求項8記載の半導体装置の評価方法
において、 上記第1のステップでは、各測定時点間における密度が
増大するように変化する電流を使用することを特徴とす
る半導体装置の評価方法。 - 【請求項11】 請求項10記載の半導体装置の評価方
法において、 上記第1のステップでは、各測定時点間における密度の
対数増加率が一定な電流を使用することを特徴とする半
導体装置の評価方法。 - 【請求項12】 請求項10記載の半導体装置の評価方
法において、 上記第1のステップでは、密度が時間の経過とともに階
段状に変化する電流を使用することを特徴とする半導体
装置の評価方法。 - 【請求項13】 請求項8記載の半導体装置の評価方法
において、 上記信頼性試験は、ランプ電流によるTDDB試験と同
時に同一の試料に対し実施することを特徴とする半導体
装置の評価方法。 - 【請求項14】 半導体基板上に、第1,第2の導電層
と該第1,第2の導電層に挟まれる絶縁膜とを形成する
工程と、 上記絶縁膜の寿命を推定する工程と、 上記絶縁膜の寿命の推定結果に応じて、上記第1,第2
の導体層及び絶縁膜の製造条件を管理する工程とを備え
た半導体装置の製造工程における管理方法であって、 上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、 上記絶縁膜に、強度が時間の経過とともに変化する電界
を印加するステップと、 上記電界が印加されている間の複数の時点において上記
絶縁膜に印加される電流密度を測定するステップと、 上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度を時
間について積分して破壊までの電荷量を算出するステッ
プと、 上記第3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊まで
の電荷量を上記第2のステップで測定された各時点の電
流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定
で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を
求めるステップと、 上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関数として近似
するステップと、 上記関数に基づき、任意の電界強度における絶縁膜寿命
の推定とを行うステップとを備えていることを特徴とす
る半導体装置の製造工程の管理方法。 - 【請求項15】 請求項14記載の半導体装置の製造工
程の管理方法において、 上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、上記半導体基板が
ウエハの状態で行なわれることを特徴とする半導体装置
の製造工程の管理方法。 - 【請求項16】 半導体基板上に、第1,第2の導電層
と該第1,第2の導電層に挟まれる絶縁膜とを形成する
工程と、 上記絶縁膜の寿命を推定する工程と、 上記絶縁膜の寿命の推定結果に応じて、上記第1,第2
の導体層及び絶縁膜の製造条件を管理する工程とを備え
た半導体装置の製造工程における管理方法であって、 上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、 上記絶縁膜に、密度が時間とともに変化する電流を印加
するステップと、 上記電流が印加されている間の複数の時点において上記
絶縁膜に印加される電界強度を測定するステップと、 上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度を時
間について積分して破壊までの電荷量を算出するステッ
プと、 上記第3のステップで算出された上記絶縁膜の破壊まで
の電荷量を上記第2のステップで測定された各時点の電
流密度で除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定
で印加されたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を
求めるステップと、 上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関数として近似
するステップと、 上記関数に基づき、上記絶縁膜寿命の推定を行うステッ
プとを備えていることを特徴とする半導体装置の製造工
程の管理方法。 - 【請求項17】 請求項16記載の半導体装置の製造工
程の管理方法において、 上記絶縁膜の寿命を推定する工程は、上記半導体基板が
ウエハの状態で行なわれることを特徴とする半導体装置
の製造工程の管理方法。 - 【請求項18】 絶縁膜を有する半導体装置の特性評価
を行なうために使用されるコンピュータに組み込み可能
な記録媒体であって、 上記絶縁膜に、強度が時間の経過とともに変化する電界
を印加する第1の手順と、 上記電界が印加されている間の複数の時点において上記
絶縁膜に印加される電流密度を測定する第2の手順と、 上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの上記電流密度を時
間について積分して破壊までの電荷量を算出する第3の
手順と、 上記第3の手順で算出された上記絶縁膜の破壊までの電
荷量を上記第2の手順で測定された各時点の電流密度で
除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定で印加さ
れたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を求める第
4の手順と、 上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関数として近似
する第5の手順と、 上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電界強
度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともいずれ
か一方を行う第6の手順とをコンピュータに実行させる
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
媒体。 - 【請求項19】 絶縁膜を有する半導体装置の特性評価
を行なうために使用されるコンピュータに組み込み可能
な記録媒体であって、 上記絶縁膜に、密度が時間とともに変化する電流を印加
する第1の手順と、 上記電流が印加されている間の複数の時点において上記
絶縁膜に印加される電界強度を測定する第2の手順と、 上記絶縁膜の破壊が生じる時点までの電流密度を時間に
ついて積分して破壊までの電荷量を算出する第3の手順
と、 上記第3の手順で算出された上記絶縁膜の破壊までの電
荷量を上記第2の手順で測定された各時点の電流密度で
除し、各時点ごとにそのときの電流密度が一定で印加さ
れたと仮定したときの絶縁膜の寿命の推定値を求める第
4の手順と、 上記絶縁膜の寿命の推定値を電界強度の関数として近似
する第5の手順と、 上記関数に基づき、電界加速係数の抽出と任意の電界強
度における絶縁膜寿命の推定とのうち少なくともいずれ
か一方を行う第6の手順とをコンピュータに実行させる
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10145290A JPH1197500A (ja) | 1997-07-24 | 1998-05-27 | 半導体装置の評価方法,半導体装置の製造工程の管理方法及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-198446 | 1997-07-24 | ||
JP19844697 | 1997-07-24 | ||
JP10145290A JPH1197500A (ja) | 1997-07-24 | 1998-05-27 | 半導体装置の評価方法,半導体装置の製造工程の管理方法及び記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1197500A true JPH1197500A (ja) | 1999-04-09 |
Family
ID=26476452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10145290A Pending JPH1197500A (ja) | 1997-07-24 | 1998-05-27 | 半導体装置の評価方法,半導体装置の製造工程の管理方法及び記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1197500A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005235931A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | シリコンウェーハの評価方法 |
CN116754919A (zh) * | 2023-08-18 | 2023-09-15 | 河北博威集成电路有限公司 | 外场寿命评估方法、装置、电子设备及存储介质 |
-
1998
- 1998-05-27 JP JP10145290A patent/JPH1197500A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005235931A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | シリコンウェーハの評価方法 |
JP4501450B2 (ja) * | 2004-02-18 | 2010-07-14 | 信越半導体株式会社 | シリコンウェーハの評価方法 |
CN116754919A (zh) * | 2023-08-18 | 2023-09-15 | 河北博威集成电路有限公司 | 外场寿命评估方法、装置、电子设备及存储介质 |
CN116754919B (zh) * | 2023-08-18 | 2023-12-01 | 河北博威集成电路有限公司 | 外场寿命评估方法、装置、电子设备及存储介质 |
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