JPH1196702A - 磁気ディスク装置及び該装置に用いるサーマルアスペリティー制御方法 - Google Patents

磁気ディスク装置及び該装置に用いるサーマルアスペリティー制御方法

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JPH1196702A
JPH1196702A JP25480797A JP25480797A JPH1196702A JP H1196702 A JPH1196702 A JP H1196702A JP 25480797 A JP25480797 A JP 25480797A JP 25480797 A JP25480797 A JP 25480797A JP H1196702 A JPH1196702 A JP H1196702A
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servo
circuit
signal
output
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JP25480797A
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Naoki Sato
直喜 佐藤
Akihiko Hirano
章彦 平野
Seiichi Mita
誠一 三田
Yosuke Hamada
洋介 濱田
Yosuke Seo
洋右 瀬尾
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TAのような雑音が重畳したサーボ信号であ
っても、比較的小規模な付加回路でこのような雑音の影
響を除去すること。 【解決手段】 サーボ領域での高域通過特性のカットオ
フ周波数をバースト信号周波数近傍に高く設定し、これ
をA/D変換してディジタルサーボ復調することでサー
ボ信号からTAを除去する。これによりサーボ信号領域
で大きなTAが発生しても、連続した記録再生が可能な
高性能な信号処理回路及び磁気ディスク装置を提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、MRヘッドを再生
ヘッドとする磁気記録再生装置に係り、特に狭スペーシ
ング時に問題となるサーマルアスペリティーに対して、
サーボ信号領域で強い耐力を持つ高性能な磁気ディスク
装置及び該装置に用いるサーマルアスペリティー制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、一般的な磁気ディスク装置の磁気
ヘッド1とディスク2の浮上状態部分を図7を参照して
説明する。ここで再生ヘッド3には、比較的高い感度を
有するMRヘッドを用いる。MRヘッド素子3とは、磁
気抵抗効果を有する薄膜素子をセンサとする薄膜ヘッド
素子である。MRヘッド素子とディスク間が狭スペーシ
ングになると、ディスクの微小突起部分4とMRヘッド
素子3との接触等によってMRヘッドの抵抗値が接触時
の熱によって変化し、図8に示すように信号のエンベロ
ープが大きくうねるようなサーマルアスペリティー(T
A:Thermal Asperity)が発生するこ
とが知られている。このTAの大きさ(Ata)は、信
号振幅(Asig)と同程度以上に達することがあり、
再生性能及びサーボ復調性能に致命的な影響を与える可
能性があった。
【0003】次に磁気ディスク装置(HDD)10の構
成の一例を図9を参照して説明する。図中HDD10
は、大別して磁気ディスク等の機構部品を密閉的に収納
するヘッドディスクアセンブリ(HDA)20と制御回
路を構成するパッケージ基板(PCB)30とに分けら
れ、該HDD10は、磁気ディスク2と磁気ヘッド1と
キャリッジ103とキャリッジ103上に取り付けられ
たR/WIC(リードライト回路)104と、磁気ディ
スク2を支持するスピンドルを回転駆動するスピンドル
モータ105と、各回路の電気的接続を行うFPC(フ
レキシブルケーブル)106等を含み、パッケージ基板
(PCB)30は、前記FPC106を介してHDA2
0内のR/WIC104他と接続手信号処理を行う信号
処理LSI(SPC)21と、ハードディスクコントロ
ーラチップ(HDC)22と、磁気ヘッドの位置決めを
制御するサーボコントローラ(SRVC)23と、マイ
クロプロセッサ(MP)24と、上位とのインターフェ
ースを司るSCSIチップ25と、ROM26及びRA
M27等を搭載する様に構成されている。尚、符号20
3は変調回路等からなる記録回路(WSPC)である。
【0004】この様に構成された磁気ディスク装置は、
MRヘッド素子3から再生されるサーボ信号をキャリッ
ジ上のR/WIC104内のMRヘッド用のプリアンプ
で増幅し、パッケージ基板(PCB)30内の信号処理
LSIチップ21内の再生回路(RSPC)201に入
力し、該再生回路がサーボ復調結果をサーボコントロー
ラ(SRVC)23に出力し、該サーボコントローラ
(SRVC)23が前記復調結果からキャリッジ103
やスピンドルモータ105を制御する。
【0005】以下、このサーボ復調部分を図10及び図
11を参照して説明する。図10に再生回路(RSP
C)201の構成を示す。ここでは、パーシャルレスポ
ンス+最尤復号(PRML)のデータ信号処理技術と、
グレイコード化したアドレス信号の復調と4相バースト
信号の振幅を検出するポジションエラーシグナル(PE
S)復調技術を適用している。RSPC201は、デー
タ信号処理部分とサーボ復調処理部分とからなる。
【0006】前記データ信号処理部分は、可変利得増幅
器(VGA)211、低域通過フィルタ特性を有するア
ナログ等化回路(AEQ)212、A/D変換器(AD
C)213、デジタル等化器(DEQ)214、最尤復
号器(ML)215、シンクバイト検出回路(SYNC
DET)220、復調回路(DEC)216、デスクラ
ンブラ(DSQ)221とからなる信号処理回路と、デ
ータ再生時のVGAの利得を制御する可変利得増幅器制
御回路(VGAC)217、ADCのサンプルクロック
を制御する電圧制御発振器制御回路(VCOC)219
と、ADCのサンプルクロックを供給する電圧制御発振
器(VCO)218とから構成され、HDC22に再生
データが出力される。
【0007】前記サーボ復調処理部分は、VGA21
1、AEQ212、アナログ自動利得制御回路(AG
C)222、自乗振幅検出器(SDET)223、比較
器(CMP)224、クロック制御回路(CKG)22
8などから構成され、SRVC23により制御される。
【0008】図11は、従来技術のディジタルサーボ復
調処理部分の構成及び動作を説明するための図である。
この従来技術は、例えば特開平7−192238号公報
記載のディスクドライブサーボ制御装置及び特開平7−
196033号公報記載のディスク駆動装置に詳述され
ている。これらの従来技術はディジタル化のクロックを
サーボ復調信号とは非同期で用いている。
【0009】図11上段は、ディスク2上に記録された
サーボ信号の磁化パターン6を示し、図中のライン表示
が磁化が反転している部分である。このサーボ信号は、
オートゲインコントローラの引き込み領域GAINと、
サーボセクタアドレス等を示すアドレスマークやトラッ
クアドレスデータをグレイコード化して記録してあるグ
レイ領域(GRAY)と、4相バースト信号領域(BU
RST)とから構成される。前記AGC引き込み領域
(GAIN)は10MHzの再生信号に相当する数個以
上の磁化情報で記録された領域であり、グレイ領域(G
RAY)は、データ”1”を10MHzの再生信号に相
当する磁化情報2個から記録されるダイビットにより構
成し、データ”0”は20MHzの再生信号に相当する
磁化情報4個で記録される信号によってサーボセクタア
ドレス等を示すアドレスマークやトラックアドレスデー
タを構成した領域であり、4相バースト信号(BURS
T)はトラック幅方向に千鳥状に10MHzの再生信号
に相当する数個以上の磁化情報により記録された領域で
ある。また前記GAIN/GRAY/BURSTの各領
域は、共に10MHzを基本周波数とする正弦波形やダ
イビット波形である。
【0010】さて、ディスク2が回転している状態でこ
れらの磁化パターン6を磁気ヘッド(MRヘッド素子)
1で検出すると、この時のサーボ領域を示す制御信号
(SRV)14に対応したアナログ等化回路(AEQ)
212(図10)の応答波形11及び自乗振幅検出器
(SDET)223の出力18が図11下段に示す如く
得られる。
【0011】またトラックアドレス信号は、特開平7−
196033号公報記載の技術に示されるように、アナ
ログ等化回路(AEQ)212の出力11をバースト信
号周波数の4倍の40MHzのクロック(SCK19)
をCKG228を介してA/D変換器(ADC)213
に供給してディジタル化した後、ヒルベルトフィルタ
(この場合は、データ再生用のディジタルフィルタDE
Q214の係数値をSRV14で切り替える)でフィル
タリングされる。従来例でのヒルベルトフィルタの係数
値は(−1,0,1)である。このフィルタはDCと偶
数時の高調波成分を除去する。従って、アナログ等化回
路(AEQ)212の高域除去特性との組み合わせによ
って、データ”1”に対応する10MHzの信号成分の
2次高調波のMRヘッド素子3固有の波形歪み等の影響
を効率よく除去でき、更にデータ”0”に対応する20
MHzの信号成分も出力しない。即ち、このフィルタの
出力信号17を自乗振幅検出器(SDET)223で自
乗平均化することで、10MHzの信号領域(データ”
1”に対応)と20MHzに対応する信号領域(デー
タ”0”に対応)とが比較器(CMP)224で弁別さ
れ、弁別結果がグレイデータ(GD)12として出力さ
れる。
【0012】また、フォロイング時のPES情報の復調
は、特開平7−192238号公報記載のディスクドラ
イブサーボ制御技術に示されるように、4個の10MH
zの信号からなるバースト信号の振幅を自乗振幅検出器
(SDET)223の自乗平均出力をCH16で示す各
バースト区間で積算することで実施され、各区間で出力
される積算値PH0〜3をSRVC23で記憶すること
で実現される。
【0013】この様に従来技術では、データ復調時に必
要とされる回路に、わずかなディジタル回路(例えばS
DET223やCMP224等)を付加することでサー
ボ復調が可能としていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術は、G
RAY部やBURST部にサーマルアスペリティーTA
5が発生した場合、以下のような不具合を招いていた。
まず、図12に示すように、GRAY部にTA5が発生
すると、アナログ等化回路(AEQ)212の出力11
はこの部分で大きなうねりが発生し、この結果GRAY
部でA/D変換器(ADC)213がADC出力7の7
−1に示すように飽和して、ヒルベルトフィルタ214
の出力振幅が小さくなる。
【0015】従って、自乗振幅検出器(SDET)22
3の比較器(CMP)224ヘの出力18も12−1に
示すように低下することから、比較器(CMP)224
で本来”1”を出力し続ける領域で”0”となり、グレ
イデータ(GD)12に誤りが発生する。このGD12
が正しく検出できないと、サーボコントローラ(SRV
C)23がこの後のバースト復調のための制御信号CH
16を生成できない可能性があり、BURSTの復調が
不可能となる不具合があった。更にGD12の誤りがト
ラックアドレスに対応すれば、シークエラーになる不具
合もあった。
【0016】また、図13に示した如くBURST部の
先頭バーストにTA5が発生した場合、アナログ等化回
路(AEQ)212の出力11は先頭バースト部で大き
くうねり、この結果、A/D変換器(ADC)213が
ADC出力7の7−2に示すように飽和して、ヒルベル
トフィルタ214の出力振幅が小さくなる。
【0017】従って自乗振幅検出器(SDET)223
の出力18は、18−2に示すように、正常部の出力1
8−3に対して小さくなるので、これを積分した結果、
正常時のPH2に対してPH0は小さくなる。これによ
って、サーボコントローラ(SRVC)23はRVC2
3はキャリッジ103に誤制御をかけることになり、位
置決め精度が劣化する不具合があった。
【0018】更に大きなTAが発生して振幅が極端に減
少するような場合は、位置決め異常とサーボコントロー
ラ(SRVC)23が判断し、後続のデータ領域への記
録動作等が禁止されると言った不具合が生じていた。
【0019】これらのTAによるGRAYミスやバース
ト復調異常は、装置の性能を著しく低下させると共に、
また装置出荷後のユーザーサイトでサーボ信号部にTA
が生じて再試行(リトライ)等でも救済できなかった場
合には、装置障害となり得る不具合であった。
【0020】これらのTAによる装置障害を回避するた
めの従来技術としては、アナログ的な回路手法によって
TAによる雑音を検出して、この雑音を再生信号から減
算することにより雑音を除去する方法がある。しかし、
この方法ではアナログ回路の入力ダイナミックレンジを
大きく設定する必要があるために、回路規模や電力も大
きくなり、近年の小型装置には不適当であった。更に本
除去回路による雑音で性能劣化が生じる可能性があると
言う不具合があった。
【0021】また、従来技術では図10に示すように、
アナログ的な自動利得制御でADCの入力振幅をアナロ
グ自動利得制御回路(AGC)222が制御している
が、AGC222の制御動作は、多くの場合がピークホ
ールド的であるため、VGAやAEQの回路雑音や信号
雑音、TA等の波形変動に対して利得が変動しやすく、
変動幅として1dBに達する場合がある。このために、
GRAY部やBURST部の検出性能が劣化すると言っ
た不具合もあった。更には、GRAY部のデータ”0”
に対応する信号が、データ”1”に対応する信号の2倍
の周波数になるために、サーボ信号を記録する装置の高
速/高精度化が必要であると言った不具合もあった。
【0022】本発明の目的は、前述の従来技術による不
具合を除去することであり、TAのような雑音が重畳し
たサーボ信号であっても、比較的小規模な回路でTA等
の雑音の影響を除去できる磁気ディスク装置及び該装置
に用いるサーマルアスペリティー制御方法を提供するこ
とにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】前述の不具合を解決する
ため本発明は、磁気抵抗効果型ヘッドを再生ヘッドと
し、このヘッドを用いて位置決め等のサーボ制御を行う
磁気ディスク装置において、少なくともサーボ領域での
高域通過特性のカットオフ周波数を、バースト信号周波
数の0.5倍以上に設定するアナログフィルタ手段を設
け、この信号をディジタル変換手段を介してディジタル
サーボ復調手段に入力することを第1の特徴とする。
【0024】また本発明は、前記第1の特徴の磁気ディ
スク装置において、前記アナログフィルタ手段のバース
ト信号に対応する応答を、バースト信号の中央部の振幅
(p−p値)に対して先頭パルスが5%以上低下し、終
端部で10%以上のアンダーシュートが発生するように
制御することを第2の特徴とする。
【0025】更に本発明は、前記第1の特徴による磁気
ディスク装置において、前記該ディジタルサーボ復調手
段が、ディジタル変換手段の出力を入力とするディジタ
ルフィルタと、該ディジタルフィルタの出力を自乗する
自乗回路と、該自乗回路の出力を移動平均する移動平均
回路と、該移動平均回路の出力を弁別する弁別回路と、
該移動平均回路の出力を累積加算する累積加算器とから
成り、該弁別回路の出力をトラックアドレス等のコード
データとするグレイ復調手段と、該累積加算器の出力を
ポジション復調信号とするポジション復調手段とを構成
することを第3の特徴とする。
【0026】また本発明は、前記第3の特徴による磁気
ディスク装置において、前記ディジタル変換手段のサー
ボ領域でのサンプルクロックをバースト信号周波数の6
倍とし、内蔵するヒルベルトフィルタの係数値列を、
(−1,−1,0,1,1)及び(−1,0,1,1,
0,−1)のいずれかとする信号処理回路を備えること
を第4の特徴とする。
【0027】更に本発明は、磁気抵抗効果型ヘッドを再
生ヘッドとし、このヘッドを用いて位置決め等のサーボ
制御を行う磁気ディスク装置のディジタルサーボ復調の
サーマルアスペリティー制御方法において、少なくとも
サーボ領域での高域通過特性のカットオフ周波数を、バ
ースト信号周波数の0.5倍以上に設定するアナログフ
ィルタ手段を設け、この信号をディジタル変換手段を介
してディジタルサーボ復調手段に入力することを第5の
特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるディジタルサ
ーボ復調のサーマルアスペリティー制御方法及び磁気デ
ィスク装置の一実施形態を図面を参照して説明するもの
であるが、まず、原理について説明する。
【0029】本発明では、図8に示したTA発生後のノ
イズが100nsec程度でほぼ最大振幅をとるような
比較的低周波の雑音であることに着目し、サーボ領域で
の高域通過特性のカットオフ周波数をバースト信号周波
数近傍に高くしてTAを除去し、デジタルサーボ復調で
用いるADCが飽和しないようにすることを特徴とす
る。具体的には、以下の手段を用いる。
【0030】第1に、磁気抵抗効果型ヘッドを再生ヘッ
ドとし、このヘッドを用いて位置決め等のサーボ制御を
行う磁気ディスク装置において、少なくともサーボ領域
での高域通過特性のカットオフ周波数をバースト信号周
波数の0.5倍以上に設定するアナログフィルタ手段を
設け、この信号をディジタル化する手段を介してサーボ
復調手段に入力する。これによって、ディジタル化する
手段の飽和が防止でき、高精度なディジタルサーボ復調
が可能となる。
【0031】第2に、前記アナログフィルタ手段による
バースト信号に対応する応答が、バースト信号の中央部
の振幅(p−p値)に対して先頭パルスが5%以上低下
し、終端部で10%以上のアンダーシュートを発生させ
る。
【0032】第3に、前記サーボ復調手段を、ディジタ
ルフィルタ、自乗回路、移動平均回路、弁別回路とで構
成し、弁別回路の出力からトラックアドレス等のコード
データを復調するグレイ復調手段とし、移動平均回路の
出力を累積加算してポジション復調手段とする。ディジ
タル化手段が飽和することがないので、ディジタルフィ
ルタによるDC及び偶数次高調波成分の除去性能が十分
に発揮でき、高精度化が可能となる。
【0033】第4に、前記移動平均回路の出力が一定値
になるように自動利得制御手段を用いて、サーボ復調時
のGAIN部でのAGC特性を極めて安定化でき、復調
精度をより高くできる。
【0034】第5に、前記弁別回路のしきい値を、自動
利得制御手段の制御目標値の0.25倍とする。GAI
N領域での移動平均回路の出力がAGCの目標値に対応
するので、この領域の信号振幅の1/2に対応する移動
平均回路の出力が弁別回路のしきい値として適してい
る。この信号振幅に対応する移動平均回路の出力は、A
GCの目標値に対して0.25倍である。
【0035】第6に、前述の第1の手段を要する磁気デ
ィスク装置において、サーボ信号のトラックアドレス情
報を、隣接する少なくとも3個以上連続する第1の磁化
情報と、第1の磁化情報と同一区間長であって直流磁化
でなる第2の磁化情報との2状態で記録する。この区間
長にすることによって、直流磁化をトラックアドレス情
報の記録に用いても、移動平均化回路の出力が確実に最
小出力レベルをトレースする。従って、サーボ信号をバ
ースト信号の2倍の周波数で記録する装置の高速/高精
度化が不要となる。
【0036】第7に、上記磁気ディスク装置に搭載され
るディジタルサーボ復調対応の信号処理回路において、
ディジタル変換手段のサーボ領域でのサンプルクロック
をバースト信号周波数の4倍とし、内蔵するヒルベルト
フィルタの係数値列を、(−1,1,1,−1)、(−
1,−1,1,1)及び(−1,0,2,0,−1)の
いずれかとする。特に係数値列(−1,0,2,0,−
1)によれば、インターリーブ可能であり、高速のディ
ジタルサーボ復調が容易となる。サンプルクロックは、
バースト復調信号のDC及び偶数次高調波成分を完全に
除去する観点から4倍以上の偶数倍に少なくとも設定す
る必要があり、4倍のサンプルクロックは、回路規模や
動作速度の点で適している。
【0037】第8に、前述の信号処理回路において、デ
ィジタル変換手段のサーボ領域でのサンプルクロックを
バースト信号周波数の6倍とし、内蔵するヒルベルトフ
ィルタの係数値列を、(−1,−1,0,1,1)及び
(−1,0,1,1,0,−1)のいずれかとする。バ
ースト信号周波数の6倍サンプルクロックは、バースト
復調信号のDC及び偶数次高調波成分と3次の高調波成
分を除去する。特に、係数値列(−1,0,1,1,
0,−1)では、サーボ信号の低周波帯域をより狭帯域
化するため、磁化反転位置の揺らぎやサーマルアスペリ
ティーに対してより耐力の高いサーボ復調が実現でき
る。
【0038】第9に、前述の信号処理回路において、ト
ラックアドレスのデコード回路を内蔵した集積回路と
し、サーボ領域であることを示す信号を出力する集積回
路とする。これによって、始めてサーボ制御回路がサー
ボ領域を認識でき、位置決めやトラックシーク等の制御
が可能となる。
【0039】第10に、前述の信号処理回路において、
ユーザーデータの再生動作を実施する領域以外では、サ
ーボ領域と同様にアナログフィルタ手段によって、高域
通過特性のカットオフ周波数をサーボ領域のバースト信
号周波数の0.5倍以上に設定して動作させる。これに
よって、再生していない領域に発生するサーマルアスペ
リティーによってアナログAGC制御がVGAの利得を
低下させるのを防止でき、後続のユーザーデータの再生
動作が可能となる。
【0040】第11に、磁気抵抗効果型ヘッドを再生ヘ
ッドとし、このヘッドを用いて位置決め等のサーボ制御
を行う磁気ディスク装置において、サーボ復調信号の領
域にサーマルアスペリティーが発生しても、ユーザーデ
ータの記録再生が連続して可能とする。
【0041】以下、前記原理を応用した本発明の一実施
形態を図面を参照して説明する。まず、発明者らが解析
したTA波形の周波成分は、図1に示す如く高々数MH
zである。従って、サーボ領域での高域通過特性を数M
Hz以上に高く設定できれば、TAの殆どの周波数成分
を除去できると言える。これによって、ディジタルサー
ボ復調のためのサーボ信号のディジタル化において、A
DC入力でのTAによる飽和が避けられ、サーボ復調異
常による装置障害が回避できる。
【0042】本実施形態でのアナログ信号の周波数帯域
を図2に示す。データ再生時の信号帯域71(約0.6
M〜30MHz)に対して、サーボ復調時の信号帯域を
信号帯域61(5M〜12MHz)のように狭帯域化す
る。この時、サーボ領域のバースト信号周波数81は1
0MHzである。尚、信号帯域62に示すように、高域
通過特性の変更に伴って振幅特性に劣化があっても、数
dB程度であるならば問題ない。
【0043】本実施形態による再生回路(RSPC)2
01は、図3に全体構成を示す如く、再生回路(RSP
C)201以外の構成が前記図10の構成と同一であ
り、図9に示す信号処理LSI(SRC)21の一部を
構成し、従来技術と同様に、パーシャルレスポンス+最
尤復号(PRML)の信号処理技術を適用している。
【0044】この再生回路(RSPC)201で扱う信
号処理(サーボ信号)は、従来と同様に図4に示すよう
に、AGC引き込み領域(GAIN)と、サーボ領域を
示すアドレスマークやトラックアドレスデータを記録し
たGRAY領域と、トラック幅方向に千鳥状に記録され
ている4相バースト信号(BURST)とで構成され
る。本実施形態でのGRAY領域は、データ”1”は1
0MHzの再生信号に相当する4個の磁化情報(2サイ
クル)で、”0”は10MHzの再生信号2サイクルに
相当する時間長のDCイレーズで構成され、これらを組
み合わせたグレイコードで記録される。
【0045】またアナログ等化回路(AEQ)212の
出力11のGAIN及びBURST部の信号周波数は1
0MHzであり、50nsec間隔の繰り返し磁化パタ
ーンを再生する。GRAY部の記録情報”1”は50n
sec間隔の4個の磁化で記録され、”0”は200n
sec長のDCイレーズである。
【0046】本実施形態では、図3において、可変利得
増幅器(VGA)211の入力段に抵抗(Rs)225
1とスイッチ(SW)2252で構成されるスイッチ
(SW)225を設け、このSW225をサーボ領域を
示す制御信号(SRV)14で制御し、サーボ領域でS
W225がオンするように動作させる。これによって入
力部のカップリングコンデンサ(Cin)204とRs
2251とで高域通過周波数が概ね決まり、図2に示す
ようなカットオフ周波数を設定する。具体的はCin=
160pF、Rs=200Ωとし、概ね5MHzにして
いる。尚、ここでは、簡単のためシングル入力で示して
いるが、実際には差動入力となる。このように本実施形
態によれば、再生回路(RSPC)201の最前段の受
動回路でTA成分を除去するので、後段の可変利得増幅
器(VGA)211及びアナログ等化回路(AEQ)2
12は、TAに対する入力ダイナミックレンジ増加等の
考慮を不要とすることができる。
【0047】この波形が、アナログ等化回路(AEQ)
212の低域通過特性フィルタリングされ、A/D変換
器(ADC)213に入力される。該ADC213のサ
ンプルクロックは、サーボ復調のためのAGC引き込み
領域(GAIN領域)やPES復調のために再生される
信号(BURST領域)の周波数の4倍と6倍が好適で
ある。GRAY及びBURST部分の信号位相とサンプ
ルクロックとは同期を必要としない、いわゆる非同期デ
ィジタルサーボ復調を実現する。サンプルクロックは、
本実施例ではサーボコントローラ(SRVC)23から
の入力される構成としたが、クロック制御回路(CK
G)228にシンセサイザを設けて、この出力を用いて
も良い。
【0048】更にA/D変換器(ADC)213の出力
は、以下のような係数を持つヒルベルトフィルタ(HE
Q)223−1に入力される。本実施形態でのフィルタ
係数は偶対称または奇対称であり、上記のADC213
のサンプルクロックがGAIN及びBURST部分の信
号周波数の何倍かによって異なる。
【0049】この時のサンプルクロック及びフィルタ係
数値について説明する。サンプルクロックは、4倍以上
の偶数倍が適する。これは、サンプルクロックをバース
ト復調信号の3倍にしようとすると、バースト復調信号
の偶数次高調波成分を除去するフィルタ係数値列は存在
せず、5倍、7倍といった奇数倍のサンプルクロックで
は、係数値列が無理数になり、簡単な回路では実現でき
なくなるからである。尚、整数倍でない場合は、係数値
列が無理数になると共にタップ数も大きくなり、実現は
非常に困難となる。A/D変換器(ADC)213のの
動作速度をデータ再生時を越えさせないという観点から
は、4倍や6倍が現実的である。
【0050】発明者らは検討の結果、4倍の場合は従来
例で示されたフィルタ係数値列(−1,0,1)の他
に、(−1,−1,1,1)、(−1,1,1,−1)
及び(−1,0,2,0,−1)等がHEQ223−1
に適用可能であることが判った。これらの係数値列の適
用によって、MRヘッド特有の波形歪みの影響が低減で
きる他に、雑音除去性能も向上する。係数値列(−1,
−1,1,1)の場合は、係数値列(−1,0,1)に
縦続に係数値列(1,1)のディジタルフィルタを挿入
したのと等価であり、信号の高域で雑音の除去効果があ
る。係数値列(−1,1,1,−1)の場合は、係数値
列(−1,0,1)に縦続に係数値列(1,−1)のデ
ィジタルフィルタを挿入したのと等価であり、信号の低
域で雑音の除去効果がある。また、係数値列(−1,
0,2,0,−1)の場合は、係数値列(−1,0,
1)に縦続に係数値列(1,0,−1)のディジタルフ
ィルタ(係数値列(1,1)と(1,−1)の縦続構成
のフィルタ)を挿入したのと等価であり、信号の高域と
低域とで共に雑音除去の効果がある。特に係数値列(−
1,0,2,0,−1)は、インターリーブが極めて容
易であり、1/2のスピードで動作する3タップのディ
ジタルフィルタ2組で構成できる。従って、高速のディ
ジタルサーボ復調の高性能化寄与できる。尚、係数値列
(1,−1)のディジタルフィルタを含むフィルタ係数
値列を適用する場合は、低周波帯域を低域でより狭帯域
化するため、磁化反転位置の揺らぎやサーマルアスペリ
ティーのような外乱要因に対してより耐力の高いサーボ
復調が実現できる。また、フィルタ係数値列(−1,
0,1)に、係数値列(1,1)や(1,−1)を複数
段組み合わせて縦続して用いることも容易に類推可能で
ある。但し、この場合はフィルタのインパルス応答が伸
びるので、GRAY領域長を長くしないとコードデータ
間の干渉が残り、弁別性能が劣化する可能性がある。
【0051】同様にサンプルクロックを6倍にする場合
は、フィルタ係数値列(−1,−1,0,1,1)及び
(−1,0,1,1,0,−1)等がHEQ223−1
に適している。サンプルクロックを6倍にする基本的な
フィルタ係数値列の構成は、係数値列(−1,0,0,
1)である。しかしこの場合は、DC及び偶数次高調波
成分は4倍のサンプルクロックの適用時と同様に除去可
能であるが、3次高調波成分を除去することはできな
い。そこで、係数値列(1,1)フィルタを係数値列
(−1,0,0,1)のフィルタに縦続接続したフィル
タ係数値列(−1,−1,0,1,1)とする。これに
よって3次高調波成分に対応する周波数でノッチ特性が
実現でき、この周波数成分が除去できる。係数値列(−
1,0,1,1,0,−1)は、係数値列(1,0,−
1)フィルタの縦続接続に対応する。共に耐雑音性能が
サンプルクロックをバースト周波数の4倍にした場合よ
りも向上し、より高信号品質化が図れる。尚、フィルタ
係数値は各係数値列の符号値の全体が反転しても効果は
かわらないのは言うまでもない。
【0052】上記のヒルベルトフィルタ(HEQ)22
3−1のフィルタ出力はSQ223−2で自乗した後に
移動平均回路(AVE)223−3で移動平均される。
ここで移動平均の加算回数は、非同期サンプルであるた
めに、4倍クロックの場合が2回以上、6倍クロックの
場合が3回以上である。これに相当する時間は、信号の
1/2サイクルに相当する。移動平均回路(AVE)2
23−3で、自乗値を移動平均した結果として定常的な
振幅に安定するのに必要はサンプル数は、4倍クロック
の場合で5サンプル、6倍クロックの場合で8サンプル
である。従って、GRAY部の”1”に対応する前記A
VE223−3の検出出力が十分な出力振幅を得るため
には、4倍クロックの場合で5サンプル、6倍クロック
の場合で8サンプル必要である。従って、前述のように
GRAY部の”1”の情報に相当する信号出力は基本的
に磁化情報として3個以上(1.5サイクル以上)は必
要である。
【0053】尚、従来技術でデータ”0”領域に記録す
る20MHzの信号は、本発明では相当する領域長をD
Cイレーズとして記録しても良い。データ”0”の領域
長のDCイレーズ領域長を、データ”1”の領域長と同
じにすることで、”1”の領域との干渉がなくすことが
できる。これによって、20MHzのサーボ信号の記録
領域がなくなるので、高速/高精度のサーボ信号の記録
装置が不要となる。
【0054】上記移動平均回路(AVE)223−3の
出力18がCMP224に送られると比較器(CMP)
224では該AVE223−3出力をしきい値弁別し、
図4に示すように、コードデータとしてGD12に出力
する。可変利得増幅器(VGA)211は、GAIN領
域で移動平均回路(AVE)223−3の出力振幅が一
定になるように可変利得増幅器制御回路(VGAC)2
17でディジタル的に制御し、サーボコントローラ(S
RVC)23からのホールド信号(HOLD)9によっ
て利得が固定される。従来技術のアナログ等化回路(A
EQ)212の出力でアナログ値のしきい値を設定して
可変利得増幅器(VGA)211をピークホールド的に
制御するアナログAGC222を動作させる方法に比べ
て、本実施形態のAVE出力18を一定値に制御するデ
ィジタル制御では、雑音除去性能が高くでき、極めて安
定性が良い。尚、この場合のGRAY部を弁別する比較
器(CMP)224のしきい値は、移動平均回路(AV
E)223−3での制御目標値の0.25倍が好適であ
る。これは、GAIN領域での該AVE223−3の出
力がAGCの目標値に対応するので、この領域の信号振
幅の1/2に対応するAVE223−3の出力がCMP
224のしきい値として適するためである。この時の該
移動平均回路(AVE)223−3の出力は、ヒルベル
トフィルタ223−1の出力をSQ223−2で自乗す
るのでAGCの目標値に対して0.25倍に対応する。
【0055】また、累積加算回路(PESD)223−
4は、各バースト復調区間を示すCH16の区間毎に移
動平均回路(AVE)223−3の出力18を更に蓄積
加算し、4相のCH毎にMEMにバースト領域の振幅の
自乗積分値に対応した値をメモリMEM226に記憶す
る。チャンネル(CH)毎に記憶される4個のMEM値
は、CH区間の時間幅が4相共に等しければ、各相での
振幅値の自乗値に一致する。本実施例でのCH区間長に
は、図4に示すように10MHzの信号が5サイクル存
在するようにしている。
【0056】尚、本実施形態ではCH制御信号16はサ
ーボコントローラ(SRVC)23から与えられる例を
説明したが比較器(CMP)224内に該コントローラ
(SRVC)23でのデコード処理を設けることによっ
て、比較器(CMP)224内でCH信号16を生成す
ることも可能である。また本実施形態ではバースト周波
数を10MHzとしたが、これが20MHzを越えるよ
うな場合、サンプルクロックも80MHzを越えてRS
PC201外部からのクロック入力は極めて困難とな
り、比較器(CMP)224内部でのデコードが必須と
なる。この場合は、CMP224からサーボ領域が検出
できたことを示す信号を リアルタイムにコントローラ
(SRVC)23に出力する必要があり、この信号出力
を受けたコントローラ(SRVC)23が比較器内のト
ラックアドレスやMEM内のPES復調値を読み出すこ
とになる。
【0057】図5(a)に、磁化10個のバーストパター
ンによるAEQ出力波形11を示す。本実施形態ではス
イッチSW225による高域通過特性を付加することに
よって、先頭パルスの振幅が低下し、終端部でアンダー
シュートが現れる。磁化の個数が9個のように奇数個の
場合は、図5(b)に示すように終端部でアンダーシュー
トの発生極性が逆転する。ここで、バーストパターン中
央部の振幅をV、先頭パルスの振幅低下をΔV1、終端
部のアンダーシュートをΔV2とすると、振幅低下量Δ
V1/V、及びアンダーシュート量ΔV2/Vは、バー
スト信号周波数(fb)に対する高域通過特性のカット
オフ周波数(fch)の比によって決まり、fch/f
bが大きいほど振幅低下量ΔV1/V、及びアンダーシ
ュート量ΔV2/Vは大きくなる。TAの影響を除去す
る観点から、0.5<fch/fbが必要であることか
ら、0.5=fch/fbでのΔV1/V、ΔV2/V
を求めたところ、ΔV1/V=5%、ΔV2/V=10
%であった。従って、0.5<fch/fbでは、ΔV
1/V>5%、ΔV2/V>10%となる。
【0058】尚、図9に示されたR/WIC104やF
PC106に高域通過特性を持たせた場合は、信号処理
回路(SPC)21の入力の波形応答に、上記の図5−
1や図5−2に示す振幅低下やアンダーシュートが観測
されることは明らかであり、R/WIC104やFPC
106での高域通過特性の実現も本発明の範疇である。
【0059】図6にBURST部にTAが印加された時
のAEQ212の応答波形11を示す。TA成分はVG
A211の入力段のSW225の効果で除去され、11
−4に示すようにAEQ出力11には小さなうねり程度
にしか現れない。この波形がADC213でA/D変換
され、ヒルベルトフィルタHEQ223−1で更にTA
成分や雑音成分が除去され、18−4のAVE出力18
に示すように影響がなくなる。
【0060】本実施形態によれば、GAIN領域やBU
RST領域に生じるTAに対しては、図8に示すTA振
幅の定義で、Ata/Asig<300%に対して殆ど
劣化を生じず、GRAY領域においてもAta/Asi
g<200%で弁別誤りが生じないことが確認できた。
更には、AVE出力を用いたVGAのディジタル的な利
得制御を実施することによって、従来のアナログAGC
制御では回避困難であったGAIN領域でのTAや雑音
の影響によるAGC変動を、0.1dBと極めて小さく
制御できる。尚、図3に示したSW225による高域通
過周波数を制御する手段は、他にgmアンプやOPアン
プを用いた高域通過フィルタに置き換え、これをサーボ
領域で動作させても良いことは明らかである。同様にA
EQの伝達特性に含めて構成し、これをサーボ領域で制
御しても良い。
【0061】また、SW225による高域通過周波数を
制御する手段を、ユーザーデータの再生動作をしない領
域でもサーボ領域と同様に動作させても良い。これは、
再生していない領域にサーマルアスペリティーやが発生
すると、これによってアナログAGC制御がVGAの利
得を急激に低下させ、後続のユーザーデータの再生動作
時に、AGCの引き込み不良となってデータ再生ができ
なくなるのを防止するためである。SW225によるフ
ィルタによって、再生していない領域に発生するサーマ
ルアスペリティーを除去するので、アナログAGC制御
がVGAの利得を低下させるのを防止でき、後続のユー
ザーデータを再生が正常に実施される。本実施例では、
非同期のサーボ復調について説明したが、同期サーボ復
調回路に組み込むことも容易であることは言うまでもな
い。また、バースト領域の復調のみに本発明による構成
を適用することも容易に可能であり、本発明に含まれ
る。
【0062】また本発明は次に述べる実施形態としても
表すことができる。
【0063】<実施形態1> 磁気抵抗効果型ヘッドを
再生ヘッドとし、このヘッドを用いて位置決め等のサー
ボ制御を行う磁気ディスク装置において、少なくともサ
ーボ領域での高域通過特性のカットオフ周波数を、バー
スト信号周波数の0.5倍以上に設定するアナログフィ
ルタ手段を有し、この信号をディジタル変換手段を介し
てディジタルサーボ復調手段に入力することを特徴とす
る磁気ディスク装置。
【0064】<実施形態2> 前記アナログフィルタ手
段のバースト信号に対応する応答を、バースト信号の中
央部の振幅(p−p値)に対して先頭パルスが5%以上
低下し、終端部で10%以上のアンダーシュートが発生
するようにすることを特徴とする実施形態1記載の磁気
ディスク装置。
【0065】<実施形態3> 前記該ディジタルサーボ
復調手段は、ディジタル変換手段の出力を入力とするデ
ィジタルフィルタと、該ディジタルフィルタの出力を自
乗する自乗回路と、該自乗回路の出力を移動平均する移
動平均回路と、該移動平均回路の出力を弁別する弁別回
路と、該移動平均回路の出力を累積加算する累積加算器
とからなり、該弁別回路の出力をトラックアドレス等の
コードデータとするグレイ復調手段と、該累積加算器の
出力をポジション復調信号とするポジション復調手段と
を構成することを特徴とする実施形態1記載の磁気ディ
スク装置。
【0066】<実施形態4> 前記該移動平均回路の出
力が一定値にするような自動利得制御手段を有すること
を特徴とする実施形態3に記載の磁気ディスク装置。
【0067】<実施形態5> 前記弁別回路のしきい値
が、自動利得制御手段の制御目標値の0.25倍とする
ことを特徴とする実施形態3記載の磁気ディスク装置。
【0068】<実施形態6> サーボ信号のトラックア
ドレス情報を、隣接する少なくとも3個以上連続する第
1の磁化情報と、第1の磁化情報と同一区間長であって
直流磁化でなる第2の磁化情報との2状態で記録するこ
とを特徴とする実施形態1記載の磁気ディスク装置、。
【0069】<実施形態7> 前記ディジタル変換手段
のサーボ領域でのサンプルクロックをバースト信号周波
数の4倍とし、内蔵するディジタルフィルタの係数値列
を、(−1,1,1,−1)、(−1,−1,1,1)
及び(−1,0,2,0,−1)のいずれかとする信号
処理回路を備えることを特徴とする実施形態3記載の磁
気ディスク装置。
【0070】<実施形態8> 前記ディジタル変換手段
のサーボ領域でのサンプルクロックをバースト信号周波
数の6倍とし、内蔵するヒルベルトフィルタの係数値列
を、(−1,−1,0,1,1)及び(−1,0,1,
1,0,−1)のいずれかとする信号処理回路を備える
ことを特徴とする実施形態3記載の磁気ディスク装置。
【0071】<実施形態9> 前記トラックアドレスの
デコード回路を内蔵した集積回路とし、サーボ領域であ
ることを示す信号を出力する集積回路とすることを特徴
とする実施形態3記載の磁気ディスク装置。
【0072】<実施形態10> 磁気抵抗効果型ヘッド
を再生ヘッドとし、このヘッドを用いて位置決め等のサ
ーボ制御を行う磁気ディスク装置において、少なくとも
高域通過特性のカットオフ周波数を、サーボ領域のバー
スト信号周波数の0.5倍以上に設定するアナログフィ
ルタ手段を有し、ユーザーデータを再生する領域以外で
は、該アナログフィルタ手段のカットオフ周波数を、バ
ースト信号周波数の0.5倍以上に設定することを特徴
とする磁気ディスク装置。
【0073】<実施形態11> 磁気抵抗効果型ヘッド
を再生ヘッドとし、このヘッドを用いて位置決め等のサ
ーボ制御を行うディジタルサーボ復調対応の磁気ディス
ク装置において、サーボ復調信号の領域にサーマルアス
ペリティーが発生しても、ユーザーデータの記録再生が
連続して可能とすることを特徴とする磁気ディスク装
置。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、MRヘッドを再生ヘッ
ドとする磁気装置の再生回路において、少なくともサー
ボ領域での高域通過特性のカットオフ周波数を、バース
ト信号周波数の0.5倍以上に設定するアナログフィル
タ手段を設け、この信号をディジタル変換手段を介して
ディジタルサーボ復調手段に入力することにより、サー
ボ信号領域で大きなTAが発生した場合であっても、シ
ーク誤りやバースト復調誤差の発生を防止し、リトライ
等の処理を実施することなく連続して記録再生が可能な
磁気ディスク装置及び該磁気ディスク装置に用いるサー
マルアスペリティー制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気抵抗効果型磁気ヘッドに発生するサーマル
アスペリティーの周波数成分を示す図。
【図2】本発明の一実施形態によるデータ再生時とサー
ボ復調時での再生信号帯域を示す図。
【図3】本実施形態を適用した再生信号処理回路の構成
を示す図。
【図4】本実施形態の動作を説明する図。
【図5】本実施形態によるフィルタ手段を適用したとき
の応答波形(5サイクル)及び応答波形(4.5サイク
ル)を示す図。
【図6】本実施形態による効果を説明するための図。
【図7】磁気ディスク装置の磁気ヘッドとディスクのイ
ンターフェイス部分の構成を示す図。
【図8】TAの波形を示す図。
【図9】従来技術を適用した磁気ディスク装置の構成の
一例を示す図。
【図10】従来技術を適用した再生回路の構成を示す
図。
【図11】サーボ領域での再生波形とその応答波形を示
す図。
【図12】GRAY部にTAが印加した時の応答波形と
各部の出力を示す図。
【図13】BURST部にTAが印加した時の応答波形
と各部の出力を示す図。
【符号の説明】
1:磁気ディスク、2:磁気ヘッド、3:MRヘッド、
4:微小突起、5:TA波形、11:AEQ出力波形、
12:グレイデータ(GD)、14:SRV制御信号、
20:ヘッドディスクアセンブリ(HDA)、21:信
号処理LSIチップ、201:再生回路(RSPC)、
211:可変利得増幅器(VGA)、212:アナログ
等化回路(AEQ)、213:ADC、214:ディジ
タルフィルタ、217:ディジタルAGC制御回路、2
22:アナログAGC回路、223:SDET、223
−1:ヒルベルトフィルタ、223−2:自乗回路(S
Q)、223−3:移動平均回路(AVE)、223−
4:累積加算回路(PESD)、224:コンパレータ
(CMP)、225:SW、228:クロック制御回路
(CKG)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 洋介 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 瀬尾 洋右 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果型ヘッドを再生ヘッドと
    し、このヘッドを用いて位置決め等のサーボ制御を行う
    磁気ディスク装置において、少なくともサーボ領域での
    高域通過特性のカットオフ周波数を、バースト信号周波
    数の0.5倍以上に設定するアナログフィルタ手段を設
    け、この信号をディジタル変換手段を介してディジタル
    サーボ復調手段に入力することを特徴とする磁気ディス
    ク装置。
  2. 【請求項2】 前記アナログフィルタ手段のバースト信
    号に対応する応答を、バースト信号の中央部の振幅(p
    −p値)に対して先頭パルスが5%以上低下し、終端部
    で10%以上のアンダーシュートが発生するように制御
    することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装
    置。
  3. 【請求項3】 前記該ディジタルサーボ復調手段が、デ
    ィジタル変換手段の出力を入力とするディジタルフィル
    タと、該ディジタルフィルタの出力を自乗する自乗回路
    と、該自乗回路の出力を移動平均する移動平均回路と、
    該移動平均回路の出力を弁別する弁別回路と、該移動平
    均回路の出力を累積加算する累積加算器とから成り、該
    弁別回路の出力をトラックアドレス等のコードデータと
    するグレイ復調手段と、該累積加算器の出力をポジショ
    ン復調信号とするポジション復調手段とを構成すること
    を特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記ディジタル変換手段のサーボ領域で
    のサンプルクロックをバースト信号周波数の6倍とし、
    内蔵するヒルベルトフィルタの係数値列を、(−1,−
    1,0,1,1)及び(−1,0,1,1,0,−1)
    のいずれかとする信号処理回路を備えることを特徴とす
    る磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】 磁気抵抗効果型ヘッドを再生ヘッドと
    し、このヘッドを用いて位置決め等のサーボ制御を行う
    磁気ディスク装置のディジタルサーボ復調のサーマルア
    スペリティー制御方法であって、少なくともサーボ領域
    での高域通過特性のカットオフ周波数を、バースト信号
    周波数の0.5倍以上に設定するアナログフィルタ手段
    を設け、この信号をディジタル変換手段を介してディジ
    タルサーボ復調手段に入力することを特徴とするディジ
    タルサーボ復調のサーマルアスペリティー制御方法。
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