JPH1192842A - アルミニウムマトリックス複合材料の製造方法 - Google Patents
アルミニウムマトリックス複合材料の製造方法Info
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Abstract
たアルミニウムマトリックス複合材料の製造を可能とす
る。 【解決手段】アルミニウムマトリックス複合材料用の強
化材からなる多孔質予備成形体の気孔内に溶融アルミニ
ウムを加圧力により充填するアルミニウムマトリックス
複合材料の製造方法において、多孔質予備成形体の気孔
内に溶融アルミニウムを加圧力により充填する前に、溶
融アルミニウムの表面張力を低下させる効果を有する粒
径が0.1μm以上、1mm以下の金属粉末を多孔質予
備成形体の溶融アルミニウム注入界面に添加しておくこ
とを特徴とする。
Description
リックス複合材料の製造方法に関する。さらに詳細に
は、アルミニウムマトリックス複合材料用の強化材から
なる多孔質予備成形体の気孔内に、溶融アルミニウムを
加圧力により充填するアルミニウムマトリックス複合材
料の製造方法に関する。
強化材からなる多孔質予備成形体の気孔内に、溶融アル
ミニウムを加圧力により充填するアルミニウムマトリッ
クス複合材料の製造方法に関しては、例えば、軽金属第
40巻第9号第703頁(1990年)にスクイズキャ
スト法、加圧溶浸法が開示されている。スクイズキャス
ト法とは、強化材の予備成形体を加圧鋳造装置の中にセ
ットし、溶融アルミニウムを注いでラム(例えば油圧ピ
ストン)により高圧をかけ、予備成形体の気孔内に溶融
アルミニウムを充填する方法であり、加圧溶浸法とは、
予備成形体の一端から圧力をかけてその気孔内に溶融ア
ルミニウムを充填する方法である。ジャーナル・オブ・
マテリアルズ・サイエンス(Journal of M
aterials Science)第28巻第539
7頁(1993年)には、スクイズキャスト法の他にガ
ス圧を用いて溶融アルミニウムを予備成形体の気孔内に
充填する加圧含浸法が開示されている。
etals)第7巻第3号第175頁(1994年)に
は、遠心力を用いて溶融アルミニウムを予備成形体の気
孔内に充填する加圧含浸法が開示されている。特開昭5
7−32344号公報には、無機繊維強化金属複合材料
のマトリックスに表面表力を低下させる元素を含ませる
技術が開示されている。
複合材料製造技術において予備成形体の気孔内に溶融ア
ルミニウムを充填するためには高い加圧力を必要とし、
またその加圧力は強化材として用いる粒子や繊維のサイ
ズが小さくなるに従い大きくする必要があった。逆に、
低い加圧力しか働かせることができない装置や方法を用
いた場合には、小さいサイズの強化材を用いたアルミニ
ウムマトリックス複合材料の製造は不可能であった。ま
た、マトリックスに表面張力を低下させる元素を含有さ
せても、溶融アルミニウムの充填の促進には必ずしも十
分なものではなかった。
圧力が比較的小さい場合においても比較的小さな強化材
を用いたアルミニウムマトリックス複合材料の製造を可
能とするべく鋭意検討を重ねた結果、多孔質予備成形体
の気孔内に溶融アルミニウムを加圧力により充填する前
に、特定の金属粉末を予備成形体の溶融ルミニウム注入
界面に添加しておくことにより、予備成形体の気孔内へ
の溶融アルミニウムの充填が促進されることを見出し、
本発明を完成させるに至った。
ックス複合材料用の強化材からなる多孔質予備成形体の
気孔内に溶融アルミニウムを加圧力により充填するアル
ミニウムマトリックス複合材料の製造方法において、多
孔質予備成形体の気孔内に溶融アルミニウムを加圧力に
より充填する前に、溶融アルミニウムの表面張力を低下
させる効果を有する粒径が、0.1μm以上、1mm以
下である金属粉末を多孔質予備成形体の溶融アルミニウ
ム注入界面に添加しておくことを特徴とするアルミニウ
ムマトリックス複合材料の製造方法に関わるものであ
る。
本発明において用いる強化材は、通常、アルミニウムマ
トリックス複合材料の強化材として用いられる材料であ
ればどのような材料でもよい。例えば、アルミナ、炭化
ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、二ホウ化チタン、ホ
ウ酸アルミなどの化合物、モリブデン、タングステン、
チタン、鉄、ステンレスなどの金属、および炭素などの
粉末や繊維やウィスカなどが強化材として挙げられる。
このなかで、実質的に破面を有さない多面体一次粒子よ
りなり、重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累
積50%の粒径をそれぞれD10、D50としたとき、
D50が0.1μm以上、50μm以下で、D50/D1
0比が2以下であるα−アルミナ粉末が好適である。
である。該予備成形体の気孔率については特に制限はな
いが、好ましくは10%以上、90%以下、より好まし
くは20%以上、70%以下、さらに好ましくは30%
以上、50%以下である。予備成形体が多孔質でない場
合には、溶融アルミニウムが充填されないので複合材料
が製造できない。
クス複合材料用の強化材を有機バインダーなどを用いて
成形した成形体、その後焼成によりバインダーの有機成
分を除去した成形体などを予備成形体と呼ぶが、その他
に、強化材を単に型の内部に充填した状態をも予備成形
体とみなす。本発明においてアルミニウムとは、鉄やケ
イ素などの不可避的不純物のみを含有するいわゆる純ア
ルミニウムの他に、鉄やケイ素などの不可避的不純物と
は別に銅、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ニ
ッケル、チタン、クロムなどの合金元素の1種以上が総
量で30重量%程度まで添加されたアルミニウム合金を
も含む。
ス複合材料用の強化材からなる多孔質予備成形体の気孔
内に溶融アルミニウムを加圧力により充填する方法につ
いては、特に限定されない。従来の技術として上述し
た、油圧プレス、空気圧(大気圧も含む)、遠心力、マ
トリックス原料・強化材料自身による重力などを利用す
ることができる。
ス複合材料用の強化材からなる多孔質予備成形体の気孔
内に溶融アルミニウムを加圧力により充填するにあた
り、多孔質予備成形体の気孔内に溶融アルミニウムを加
圧力により充填する前に、溶融アルミニウムの表面張力
を低下させる効果を有する粒径が、0.1μm以上、1
mm以下である金属粉末を多孔質予備成形体の溶融アル
ミニウム注入界面に添加しておくことが必須である。
ルミニウムの表面張力を低下させる効果を有する。溶融
アルミニウムの表面張力を低下させる効果を有する元素
は、例えば、軽金属第39巻第2号第136頁(198
9年)に開示されている。本発明においては、これらの
元素のうち溶融アルミニウムに対して0.5重量%の添
加(すなわち、アルミニウムマトリックス中の濃度が
0.5重量%)で溶融アルミニウムの表面張力を800
dyn/cm以下に低下させる元素が好適であり、ビス
マス、鉛、タリウム、バリウム、リチウム、アンチモン
およびストロンチウムがこれに相当する。これらの元素
の1種または2種以上の元素からなる粉末が望ましい。
特に、ビスマス粉末が好適である。
いては、大きすぎると予備成形体の気孔内への溶融アル
ミニウムの充填についての促進効果が小さく、小さすぎ
ると粉塵化しやすいため取り扱いが煩雑になる。金属粉
末の粒径は、0.1μm以上、1mm以下、より好まし
くは1μm以上、500μm以下である。
いては特に制限はないが、少なすぎると予備成形体の気
孔内への溶融アルミニウムの充填についての促進効果が
小さく、多すぎると強度、加工性、導電性、耐食性など
アルミニウム本来の特性を損なうおそれが生じる。金属
粉末の重量は、それが配置される強化材からなる多孔質
予備成形体の、溶融アルミニウム注入界面の単位面積に
対して規定され、1cm2当たり好ましくは1mg以
上、1g以下、より好ましくは5mg以上、200mg
以下である。
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。強化材としては、住友化学工業株式会社製
の中心粒径4〜6μmのアルミナ粉末「スミコランダ
ム」(αアルミナ)を用いた。このα−アルミナは実質
的に破面を有さない多面体一次粒子よりなり、重量累積
粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%の粒径を
それぞれD10、D50としたとき、D50が5.5μ
m、D50/D10比が1.6以下であった。
種類の鋳物用アルミニウム合金を用いた。 マトリックスA;JIS1種B合金 Cu Mg Ti Al 4.6 0.3 0.2 残部 (重量%) マトリックスB;JIS1種B合金にビスマスを0.5重量%添加した合金 Cu Mg Ti Bi Al 4.6 0.3 0.2 0.5 残部 (重量%)
9重量%純度ビスマス粉末、−#80(走査電子顕微鏡
観察の結果、粒径は1μm〜500μmであった。) ビスマス粉末B;半井(なからい)化学株式会社製、9
9.5重量%純度ビスマス粉末、粒状(走査電子顕微鏡
観察の結果、粒径は2mm〜3mmであった。)
目視により以下の基準で判定した。 ○(製造できた);予備成形体の全体の気孔内へ溶融ア
ルミニウムが充填され、所望の複合材料が製造できた。 △(製造できなかった);予備成形体の一部分の気孔内
へ溶融アルミニウムが充填されたが、所望の複合材料は
製造できなかった。 ×(製造できなかった);予備成形体の気孔内へ溶融ア
ルミニウムがまったく充填されず、所望の複合材料は製
造できなかった。
後、100kgf/cm 2の圧力で加圧した。その上面
にビスマス粉末Aを0.5gr(90mg/cm2)均
一に振り撒き、さらにその上部にマトリックスAを13
5g添加し、大気中で700℃まで加熱してマトリック
スのアルミニウムを溶融し、さらに30分間保持した
後、12.5kgf/cm2の圧力で溶融アルミニウム
を加圧した。加圧状態で冷却した後、黒鉛るつぼから内
容物を取り出したところ、アルミナ粉末の成形体の気孔
内にアルミニウムが充填されたアルミニウムマトリック
ス複合材料が得られた。
m2)とした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム
マトリックス複合材料の製造を試みた。その結果、アル
ミナ粉末の成形体の気孔内にアルミニウムが充填された
アルミニウムマトリックス複合材料が得られた。
てアルミニウムマトリックス複合材料の製造を試みた。
その結果、アルミナ粉末の成形体の気孔内にはアルミニ
ウムが充填されておらず、アルミニウムマトリックス複
合材料は得られなかった。
は実施例1と同様にしてアルミニウムマトリックス複合
材料の製造を試みた。その結果、アルミナ粉末の成形体
の気孔内には部分的にしかアルミニウムが充填されてお
らず、アルミニウムマトリックス複合材料は得られなか
った。
マスを0.5重量%含有するマトリックスBを用いた以
外は実施例1と同様にしてアルミニウムマトリックス複
合材料の製造を試みた。その結果、アルミナ粉末の成形
体の気孔内にはアルミニウムが充填されておらず、アル
ミニウムマトリックス複合材料は得られなかった。
示す。実施例1、2においては、溶融アルミニウムの表
面張力を低下させる効果を有するビスマス粉末を強化材
となるアルミナの多孔質予備成形体の溶融アルミニウム
注入界面に添加しておくことにより、該多孔質予備成形
体の気孔内に溶融アルミニウムが加圧力により充填され
てアルミニウムマトリックス複合材料が得られた。一
方、比較例1においては溶融アルミニウムの表面張力を
低下させる効果を有する金属粉末を用いなかったため、
比較例2においてはビスマスの粒径が大きすぎたため、
比較例3においてはビスマスを粉末として使用しなかっ
たためいずれの場合もアルミナの多孔質予備成形体の気
孔内に溶融アルミニウムが充填されなかった。
方法により、従来は不可能であった、低い加圧力で小さ
いサイズの強化材を用いたアルミニウムマトリックス複
合材料の製造が可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】アルミニウムマトリックス複合材料用の強
化材からなる多孔質予備成形体の気孔内に溶融アルミニ
ウムを加圧力により充填するアルミニウムマトリックス
複合材料の製造方法において、多孔質予備成形体の気孔
内に溶融アルミニウムを加圧力により充填する前に、溶
融アルミニウムの表面張力を低下させる効果を有する粒
径が、0.1μm以上、1mm以下である金属粉末を多
孔質予備成形体の溶融アルミニウム注入界面に添加して
おくことを特徴とするアルミニウムマトリックス複合材
料の製造方法。 - 【請求項2】多孔質予備成形体の気孔率が10%以上、
90%以下である請求項1記載のアルミニウムマトリッ
クス複合材料の製造方法。 - 【請求項3】金属粉末が、ビスマス、鉛、タリウム、バ
リウム、リチウム、アンチモンおよびストロンチウムか
ら選ばれる1種または2種以上の元素からなる粉末であ
る請求項1又は2記載のアルミニウムマトリックス複合
材料の製造方法。 - 【請求項4】金属粉末が、ビスマスからなる粉末である
請求項1又は2記載のアルミニウムマトリックス複合材
料の製造方法。 - 【請求項5】金属粉末の重量が、多孔質予備成形体の溶
融アルミニウム注入界面に対して1cm2当たり1mg
以上、1g以下である請求項1乃至4記載のアルミニウ
ムマトリックス複合材料の製造方法。 - 【請求項6】アルミニウムマトリックス複合材料用の強
化材が、実質的に破面を有さない多面体一次粒子よりな
り、重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積5
0%の粒径をそれぞれD10、D50としたとき、D5
0が0.1μm以上、50μm以下で、D50/D10比
が2以下であるα−アルミナ粉末である請求項1乃至5
記載のアルミニウムマトリックス複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25180297A JP4048581B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | アルミニウムマトリックス複合材料の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1192842A true JPH1192842A (ja) | 1999-04-06 |
JP4048581B2 JP4048581B2 (ja) | 2008-02-20 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25180297A Expired - Fee Related JP4048581B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | アルミニウムマトリックス複合材料の製造方法 |
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JP (1) | JP4048581B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112620642A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-09 | 深圳市福英达工业技术有限公司 | 制备高温高表面张力金属粉末的离心雾化装置及方法 |
CN112899591A (zh) * | 2021-01-29 | 2021-06-04 | 苏州创泰合金材料有限公司 | 一种泡沫铝基合金材料的制备 |
-
1997
- 1997-09-17 JP JP25180297A patent/JP4048581B2/ja not_active Expired - Fee Related
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