JPH1190756A - C軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆動装置 - Google Patents

C軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆動装置

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JPH1190756A
JPH1190756A JP24905497A JP24905497A JPH1190756A JP H1190756 A JPH1190756 A JP H1190756A JP 24905497 A JP24905497 A JP 24905497A JP 24905497 A JP24905497 A JP 24905497A JP H1190756 A JPH1190756 A JP H1190756A
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JP
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spindle
rotation
load
axis
main shaft
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JP24905497A
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Inventor
Yasuo Yoshinaga
保雄 好永
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 主軸側より切削力等外力が変動して負荷され
ても、C軸制御が不安定になることを防止できるC軸機
能付き旋削工作機械の主軸駆動装置を提供する。 【解決手段】 主軸Sを所定の回転数で連続回転制御す
る旋削回転機能と、主軸の軸線周り方向に回転角度を割
出し制御するC軸機能とを、一つの駆動モータMで駆動
制御するに際して、主軸と主軸台1との間に設けられ、
C軸機能を使用する際、主軸に回転抑制負荷を付与する
手段と、当該手段を、主軸の割出位置で固定する第1の
負荷状態と、当該負荷より小さい第2負荷の制御手段
と、駆動モータ及び当該負荷制御手段を制御する制御手
段とを備え、C軸機能で主軸の回転角度を割出し制御し
ながら加工する際に、主軸側より加わる外力の変動によ
って主軸の割出し不良を生じないように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主軸を所定の回転数で
連続回転させて加工を行う旋削回転機能と、主軸を主軸
の軸線の周り方向に回転角度を割出して加工を行うC軸
機能を有する旋削工作機械の主軸駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】NC(数値制御)旋盤,ターニングセン
タ等旋削工作機械の中には、主軸の軸線の周り方向に主
軸の回転角度を割り出す機能(C軸機能)を備えたもの
が知られている。また、C軸機能を有する工作機械で
は、主軸の回転角度を割り出した後、主軸の回転角度位
置を固定するためにブレーキを主軸に備えているものも
知られている。さらに、旋削工作機械の中には、主軸台
に、主軸と主軸に平行な軸線を有する回転駆動軸を有
し、この回転駆動軸を主軸駆動モータ(以下、駆動モー
タと記載)で回転させるとともに、この回転駆動軸の回
転を歯車伝達機構で主軸に伝達し主軸を回転させるもの
も知られている。さらに、歯車伝達機構の歯車の掛けか
えを行うことにより、主軸の回転領域を高速回転領域と
低速回転領域とし、所定の回転数で回転させるものも知
られている。一方、本出願人は、特願平8−16998
5号(平成8年6月28日出願)において、一つの駆動
モータで、主軸を、旋削加工用の連続回転制御と、C軸
割出し制御とをすることができる技術を開示した。しか
しながら、この技術では、主軸をC軸割出し制御するの
に、回転駆動軸、回転伝達機構を介して駆動モータがフ
ィードバック制御するために、主軸側より切削力等の大
きな外力が変動して付加されると、制御が不安定になる
おそれがあった。また、このことのために、駆動モータ
を大きくすることは、機械の大型化につながり、省エネ
ルギーにならず、経済的にも高価となる等の問題点が生
じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑みてなされたもので、主軸側より切削力等外力が変動
して負荷されても、C軸制御が不安定になることを防止
できるC軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆動装置を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑
みてなされたもので、主軸台に回転自在に支持される主
軸と、前記主軸台に回転自在に支持されるとともに、前
記主軸の軸線方向と平行な方向に軸線を有する回転駆動
軸と、この回転駆動軸と前記主軸とのあいだに設けら
れ、前記回転駆動軸の回転力を前記主軸に伝達する回転
伝達機構と、前記主軸を連続回転させるために、また
は、前記主軸を前記主軸の軸線の周り方向に割出し動作
させるために、前記回転駆動軸を回転駆動する駆動モー
タとを備え、前記主軸を所定の回転数で連続回転制御す
る旋削回転機能と、前記主軸の軸線の周り方向に前記主
軸の回転角度を割出し制御するC軸機能とを、一つの前
記駆動モータで駆動制御を行うC軸機能を有する旋削工
作機械の主軸駆動装置において、前記主軸と前記主軸台
とのあいだに設けられ、前記C軸機能を使用する際、前
記主軸に回転抑制負荷を付与する回転抑制負荷付与手段
と、この回転抑制負荷付与手段を、前記主軸を割出し位
置で固定する第1の負荷を付与する第1の負荷状態と、
前記第1の負荷より小さい第2の負荷を付与する第2の
負荷状態とに制御する負荷制御手段と、前記駆動モータ
および前記負荷制御手段を制御する制御手段とを備え、
前記C軸機能で前記主軸の回転角度を割出し制御しなが
ら加工する際に、前記主軸側より加わる外力の変動によ
って前記主軸の割出し不良を生じないようにしたことを
特徴とするC軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆動装
置とした。
【0005】また、前記回転伝達機構は、前記旋削回転
機能用のために所定のバックラッシが付与された第1の
歯車伝達系列と、前記C軸機能用のためにバックラッシ
を除去した第2の歯車伝達系列とを備え、選択的に切り
換え可能な機構であることを特徴とすることもできる。
【0006】さらに、前記主軸に前記主軸の軸線の周り
方向の位置を検出する位置検出手段を設け、前記駆動モ
ータに前記駆動モータの回転速度を検出する速度検出手
段を設け、前記制御手段は、前記位置検出手段の出力、
および、前記速度検出手段の出力に基づいて、前記駆動
モータを制御するものであることを特徴とすることもで
きる。
【0007】また、前記回転抑制負荷付与手段はディス
クブレーキであり、前記負荷制御手段はこのディスクブ
レーキのシリンダのシリンダ部に供給される圧力流体の
圧力を変化させるものであることを特徴とすることもで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るC軸機能を有する旋
削工作機械の主軸駆動装置は、主軸をC軸として割出し
回転させて加工する際に、主軸の制御のためのフィード
バック系が不安定になるのを、回転抑制負荷付与手段に
よって、抑止するものである。以下、本発明の実施形態
を図面に従って詳細に説明する。
【0009】図1は本発明の旋削工作機械の主軸駆動装
置にかかり、主軸台の断面図、図2は主軸駆動装置の概
略説明図、図3は回転抑制負荷付与手段を示す側面図、
図4は負荷制御手段である油圧回路の説明図である。な
お、各図において歯車が移動した状態を仮想線(二点鎖
線)で示す。また、以下の説明において「一側」という
ときには図1、図2のチャック取り付け側を指し、「他
側」というときには図1、図2のチャック取り付け側の
反対側を指すものとする。
【0010】図1に示すように、主軸台1には、軸受1
a,1bにより、主軸Sが回転自在に支持されている。
本実施形態において主軸Sには、回転伝達機構として、
高速領域回転用の小径歯車25と、低速領域回転用の大
径歯車24の二つの歯車が設けられている。主軸台1に
は、軸受6,7により、主軸Sの軸線方向(Z軸方向)
と平行な方向に軸線を有する中間軸3が、回転自在に支
持されている。中間軸3には、第1中間歯車10と、第
2中間歯車11の二つの歯車が設けられている。主軸S
を回転させるための駆動モータMは、主軸台1の主軸S
から軸中心が所定量離れた位置に設けられていて、後述
する回転駆動軸2を回転させて回転駆動軸2に設けられ
た駆動歯車8と第1中間歯車10または第2中間歯車1
1とを介して中間軸3を回転させ、さらに、第1中間歯
車10または第2中間歯車11と、大径歯車24または
小径歯車25とを介して主軸Sに回転を伝達することが
できるようになっている。この駆動モータMは、主軸S
を所定の回転数で回転させるために、または、主軸Sを
主軸Sの軸線の周り方向(C軸方向)の回転角度に割出
すために、前記回転駆動軸2を回転させるAC主軸モー
タ,DC主軸モータ等のいわゆる制御モータであるが、
後述する制御手段である制御装置からの指令回転数に応
じて回転することができ、C軸指令で割出し、回転位置
決めが可能なステッピングモータ等の他のモータであっ
てもよい。
【0011】なお、駆動モータMの回転速度の検出は、
駆動モータMの後部に設けられるエンコーダ、タコゼネ
レータ、レゾルバ等の速度検出手段Mb(図2参照)に
よって行われ、また、主軸SのC軸方向の回転角度の検
出は、主軸Sに設けられた位置検出手段であるエンコー
ダ40によって行われる。速度検出手段は駆動モータM
に速度フィードバックをかけるものであり、エンコーダ
40は、位置フィードバックをかけるものであり、高分
解能型エンコーダを使用するのが好適である。このエン
コーダ40は、磁気ドラム40aと磁気センサ40bと
からなる磁気ドラムタイプの磁気エンコーダであるが、
リアクタンスタイプの磁気エンコーダ、オプティカルエ
ンコーダ等主軸Sの回転角度が検出可能な検出手段であ
ってもよい。また、エンコーダ40は、主軸Sに磁気ド
ラム40aを取り付けているが、主軸Sより離れた位置
にエンコーダを設け歯車機構、歯付プーリ・歯付ベルト
機構等を介して、主軸Sとエンコーダの出力軸とを連結
してもよい。
【0012】[回転抑制負荷付与手段]回転抑制負荷付
与手段は、主軸Sと主軸台1とのあいだに設けられ、主
軸Sが主軸Sに加わる外力(切削力)によって回転させ
られることを抑止するために回転抑制負荷を付与するデ
ィスクブレーキであるが、所定の回転抑制負荷を付与で
きるものであれば、他のものであってもよい。ディスク
ブレーキは、主としてクランプ部31とディスク部34
とから構成される。主軸Sの後方側には、図1および図
3に示す如くディスク部34が設けられている。ディス
ク部34は、ドーナツ状の円盤であって主軸Sに取り付
け部材33を介してボルト33aで固定され、主軸Sと
一体となる。また、取り付け部材33は、主軸Sに外嵌
されるとともにキー(図示せず)、ナット33bで固定
され、主軸Sとともに一体となって回転する。この取り
付け部材33において中間段部にディスク部34が当接
し、ボルト33aによって固定される。そのため主軸S
とディスク部34とは取り付け部材33を介して一体と
なり回転する。
【0013】主軸台1の他側であってディスク部34の
外周を挟み込む位置に、凹状のクランプ部31を設け
る。このクランプ部31は、支持部材32を介して主軸
台1に固定されており、後述する負荷制御手段としての
ブレーキ圧力制御部によって供給される圧力流体が、デ
ィスク部34を押圧または挟み付け、主軸Sに加わる外
力によって主軸Sが回転しようとすることを抑止するよ
うになっている。このクランプ部31は、内部に設けた
シリンダ部に所定の圧力の圧力流体を供給し、ピストン
部がディスク部34を押しつけて抑止する構成となって
いる。このディスクブレーキは、供給する圧力流体の圧
力にほぼ比例した制動力を発生する。そして、所定圧力
(例えば、定格圧力)の圧力流体を供給したときに、主
軸Sを固定することができる仕様のものが好適である。
【0014】[負荷制御手段]続いて、負荷制御手段に
ついて説明する。本実施形態における負荷制御手段はブ
レーキ圧力制御部となる油圧回路からなり、図4に示す
如く、クランプ部31のシリンダ部に第1電磁弁52お
よびPポート低圧減圧弁(以下、減圧弁と記載)51を
介して油圧源55が接続されている。第2電磁弁53
は、一方がドレン回路56と、他方が減圧弁51のパイ
ロット口57と接続するものであり、常時はばね53b
によってドレン回路56とパイロット口57とを遮断し
ている。従って、第1電磁弁52のソレノイド52aの
みをON(励磁)すると、ブレーキ圧力を第1の負荷と
しての第1の制動力になるように設定した圧力(油圧源
55の圧力)の圧油がクランプ部31に供給される。こ
の第1電磁弁52のソレノイド52aをONした状態
で、さらに第2電磁弁53のソレノイド53aをONす
ると、ドレン回路56とパイロット口57とが連通する
ので、減圧弁51はパイロット操作により、第2の負荷
としての第2の制動力に相当する圧力に減圧した圧油を
第1電磁弁52を介してクランプ部31に供給する。そ
の結果、第1の制動力もしくは第2の制動力がクランプ
部31にかけられ、主軸Sと一体となり回転するディス
ク部34に回転抑制負荷を付与して、主軸Sに加わる外
力によって主軸駆動系が回転しようとするのを抑止す
る。また、第1電磁弁52のソレノイド52a、第2電
磁弁53のソレノイド53aをOFF(消磁)すると、
回転抑制負荷付与手段より制動力は付与されなくなる。
尚、第1の制動力とは、前記回転抑制負荷付与手段によ
って、主軸Sを固定状態にして加工を行うための固定用
負荷を付与する第1の負荷状態とするためのものであ
る。第2の制動力とは、前記回転抑制負荷付与手段によ
って、C軸方向に回転割出し・位置決めを行う精度を低
下させない程度の負荷を付与する第2の負荷状態とする
ためのものである。なお、油圧回路は、この実施形態に
限定されることはなく、クランプ部31に供給する圧力
を二段階にして、制動力が第1の負荷状態と第2の負荷
状態にできるものであればよい。
【0015】駆動モータMで駆動される回転駆動軸、回
転伝達機構を介して主軸Sを制御する本発明に係る主軸
駆動装置において、主軸Sに装着したワークにエンドミ
ル等の工具でコンタリング加工等の断続切削を施すと主
軸S側より断続的に切削力による負荷が加わる。このこ
とにより、駆動モータMの制御系が不安定となりハンチ
ング現象を生ずるおそれがある。かかる場合に前記回転
抑制負荷付与手段に前記第2の制動力を付与すると、主
軸Sに位置決め精度を低下させない程度の回転抑制負荷
を付与することになり、駆動モータMの制御系が不安定
となることによって生じるハンチング現象を生じないよ
うにすることができる。例えば、前記第2の制動力を前
記第1の制動力の1%から20%程度に抑えると、C軸
機能による主軸Sの軸線周りの方向の回転割出し・位置
決めを行う精度の低下を招かず好適であった。尚、前記
した負荷制御手段は、制御装置のPLC(プログラマブ
ルコントローラ)により制御される。また、この制御装
置の主軸モータ制御部が、位置検出手段たるエンコーダ
40の出力、および、前記速度検出手段Mbの出力に基
づいて駆動モータMをフィードバック制御する。また、
後述するギヤシフト手段16はPLCを介して制御され
る。
【0016】[回転伝達機構の説明]主軸台1には、回
転駆動軸2と主軸Sとのあいだに、回転駆動軸2の回転
力を主軸Sに伝達する回転伝達機構が内蔵されている。
本実施形態においては、回転駆動軸2と主軸Sとのあい
だに、中間軸3及び中間歯車部9が形成されている。回
転駆動軸2は、主軸Sと平行に配置された状態で軸受
4,5によって主軸台1に回転自在に支持されている。
駆動モータMの出力軸Maと回転駆動軸2とは、締結手
段2aによって締結固定されている。回転駆動軸2には
駆動歯車8がキーおよびナットによって一体に固定され
ている。また、駆動歯車8は回転駆動軸2に一体に形成
されていてもよい。駆動歯車8の一部には、全周にわた
って歯を部分的に切落した切欠小径部8cが形成されて
いて、第2中間歯車11と噛み合うことのできる歯幅が
細幅に形成された一側歯部8aと、第2中間歯車11お
よびバックラッシの除去用歯車12の双方と噛み合うこ
とのできる歯幅が広幅に形成された他側歯部8bとに分
けられている。
【0017】中間軸3は、主軸Sおよび回転駆動軸2に
平行に配置され、軸受6,7によって主軸台1に回転自
在に支持されており、駆動モータMから回転駆動軸2,
駆動歯車8,第2中間歯車11を介して回転力が伝達さ
れる。さらに、中間歯車部9と中間軸3とはスプライン
結合しており、中間軸3の軸線方向に進退自在な中間歯
車部9を形成する。この中間歯車部9は図2で示すギヤ
シフト手段16(図2参照)によって進退移動する。こ
のギヤシフト手段16は、第2中間歯車11aに形成さ
れた係合溝11eと係合して、第2中間歯車11を進退
移動させるシフタ、シフトを進退移動させるシフタ用シ
リンダ、シフタが固定されるとともに進退移動自在に設
けられるシフト軸等よりなる。
【0018】中間歯車部9には、主軸Sの大径歯車24
と噛み合う第1中間歯車10、第1中間歯車10よりも
大径の第2中間歯車11が、キー、止め輪等で一体に構
成されている。さらに第2中間歯車11の一側に後述す
る除去用歯車12を形成する。中間歯車部9がギヤシフ
ト手段16によって他側位置(図1中Bの位置)にある
ときには、第2中間歯車11、除去用歯車12が、小径
歯車25、他側歯部8bの両方に噛み合い、バックラッ
シのない状態で歯車列が構成される。中間位置(図1中
Aの位置)にあるときには、第2中間歯車11のみが、
回転駆動軸2の駆動歯車8の他側歯部8bと噛み合うと
ともに、主軸Sの小径歯車25と噛み合う。すなわち、
除去用歯車12は、切欠小径部8cの位置に移動してお
り、何とも噛み合っていない。従って、他側歯部8bと
第2中間歯車11のあいだ、第2中間歯車11と小径歯
車25とのあいだには、所定のバックラッシが付与され
ている。ギヤシフト手段16によって中間歯車部9が一
側位置(図1中Cの位置)に移動した時には、第2中間
歯車11が小径歯車25から解除され、第1中間歯車1
0が大径歯車24と噛み合い、第2中間歯車11が、一
側歯部8aと噛み合う。この場合にも、一側歯部8aと
第1中間歯車10のあいだ、第1中間歯車10と大径歯
車24とのあいだには、所定のバックラッシが付与され
ている。
【0019】[バックラッシ除去手段の説明]C軸機能
により主軸Sの正確な回転割出し・位置決めを行う際に
は、バックラッシを除去する必要がある。そのため、本
実施形態においては、第2中間歯車11と同一形状の除
去用歯車12を、第2中間歯車11と所定の関係を有し
た状態で設ける。つまり、第2中間歯車11と除去用歯
車12とは、互いに歯の山部の位相がずれた状態で中間
歯車部9に並列に形成され、さらに除去用歯車12は第
2中間歯車11に対して所定量バックラッシを除去する
方向に常時付勢されている。すなわち、第2中間歯車1
1と除去用歯車12は、他側歯部8b、小径歯車25と
噛み合う時、付勢力に抗して除去用歯車12が、歯の山
部の位相をずらして噛み合い、バックラッシを除去す
る。したがって除去用歯車12は、第2中間歯車11と
ともに駆動歯車8の他側歯部8bおよび小径歯車25と
噛み合ったときにバックラッシを除去する作用をする。
【0020】上記態様により駆動モータMの駆動力は、
中間歯車部9が中間軸3の一側位置Cにあるときには、
回転駆動軸2,駆動歯車8の一側歯部8a,第2中間歯
車11,中間軸3,第1中間歯車10,大径歯車24を
経て主軸Sに伝達される。中間歯車部9を中間位置Aに
移動させると、第2中間歯車11のみが駆動歯車8の他
側歯部8bおよび小径歯車25に噛み合い、除去用歯車
12は駆動歯車8の切欠小径部8cに位置するため、回
転駆動軸2,駆動歯車8の他側歯部8b,第2中間歯車
11,小径歯車25を経て主軸Sに伝達される。すなわ
ち、一側位置C,中間位置Aで旋削加工時の回転数に応
じて高速回転領域,低速回転領域で主軸Sが回転駆動さ
れる。また、中間歯車部9が中間軸3の他側位置Bにあ
るときには、回転駆動軸2,駆動歯車8の他側歯部8
b,第2中間歯車11,除去用歯車12,小径歯車25
を経て主軸Sに伝達され、C軸の回転角度の割出し制御
が行なわれる。つまり、前記の高速または低速の所定の
各回転領域が選択可能であり、さらに、一側位置Cおよ
び中間位置Aに中間歯車部9がある場合の伝達系列(バ
ックラッシが付与された第1の歯車伝達系列)と他側位
置Bに中間歯車部9がある場合の伝達系列(バックラッ
シを除去した第2の歯車伝達系列)とが、選択的に切り
換え可能となる。
【0021】[作用の説明]次に上記構成の本発明の主
軸駆動装置の作用を図2に基づいて説明する。主軸Sを
旋削回転速度で回転させて主軸Sに装着したワークの旋
削加工を行う場合には、制御装置によりギヤシフト手段
16を駆動して、中間歯車部9を一側位置Cまたは中間
位置Aに移動させる。これにより、駆動モータMと主軸
Sとの間に高速または低速の各回転領域の駆動伝達経路
が形成される。従って駆動モータMが駆動すると、その
出力軸Maの回転は、各駆動伝達経路を経て主軸Sに伝
達される。
【0022】また、C軸機能を使用した主軸Sの軸線の
周り方向の回転角度の割出し・位置決めには、制御装置
によりギヤシフト手段16を駆動して、中間歯車部9を
他側位置Bに移動させる。すると第2中間歯車11と除
去用歯車12が駆動歯車8の他側歯車8bおよび主軸S
の小径歯車25と噛み合い、バックラッシを除去する。
その結果、正確な回転割出し・位置決めが可能となる。
【0023】さらに、主軸Sに切削力等の外力が変動し
て加わる場合、すなわち、主軸Sに断続的な負荷が加わ
るコンタリング加工においてはハンチング現象が発生す
るおそれがある。そこで、制御装置により負荷制御手段
の第1電磁弁52および第2電磁弁53のソレノイドを
ONにし、第2の制動力を回転抑制負荷付与手段にか
け、主軸Sに所定の回転抑制負荷をかける。すると、主
軸S側より加わる断続的な負荷を、駆動モータMと回転
抑制負荷付与手段で受けることになる。すなわち、駆動
モータMに対する負荷が軽減され、ハンチング現象の発
生が防止される。したがって、コンタリング加工等にお
いても精度が良い加工が可能となる。また、主軸SのC
軸方向の割出しに影響を与えるほど、回転抑制負荷付与
手段で制動力を付与していないので、主軸Sの軸線の周
り方向の回転割出し・位置決めを行う精度が低下するこ
ともない。尚、この実施形態では、中間軸3を有した例
で説明を行っているが、中間軸3がなく、主軸Sと回転
駆動軸2だけの構成であってもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、一つの駆動モータで、旋削加工用の連続回転制御
と、C軸割出し制御とを行うことが可能な駆動装置にお
いて、C軸割出し制御を行い加工する場合に、主軸側か
ら加わる外力等駆動モータに対する負荷を軽減して、駆
動モータ制御系のハンチングを防止できるため、旋削機
能、C軸機能ともに安定した切削加工を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旋削工作機械の主軸駆動装置にかか
り、主軸台の拡大断面図である。
【図2】主軸駆動装置を作動するシステムの概略説明図
である。
【図3】回転抑制負荷付与手段の側面図である。
【図4】負荷制御手段である油圧回路の説明図である。
【符号の説明】
S 主軸 M 駆動モータ Ma 出力軸 Mb 速度検出手段 A 中間位置 B 他側位置 C 一側位置 1 主軸台 2 回転駆動軸 3 中間軸 4〜7 軸受 8 駆動歯車 8b 他側歯部 8c 切欠小径部 9 中間歯車部 10 第1中間歯車 11 第2中間歯車 12 除去用歯車 16 ギヤシフト手段 24 大径歯車 25 小径歯車 31 クランプ部 33 取り付け部材 34 ディスク部 40 エンコーダ 51 Pポート低圧減圧弁 52 第1電磁弁 53 第2電磁弁 55 油圧源 56 ドレン回路 57 パイロット口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸台に回転自在に支持される主軸と、 前記主軸台に回転自在に支持されるとともに、前記主軸
    の軸線方向と平行な方向に軸線を有する回転駆動軸と、 この回転駆動軸と前記主軸とのあいだに設けられ、前記
    回転駆動軸の回転力を前記主軸に伝達する回転伝達機構
    と、 前記主軸を連続回転させるために、または、前記主軸を
    前記主軸の軸線の周り方向に割出し動作させるために、
    前記回転駆動軸を回転駆動する駆動モータとを備え、前
    記主軸を所定の回転数で連続回転制御する旋削回転機能
    と、前記主軸の軸線の周り方向に前記主軸の回転角度を
    割出し制御するC軸機能とを、一つの前記駆動モータで
    駆動制御を行うC軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆
    動装置において、 前記主軸と前記主軸台とのあいだに設けられ、前記C軸
    機能を使用する際、前記主軸に回転抑制負荷を付与する
    回転抑制負荷付与手段と、 この回転抑制負荷付与手段を、前記主軸を割出し位置で
    固定する第1の負荷を付与する第1の負荷状態と、前記
    第1の負荷より小さい第2の負荷を付与する第2の負荷
    状態とに制御する負荷制御手段と、 前記駆動モータおよび前記負荷制御手段を制御する制御
    手段とを備え、 前記C軸機能で前記主軸の回転角度を割出し制御しなが
    ら加工する際に、前記主軸側より加わる外力の変動によ
    って前記主軸の割出し不良を生じないようにしたことを
    特徴とするC軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆動装
    置。
  2. 【請求項2】 前記回転伝達機構は、 前記旋削回転機能用のために所定のバックラッシが付与
    された第1の歯車伝達系列と、前記C軸機能用のために
    バックラッシを除去した第2の歯車伝達系列とを備え、
    選択的に切り換え可能な機構であることを特徴とする請
    求項1に記載のC軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆
    動装置。
  3. 【請求項3】 前記主軸に前記主軸の軸線の周り方向の
    位置を検出する位置検出手段を設け、 前記駆動モータに前記駆動モータの回転速度を検出する
    速度検出手段を設け、 前記制御手段は、前記位置検出手段の出力、および、前
    記速度検出手段の出力に基づいて、前記駆動モータを制
    御するものであることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のC軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 前記回転抑制負荷付与手段はディスクブ
    レーキであり、前記負荷制御手段はこのディスクブレー
    キのシリンダのシリンダ部に供給される圧力流体の圧力
    を変化させるものであることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれか一つに記載のC軸機能を有する旋
    削工作機械の主軸駆動装置。
JP24905497A 1997-09-12 1997-09-12 C軸機能を有する旋削工作機械の主軸駆動装置 Pending JPH1190756A (ja)

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